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国民民主党「自衛隊違憲と主張する勢力とは組めない」

玉木氏「厳しい安保環境で自衛隊違憲・日米安保破棄とか言っている勢力とは組めません」。国民民主党の玉木雄一郎代表が野党連合の政策を「特定の人たちしか満足させていない」と批判したうえで、野党連合から距離を置く姿勢を改めて示しました。こうした考え方は、評価に値します。今後、国民民主党がいかなる「メニュー」を掲げていくのかはわかりませんが、少なくとも今夏の参院選で、野党連合が有権者にどう評価されるかについては、重要な注目点といえるでしょう。

辻元氏擁立で票を奪い合う立憲・社民

立憲民主党を含めた野党が最近、迷走の度合いを深めているようにも見受けられます。

昨日の『辻元清美氏の比例擁立で福島瑞穂氏の当選はどうなる?』でも触れましたが、立憲民主党は今夏の参院選で、比例で辻元清美・前衆議院議員を擁立する方針を固めたのだそうですが、そうなると、社民党・福島瑞穂党首にとっては「有力なライバル(?)」の出現となりかねません。

立憲民主党が辻元清美氏を比例で擁立することが、正式に決定したようです。そうなると、同じく比例で立候補するであろう社民党の福島瑞穂氏の地位がどうなるのか、大変に気になるところです。参院の比例は「非拘束名簿式比例代表制」という仕組みを採用しているからです。果たして今夏の参院選はどうなるのでしょうか。立憲、女性候補の通年募集を開始いくつかのメディアに報じられているとおり、立憲民主党は今夏の参院選や来年の統一地方選、あるいは次期衆院選などに向け、昨日から女性候補の通年募集を開始したようです。立民、女...
辻元清美氏の比例擁立で福島瑞穂氏の当選はどうなる? - 新宿会計士の政治経済評論

「立憲民主党・社民党・日本共産党などの左派政党全体に対する支持層が、日本全体で激減し始めているのではないか」、とするのは著者自身の私見ですが、もしこの考えが正しければ、今夏の参院選では、辻元、福島の両氏が激しく票を奪い合う展開が見られるかもしれません。

もしかしたら2人とも当選できるかもしれませんが、もしかしたら片方、あるいは双方が落選するという展開もあり得るでしょう(※もちろん、このあたりについては、自民党や日本維新の会に対する支持率が、半年後にどうなっているか、といった要素も絡んできますが…)。

いずれにせよ、立憲民主党を含めた左派政党の「懐事情」を考えるならば、似たような候補者を何人も擁立し、野党同士で票を奪い合うだけの余裕はないはずです。その意味で、辻元氏の擁立は、立憲・社民間の選挙協力を実質的に反故にしかねない、非常に危うい戦略であるようにも見えます。

悩ましい選挙協力

ついでに「選挙協力」そのものについて、冷静に考えていくと、これも野党にとっては、なかなか悩ましい戦略です。

立憲民主党にとっては重要な支持基盤のひとつである連合は、日本共産党との選挙協力に否定的であり、立憲民主党に対し、数回にわたって強く警告を発してきているからです(『支持率低迷の立憲民主に対し連合が突き付けた「警告」』等参照)。

CLP問題、「ヒトラー」問題、政党支持率低迷など、立憲民主党の受難が続きます。こうしたなか、ついに連合が「立憲切り」に出るのでしょうか。連合はこれまで、立憲民主党に「日本共産党との選挙協力はあり得ない」という再三、警告してきましたが、一部報道によれば、ついに「日本共産党と連携する候補者を支持しない」とする方針を明確にした、などとされているからです。堅調な内閣支持率当ウェブサイトでは6つの世論調査(読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社のものに加え、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同...
支持率低迷の立憲民主に対し連合が突き付けた「警告」 - 新宿会計士の政治経済評論

このように考えると、泉健太・立憲民主党代表は、ごく近いうちに、連合との関係修復を取るのか、それとも日本共産党との選挙協力を取るのかを選択しなければならないでしょう。

