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落選した人物を「再び国会へ」:理解に苦しむ署名活動

選挙で落選した人に対し、「国会にもう一度戻ってきてもらいたい」というキャンペーンが「署名サイト」に立ち上がっています。これに対し、「万が一、選挙で落選した人を選挙以外の手段で議員にしようとしているのだとすれば、それこそ民主主義の否定ではないか」、といった趣旨のネットユーザーのコメントが出ているのですが、個人的にはネットコメントの方に納得してしまう次第です。

辻元清美さん、早く国会に

10月31日の総選挙では、新聞・テレビなどのメディア各社による「立憲民主党は議席を上積みする」という予測にも関わらず、現実には立憲民主党が公示前勢力の109議席を96議席へと13議席減らしました。

そして、落選した人物のひとりが、辻元清美氏です。

正直、日本は民主主義国家なので、選挙結果がすべてであり、辻元氏が落選したのも選挙民の選択によるものだとしか言いようがありません。

ただ、この辻元氏の落選に納得がいかないためでしょうか、署名サイト「change.org」に『辻元清美さん、早く国会に戻ってきてください。#辻元清美を国会へ』というキャンペーンが立ち上がっているようです。

辻元清美さん、早く国会に戻ってきてください。#辻元清美を国会へ

このキャンペーンを立ち上げたのは「辻元清美を国会へ市民有志」という人たちだそうです。

辻元清美さんに、国会にもう一度戻ってきてもらいたい。そんな思いから私たち有志はこの署名を立ち上げました。いま日本が必要としている女性リーダーの一人、辻元清美さんが10月31日に行われた衆議院選挙で議席を失いました。

…。

東スポウェブの記事

この点、日本は自由主義国家ですから、「辻元清美氏は日本に必要な女性リーダーだ」、などと主張なさるのも自由です(こうした主張が賛同を集めるかどうかは別ですが)。

ですが、ここでひとつ疑問に感じるのですが、果たして「署名活動」をして何か意味があるのか、という点です。

これについては、『東スポWeb』が配信した次の記事でも取り上げられています。

帰ってきて~!辻元清美氏を「再び国会へ」署名活動が活発化 1700人超が賛同

―――2021/12/14 12:20付 Yahoo!ニュースより【東スポWeb配信】

東スポWebでは、これについて、次のように指摘します。

署名集めは1週間前から始まり、14日昼時点で約1700人が賛同している。『辻元ロスの状態が続いています』『枝野さんがおりるというなら次の代表は辻元さんがよかった』『もう落選を嘆いている時ではない。立ち上がる時だ』などと賛同者のコメントが寄せられている」。

1週間で1700人という人数が多いのかどうかはさておき、賛同している人がいることは間違いなっさそうです(※ちなみに賛同コメントは15日午前9時半の時点で2500人近くに達しています)。

コメント欄の「ツッコミ」

ただ、転載先の『Yahoo!ニュース』のコメント欄には、次のような趣旨のコメントもあります(表現をややマイルドにしているほか、明らかな誤植については訂正しています)。

  • 「本当に求められてるなら当選していたと思うのですが。」
  • 「次の選挙で当選させれば良いだけでは?」
  • 「選挙以外で議員になる手段なんて出来ちゃダメ」
  • 「仮に署名の結果で本当に何かが動くのなら、『民主主義の危機』になるのですが、自己矛盾に気付かれませんか?」
  • 「民主主義によって落選したのが不服で署名活動なんて、民主主義を無視しようとしていないか」
  • 「有権者が要らないと判断したのに、『再び国会へ』とは、選挙制度の根幹を揺るがす行為では?」

…。

なかなか、容赦ないコメントばかりです。

いずれにせよ、一般ユーザーのコメントの方が、はるかに参考になると思ってしまうのは気のせいでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (39)

  • 署名して、どうするんかな?
    国会議員が、選挙で選ばれる事を分からない人のやる事は、よう分からん。

  • おそらく、国会をエンタメの場か鬱憤晴らしのための見世物と考えている人がいるということなのではないでしょうか。閣僚や官僚が「吊るしあげられている」ところが見たいだけであって、中身については関心がない、あるいは理解できないのかもしれません。

