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韓国の大統領候補が「韓日関係修復とG7入り」公約に

韓国の次期大統領としての有力候補の1人とされる「保守派」の洪準杓(こう・じゅんひょう)氏は本日、「GSOMIA維持」、「韓日間の未来協力のための包括的パートナーシップ共同宣言」、「慰安婦および強制労役問題の早期に解決」などの日韓関係修復に加え、G7入りを目指す、などとする項目から構成される「外交公約」を公表したそうです。韓国が壊してきた日韓関係が修復できるというのかどうかはさておき、ずいぶんと野心的な公約です。

すべては韓国の問題:日本はテーパリングを進める

先ほどの『韓国メディア「来月に韓日首脳会談が行われる可能性」』に続き、本稿でももうひとつ、日韓関係についての話題を取り上げておきたいと思います。

普段から当ウェブサイトで述べているとおり、日韓関係といえば、大きなところでは竹島不法占拠問題、小さなところでは仏像の窃盗問題に代表されるとおり、さまざまな懸案が横たわっており、なかでも最近の問題は自称元徴用工、自称元慰安婦などの「歴史問題」です。

しかし、それらの多くは結局のところ、韓国による国際法違反、国際条約違反、国際約束違反、国を挙げたウソ・捏造などの問題に帰するのであり、正直、日本政府、あるいは私たち日本人の立場からすれば、これらの問題を解決するためにできることはありません。

あるいは、敢えて「解決」しようとして、日本が国際法の原理、原則を捻じ曲げて、韓国に対して譲歩して謝罪でも賠償でも何でもしてみたらよい、とおっしゃる方もいますが、2015年12月の日韓慰安婦合意が示唆するとおり、日本がいくら謝罪しても賠償しても、結局、韓国はそれらの約束を破ってしまいます。

こんな不健全な関係、永続するはずがありません。

もちろん、現在の日本にとって、韓国との関係は重要ですので、「今すぐ日韓断交する」などのハードランディングシナリオは避けねばならないのですが、それと同時に、日本が現在取っている行動は、結果として、徐々に韓国(や中国)との相対的な重要性を低めることにつながっていることも間違いありません。

たとえば日本は近年、外交・防衛上の軸足を「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)に移し、経済上の軸足を環太平洋パートナーシップCPTPPなどに移し、台湾やASEANなどとのワクチン協力などを深めていますが、これも日本が国として、韓国との関係を諦め始めている証拠といえるかもしれません。

これが当ウェブサイトの用語でいう「日韓関係テーパリング」論です。

保守大統領候補「韓日関係の推進」

ただ、こうした動きに対し、やはり反動が生じて来たようです。

韓国メディア『中央日報』(日本語版)によると、韓国の最大野党で保守政党「国民の力」に所属する洪準杓(こう・じゅんひょう)氏が27日発表した外交公約のなかに、日本との関係に関するものが含まれていたのだそうです。

韓国野党大統領候補の洪準杓氏、外交公約を発表「GSOMIA維持、慰安婦強制労役問題の早期解決」

―――2021.10.27 11:08付 中央日報日本語版より

中央日報が報じた概要は、こうです。

  • 韓日GSOMIA(※1)を維持する
  • 岸田文雄首相との間で「韓日間の未来協力のための包括的パートナーシップ共同宣言」を推進する
  • 慰安婦および強制労役問題(※2)は早期に解決されるようにする

ずいぶんと、「野心的な」公約です(※「野心的な」とは褒め言葉とは限りませんが…)。

日韓GSOMIAについては、日本の対韓輸出管理適正化措置発動に対する報復として、2019年8月に韓国政府が日本政府に対し、「終了する」と通知したものですが、これについては韓国政府的には「終了通知の効力を中断している」に過ぎないことになっているようです。

もちろん、『あれから1年:いまだにGSOMIA破棄できない韓国』などでも報告したとおり、韓国政府の「GSOMIA終了通告の効力中止」なる概念は、国際法上もあり得ないものであり、韓国の独り相撲、というわけです。

また、岸田首相の了解を得たわけでもないのに、「包括的パートナーシップ」というのも、じつに面黒い発想でしょう。日本は常に「未来志向の日韓関係」を志向して来ましたが、韓国側からの動きは常にこれに反するものでしたし、今さら「未来志向」などと言われても正直、困ってしまいます。

