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ネットで続く「国葬反対デモ参加者数検証」という動き

安倍総理国葬儀から本日で1週間が経過します。こうしたなか、国葬儀を巡ってはテレビ朝日の醜態などもさることながら、国葬儀への反対デモの人数が本当に1.5万人だったのかを検証しようとする動きも生じているようです。そして、こうした動きから垣間見えるのは、新聞、テレビを中心とするオールドメディアの急速かつ不可逆的な衰退と社会的影響力の喪失です。

メディアにも「情報版PL法」制定を

昨日の『新聞・テレビの虚報に対しては「情報版PL法」が必要』では、通常の動産であれば、いわゆる「PL法」に基づき、製造物に製造者の責任が課せられているではないか、とする当ウェブサイトなりの主張を掲載しました。

「挙証責任の転換」という概念があります。これは製造物責任法(PL法)などに出てくる考え方で、一般消費者が損害賠償を求めたときは、製造者自身が「過失がなかったこと」などを証明できなければ免責されない、というものです。本来ならば、このPL法の考え方を適用しなければならない業態は、ほかにもあります。記者クラブ制度などの特権を持つマスメディア業界(とくに新聞社とテレビ局)こそ、その典型例ではないでしょうか。PL法『製造物責任法』という法律があります。これは「PL法」とも呼ばれ、製造物の欠陥によって人...
新聞・テレビの虚報に対しては「情報版PL法」が必要 - 新宿会計士の政治経済評論

PL法とは「製造物責任法」の略で、この法律では「挙証責任」の転換が図られ、欠陥のある製造物で損害を与えた場合には、その「製造者等」は自身に過失がなかったことを証明しない限りは、損害賠償責任を負う、というものです。

この点、報道などの情報も、それを受け取る読者、視聴者という「消費者」が存在するわけですから、本来ならば、「製造物」と経済的には何ら違いはないはずです。それなのに、報道は「動産」ではなく「無体物」であるという理由で、製造者責任を追及することができないというのは、本来ならばおかしな話ではないでしょうか。

ただ、『「報道機関はファクトチェック対象外」は妥当なのか?』でも取り上げたとおり、既存メディア出身者が関与している「ファクトチェック」に関する団体が、じつは最初から報道機関を対象外にしてしまっているというあたりでも、オールドメディアがチェックを嫌っているということは、何となくうかがえます。

メディア出身者が主体となって設立されるらしいファクトチェックのための主体を巡って、報道機関(メディア)をファクトチェックの対象から外すらしい、という記事がありました。もしこの情報が事実なら、これは非常におかしな話です。これについてはそもそもネット空間でSNSが発達した要因のひとつが「メディアが発信した情報のファクトチェック」だったという側面があるからです。メディアの闇日本では法的な権力者は選挙で選ばれる日本は自由・民主主義国です。そして、この「自由・民主主義国」の意味は、日本という国家におけ...
「報道機関はファクトチェック対象外」は妥当なのか? - 新宿会計士の政治経済評論

これに加え、『虚偽の報道を「勘違い」で済ませようとするテレビ朝日』でも取り上げましたが、明らかに誤った報道を堂々と垂れ流した挙句、その発言を行った本人が「座ったままで謝罪」し、社としても「本人の勘違いでした」で済ませるという態度、通常のメーカーなどではちょっと考えられない行動でもあります。

テレビ朝日の番組でコメンテーターが安倍総理の国葬儀における菅総理の弔事に「電通が関与している」とする趣旨の発言を行い、翌日謝罪した、という一件がありました。これに関して当日の映像や関連する報道などを見てみると、さらに理解に苦しみます。結局のところ、テレビ業界はこれまで情報発信を独占するという特権的地位にあったがために、彼らの行動は一般社会通念から大きくかけ離れてしまっているのかもしれません。「ごめんなさい」で済む問題ではない9月27日に行われた故・安倍晋三総理大臣の国葬儀における菅義偉総理の弔...
虚偽の報道を「勘違い」で済ませようとするテレビ朝日 - 新宿会計士の政治経済評論

オールドメディア業界の腐敗は、私たち一般人から見れば理解の範疇を越えたところにまで進んでいるのかもしれません。

国葬儀での一般献花者数

さて、こうしたなかで思い出しておきたいのが、オールドメディアがさんざん、「反対」の論陣を張った、故・安倍晋三総理大臣の国葬儀です。この国葬儀は1週間前の先月27日、無事、しめやかに営まれ、友人代表として菅義偉総理が読んだ弔事には、多くの人が心打たれたことは間違いないでしょう。