もっとも、立憲民主党は昨年の衆院選でも、日本共産党などとの選挙協力があったにも関わらず、109議席だった公示前勢力が、選挙後に96議席に減少しました。

一部の選挙分析によれば、「これでも立憲民主党は健闘した方だ」、「立憲民主党の議席が100議席近くに達したのも、野党の選挙協力のおかげだ」、といった見解もあるようですが、その反面、「日本共産党」という色が付いたことに、少なくない有権者が嫌気した可能性もあるでしょう。

このあたり、泉氏がどういう判断を下すかは見ものですが、選挙協力を進めるにしても、反故にするにしても、非常に難しいかじ取りを余儀なくされることは間違いなさそうです。

国民民主党は引き続き野党連合から距離を置く

こうしたなか、同じ野党のなかでも、国民民主党は昨年の衆院選で野党選挙協力から距離を置き、衆院の勢力を8議席から11議席へと躍進させたためでしょうか、最近はなにかと注目を集めています。

この点、先日の『無理がある「国民民主党を野党連合に引き戻す」の主張』でも取り上げたとおり、「野党連合」側、あるいはその呼びかけ人である「市民連合」などからは、国民民主党も「野党連合」に戻るべきだ、といった呼びかけがなされています。

昨年の衆院選で「野党連合」は議席を減らす一方、「野党連合」から距離を置いた国民民主党は議席を増やした――。こうした事実を踏まえるならば、国民民主党にとっては「野党連合」から距離を置いたこと自体が選挙戦略の勝利だったと言えるかもしれません。こうしたなか、その国民民主党を「野党連合」に引き戻すべきだ、といった主張が出て来ましたが、そうした主張自体、かなりの無理があるとしか思えません。衆院選をどう総括するか昨年の衆院選では「第三極」が躍進した!昨年10月の衆議院議員総選挙では、与党である自民党が15議席...
無理がある「国民民主党を野党連合に引き戻す」の主張 - 新宿会計士の政治経済評論

その「続報」がありました。

国民民主と市民連合の冷え切った関係 「野党側に引き戻す」発言に玉木氏「彼らがもう少し真ん中に…」

―――2022年02月09日18時17分付 J-CASTニュースより

『J-CASTニュース』の昨日の記事によると、国民民主党の玉木雄一郎代表は8日の定例会見で、野党共闘を求めている「市民連合」との関係について、「一線を画すということを昨年決断しており、(今夏の参院選でも)そこは変わらない」、などと述べたのだそうです。

「玉木氏が政治家として優れているのかどうか」、「国民民主党が素晴らしい政党なのか」、といった点は、とりあえず脇に置くとして、ここで重要なことがあるとすれば、玉木氏は昨年の衆院選に続き、今夏の参院選でも野党の選挙協力に加わらないとする意思を明確にした点でしょう。

この点、『J-CASTニュース』によると、今夏の参院選で改選を迎える国民民主党の議員のなかには、2016年の参院選で野党の候補者を一本化して1人区で当選した2人含まれているのだそうです。

しかし、昨年の衆院選では、国民民主党は「安全保障やエネルギー分野の隔たり」を理由に野党共闘に参加しませんでしたし、今後も参加するつもりはない、ということでしょう。この点に関する一貫性については、素直に評価して良いのではないでしょうか。

「野党連合は特定の人たちだけを満足させている」

こうしたなか、リンク先の『J-CASTニュース』の記事には、玉木氏のこんな発言が紹介されています。

これだけ厳しい安全保障環境のもとで自衛隊が違憲だとか日米安保を破棄すべきだとか言っている勢力とは組めません。多くの国民はそんなことは求めてないと思うんですよ。で、私はね、もっと民意に謙虚に向き合うということをしないと、特定の人たちだけを満足させるような政治勢力とか団体というのは、我々自戒も込めて申し上げますが、国民から見放されると思うんです」。

