X
    Categories: 金融

今鹿(なうしか)癒(ほいみ):難読名「傾向と対策」

この世には、「難読ネーム」、「キラキラネーム」などと呼ばれるお名前が存在します。これについては当ウェブサイトでも以前から不定期に取り上げてきたのですが、何らかの法則性があるのかどうかについては引き続きの研究課題です。本稿ではその「中間報告」として、さまざまなお名前の傾向と対策をまとめておきます。

金融専門サイト、ではなく…

当ウェブサイトは「金融などの評論サイト」と標榜していますが、「など」と銘打っている部分では、とくに外交問題や国内政治など、これまでにさまざまな論点を取り上げてきたつもりです。

最近だと例の立憲民主党の「最低でも店外」、あるいは「国民の肥えを聞く大便者」問題(『「最低でも店外」-自身で「見せ場」作った立憲民主党』等参照)が個人的にはツボに嵌っているのですが、それだけではありません。

著者自身、金融評論家であるとともにエクセル評論家・ハンバーガー評論家でもあり、こうした立場からはどうしても触れざるを得ない論点がほかにも多数出現しているのです。

たとえば、ハンバーガー概論的には『金融工学等の立場からコスパで論じるハンバーガー概論』などで取り上げた論点も重要ですし、ほかにも(最近は少しご無沙汰気味ですが)例の「ビアフロ問題」、「美少年勇者問題」などに関してもテーマ性としては大変に重要だと言わざるを得ません。

難読ネーム

もっとも、こうしたさまざまな問題を差し置いて、本稿でどうしても議論しておかねばならないのは、やはり『「輝星(べが)君の改名問題」について考える』や『「光宙=ぴかちゅう」が法務省のお墨付を得てしまう?』などでも取り上げた、「難読ネーム問題」でしょう。

参考:難読ネームの傾向と対策
表記 読み方
輝星 べが
金星 まあず
皇帝 ぷりんす
七音 どれみ
星矢 ぺがさす
光宙 ぴかちゅう
詩羽楊 じばにゃん
あとむ
心太 しんた
今鹿 なうしか
黄熊 ぷう
永久恋愛 えくれあ
夢明 むうみん
紗亜 しゃあ
姫星 きてい
泡姫 ありえる
三二一 みにい
ほいみ
山田太郎 どかべん
小夜 せれな
茄子 かこ

(【出所】著者調べ)

どんな傾向があるのか

この世の中の「難読ネーム」には、たとえば「心太(しんた)」、「海月(みづき)」、「海星(かいせい)」といった、一見すると平易に読める名前も含まれています(けっして「ところてん」「くらげ」「ひとで」と読んではなりませんので要注意)。

また、最近だと人気アニメなどから名前を取って来るという事例も多いようであり、これらのネーミングにもはやりすたりがあるようです。

これについていろいろ調べていくと、俗にいう「キラキラネーム」、すなわち「個性的だが読むのが難解な名前」が増え始めたのは、どうも1990年代半ばごろからだ、という説があります。今から9年前の『女性セブン』の記事によれば、「とある雑誌」がこうした個性的な名前の普及に貢献していた可能性が指摘されています。

キラキラネーム 誕生きっかけは『たまごクラブ』と教育専門家

―――2013.07.07 07:00付 『女性セブン』より

なかなかに興味深いところですね。

ちなみにざっくりした傾向を分類すると、次のような事例があるようです。

豚切り系

「豚切り」とは、「ぶった切る」が転じたネット上の俗称です。たとえば「愛」を「あい」ではなく「あ」、「結」を「ゆい」ではなく「ゆ」、「心」を「こころ」ではなく「ここ」などと読ませる、というケースです。ただし、この「漢字の読みをぶった切る」というのは、日本語ではわりと昔から観測されている事象ではあると考えられます。

意味連想系

意味連想系とは、漢字の持つ意味を読みに転用した事例です。たとえば「月」と書いて「つき」ではなく「るな」、「海」と書いて「うみ」ではなく「まりん」、といった具合でしょう。あるいは2文字以上でも「白山」で「もんぶらん」、「甘露栗」で「まろん」、といったところでしょうか。

