本稿は、いつもの「インチキ論考」です。東洋経済オンラインに先週、自称元徴用工問題を巡り、日本に対して「韓国への譲歩」を要求する記事が掲載されていました。不法行為をしている側に譲歩しろというのはメチャクチャな話です。ただ、ここでふと気づいたのですが、この手の主張、ロシアによる不当な侵略戦争を受けているウクライナに対し、「とにかくさっさとロシアと停戦しろ」と要求しているのと同じではないでしょうか。
目次
東洋経済の論考
東洋経済オンラインを眺めていたら、10月14日付で、こんな記事が掲載されているのを発見しました。
日韓”急接近”でも「徴用工問題」が解決しない真因/韓国側は岸田首相の「お返し」に注目している
―――2022/10/14 05:40付 東洋経済オンラインより
執筆したのはスタンフォード大学講師で同大学ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)研究副主幹を務めているダニエル・スナイダー氏です。
ごくおおざっぱに言えば、北朝鮮のミサイル問題などへの脅威が高まるなか、日本も韓国に対し歩み寄り、「徴用工問題」の解決で協力すべきだ、とするものです。
この東洋経済オンラインの記事に着想を得て、こんな「インチキ論考」が生まれましたので紹介しておきます。執筆者は「旧宿会計士」なる怪しげな者です。
ウクライナ問題解決にはウクライナの譲歩が必要だ
ウクライナ戦争は西側諸国にも影響を与えている
今年2月24日にロシアがウクライナに軍事侵攻して始まったウクライナ危機は、私たち西側諸国の市民にとってはまさに青天の霹靂(へきれき)のようなものである。
ロシアによる侵攻が国際法違反であることはいうまでもないが、それと同時にウクライナがロシアに対し頑強な抵抗を続けていることで、戦争が長引いていることも事実だ。
そして、ウクライナが長期間抵抗すればするほど、意外なところにも影響が生じてくる。それが、資源やエネルギー価格の高騰だ。
たとえば、欧州においてはもともとエネルギーのロシアに対する依存度が高く、また、脱原発などの流れは欧州から見てロシアの存在を死活的に重要なものにしているが、それだけではない。世界の穀倉地帯であるウクライナからの穀物類の輸出が滞れば、世界の食糧サプライチェーンにも深刻な打撃が生じるだろう。
また、日本においては東日本大震災以降、主要な原発が軒並み操業を停止し、発電量に占める原発の割合は激減した。再生可能エネルギーの分野は将来的な伸びが期待されてはいるが、依然としてかつての原発を代替するエネルギー源にはなっていない。
こうしたなか、「ポスト原発」時代のエネルギー源を担ってきたのは、LNGを含めた鉱物性燃料だ。
広島ガスのように、ロシアの「サハリンⅡ」プロジェクトなどに対する依存度が高いガス会社もあるが、ロシア産以外の鉱物性燃料についても、日本にとっては死活的に重要である。
このあたり、一部では「原発の再稼働・新増設」などを主張する者もいるようだが、わが国においてせっかく脱原発の流れが定着しつつあるにも関わらず、こうした流れに水を差すのはいただけない。したがって、ウクライナ戦争を何とか終戦に持っていくのは、私たち日本の利益にもなるのである。
ロシアの努力を正当に評価すべき
こうしたなか、ロシアとウクライナの停戦に向けたウラジミル・プーチン大統領の努力は、ロシア国内では広く支持を集めているが、それだけではない。欧州でも少なくない人々が、ウクライナの抵抗に批判的な見方をする人が大きく増えていると聞く。
とはいえ、エネルギー安全保障は依然として、ウクライナ戦争問題の解決にかかっている。
目下の注目は、「停戦問題」だろう。すでにロシアはクリミア半島を併合したとして、ウクライナ戦争以前から西側諸国からの制裁を受けているが、これに加えて9月にはウクライナの4州の併合を宣言した。こうしたなか、停戦に向けた試みはいまだに行き詰っており、両国の対決も深まっている。
ウクライナ当局は公式には、ロシアがヘルソンなどの占領問題の解決に向けて具体的な提案をするのを待っていると主張し続けている。しかし、この問題に携わる複数のロシア当局者や関係者によると、提案はすでに出され、両国の外務省の局長レベルで活発に議論されているという。
やはり、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、プーチン大統領との会談に応じるべきだ。ロシアからの提案は、ウクライナがクリミア半島と4州のロシアへの併合を認め、ウクライナがNATOに加盟しないと確約することと引き換えに戦闘を直ちに中止するものである。
ゼレンスキー大統領のかたくなな態度にも問題がある