このあたりは、大変に重要な指摘でしょう。

『J-CASTニュース』は、玉木氏のこの発言を巡って、「市民連合の主張は『特定の人たち』にしか受け入れられない」との見方だ、と分析したうえ、玉木氏の発言の趣旨が、「市民連合の側こそ軌道修正が必要」という点にある、と述べていますが、正論というほかありません。

もっとも、そうした正論は良いにせよ、あえて批判を恐れずに申し上げるなら、著者自身は日本維新の会や国民民主党などの政治勢力に対し、どこか「胡散臭さ」を感じていることも事実です。

しかし、それと同時に、選挙というものは「素晴らしい候補者のなかからさらに理想の候補者を選ぶ手続」ではなく、どちらかといえば「生ゴミのなかから少しでも使える食材を選り分ける」ような手続、といった方が実態に近いのではないかと考えています。

あるいは、普段から申し上げているとおり、自民党、立憲民主党、日本維新の会などの政党は、寂れた食堂街に出店している冴えない食堂のようなものでしょう。

現在の国政政党のなかでは、マトモに食べられる料理を出してくれるのは、高くてマズいという評判の「自民党食堂」くらいしかありません。しかも、この「自民党食堂」も、ときどき消費税の増税、レジ袋の有料化など、不要かつ有害で高くつく政策が実行される、という、とんでもない食堂です。

ただし、「自民党食堂」のライバルを名乗る「立憲民主党食堂」に入ると、メニューには「自民党食堂」の悪口しか書かれておらず、肝心の料理のメニューがいっさい掲載されていないという、さらにどうしようもない食堂、というわけです。

しかも、「立憲民主党食堂」で、無理やり食事を注文したとしても、立憲民主党食堂では料理人がひたすら「自民党食堂」の悪口を言うばかりで、料理を作ろうともしないし、店員さんもお茶や水すら持ってこないため、呆れて店を出ようとしたら、(食べてもいないのに)食事代金を請求されるようなものでしょう。

こうした「高くてマズい食堂」、「ダメな食堂」などが並んでいたとしても、やはり、私たち有権者は我慢して、少しでもマシな店を盛り立て、ダメな店には「入店しない」(=投票しない)ことを通じて、少しずつでも食堂街を良くしていくしかありません。

ダメな店はダメな店

その結果、ダメな店が潰れ、その跡地に少しでもマシな食堂が入れば儲けものです。

それに、野党連合とは、ダメな店同士が談合し、メニューを共通化するようなものですが、いくらメニューを共通化したところで、ダメな店はダメな店です。

「国民民主党食堂」がダメな店同士の談合から距離を置き、ちゃんと「食べられるメニュー」を開発することができるならば、同食堂も生き延びていくことができるのかもしれません(※もっとも、それもすべては国民民主党の行動次第ですが…)。

その意味でも、今夏の参院選で、野党連合がその「あり方そのもの」も含め、有権者にどう評価されるかについては、重要な注目点といえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • >このように考えると、泉健太・立憲民主党代表は、ごく近いうちに、連合との関係修復を取るのか、それとも日本共産党との選挙協力を取るのかを選択しなければならないでしょう。

    何も捨てられず、(グダグダと)何も決められず、二兎を追ってすべてを逃すに一票です。
    選挙で負けたら代表は即クビじゃないですかね。しらんけど。

    • 代表クビ、というよりは党がまたもや分裂して霧散するだけでしょうね。
      そしてまた「ナントカ民主党」が二つくらいできて、然る後にまたくっつきなおして元の木阿弥。

  • >「これでも立憲民主党は健闘した方だ」
    >「立憲民主党の議席が100議席近くに達したのも、野党の選挙協力のおかげだ」

    これって、要は「進むも地獄退くも地獄」じゃないですかね?
    共産党と連合、どっちを怒らせるかを選択してもマイナスしかない。
    泉代表が「何もしたくない!何も決めたくない!」とでも言いたげな
    態度を取るのもある意味当然かも知れません。

