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    Categories: 金融

データで読むと30代後半婚活は女性の方が不利では?

お母様と一緒に婚活を始めた42歳男性が消費税の負担で女性にフラれた――。こんな事例が、『Yahoo!ニュース』で話題になっているようです。ただ、記事自体、女性の職業などについてはほとんど触れられていないため、これだけで「男性の側のみに問題がある」と判断するのは難しいと思うのですが、いかがでしょうか?

共働き世帯が倍増:専業主婦は半減、未婚率も高まる

世の中が変化し、結婚が必ずしも人々の重要な価値観ではなくなってきた、などと指摘されます。実際、「男は外で働く」、「女は家庭に入って専業主婦」、が当たり前だった昭和時代と異なり、現代社会では共働きが一般化しています。

厚生労働省『令和2年版厚生労働白書』に掲載された図表によれば、1980年に614万世帯だった共働き世帯は、、2019年においては1245万世帯に倍増。「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」は同じ期間で1114万世帯から582万世帯へと、およそ半減しているのです(図表1)。

図表1 共働き世帯数の年次推移

(【出所】『令和2年版厚生労働白書』図表1-1-3)

また、女性の社会進出が進む一方で、結婚する年齢も徐々に高くなり、未婚率も着実に上昇しています。

内閣府『令和3年版少子化社会対策白書』によれば、50歳時点の未婚率は1970年において男性1.7%、女性3.3%でしたが、これが2015年においては男性が23.4%に、女性が14.1%に、それぞれ飛躍的に高まっているのです(図表2

図表2 50歳時点未婚率

(【出所】『令和3年版少子化社会対策白書』図表1-1-10)

これらの統計データには、さまざまな解釈があり得るでしょう。

これについては、「既婚女性が働くのが難しかった時代、女性は結婚して家庭に入るよりほかに生きる術がなかった」、「しかし現代社会では女性の社会進出が進み、結婚しなくても生きられるようになった」、「だから婚姻率が下がっているのだ」、といった説を唱える人が多いのではないでしょうか。

42歳実家暮らし男性「消費税は僕は払います」で婚活失敗

著者自身は、どちらかといえば、男女を問わず働かなければならない世の中に、大蔵省・財務省が変えてしまったとも考えており、共働き世帯の増加は、日本人が貧しくなり、男女共に働かなければまともな生活を送ることが難しくなった証拠だ、と見ているのですが、このあたりは本稿では脇におきます。

世の中のニューズ・メディアを眺めていると、この「大未婚時代」にあっても結婚を望み、婚活(こんかつ)に励む男女も、世の中にたくさんいらっしゃるようなのです。

土曜日の早朝、『Yahoo!ニュース』にこんな記事が配信されていました。

「消費税は僕が払います」で婚活失敗 42歳実家暮らし男性の“割り勘デート”

―――2022/05/28 06:10付 Yahoo!ニュースより【※配信元不明】

(※大変申し訳ないのですが、配信元のウェブサイトのロゴマークの読み方がよくわかりませんので、ここでは「配信元不明」と記載しています。)

記事はウェブページ2ページにまたがり、2つの事例が出てきます。

ひとつめの事例は、36歳の山本よしみさん(仮名、おそらくは女性)が都内のメーカーに勤務する41歳の藤田たかしさん(仮名、おそらくは男性)とお見合いをしたというものですが、山本さんがこの記事の著者の方に対し、こんな趣旨のことを報告したのだそうです。

  • (相手に対し)悪い印象はなかったが、藤田さんは結婚相談所の解説をしてくれたものの、趣味や人柄がいまひとつわからなかった
  • 藤田さんはもう4年近く婚活を続けているようであり、「申し込み20件につき受諾が1件」、「辞退の返事にはがっかりするが、何の返事もせずにスルーする人にはもっとがっかりする」などとおっしゃっていた

そのうえで、記事のなかでは著者の方が、こんなことを述べています。

返事をせずにスルーするのは、そのお相手に興味が持てなかったからというのもありますが、もう一つの理由もあります。『受けたいけれど、今は仮交際している人たちが複数いるので、手一杯な状態。辞退すると、相手を拒否したことになってしまうので、今回の申し込みはひとまず返事をしないで流す。そして、仮交際中の人たちとうまくいかなくなったら、自分からお申し込みをかけよう』と思っているのです。それを、『やる気がない』と一方的に決めつけてしまうのは、いかがなものでしょうか」。

…。

記事自体が公正さに欠いている

また、記事で紹介されているもうひとつの事例が、記事タイトルにもなっている「消費税分を負担する男性」のエピソードです。

大山まなみさん(37歳、仮名。おそらくは女性の側)が佐藤まさやさん(42歳、仮名。おそらくは男性の側)と3回目のデートを終えて「交際終了にします」と連絡を入れてきたというのですが、これも女性側の言い分を列挙すると、こんな具合です。