    # 一度、全盛期の古舘伊知郎が中継する国会というのを見てみたかったけどなぁ......

  • あれ? 
    民主的な選挙で審判が
    正しく出た結果ですのに。

    すでに大量逮捕者を出した
    関西生コンと行動をともに
    していた辻元氏には
    議員だったのでできなかった
    検察の強制捜査が待ち望まれます。
    その結果
    再び送り込むべき先は国会でなく
    以前収監されていたところ
    であるのがあるべき方向性
    と考えます。

  •  辻元さんを繰り上げ当選を狙っているのでしょう
     そのために、辻元さんを繰り上げ当選できるように、当選した立憲民主党の議員を辞職させるように『圧力をかける』運動をするようにしか見えません。
     本気なのか?

      • 違います。

        衆議院小選挙区は繰り上げ当選がありません。当選者が失職すればその選挙区は欠員となり、4月か10月の補欠選挙を行う事となります。
        中選挙区制の時は繰り上げ当選がよくありましたけれども。

        繰り上げ当選は比例で当選した立件に3名の誰かが辞めるしかありません。内ゲバの始まり始まり〜

        • 正確に言えば、「当選人と同数の得票があり、くじ引きで当選人とはならなかった候補者がいなかった場合には繰上補充は行われない」ですね。

          公職選挙法
          (衆議院比例代表選出議員又は参議院比例代表選出議員の選挙以外の選挙における当選人の繰上補充)
          第九十七条 衆議院(比例代表選出)議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙について、当選人が死亡者であるとき又は第九十九条、第百三条第二項若しくは第四項若しくは第百四条の規定により当選を失つたときは、直ちに選挙会を開き、第九十五条第一項ただし書の規定による得票者で当選人とならなかつたもの(衆議院小選挙区選出議員又は地方公共団体の長の選挙については、同条第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたもの)の中から当選人を定めなければならない。
          2 参議院(選挙区選出)議員又は地方公共団体の議会の議員の選挙について、第百九条第五号若しくは第六号の事由がその選挙の期日から三箇月以内に生じた場合において第九十五条第一項ただし書の規定による得票者で当選人とならなかつたものがあるとき又はこれらの事由がその選挙の期日から三箇月経過後に生じた場合において同条第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがあるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。
          3 衆議院(小選挙区選出)議員又は地方公共団体の長の選挙について、第百九条第五号又は第六号の事由が生じた場合において、第九十五条第二項の規定の適用を受けた得票者で当選人とならなかつたものがあるときは、直ちに選挙会を開き、その者の中から当選人を定めなければならない。

          辻元元議員の場合、小選挙区では得票同数で負けたわけではないので、公職選挙法第97条3項の適用対象ではありません。そこで、第97条1項が適用されることを期待するしかありませんが、辻元氏が順番待ち1位であるかどうかわかりません。

          まあ、結局のところ、参院選のための「選挙運動」なんじゃないでしょうか。公職選挙法第138条の2に抵触しないといいですね。

          第百三十八条の二 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人に対し署名運動をすることができない。

  • 少数意見なのに「国民の意思」を装う手段が、署名、デモなのがバレちゃった、ということではないでしょうか。
    落選直後じゃちょっと、、、

    デモやれば取り上げてくれるマスコミが甘やかした結果だと思います。

  • 署名サイト自体が、反対意見を表明・コメントする欄がなく、
    反対意見は聞こえなーい、という形式のため、
    なんか違うんじゃないかなぁ、と最近感じています。

    本当に全うな署名の募集であれば、反対意見にも耳を貸し、
    議論して、必要であれば、方向の修正もして、
    だと思うのですが。

  •  純粋に賛同する方が万が一にでも実在するのなら、頭の可哀想なことですが。
     せいぜいがこうやって話題を作って知名度の補強と、やや頭の可哀想な方々に「あぁあの人応援されてたんだ」などと思わせるための印象操作をしておき、署名自体で復活などという絶対不可能な狙いではなく、次回選挙で復活させたいというあたりの思惑の活動でしょう。
     ここの出入りの諸兄には、秒かからずに「ろうそくデモ」とかいう反民主主義的なモノが想起されると思いますが。やはり関係は深いようですね、彼女は北側でしょうが。

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