    国民民主党は……ま、お手並み拝見ですかね。維新にも国民民主にもほとんど期待は
    していませんが、立憲と共産を弱体化させてくれる程度の価値はあるかも知れません。
    特にアンチ自民の偏向マスコミが「どうしよう、どうしよう」と困り果てる所は見たい。

    • 玉木氏の行動は
      自民以外の保守政党という方向に党運営したいのではないかと思います

      浮動票や反自民の受け皿として
      社民→民主→立憲→維新と変化しています。
      一見、保守政権を嫌った有権者は左派に票を投じているように見えますが、
      今回維新が躍進したことによって、
      浮動票が 望んでいたのは反保守ではなく 
      いままで自民党以外に保守が無いので しかたなく左派に票が流れた という事に気が付いたと思います

      • 民主党政権があまりにダメ過ぎたので国民が左派に幻滅した面もある

    • ここは乾坤一擲党を割る事です。
      で、左は共産と共闘して議席を確保する。右は連合の支援を受けて議席を確保する。
      選挙後に元通りくっつけばめでたしめでたし・・・・って、そんなに上手くは行かないかww

  • 一部界隈からは"タマに正気になる"と評される玉木氏ですが、このところの言動を眺めるかぎりは「ありゃ?腰据わってきた??」と錯覚させうる雰囲気は漂わせているかも???
    当面注視でしょうか
    維新もタマ数欲しいんでしょうがそうそう玉は無いでしょうから当分胡散臭さは払拭できないでしょう
    小粒の山師が化けるの期待するのがせいぜいでしょうか

    結局我々選挙民次第ですから、
    トドノツマリどんならんなぁ、
    ですがなますがな???

  • 独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (だから、「お前は、どうなんだ」と言わないでください)
    ある本によれば、(もちろん、一概には言えませんが)おじさん社員は、何か新しいことをしようとすると、「リスクがある」、「みんな、そう言っている」と言って反対するそうです。ということは、テレビ局にも、新聞社内にも、そして立憲のなかにも、おじさん社員(?)がいるのではないでしょうか。だから、彼らには同じおじさん社員(?)しか見えていないのです。
    駄文にて失礼しました。

  • 市民連合は共産党系だし、玉木氏が何を言ってもムリですよ~!!
    連合も広く広く視野を広げれば、組合活動を応援しているのが
    立憲共産党ではなく、自民党だと気がつくハズなんですよね。
    連合もおじさん連中が多いから、いくら指導者が女性に変わっても
    立ち位置を変えられないのでしょうね。
    女性が指導者になったら何が変わるかといえば、変わらないんですよ。
    社会党の土井氏は北朝鮮による日本人拉致を認めず、逆に北国に日本で
    こういう問題が起きそうだと忠告した人なんですよ。

    • ムリだとわかっているからこそ、かもしれやせんぜ
      シツコイお誘いを都度都度お断りするのにも貴重なリソースを消費しますし、あらかじめハードル明示して団体間ヤリトリの効率化をはかっているのかも???

  •  連合も立憲民主党を切らないと組織維持が出来ないところまで来たという事でしょう。
    即ち、日本の国力が落ち、親方日の丸の旧総評、旧社会党系の能天気な人たちと一緒に居ては不味いと組合員が気づいたという事だと思います。
     連合が国民民主党(集団的自衛権&自衛隊の合憲、原発容認)を大事に育てれば十分自民党の対抗勢力になりうると思います。

    それにしても、野田元首相が立民にいつまでもいる理由が判らない。
    そろそろ国民民主に移る時期だと思います。

    今のまま左右対立を続けて居れば、立民は今度の参院選で崩壊するでしょう。

    • 農家の三男坊様

      >それにしても、野田元首相が立民にいつまでもいる理由が判らない。
      >そろそろ国民民主に移る時期だと思います。

      いや、野田佳彦元総理は立憲民主党のままでいいですよ。
      彼は船橋の民団から違法献金を受け取っていましたし、増税論者で且つ女系天皇容認者ですから、国民民主党とは水が合わないと思います。