  • 佐藤さんは実家暮らしで、相談所への入会申し込みもお母さんと一緒に出しに行ったらしい
  • 佐藤さんご実家で中型犬を飼っているが、その動機は近所の公園でできる「犬友達」を通じて「女性と縁ができるかも」と思ったからだと大笑いしたらしい
  • そのワンちゃんが10歳だということはもう10年出会いがなかったという意味だと思う
  • デートがキッチリ割り勘で、たまに消費税分を負担してくれることもあったが、42歳の男性としては頼りないと思った

そのうえでこの記事では、「婚活で出会い、お付き合いがスタートし、結婚までたどり着くための法則は、まめに連絡を取り合い、最低でも週に1回はデートをすること」、「そのうえで相手から好きになってもらうこと」だ、などと述べているのです。

これについて、どう読むべきか。

批判を覚悟で申し上げるならば、正直、この記事自体、女性側の視点からしか述べられておらず、どうも公正さという点では非常に疑問があります。

最初の事例では、初めてのお見合いで出会った女性に対し、結婚相談所に対する愚痴や失敗談を述べる男性もどうかと思いますが、それ以上に疑問に感じるのが、この著者の方の、男性に対するやたらと高圧的な視点です。

男性がこれまでの婚活で、「申し込み20件に対し受諾が1件」、「何の返事もなしにスルーする女性も多い」などと述べている点が事実ならば、そしてそのスルーする理由が「たんなるキープ」にあるのだとしたら、公平な目で見て、スルーする女性は不誠実です。

応諾しないのに合理的な理由が「キープ」にあるのならば、「大変申し訳ないのですが、現在同じ結婚相談所で仮交際している相手がいらっしゃるので、少し待ってください」と一言述べれば済む話でしょう。ビジネスでも婚活でも、誠意のない人の成功率が低いのは共通していると思います。

データでは同じ30代だと女性の方が婚活に不利?

こうしたなか、著者の方は、こんな記述で記事を締めています。

婚活がうまくいかないのは、相手のせいではありません。相手の気持ちを手に入れることができない自分の責任なのですよ」。

ただ、記事を読む限りでは、この言葉はおもに男性の側に向けられているような印象を持ってしまうのですが、どちらの事例でも、女性の職業などが明らかにされていないので、記事だけで「男性の側だけに問題がある」と判断することはできません。

しかも、後者の事例に関していえば、お母様と一緒に婚活を始めた男性にも問題がありそうな気がする反面、37歳にもなって「割り勘を嫌がる」、「消費税分を相手が負担しているのをせこいと感じる」という心理自体、どうも「精神的に幼い」ように思えてなりません。

こうしたなか、先ほども引用した内閣府『少子化社会対策白書』には、男女別の未婚率の推移も掲載されています(図表3)。

図表3 男女別未婚率

(【出所】『令和3年版少子化社会対策白書』図表1-1-9)

これによると、2015年における35歳から39歳の区分の未婚率は、男性が35.0%(約3分の1)、女性が23.9%(約4分の1)だそうですが、裏を返せば男性の3分の2(65.0%)、女性の4分の3(76.1%)が39歳までに結婚できている、という意味でもあります。

このように考えると、数学的に(?)考えると、30代後半での婚活は、女性の方が不利なのかもしれない、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (16)

  •  リンク先を読んだら、単に「こんなダメ男がいたんですよーおもしろいでしょぉぉ?」程度のクソ記事だったので、ゴミ素材から論理的な投稿に仕立て上げる手腕には感心する次第です。
     しかし該当記事の締めは、一見男性へのダメ出しに見えて、その実女性側にも無慈悲なトドメを刺しているだけですね……

  • サイトについて調べてみましたが、「オトナンサー」というサイトで、株式会社メディア・ヴォーグが運営しています。

    オトナンサーとは?
    https://otonanswer.jp/about/

    「オトナンサー」は「ライフ」「漫画」「エンタメ」の3カテゴリーで、暮らしに話題と気づきをお届けするウェブメディアです。Yahoo!ニュース配信中!

    だそうです。

    因みに取り上げられていた元記事です。

    「消費税は僕が払います」で婚活失敗 42歳実家暮らし男性の“割り勘デート”
    https://otonanswer.jp/post/114738/

  • 私は今の共働きが増えた日本に賛成!
    財務省は大罪があるが、先進国は基本的に共働きが多いし、専業主婦のモラルハザードも目を引くくらいひどい物があった(ex.家事しかやることないのに夫に押し付ける、レディーファーストを当然求める)
    所得が増えな(減ってもいない)話と専業主婦の減少は切り離して考えるべきかと思いますね
    そもそも女性が社会に増えなければ、旧態然とした悪習慣は消えませんし、働いている女性からの意見をたくさん聞けるようになって非常に良い時代になったなーと思います
    ちなみに労働時間自体は全盛期の400時間ほど減り、過労死など難しい国になりつつあり、労働時間効率は上がり、無駄な残業も減っておりますから時間に対する所得は完全に増えております