もちろん、この提案をウクライナ側や西側諸国が認めた場合は、西側諸国の「力による現状変更は許さない」という国際法の原理・原則からは逸脱することになりかねない、といった主張が提起されていることも事実だ。現時点では、この交渉に関与しているウクライナの当局者は、この解決策を排除していない。
こうした中、ロシア当局者が懸念しているのは、この機を捉えようという意識がゼレンスキー大統領とそのブレーン側に欠けているように見えることである。ロシア政府が国内で(間違いなく革新派からの激しい攻撃を受けるであろう)この提案を売り込むためには、ウクライナが一歩踏み出すことが不可欠だからだ。
「領土自体が問題なのではない」と、前出のロシア政府高官は言う。「むしろ、プライドと感情の問題だ。しかし、ウクライナ政府は問題解決に向けた取引への合意を渋っているようだ」。
ウクライナ側は、ロシアのクリミア半島や4州の併合が国際法違反であるとの立場を変えておらず、いかなる形でもそれを蒸し返すことには乗り気ではない。
合意に向けた最大の障害となっているのは、両国の国内政治である。
「プーチン大統領とゼレンスキーの政治基盤の弱さが、このプロセスに影響を与える要因となっている」と指摘するのは、最も影響力のあるロシアのウクライナ研究者であり、プーチン政権のブレーンでもある●●●教授だ。
ロシアの野党はこの解決策に反対の構えを見せているが、この解決策を支持する同党の幹部らを含む超党派グループを作ることも提案されており、プーチン大統領に対しこのアプローチを取るよう公に求めている。
しかし、同様に重要なのが、ゼレンスキー大統領が何らかのジェスチャーを示すことだ。そうすれば、ロシアで国民の幅広い支持を得られるかもしれない。ウクライナ側は国際法に過度にこだわる立場を乗り越える必要があると、米国のロシア専門家であるスナイダー氏も主張する。
ウクライナは「お返しのジェスチャー」を必要としている!
「ロシア側は、交渉を持続的なものにするために、ウクライナ側からの何らかの”お返しのジェスチャー”を必要としている」。
残念ながら、ゼレンスキー大統領は依然として、ロシアに対する根深い不信感を持った国内政治勢力ににとらわれている。さらに事態を悪化させているのは、ゼレンスキー大統領の政治基盤の弱さである。
実行可能な妥協案が欠如しているのではなく、国内政治こそが、日韓の正常な関係の回復に向かう狭い道をふさぐ真の障害となっているのだ。
執筆者 旧宿会計士
読後感
…。
なに?
「ウクライナ侵略戦争はロシアによる一方的な国際法違反だから、ウクライナに対し『ロシアへ譲歩せよ』と主張するのはおかしい」、ですって?
いえいえ。
東洋経済オンラインのスナイダー氏の寄稿記事は、日本に対してそれとまったく同じことを要求しているものなのです。
日本に対し、たとえば自称元徴用工問題などで「韓国に歩み寄れ」と要求するのは、ウクライナに対して「戦争で資源価格が高騰し、日本も欧州も困っているから、領土奪還をあきらめて、さっさとロシアに降伏しろ」、と要求しているのと、本質的にはまったく同じことです。
くどいようですが、純粋に国際法違反を犯しているのはロシアであり、今回のウクライナ戦争、ロシアの側に全面的な過失があります。したがって、今回の戦争も、ロシアの全面的な敗北以外の解決策はあってはならないものですし、ロシアを敗北させるために、私たち西側諸国は一致団結しなければならないのです。
ところが、話が日韓関係となると、とたんに「韓国の国際法違反を容認せよ」、という主張が出てくるのは、不可解であり不可思議です。当たり前の話ですが、日韓諸懸案も「一方的な言いがかりと国際法違反」という意味では、ロシアによるウクライナ戦争と、性質はまったく同じです。
したがって、国際法に基づく秩序、自由・民主主義、法の支配といった基本的価値を信奉しているはずの米国で、「日本が韓国に対して譲歩せよ」式の「解決策」が跳梁跋扈しているのは、極めて理不尽です。日本はこうした理不尽な主張に毅然と反論していかねばならないことは言うまでもないでしょう。
というよりも、昨日の『対韓譲歩は無駄!鈴置氏「日本に韓国を動かす力なし」』でも取り上げたとおり、日本が韓国に対し譲歩したところで意味はありません。韓国は米国の圧力と中国の恫喝で動く国だからです。
鈴置氏が「対韓譲歩論者」を完璧に論破してしまう「日米韓3ヵ国連携のためには日本が韓国に譲歩しなければならない」。こんな主張をよく耳にしますが、この主張は完全に誤っています。日本が韓国に譲歩していないにも関わらず、(おそらくは米国の圧力で)日米韓3ヵ国訓練が実現したからです。韓国観察者の鈴置高史氏は、「日本に韓国を動かす力はない」としたうえで、「日本が譲歩すれば韓国を動かせるとの考えは極めて傲慢」、「なぜか、ここが分かっていない専門家が多い」と指摘するのです。韓国の対日不法行為二重の不法行為当... 対韓譲歩は無駄!鈴置氏「日本に韓国を動かす力なし」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