  • かつて革新勢力を自称した左翼政党は「日米安保反対」「憲法改正反対」と絶叫していましたが、その背景には「親ソ反米」という基本姿勢がありました。だからこそ、日本再軍備は日本をアメリカ帝国主義の走狗とするものだし、日米安保条約は米軍に一大拠点を提供するものであるがゆえに、反対を叫び続けてきたわけです。「ソ連の核は綺麗な核だが、アメリカの核は汚い核だ」と宣った某市長なども同じ文脈から来たものでしょう。

    ところが1990年にソ連が崩壊すると、彼らはとても困ってしまいました。親ソ反米路線を歩もうにも、肝心のソ連が消滅してしまったので、目指すべき方向性を完全に見失ってしまいました。反米だけでは、日米安保否定はまだしも、日本再軍備に反対するための根拠たり得ません。むしろ、国際的安全保障の観点からは、日米安保の否定はより一層強力な軍事力整備が必要になり、再軍備反対という主張と論理的な矛盾をきたすに至りました。
    本来ならば、ソ連崩壊を受け、サヨク諸氏は自らの拠って立つ基盤を根本的に再検討することが必要でした。つまり、ソ連型社会主義ではない、新たな目指すべき社会のありようを真剣に考えなければならなかったのです。しかし、彼らはそうしようとはしませんでした。それが単にサボっただけなのか、それともそんなことを行うだけの能力にそもそも欠けていたのかは分かりませんが、結果として彼らは自らの拠って立つ基盤を見失ったまま30年を過ごしました。そして、親ソ反米路線が有効だった(ように見えた)時代と同じ主張を、根拠のないままに今なお続けているのです。そんなものを受け入れてくれるのは、親ソ反米という幻想を共有してくれる世代の一部だけであり、そのような世代は高齢化が進み、遠からず絶滅するでしょう。残るのは「ソ連なき親ソ反米路線」に疑問を持たないような、「知的に挑戦された」人たちばかりということになるのではないかと思います。

    • 龍様

      私の見解ですが、1991年12月にソヴィエト連邦が崩壊して、一時的に左翼は拠り所を失いましたが、暫くしてその拠り所が見つかりました。
      それは支那(中華人民共和国)と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)です。
      つまり「親ソ反米」から「親中反米」或いは「親北反米」に切り替わったのです。
      彼らが支那、北朝鮮の悪事に沈黙を守り、彼の国の代弁者になっているのが何よりの証拠です。

      • 彼らが「親中反米」「親北反米」であるかのように見えるのは、親ソ反米時代のなごりでしかないように思います。つまり、「社会主義を掲げるものは(実態はどうであれ)すべて正しいのだから、批判対象ではない」というわけです。実際、親ソ反米時代から、「北朝鮮はこの世の天国だ」と宣った作家もいましたし、文化大革命を絶賛した自称文化人もいました。彼らには、ただ「社会主義」という看板さえあれば、他のことはどうでもよかったのです。言わば「拡大親ソ反米路線」というべき姿勢でしたが、その中核部分が消滅しても変えることができなかったのでしょう。
        彼らにとっては残念なことに、「親中反米」「親北反米」は親ソ反米ほどの共感を得ることはできませんでした。中核部分を失ったドーナツのように空疎なものでしかないので、ある意味当然の結果ではあるのですが、「社会主義は正しい。なぜならば社会主義は正しいからである」以上の考えを持たなかった/持てなかった人たちは、そこに縋りつくよりなかったのだろうと思います。

        彼らが親中親北であり、その走狗と化しているのは、ただただ中国や北朝鮮が「社会主義」の看板を掲げているというその一点に依っています。実際の中国や北朝鮮がマルクス・レーニン主義から遥かに遠く、ただ一党独裁という一点を維持しているに過ぎないということからは目を背け続けています。その結果として、彼らは妄想の中の住人でしかなくなってしまっているということではないでしょうか。

