岸田文雄内閣の支持率は軒並み60%台と好調です。その一方、政党支持率では「立憲<維新」という構図も明白になってきました。さらには、読売新聞の調査によると、社民党の支持率がゼロ%だったそうです。もちろん、これは本当に「ゼロ」だったのか、単純に端数処理の関係でゼロと表示されているだけなのかはわかりませんが…。
内閣支持率は堅調
当ウェブサイトでは長らく、いくつかのメディアが実施する内閣支持率調査を「定点観測」してきました。具体的には、6つの世論調査(読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社のものに加え、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同調査)です。
これのうち、読売新聞と時事通信については最新版のものが出てきていますので、内容をアップデートしておきましょう(図表1)。
図表1 内閣支持率(2021年12月~2022年1月)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
---|---|---|
共同通信(12/18~19) | 60.0%(▲0.5) | 22.7%(▲0.3) |
産経・FNN(12/18~19) | 66.4%(+3.2) | 26.2%(▲4.5) |
朝日新聞(12/18~19) | 49.0%(+4.0) | 23.0%(▲4.0) |
日経・テレ東(12/24~26) | 65.0%(+4.0) | 26.0%(▲1.0) |
読売新聞(1/14~16) | 66.0%(+4.0) | 22.0%(±0) |
時事通信(1/7~10) | 51.7%(+6.8) | 18.7%(▲5.3) |
(【出所】各社報道より著者作成)
これで確認してみると、今回支持率が50%を超えた時事通信の調査、支持率が49%だった先月の朝日新聞の調査を除くと、どの調査でも内閣支持率は60%台であり、また、不支持率についてもほとんどのメディアで20%台、時事通信の最新調査だと10%台、という状況です。
少なくともこれらの調査を信頼する限りにおいては、菅義偉政権の末期と比べると、支持率は非常に高く、内閣は安泰、といったところでしょう。
政党支持率では「立憲<維新」
その一方で、もうひとつ興味深いのが、政党支持率(図表2)でしょう。
図表2 政党支持率(2021年12月~2022年1月、カッコ内は前回比)
メディアと調査日 | 自由民主党 | 立憲民主党 | 日本維新の会 |
---|---|---|---|
共同通信(12/18~19) | 43.8% | 11.6% | 12.5% |
産経・FNN(12/18~19) | 38.6%(▲1.6) | 7.2%(▲1.8) | 8.1%(▲3.6) |
朝日新聞(12/18~19) | 36.0%(±0) | 8.0%(▲1.0) | 7.0%(▲2.0) |
読売新聞(1/14~16) | 41.0%(±0) | 5.0%(▲2.0) | 6.0%(▲2.0) |
時事通信(1/7~10) | 25.6%(▲0.8) | 4.0%(▲1.0) | 4.3%(▲0.6) |
(【出所】各社報道より著者作成)
これで見ると、やはり興味深いのが、最大野党である立憲民主党と野党第2党である日本維新の会で、支持率の逆転が生じ始めている、ということでしょう。
今回の時事通信の調査では、立憲民主党の支持率が1ポイント落ちて4.0%となった一方、日本維新の会に対する支持率も0.6ポイント落ちて4.3%となりましたが、その結果、両党で支持率に逆転が生じています。
少なくとも、図表2に掲げた政党支持率調査で見る限り、先月の朝日新聞の調査を除いて、いずれも「維新>立憲」という構図が明白になっている状況です。
読売調査で社民党の支持率がゼロ
ちなみに、読売新聞の次の記事も、なかなか興味深いことになっています。
2022年1月 電話全国世論調査 質問と回答
―――2022/01/17 05:00付 読売新聞オンラインより
この記事の「今、どの政党を支持していますか」という調査項目を確認すると、「社民党」が前回も今回もゼロです。