また、読者の皆様にもお願いしたいのですが、とくに該当する次の鈴置論考については、ぜひ折に触れ、周りの人たちにも「一読願いたい」と宣伝に協力してくださると幸いです。
日米韓共同訓練で韓国の国論は真っ二つに… 迷走の本質は「恐中病」
韓国が「親日か従北か」で迷走する。日米との3カ国共同軍事訓練を左派が「日本の再侵略を誘う」と批判。すると保守は「北朝鮮の核ミサイル開発を座視するのか」と反撃した。韓国観察者の鈴置高史氏は「反日騒ぎの本質は中国への恐怖感」と見切る。<<…続きを読む>>
―――2022年10月20日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
なお、今回の「インチキ論考」はスナイダー氏のオリジナル記事にあった表現をあちらこちらから流用しているため、いろいろと表現がおかしかったり、事実誤認が紛れていたりしますが、本稿の目的はスナイダー氏の議論自体を茶化すのが目的ですので、このあたりについてはご容赦ください。
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欧米での論調を見ると,国毎の差異はあるにせよ,日本ほどはウクライナを支持していないように見えます。まず,アメリカ議会ですが,際限のないウクライナへの武器供与に嫌気がさしてきて,近々起きる可能性が高い中国との戦いのための十分な武器を国内に温存しておくべくだ,という意見を持つ議員が増えているようです。一言で言うと,ロシアはもう十分弱らせたから,もっと強敵である中国のほうに集中せよ,という意見です。日本も,このことは肝に銘じておく必用があります。
ドイツも寒くなるにつれて,早急な停戦を望む声が再び高まっているように感じます。ロシアとウクライナの国境線の位置についてこだわる世論はあまりないのではないでしょうか。
イギリスも,以前は高見の見物だったのですが,トラス氏の失政もあって,ウクライナ戦争の被害が自国にも及ぶようになってきて,ロシアを弱らせることより,自国の経済や生活を優先して早く停戦してほしい,という世論が強くなっているようです。日本だけは,遠い異国の地の出来事なので「ウクライナ=正義,ロシア=悪」という水戸黄門的な見方がマスコミでも主流で,それに反する海外記事は自主的にシャットアウトしているようです。そもそも,ウクライナ国民自身も厭戦気分が強くなってきて,領土を割譲しても早く停戦したい,という意見も強くなっているようです。
英国の混乱に関してはトラス首相の失敗ではなくて、英国を牛耳る金融界が反乱を起こして政権転覆を図っているという見方があります。目的は BREXIT の無効化です。
先制パンチのようなものを繰り出したことに対して強く反発している勢力があるのではと当方は感じてきましたが、及川氏の Youtube 投稿を視てああやっぱりそうなのかと意を強くしました。当方は(もちろん)陰謀論は大スキです。
確かに旧新宿会計士さんとスナイダーさんは論理破綻の部分がよく似ていますよね。
ところで現実を見ると、アメリカはロシアに対しては、旧新宿会計士案など許さない。一方、日本に対するスナイダー案は、許されるかも知れません。と言うか、問題はアメリカと韓国の関係であって、アメリカにとって日本と韓国の関係などでもいいのです。もし、アメリカと韓国の関係に益するのならアメリカとしてはスナイダー案もありだと思います。だって、竹島を見てくださいよ。サンフランシスコの売春婦像を見てくださいよ。アメリカは日本の肩をもつことなど一切ありません。
私は、日本をまさに飼い犬のように扱うアメリカの姿勢には賛同できません。
でもまあ、アメリカの日本に対する態度は、当然と言えば当然だと思います。中国には技術も土地もとられ放題。ロシアにはスパイされ放題。韓国には違法な言いがかりをつけられ放題。
でも、そんな状態をなんとかしたいという思いが全くない。憲法改正だってスパイ防止法だって、何十年たっても俎上にすら上がらない。これ、国家としての意思がまったく無いに等しいことです。こんな国、アメリカがまともに取り合わないのはあたりまえだと思います。
私はこんな日本を見ていると、韓国のアホなことなど論じるのが空しくなります。
大いに同感です。防衛予算の増加について 海保の予算を含めて取り繕うなど 韓国の対中国の「三不の誓い」と同じ匂いを感じます。まさか岸田内閣は同様の密約でもしているのではと大いに不信感を感じてしまいます。
旧宿会計士様
最後に「日韓」と書いてるのはご愛敬として、すばらしい論説に感服したのです♪
ちいさなこだわりを捨てて、隣国同士仲良くすることこそが大切ですよね♪
(。’-')(。,_,)ウンウン!