    • スポーツがメダル最多を記録したりと、
      日本が強くなったのも完全に根性論が消えつつあり、データ重視の訓練をしつつあるからです

  • 「図表3 男女別未婚率」のグラフを見ていて、ふと疑問に思ったこと。

    男性の未婚率の方が、25-29歳、30-34歳、35-39歳のどの年齢層を取っても、女性より10%以上高いのはなぜでしょう。

    出生時の男女比は1:1.05くらい。これは時代が変わってもほぼ一定です。ただ、昔は男児の死亡率が高かったので、思春期までいけば男女ほぼ同数になっていたのですが、今では50歳くらいになるまで、男余りの状態は続きます。それでも結婚適齢期の男女の人口差と言ったら、せいぜい1~2%程度。未婚率の男女差はちょっと大きすぎます。

    一夫一妻制の下では、婚姻継続中の男女は同数のはずですから、図表3で「未婚」とされているのは、一度も婚姻届を出したことのない人を指すんでしょう。死別、バツイチ~バツNは含まれていないはず。とすれば、女性の10%以上は複数回結婚した経験を持つ男性と婚姻関係を結んでいるということになるはずです。

    これを以て、男の方が不実であるとまでは言いませんが、30歳代後半の女性が結婚相手を見つけようとすれば、同年代の男性の35%に当たる未婚者(別に対象年齢をそこに絞る必要もないでしょうが)に加えて、何度か離婚を繰り返してなお「嫁さん募集中」という人物も、対象人口中に「より濃縮されて」混じっていることは覚悟しなければならないでしょう。

    以上、『30代後半での婚活は、女性の方が不利なのかもしれない』という命題に関する、数学から脱線した考察でした(笑)。

  • 30代後半の独身女性がこの手の記事を読んで心を慰めているのかもしれない。

  • 結局のところ、少子化を解消するには以下の対処になるかと。

    ①(主にお金持ちの)男性による時間差重婚を肯定する(古くなった畳と妻は交換する)
    ②自由恋愛や事実婚を推し進め、ハーフブラザー・ハーフシスター(種違い腹違いの兄弟姉妹)を家族レベルではなく社会レベルで溢れさせる(乱交・乱婚の肯定)

    ①は既に日本でも起きていて、②はフランスや北欧で実践されていて。

    個人的には、AV業界で仕事上妊娠した場合に出産する事や、仕事家事育児の三つを回しきれないシングルファーザーやシングルマザーが子供を児童養護施設に預ける事を肯定化するといった手法も必要なのでは?と考えます。

    • クロワッサン様

      >古くなった畳と○は交換する

      ここで例えに畳を出すのは、年齢のほどが知れる。

      それと、フェミニストならずとも、これはやっぱりアウトだ(笑)。

  • いつも楽しく拝見しています
    当方は40代半ばの既婚者子供たち2人ですが、会社の若いの(30歳前後)は全く興味がないのが多いです
    IT系で稼ぎはそれなり550-650くらいはあり一昔、二昔前であれば当然のように結婚していた世代だと思いますが休日の過ごし方を聞くと皆女性と全く縁が無さそうです

    収入はそれなりにあり、学歴、身長、コミュニケーション力、容姿も普通で婚活すれば普通以上の人気はあると思います。しかし全く婚活をしてそうにありません。一人二人ならそういう趣味思考と思うのですが、私の世代と比べるとこの世代は明らかに女性、結婚、子育てに興味がなさそうです。
    単純に面倒くさいという感じです。そんな事をするなら自分の時間、ゲームや、YouTube等を見てるほうが楽しいという雰囲気です。

    この世代の男が子供、軟弱と切って捨てるのは簡単ですが女性の社会進出に伴い、男も働く事、子育て、家事を求められ男も女も求められることが多くなり面倒(臆病)になっているのではないかと思います。

    その結果がこの世代の女性不利(余り)ではないでしょうか

    これを男の性にしても少子化が進むだけで解決しないとも思います

  • そもそもこういう恋愛・婚活関係の記事ってそのほとんどが「女尊男卑」な印象です。
    逆の場合と比べて「性差別だ!」と叩かれるリスクが少ないのかな?と
    常々思うのですが、危険かつ儲からないテーマっぽいので誰も研究したがらないのかも……

    もし研究しようとしても、難航しそうですね。こういう記事を書いているライターは
    匿名ですら取材を嫌がるでしょうし、フェミニストに敵視される危険もあるでしょうし。

    • 雪だんご様

      「女尊男卑」的な書きっぷりになっているのは、リスクも勿論あるでしょうが、「恋愛・婚活関係の記事」が女性向けの商品だからではないでしょうか?
      この手の記事は、読む人にとって情報収集や問題解決ではなく娯楽を主目的にしているように見受けられます。であるならば、記者側が読者に設定している(推定)であろう女性が気持ちよくなれるよう女性を上げている書き方は商売上当然かと。

      研究という視点では、「実際の読者と記者の想定がどの程度一致しているのか」とか「この記事から広告のクリックなど実際の利益との関係」などの観点が個人的に面白そうです。
      人を叩く、もしくは上げる、下げる記事が金につながるのか。
      つながるのであれば、当然女尊男卑も男尊女卑も商売上記者はやっていくことになるでしょうね。

  • 技術の進歩により、バーチャルセックスとセクサロイドが近い将来可能になります。
    そうなれば、今の比では無いくらいの未婚と少子化が先進国を襲います。

    今の少子化問題など比較にならないほどの大問題に直面するでしょう。

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