ただし、「月」と書いて「らいと」と読むという法則はよくわかりませんが…。

セット系

セット系とは、兄弟が生まれてセットで名付ける事例です。たとえば、三姉妹に対し、上から順に「綾」、「波」、「レイ」という名前を付ける、といった事例や、男女の双子に「心愛(ここあ)」、「卍砲天(ばんほうてん)」と名付ける、といった事例があるようです。

著名人系

著名人系とは、「その世界では」よく知られた著名人のお名前を付す、といった事例です。たとえば「悟空(ごくう)」、「夢須嘉(むすか)」、「泡姫(ありえる)」などの事例がありますが、なかには「詩羽楊(じばにゃん)」、「光宙(ぴかちゅう)」、「紗音瑠(しゃねる)」など、人名ではないケースもあるようです。

☕ ☕ ☕ ☕ ☕ ☕ ☕ ☕

なお、個人的事情を申し上げるなら、とある教育機関でのさまざまなお名前の実例を知り得る立場にあるのですが、これについて当ウェブサイトで報告してしまうと、個人名が特定されてしまうおそれがあります。

このあたり、個人情報保護を大切にする当ウェブサイトとしては、なかなかに悩ましいところだと思ってしまう次第です。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • 意味連想系
    小鳥遊(たかなし)、月見里(やまなし)等の類ですね。

    管理人様>「月」と書いて「らいと」と読むという法則はよくわかりませんが…。

    ググってもいませんが、おそらく明(Light)の右(right,作り)では無いかと。

    • 漫画デスノートの主人公、夜神月(やがみらいと)からの引用かと思います

    • >ググってもいませんが、おそらく明(Light)の右(right,作り)では無いかと。

       DEATH NOTE の作者、大場つぐみ先生が、「星」(らいと)という名前から作った名前ですよ。大量殺人鬼の名前だから社会的な影響を考えて実在しない名前にしたそうです。それなのに、漫画が有名になってから我が子に「月(らいと)」と名付ける親が出てきたのですから、本当に何を考えているのでしょうね。

  • 漫画デスノートの主人公、夜神月(やがみらいと)からの引用かと思います

  • 戸籍の届書には便宜上ふりがなを記載しますが、ふりがなは戸籍の記載事項では無く、住基法上は申し出で変更登録が可能なので、本人が後で申し出すればキラキラでない読み方に変更は可能なんですよね。
    ちなみに、私の地域では石田はイシタ、須藤はストウが多いんですが、東京に転入するときにイシダで登録して、再転入のときはまたイシタで、とかもよく有ります。

  • マーズは金星ではなく火星
    プリンスは皇帝ではなく王子
    ↑にすぐ気づいた人は少なくないと思うけど
    もうひとつ

    アトムは核ではなく原子

  • 亜細亜(アジア)において人を誑かす狐のごとき民族が住む里、という意味で「狐里亜(こりあ)」なんてキラキラ国名もアリですか?

    ちなみにアジアを1匹の動物とみると、やはり頭部にあたるのは東(東亜→頭亜)で、尻尾にあたるのはシリア(尻亜)ですかね

  • 天愛羅って書いて「てあら」と読む。実際に娘の同級生にあった名前だ。言っちゃ悪いが「ティアラ」→「王冠」とは言い難い器量の子供だったな。名は体を表すの真逆なケースだな。昔、自分の子供に「悪魔」とつけようとした親がいて騒動になった事を覚えちゃいるが、、、おれは娘に「子」をふくむ三文字の名前をつけた。幸い本人も気に入ってくれているみたいだが、名前の末の字に「子」がつく女の子は1学年に一人か二人の希少文字みたいた。俺たちの希少のころはクラスの女の子にはみんな「子」がついていたんだけどなぁ