ひるがって日韓関係をみると、日本の岸田総理は先日韓国からの旅行者受け入れを解禁したのです♪
政治基盤の弱い岸田総理としては、新型コロナが未だ撲滅されておらず反対するものも多い中での英断だったと思うのです♪
ユン大統領は、この機を逃すべきではないと思うのです♪
岸田総理の差し出した手をとり日韓のわだかまりを解く時だと思うのです♪
そのための第一歩として、自称さん問題を解決するのはどうでしょう♪
韓国内では「如何に不当であっても司法の下した判決を覆すことはできない」という意見もあります♪
しかし、一方で、長引くノージャパン運動に対する嫌気が出てきているのも事実です♪
小さな正義に拘泥するあまり、大きな利益を逃すことは許されないと思います♪
いまこそユン大統領の意思と行動が求められているんだと思うのです♪
ご静聴ありがとでしたm(__)m
今回の戦争で私が望むのはロシアが疲弊して、国力が徹底的に弱まること。
そのシナリオに沿って進んでるように見える。
本記事は日韓ネタですけどロシアネタを。ムネオ日記です。(スポニチで知りました)
旧宿さんと似たようなことを言っています。
https://ameblo.jp/muneo-suzuki/entry-12770202137.html
野球ではアメリカ人選手と五分に、いやそれ以上に頑張っている日本人選手達である。政治家も特に政府は、アメリカ五分に渡り合う胆力を持つべきである。
ウクライナはアメリカに、また、NATOに武器をくれとお願いしておきながら、一方でイランへ抗議するこの姿勢はなんなのか。
「自分達も欧米からの武器支援は断る。だからイランもロシアに協力しないでほしい」と言うならわかるが、なんとも自分に都合の良い話ではないか。このことにメディアも政治家も反応しないことに驚く次第だ。
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野球は参加者すべてがルールに則ったフェアプレイ。土俵の上の話。前提も結果も「五分」。
ロシアの侵攻は度重なる国際法違反の産物でフェアプレイ以前のもの。土俵がぶっ壊れてる。前提が「五分」じゃない。
なぜ同列に並べる?(笑)
鈴木宗男氏のものいいは、公平に扱っていないと筋違いな主張を繰り返す万年日陰者の典型の可能性があります。そのような補助線をもって仮定してみれば、なぜ彼がロシアに入れ込むのか容易に想像がつくというものです。
元ジェネラリスト様
野球に例えるなら、まずは「お互い9人チームにしましょう♪」って呼びかけるべきなんじゃないかな?
バットやグローブの性能も大切だけど、2人対9人じゃ試合にならないと思うのです♪
コメント失礼します。
露の侵略=虐殺凌辱強奪を正当化するなら…復古でしょうか。19世紀の価値観に戻そう!みたいな。
歴史を観れば解る様にあの頃はいきなり植民地支配(搾取につぐ搾取)する為に戦争仕掛けても良かった時代ですので。宗教戦争(異教徒殲滅)はキリが無いから止めときますか位の時代。但しタスマニア人とか一方的に殺戮出来る時は別ですが。力こそパワー(権力)!