さて、ここで改めて取り上げておきたい論点が、「一般献花列」に並んだ人数です。これについては磯崎仁彦内閣官房副長官が先月28日午前の記者会見で、一般の献花が25,889人だったと発表しました。

これに対し、安倍総理の献花台を訪れようとした人が、少なく見積もっても33,333人以上に達していたのではないか、とする当ウェブサイトの当初の試算については、『列の長さで試算「国葬儀の一般献花は33,333人」』などでも取り上げたとおりです。

著者自身は昨日、安倍総理の一般献花台に続く行列を見るために、午後2時半ごろ、四ツ谷駅まで出かけました。プライバシーなどに配慮して撮影した写真などをもとに推計すると、1時間あたり3,333人、10時間で33,333人、という試算が出てきました。この試算、一部報道ともおおむね整合しています。一方、反対デモについては「主催者発表で」15,000人だったのだそうですが、果たしてその数値の信憑性はいかに。2022/09/28 13:00追記磯崎仁彦内閣官房副長官は28日午前の記者会見で、昨日の故・安倍晋三総理大臣の国葬儀における参列者数が...
列の長さで試算「国葬儀の一般献花は33,333人」 - 新宿会計士の政治経済評論

したがって、この発表だけを見れば、当ウェブサイトの予測が大きく外れた格好です。というのも当ウェブサイトの予測値が33,333人、政府発表が25,889人ですので、両者には7,444人の乖離があるからです。

ただ、これについてはすでに『テレ朝、安倍総理国葬儀で菅総理弔事を演出と決めつけ』でも提示したとおり、自民党が27日の当日、緊急で献花台を設けたことで、だいたいの説明がつきます。地理的に見て、九段坂公園に向かう列の一部が自民党に向かったとしても不思議はないからです。

当ウェブサイトとしては、27日に行われた安倍総理の国葬儀を巡り、献花台を訪れた一般弔問客数は、やはり3万人超であると判断します。その理由は、自民党本部にも急遽、献花台が設けられていたからです。これについて本稿ではちゃんと検算したうえで、その仮説の現実性を検討します。また、多くの人から称賛の声が上がっていた菅義偉総理の弔事を巡っては、テレビ朝日が盛大に「やらかした」ようです。弔問客数の再検算一般献花の政府発表人数が少なすぎる?最初に、ちょっとした検算です。結論からいえば、やはり安倍総理の国葬儀の...
テレ朝、安倍総理国葬儀で菅総理弔事を演出と決めつけ - 新宿会計士の政治経済評論

この点、ネット上では「まだ献花の列に並んでいる人がいるにも関わらず、献花受付が締め切られて断念した人も多かったのではないか」、などの仮説も出ているようなのですが、この点については著者自身も現場に張り付いていたわけではないので、正直、真相はよくわかりません。

しかし、一般献花台を目指して並んだ人数が3~4万人程度には達していたことは、おそらくは間違いないと思う次第です。

「反対派デモの人数は1.5万人」、本当!?

こうしたなかで、ツイッター上では興味深いツイートもなされていたようです。

ツイートの左側が、警視庁調べで約3.3万人、産経試算で3.24万人(※ただし主催者発表は12万人)だったとされる2015年8月30日の「安保法制反対国会前デモ」の写真。右側が、今回の「国葬反対デモ」(※主催者発表は1.5万人)なのだそうです。

ツイート主様は「これが2015年の半分1.5万人に見えますか?」と問題提起されているのですが、これについてはどう判断すれば良いのでしょうか。

著者自身は、これらの写真が本当に説明通りなのかについては確認していませんが、ツイート主様の発言(や警視庁、産経などの試算)を信頼するならば、「国会前の国葬反対デモの人数が1.5万人」といわれても、やはりなかなか信じがたいところがあります。

いちおう、『FNNプライムオンライン』あたりは、国会前のデモの人数が「数千人規模」だったと述べてはいるので、これを信頼するにしても、やはり「1.5万人」という数値には到底及びません。

【速報】安倍氏「国葬」 都内各所で反対デモ 国会前では数千人規模に

―――2022年9月27日 14:43付 FNNプライムオンラインより

FNNプライムの方の記事で見ると、角度を変えれば奥の方にさらに人がいるのが確認できますので、さすがにこれを「300~500人」、などと申し上げるつもりはありません(※「300~500人」は、少なくとも国会前のデモのことではないと思います)。