        • 龍様

          ご返事ありがとうございます。
          結局のところ日本の左翼は中華思想へ行き着くのでしょう。
          彼らが頻りに支那(中華人民共和国)や朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国)を尊重すべき的な主張をしているあたり、そうなのだと思います。
          特亜の狗である鳩山由紀夫元総理が東アジア共同体構想を持っているのも支那や朝鮮を立てて、日本は彼の国に従えと言うことなのでしょう。

    • > 彼らは自らの拠って立つ基盤を見失ったまま

       環境保護活動に流れていった左派もいますね。デモの繰り返しや攻撃的な主張は左派の手口そっくり。自然エネルギーを美化し過ぎ、実現不可能なCO2削減を主張など、現実的でない事ばかり主張して空論をもてあそぶ態度も左派そっくり。
       何よりも、かつてはソ連と東欧、今は中国が大量のCO2やNOxを排出している事には絶対に意義を唱えない事も左派そのものです。

       緑の党のような環境保護系政党を「すいか党」と言っていた方がいましたがまさに言い得て妙です。見た目は緑、中身は真っ赤ですから。

      • ソ連崩壊を受けて心の拠り所を失った多くのサヨクが逃げ込んだ先が「環境」と「人権」で、それは日本ばかりではなく、欧米でも同様でした。でも、思考スタイルは何も変わっておらず、さらに心の奥底に眠る「社会主義への郷愁」のために、仰るような異形の者たちが続出することになりました。というのも、結局のところ、彼らは「社会主義は正しい。なぜならば、正しいからである」というドグマを「脱炭素/人権擁護は正しい。なぜならば、正しいからである」という違うドグマにすり替えたに過ぎないからです。

        ただし、日本と欧米とで違いがあるとすれば、「人権」という概念への理解度だと思います。というのも、近代的「人権」概念は、キリスト教文化を背景に成立したものであり、文化的基盤としてキリスト教文化の中で育った人たちにとっては比較的容易に把握できる概念ですが、異なる文化的基盤を持つ者にとっては、必ずしも自明とは言い難い概念だからです。日本の多くの人権擁護論者による議論が、単に「美しげに響く言葉」に酔っているだけで、哀れなほどに底が浅いのはそのためではないかと考えています。まあ、だからといって、欧米の人権擁護論者の議論がまともかというと、けしてそうではありませんが。

  • >辻元、福島の両氏が激しく票を奪い合う展開が見られるかもしれません。

    これらは両名とも「自分さえよければいい、自分の地位が安泰ならば日本の国民がどうなろうと知ったことではない」というタイプの人間なので、両方とも落選して欲しいし裏でやっている薄汚い悪事も全部詳らかにしてもらいたい。そして二度と選挙に出てこれないようになることこそ肝要。

    折しも次の参院選は立件共産党と社民党のの存続の危機に面した状況のなかで行われるもの。
    そういう中で、あのコウモリ男のタマキンがブレずに今の方針を貫徹できるか否か、というのはタマキンが政治家として本道に立ち返ることができるかどうかの分水嶺でしょう。
    ここで再び蝙蝠っぷりを発揮して、野党連合による候補一本化などと言う愚挙に乗っかってしまうようであれば、そこでタマキンはお仕舞。

    • タマキンもとい玉木氏個人には身内含め業界団体のバックもあるご様子ですので、独りで高望みしないならヒヨッても議員生命だけは繋げそうではアリマス

  • >泉健太・立憲民主党代表は、ごく近いうちに、連合との関係修復を取るのか、それとも日本共産党との選挙協力を取るのかを選択しなければならないでしょう。

     連合と日本共産党との間で板挟みになる立憲民主党が、米中の間で蝙蝠外交を続ける某国とダブって見えてしまいました。

  • >「野党連合は特定の人たちだけを満足させている」

    これって「野合」では?

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