朝鮮に限らず、他国に施し阿った方が日本国の生存と発展に寄与するならどんどんやれば良いです。ならないなら一切してはいけません。それだけです。
反統一カルト(統一教会潰せれば後はどうでもいい)もですが、自分達の主張が受け入れられた後の事をちゃんと考えて欲しいものです。君達にも適用される事も考慮しないと。「同じ人間」なのだから。
「艱難汝を玉にす」は至言ですね。
世界が手を結びロシア由来のエネルギー抜きで、今冬を乗り越えればこそ、ウクライナに本当の春が来るというものです。
ロシアに今冬での糸冬(ツイ)を!
日本は、ウクライナが勝てば目出度し目出度しではなくて、プーチン政権の崩壊を想定した対策を検討しておく必要があると思っています。
プーチン後に反中国政権が出来て、膠着状態が続くロシアとの関係を改善することができれば良いのですが。
少し気が早いのかもしれませんが。
プーチン後は、より強硬なスラブ派政権が出来るという予想もありますが。
西側諸国も今が踏ん張りどころなのかもしれません。
支援に関しては、日本は今のところ軍事支援はできませんので、ポーランドなどに逃れているウクライナ人や、ウクライナ国内での生活者支援にもっと力を入れるべきではないかと思います。
でないと、遠い国とはいえ現状日本の存在感が全くありません。
このままでは、戦後は復興支援の請求書が回ってくるだけで、発言力は全くないという状態に陥りかねないと思います。
>ところが、話が日韓関係となると、とたんに「韓国の国際法違反を容認せよ」、という主張が出てくるのは、不可解であり不可思議です。
別に不可解でも不思議でもありません.
スナイダー氏は恐らくスタンフォード大というアメリカの大学に勤務している(そして恐らくはアメリカの政府機関から研究費を得ている)だけでなく,国籍もアメリカつまりアメリカ人でしょう.
アメリカ人ならばアメリカの国益を最優先に考えるのは当たり前であり,アメリカの極東戦略にとって日韓が上手くやっていてくれるほうがベターだからです.
つまり,アメリカの国益を増大するには日韓に仲直りさせる必要があり,それには譲歩させやういほうを譲歩させるのが手っ取り早いからです.
アメリカにおける極東外交の専門家の多くが「現状の日韓対立状態を改善するには日本が譲歩すべきだ」と発言するのは至極当然です.従来の日本は韓国のようにアメリカに対して「相手を譲歩させないとお前の言うことも聞かないぞ」と反発したりしなかったからです.
アメリカの極東外交専門家に馬鹿なこと(日本への譲歩要求)を言わせたくないのならば,まず日本がアメリカに対して「韓国が悪いのだから韓国を折れさせろ.さもなければ日本はアメリカの従順な同盟国であり続けられないぞ.日本と韓国とどちらがアメリカにとって本当に重要かをちゃんと考えて選択しろ」と反発することは不可欠です.少なくとも日本に理があるケースではね.
韓国は自分に理がなく日本のほうに理がある時でさえ厚かましくアメリカに「日本を折れさせろ.俺は絶対に折れないからな!」と要求し続け,その結果として日本に譲歩を強要するしか仕方のない状況にアメリカ政府を追い込むのに繰り返し成功して来た(そして日本は嫌々ながらも仕方なく韓国に譲歩して来た)からこそ,アメリカの極東専門家の殆どが「韓国よりも日本のほうがずっと簡単に譲歩させられるから日本に圧力をかける提案を繰り返せば良い」と条件付けされてしまったのです.だから現在の日韓対立に際しても正しいのがどちらかの検討を無視して条件反射のように「日本が譲歩すべきだ」論をスタイナー氏らは発言するのですよ.
悪いのはスタイナー氏ら筋論を無視して「日本は譲歩すべきだ」論を延々と吐き続けるアメリカの極東専門家たちではなく,日本自身なのですよ.
失礼,次の記事へのコメントを間違ってこちらのコメント欄に投稿してしまっていました.
(こちらを見た時点で上がっている新規記事の全てを各々1つのタブとしてまとめて開いているのですが,本来の記事のタブでなく隣のタブのコメント欄に投稿してしまったのです)
お手数をお掛けして恐縮ですが,削除して頂ければ幸いです.
いつもインチキ論考を見ると美しい文章だなあとしみじみ思います。