さらに、自称元慰安婦、自称元徴用工などの歴史問題については、法的には1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決がついている問題であり、実質的には韓国のウソ、捏造のたぐいのものでもあるため、その解決の全責任は韓国のみにあります。

日本としては、自称元慰安婦問題については2015年12月の慰安婦合意により、自称元徴用工問題については2019年の日韓請求権協定に基づく協議・仲裁努力により、できることはすべてやりましたので、これ以上の外交努力を講じようにも、やりようがないのです。

文在寅政権で崩れたものが戻る保証はない

もっとも、中央日報によると、洪準杓氏はこの日の記者会見で、次のようにも述べたのだそうです。

『国益優先』の大原則の下、韓米・韓中・韓日など崩れた対外関係を正常化することによって国の自負心を回復し、主要7カ国(G7)先進国飛躍の基礎を用意する」。

あれ?

今年のG7サミットに(ゲスト国として)参加したことで、韓国国内では「ついにわが国もG8だ」、などとする議論が出ていませんでしたっけ?

いずれにせよ、洪準杓氏の「米韓、中韓、日韓などの崩れた外交関係を正常化する」のくだりからは、文在寅(ぶん・ざいいん)政権がいかに韓国の外交をメチャクチャにしたかという、彼自身の問題意識が見て取れますが、仮に洪準杓氏が次期大統領になったとして、外交関係が元どおりになるという保証もありません。

いずれにせよ、「保守」側が次期大統領候補に洪準杓氏を選ぶのか、元検事総長でもある尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏を選ぶのかはわかりませんし、その保守候補が勝つのか、左派の李在明(り・ざいめい)前京畿道知事が勝つのか、それ以外の候補が勝つのかもわかりません。

ただ、個人的には、だれが次期大統領になったとしても、安倍晋三総理大臣が韓国のことを「基本的価値と戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と述べたような状況に戻る可能性は非常に低いと考えて良いのではないか、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (29)

  •  早期に解決するって言われましても、日本が受け入れ可能な解決策を韓国が提示しないと永久に解決しないんですが、この方は理解していらっしゃるのでしょうか?
    GSOMIAの件も日本は何もしていない、韓国の独り相撲で墓穴を掘って勝手に埋まって身動き取れなくなってるだけ、自業自得なんだよなぁ。

  • 私にとって韓国は、過去にトラブルがあり二度と金は貸さないと決めている(回収は諦めた)隣人みたいなものですからねえ。
     家長が変わろが、子供が出来ようが、向こうの事情でまたお金貸してねと言う話なら願いさげなのです。
     基本的な価値観の中には、借りた金は返さないといけないと言うことも含まれているのです。

  • 新宿会計士様とその読者様の間では既に周知の話ですが
    韓国大統領が真剣に日本との関係改善をしようと思っても、韓国社会の世論的に慰安婦合意を履行する事も所謂徴用工の対日賠償を諦めて韓国政府が救済する事も許されないでしょう。このため誰がなっても日本との関係は現状維持がせいぜいでしょうね。
    その現状維持もできるかというと、大統領の支持率が衰えたときに反日でブーストする誘惑に勝つのは困難でしょうし。

    韓国の大統領選の結果で変わるのは、日本との関係悪化のペースが加速するか鈍化するかだと思います。

  • 鈴置さんが、韓国大統領選挙について、プライムニュースで言ってました。
    「大ボラ吹いたもん勝ち」。

    左右の候補とも根拠無く「日韓関係は、改善させる」と言いながら、反日発言して、相手候補に親日派のレッテルを貼り合いに必死になるのは、決まりでしょう。

  • >韓米・韓中・韓日など崩れた対外関係を正常化することによって国の自負心を回復し、

    これって、意味分かった上で、言ってるんでしょうか?