ただ、「主催者発表1.5万人」という数値自体が、どうにも信頼し辛いものであることもまた間違いないと思うのです。

オールドメディアの衰退は不可逆的に進む

いずれにせよ、今回の国葬儀は、とくに東京都心部に勤めている方であれば、もしかしたら献花行列を目撃し、あるいは反対デモを目撃した、という方もいらっしゃるかもしれません。また、ツイッターなどのネット上でも、一般の人々が献花列に整然と並んでいる姿は、全国各地で共有されたのではないかと思います。

そのうえで、やはり今回の国葬儀自体、オールドメディアのフィルターを外れ、ネットに直接投稿されている写真や動画などが広く共有されたのに加え、「ノイジー・マイノリティはどこまで行ってもノイジー・マイノリティに過ぎない」という認識が改めて広まる契機となったのではないかと思います。

とくに、オールドメディアが「国葬(儀)反対が多数」、などと繰り返し世論調査結果を報じたにも関わらず、最大規模の国会前デモに参加した人数が、「最大限に盛った主催者発表ベース」でも、献花した人数(公式ベース)を1万人下回ったという事実は見過ごせません。

もちろん、理屈の上では、「賛成派のすべてが献花列に並んだ」、「反対派のすべてがデモに参加した」というわけではありませんが、それでも少なくとも「目に見える」列で確認する限りは、国葬儀反対派よりも一般献花台に並んだ人が多かったことは、現代の日本社会を象徴しています。

ことに、2017年の「もりかけ」報道あたりから、オールドメディアが衰退し、社会的影響力を急激に失いつつあると著者自身は痛感しているのですが、こうした動きはおそらく、今後とも不可逆的に進んでいくことでしょう。

新宿会計士:

View Comments (27)

    • 私もそれは感じます。

      不正を検証するのは困難ですが、設問で誘導しているかどうかの検証なら出来そうです。

      また調査手法への批判も出来るでしょう。真面目な検証もなくSMSを使った世論調査を始めた毎日新聞とか。。そもそもRDD方式で現状統計として有効に作用しているのかとか。。

      報道機関の世論調査は正確性はどうでも良くて、それで記事が書ければいいという代物ですからね。そういう批判が出ないような自律した検証が出来る報道機関(そんなところは日本には無さそう)以外の世論調査なんて信憑性ないと思えばいいのですが。

    • 国葬の賛否の世論調査はまさに世論誘導のためにやってる感がしましたね。最近の岸田政権の支持率の世論調査も会社によってかなり数字に開きがあるのですが、聞き方でだいぶ結果が左右されているように感じてます。

      新宿会計士様が国葬反対デモの写真にリンクが貼ってますが、正にお昼にあの場所(国会正門前)をとおりました。びっしりと人がいるあの一角にしかデモの人はいませんでした。いろんな団体の旗がはためいてました。写真に写ってない道路の反対側(写真の左側)にはデモの人はいなかったので、デモは本当にあの一角だけでした。多くて200人ぐらいでないでしょうか。デモの主催者発表はフェイクそのもの。

      • 統計学学会とかあるのかな? あれば、そこが文句つけるべきだ。

        サンプルベースの調査で「国民の大半が。。」と主張するためにはサンプル数、サンプルの取り方等もっと厳密でなければならないはず。
        でなければ単に「私たちの調査では回答者の %が反対した」としか言えない。

    • 内閣支持率についても言える事ですが、「賛成」と「反対」の二択であることが問題だと思います。多くの世論調査によくある「どちらとも言えない」と言う選択肢がなく、容認派の多くが「反対」にカウントされているとは考えられないでしょうか。結局、「国民の分断」なるものを創っているのは、この世論調査だと思います。

  • 「disinformation(=fakeの言い替え」を追い詰めろ。

    新聞社放送局のみならず、大小月間雑誌、週間雑誌の編集部に潜り込んで、せっせと情報工作にいそしみ、混乱を種を撒き、煽り拡大し、不信を広めることを行動目的のひとつにしている勢力がいるのかも知れませんね。いわゆるダークステートってやつです。国外からおかしな資金が流入しているってことはないですか。放送局とか芸能界とか。

  • 警察発表は最大になった時の人数
    主催者発表は累積人数(いや、まさか、ないだろうとは思いますが)
    と言うのをどこかで読んだ事が有ります。
    カウントの仕方が違うのなら、数値が違うのは当たり前だし、その数値が意味するところも違いますね。

  • まぁ、ノイジーマイノリティの方々がある程度ホントのことを言っていると好意的に考えても、声をかけた対象の母集団が切り上げて表示して1.5万人。
    実際に動員された人はそれに未公表の歩留まりをかけた人数。まぁ半分程度として7500人。
    幾つかの場所に分散して集結したでしょうから、まぁ3箇所として、1箇所あたり2500人。
    年寄りだし滞留時間は1時間程度とすると、全体で10時間のデモであったとすると、断面参加者は250人。
    精々こんな感じではないかと。
    良心的に見積もってもショボいですね。