    • で、デーモン閣下に子供が生まれたときに

      「お子さんには”悪魔”と名付けるのですか?」

      とか聞いた馬鹿記者に

      「貴様は自分の子供に”人間”と名付けるのか?」

      と返しました。

  • 「難解、卑猥、使用の著しい不便、特定(識別)の困難などの名は命名できない」とする判決があるようですね。
    (妻「伸子」の長女が「伸子(しんこ)」という出生届の不受理を指示した裁判)

    有名な悪魔ちゃん事件では、以下の理由にて命名が却下されています。
    「命名は子のためになされるべきであるから、親権者がほしいままに個人的な好みを入れて恣意的な命名をなすのは不当であり、子が将来成長して社会活動をするに当たり、自らその名を用いて満足を感ずるような名を選んで命名すべきであり、命名権の濫用と見られるような行為は許されない」

    DQ…いや、キラキラネームを考えている親御さんには少し考えていただきたいものですね。
    (「DQN」という表現は侮辱的と認められた裁判があるそうで…)

    • 自分は所謂DQNネームでは無いが、読み方が字面から想像される
      第一、第二から大きく落ちた第三候補位なので、そう言われてみれば
      きちんと読めるけれど、初対面の人にいきなり正しい読み方で
      読んでもらえる事は極めて稀。
      それを訂正するだけでも結構面倒に感じるので、相手方が恐る恐る
      間違った読み方で聞くような、奇矯な名前の人は本当に大変だと思う。
      アメリカでも余りにも奇をてらった名前を付ける親は、子供が恥ずかしい
      思いをしたり、不利益を被ったりといった事に想像が及ばない
      非常識な、あるいは下層階級であるケースが多いそうな。

  • とある専門学校で非常勤の講師をやっています。期末ともなると、テストをやって成績表を作ることになります。それで、各問の採点とその合計をスプレッドシートに入力する作業を毎度やるのですが、氏名欄の入力がなんとも厄介。今日日の学生の場合、かなで入力した名前に、望むとおりの漢字候補が表示されるケースは、たとえ人名変換優先のモードに設定しておいても、リストを最後までスクロールして、まあ半分くらいです。もう全部単漢字変換でやった方がまだ速いかも(笑)。

    ちゃんと読み方が分かってみれば、キラキラネーム言うほどでもないのがほとんどです(当たり前ですが)。だけどなぜこんな読みとストレートに結びつかない漢字を当てるのか?

    偏見かも知れませんが、漢字を見れば読みは一目瞭然という名前は、将来この子がどんな人間に育って欲しいという親の願いがこもっているんじゃないかと思います。表意文字としての漢字の特性を意識した命名。それに対して、なんでこんな漢字を当てるのという方は、耳に響く音の感じが自分に快いという理由で名付けられたんじゃないかと思ってしまいます。要するに○○ちゃ~んと呼べる子供の時期、親の庇護、影響下にある時期限定の存在と、無意識に捉えている気配を感じます。だから、これで大人になったらどう、というような配慮がはたらかない、なんとなくイメージの良い漢字を適当にくっつけて、こと足れりとする。子供に呼びかけるとき、意識しているのは音であって、それに当てられている漢字じゃないですからね。

    自分の老後を子に託そうという時代ではないですから、これはこれで理に適っていると言えるのかも知れません。長子相続がイエ存続の基本であった時代には、何人も生まれた挙げ句の末っ子には、捨吉だの留子だのといったひどい名付けがあったことを思えば、まだマシと言えないこともない。

    だけど、いくら何でも、ありえるに泡姫はないよな(笑)。

    • 最後の一文、多いに同感です。「ありえる」ちゃんが思春期になったら、どう思うのでしょう。

      • 「泡姫」
        放送禁止用語になってしまうかもしれませんね。
        本名が 伏字で放送。
        別の意味で考えすぎですかね。

      • アンゼルセン童話の「人魚姫」のラストは、海の泡となって消えてしまうというのですから、まあ満更「泡姫」も超牽強付会と言うには当たらないかも。

        ディズニー映画ではそうでも、原作の人魚姫の実名は、多分「アリエル」じゃないと思いますが。

1 2