といっても、本当に「ゼロ」だったというよりは、単純に、読売新聞の調査だと小数点未満が表示されていないためだと思われます。実際、小数点未満が表示されている時事通信の調査だと、社民党の支持率は0.4%ですので、おそらくは単純に四捨五入したらゼロになる、というだけの話だと思います。
しかし、『今夏、社民党を待つ「2%の壁」』などを含め、これまでにしばしば当ウェブサイトで取り上げてきたとおり、どうも社民党は今夏の参議院議員通常選挙で政党要件を維持するうえで必須となる「全国比例での2%」得票に赤信号がともっている状況だとか。
国内政治における今夏の注目材料は参院通常選挙ですが、社民党の得票率は2%を割り込むでしょうか。すでに「最大野党」である立憲民主党に対する支持率は減少傾向にあるのですが、新聞、テレビを中心とする古いメディアの社会的影響力が枯渇して行けば、昨年の衆院選に続き、「日本を支配してきた古い体制」が本格的に終焉する兆しとなるかもしれません。立憲民主党の支持率は低下傾向当ウェブサイトでは「数字」をテーマに、メディアが実施する6つの内閣支持率や政党支持率などのデータを「定点観測」しています(「定点観測」して... 今夏、社民党を待つ「2%の壁」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もしも今度の選挙で社民党が政党要件を失うということがあれば、また日本の政治史も新たな局面を迎えると考えてよさそうです。
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先日社民党の代表選があったそうで、福島瑞穂氏が無投票で選出されたそうです。
なり手のいない自治会長みたいになってるんじゃないですかね。
最後にババを引いた人は、どうやって辞めるんだろう。
【最後の審判】
「ワン みずほ」から「ゼロ みずほ」へ
次の参院選のキャッチコピーにいかがでしょう?
世論調査での支持割合0.4%が崩れることのない岩盤数であったのだとしても、これで得票率2%を達成せんがための投票率は20%・・。
最低でも、世論調査の段階で0.8%の支持を得られないようでは政党として終わっているのかと。
大雨くらいじゃ投票率20%は考えられないのですもね。
この世論調査うのみにはできない。
3党の政党支持率を合計すると時事通信の67.9%に対して共同通信の33.9%。
つまり自民、立憲、維新の3党のいずれも支持しない人の割合が時事通信では32.1%、共同通信では66.1%。
質問の立て方が違うとしか思えない。
福島瑞穂氏は立民の議員だと思われているのでは?
見分けのつかない行動してますし。
応援するつもりで、比例に立民と書いてるとか。
素朴な疑問ですけど、(理論上ですけど)政党支持率がゼロの政党が、議席を得るのはおかしいことになるのではないでしょうか。もしそうなれば、政党支持率の信頼性に疑念を生むのではないでしょうか。
すみません。追加です。
今の社民党の政党支持率で、(福島瑞穂党首は別にして)社民党から当選するために立候補する人が、どれだけいるのでしょうか。そもそも、社民党が候補の数を揃えられるのでしょうか。
「オマエのせいでこうなった!」
福島は全国で旧社会党の熱烈な支持者からこう罵声を浴びている。
これにはさすがの福島も平謝り。
もう社民党の党員、元党員も自分たちの運命を悟っているのではないか?
これからの半年間の福島の悪あがきが見ものだw
どんなキテレツな言動を見せてくれるのか?w
トシ様
瑞穂さんは照屋」何某から党大会で「社民党を食いつぶしたのはお前だ」と面罵されましたが、平謝りなどしてません。大した玉です。
HNわすれた様
どうもありがとうございます。
福島が村山のもとを訪ねた際に支援者から罵倒される。
福島がそれに誤った記憶があったのですが…
以降、不確かなコメントは控えるようにします。
いっそのこと、福島香織を党首に立てて頑張れば社民党は3議席くらい取れるかも
なってくれるのは難しいかもしれないが、
世間の人は社民党ってとっくに立憲民主党と国民民主党に吸収解党してると思ってるのでは?