  • いまだに国葬反対デモ参加者の数がネットで燻っているのは、マスコミ発表の1.5万人という数字がおかしいと感じる人々が多いからでしょう。マスコミは一応主催者側の発表と逃げを打ってはいますが、主催者側の数値が現実と乖離していると感じたら検証する責任がある筈です。 たとえば政府発表の内容を頼まれもしないのに検証しまくって、些細なことでも揚げ足取りする姿勢はどこへいったのでしょう。

    もしマスコミ人が「いや、主催者発表の数字はおかしいとは思わなかった」と言い訳をするなら、そんな鈍感な奴はやめちまえ。広く情報を発信する者としての資格が欠如しています。一応読者からお金を集めて仕事をしているのにも関わらず、本当かどうか分からない情報を右から左に流すSNS並みです。

  • 献花の列に並んでいて、弔砲が響いた時、とても驚いてしまいました。
    最初、何の音かわからなかったので。
    で、後でネットを見たら、弔砲を「音の出る物で同時に騒いで邪魔しよう」、
    という呼びかけがあったようですね。
    少なくとも、これは失敗したもようです。弔砲以外聞こえませんでしたから。
    これも、集まりが数千人規模ではなかった一つの証拠かとも思います。
    反対者全員が鳴り物を持っていたわけではないとしても。
    (数千人規模の大声が結構遠くまで響くのは、サッカーの試合等で知っています。)

  • 国会前に2個師団(陸上自衛隊の規模で)が集結ですか
    糞尿の問題はどう解決したんでしょうかね

  • いわゆるファクトチェックと言われる仕組みの構造的な欠陥が明らかになっただけだと思いますね。

    デモ参加者が15000人というのはおそらくフェイクですが、主催者が15000人と発表したということはファクトです。そういった都合の良いファクトだけを選んで報道するわけですが、そういった報道にファクトチェックは対抗出来ません。

    それでもファクトチェックそのものが活躍するチャンスがネットには溢れているだろう、というのがファクトチェックをやろうとする側の理屈なんでしょうね。まあ言いたいことはわかります。

    ただ、少し知恵があれば、報道機関と同じように、実際誰かが言った発言を抜き出してくるだけでファクトチェックをすり抜けられる、そんなザルなチェックなのですけどね。

    ホント繰り返しですが、事実を確認したければ実際行ってみるしかないってことですね。今回献花に(締め切られた後の夕方ですが)行ってみた結果実感出来たことが全てだと思ってます。

    まあ、デモとやらがどんなものなのか、暇があったら見に行くのも良いのかなぁ。案外「どんな人たちが煽動してるのか」もすんなり見えてくるでしょうね。

    • ベリング・キャットの活動を否定しているのですか。少々認識不足と思います。

      •  とはいえそのベリングキャットの正しさも、個人には99%まで「信用」しても、100%の「検証」はできないという面はあります。その分は運営姿勢や透明性といった担保もあるのですが。
         朝日OBによるファクトチェック()団体との大きな違いは、ベリングキャットは調査や注意喚起を主とし、朝日のは「認定」に走っているという点でしょうか。ファクトチェックという概念はまだまだ曖昧なようです。後者のファクトチェックは恣意的でザルで使い物にならないと思います。

  •  身も蓋もない事を言ってしまえば、デモが3人だろうが3兆人だろうが、「はいはいそれじゃ改めて選挙の時に投票してね。」で終わってしまうのですが。
     反対の意思を示す、世に訴えるなら、現代ではデモよりもっと他にやりようがある気がします。逆効果すらありますし。
     訴える手段の無い時代の残滓ですが、他に手段が少なかったという理由以上に「賛同者を多く見せるのに発表したもん勝ちで実数の検証が困難」だから広まった手法なのではないですかね。

    • 「こんなにたくさんの人が反対してるんですよ。それでもやるんですか」

      これがメディアの常套句。
      60年安保の時も、安倍首相の安保法制の時も、国葬の時も。
      日本は議会制民主主義。文句があるなら議会で多数とればいいんだよ。

  • 毎度、ばかばかしいお話しを。
    国葬反対デモの参加人数を数えて発表することは、オールドメディアの既得権侵害という罪である。オールドメディアのオジサン社員も、そう言っている。(社内でネット検索して、「ネットでは、こんな出鱈目があるという番組をつくるかもしれません。高齢者から視聴率がとれるでしょう)
    これって、笑い話ですよね。

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