    韓米関係の正常化=対中、対北関係の冷却化。運動圏連中が黙っているとは思えないけど。
    韓中関係の正常化=もうアチラは属国化完了と見なしていると思うよ。今更言ってみても、
    韓日関係の正常化=過去にした分も含め、約束はきっちり守ります=自負心ズタボロ。

    >主要7カ国(G7)先進国飛躍の基礎を用意する

    はて基礎?
    とうにその資格があるのに、日本が邪魔して…、がデフォルトじゃなかったっけ。

    • 伊江太 さま
      >韓米・韓中・韓日など崩れた対外関係を正常化することによって国の自負心を回復し、

      この部分は、ただ文大統領の外交の失敗を指摘しているんだと思います。
      韓国人について「具体的な解決方法を考えられる」という前提は、当てはまらないと思います。

    • セオル号沈没の前日に「韓国は朝貢関係に戻るべき」と中国高官に言われたらしいよ

  • > 韓日関係の推進
    いやいやいや、そんなことしたら親日罪で捕まってしまいますよ。
    すぐにローソク灯されて刑務所行きです。
    偉大な文大統領を超える、壮絶な反日をやらないとw

    • 皆さん重大な誤解をされています。
      韓国大統領候補が言うところの韓日関係の改善とか推進とかというのは、あくまでも韓国から見てのものでしかありません。すなわち、韓国がどれほど身勝手な要求をしようが、すべて日本が甘んじて受け入れてくれるような関係を目指すということです。間違っても、日本の親韓派が期待しているような「改善」ではありません。

      関係改善とか謝罪といった語の意味は、日本と韓国とでは全く異なっているということに留意すべきです。

      • 龍 様

        >韓日関係の改善

        日本の親韓派も「韓国がどれほど身勝手な要求をしようが、すべて日本が甘んじて受け入れる」関係を想定してるんじゃありませんかねえ?

        • それは媚韓派と呼ぶべき輩であり、生粋の親韓派にとっては、むしろ最大の敵でしょう。一応は区別しておいてあげないと。

  • この韓国大統領候補の公約を聞いて、鳩山由紀夫民主党党首(当時)の「(普天間基地は)最低でも県外、できれば国外」を思い出したのは、私だけでしょうか。

  • あげられた外交公約の全てがひとつも日本も含む他国の利益にはならないというのは見事かと。

    コロナが無くても文政権で韓国が莫大に作った負債を、次期大統領は左右どちらから選ばれても返済しなくてはなりませんが出来るとまるで思えません。

    別にそれでも日本にすり寄って来なければどうでもいいけど。

    保守と言われる方々だって天安門広場の軍事パレードに習近平やジンバブエのムガベと並んで立つのが誇らしかったくらいのレベルですよね。

    米露中対立の構図から韓国は既に脱落していると各国計算済みだと思うのですが?

  • 日本との関係なんかより、
    >中国との不合理な外交約束の公式破棄
    こんなこと言って大丈夫なんでしょうか?

    日本は約束を破られても未だに「韓国が関係改善の切っ掛けを作って欲しい」と口だけなんだけど、中国は速攻で殴りかかってくるんじゃないのかな??

    いやまぁ、余所の国のことだから、どうでも良いんですけどね♪

    • >中国との不合理な外交約束の公式破

      三不のことなら『あれは正式な条約ではないから不履行ても大丈夫なんじゃないかなぁ~、だよね?』とK国の政治家の誰か(忘れた)が既に言ってますね。で、本当にやるのかな?ワクワクします。

  • 今真っ最中の日本の衆議院選挙も似たような公約で溢れていませんか。驚いたのは多くの大学生が10月31日で思い出すのはハロウィンだけで投票日も知らず、インタビューでは口を揃えて(TV局が敢えてそのような結果ばかり集めたのか)「どの政党に投票したらよいかわかんなーい」といっていること。そのための投票マッチングアプリまであるとは隔世の感があります。
    各党の公約に基づき投票マッチングアプリを使って選べば共産党でも上位に上がれます。全共闘の世代(投票率も60代、70代がダントツに高いそうで)からすると信じられない学生の風潮ですが、まぁ、ピケを張って暴れるよりはましかもしれません。あっ、自分はそんなことはしませんでした。
    今回の選挙では既存マスコミを駆逐しつつあるインターネットの影響と、ハロウィンしか思いつかない若い世代の影響がどの程度かを測る例になりそうです。
    一方の韓国の若い世代の影響はどんなものなんでしょうね。 オジイの言う日韓関係やGSOMIAなどを韓国の若い世代はどの程度知っているのでしょう。小さい頃から反日教育されているため、変わらないようにも思います。

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