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立憲民主党・小沢一郎議員「厳しい戦いに」=愛媛新聞

世間の多くの人が考えていたのと比べて1週間早く、岸田首相が衆院の解散総選挙を実施する方針を示したためでしょうか、そろそろ世の中が「選挙ムード」に切り替わって来ました。個人的には「スキャンダル追及専門政党」である立憲民主党がどこまで議席を減らすか(あるいは維持するか、増やすか)にも注目しているのですが、こうしたなか、立憲民主党の小沢一郎氏のインタビュー記事を発見しました。

野党は「料理が出てこないレストラン」

愛媛新聞ONLINEに今朝、こんな記事が掲載されていました。

立憲民主党・小沢一郎氏 次期衆院選「厳しい戦いになる」(愛媛)

―――2021/10/6 5:00付 Yahoo!ニュースより【愛媛新聞配信】

これは、次期衆院選を控え、10月4日から5日にかけて愛媛県を訪れた立憲民主党の小沢一郎氏に対し、愛媛新聞が単独インタビューを実施したという話題です。

小沢氏は岸田文雄首相について「岸田氏は悪い人ではないが、適任かどうかは別」、「国民の生活を守るトップリーダーとして資質に欠ける」などとしたうえで、自民党の党役員や閣僚の中にもスキャンダルなど「問題を含む人がおり、いずれ表面化してくる」と述べたのだとか。

こんなことをおっしゃるから、立憲民主党は「スキャンダル追及専門政党」と呼ばれるのではないでしょうか。

これについて、普段から当ウェブサイトでは、現在の国政政党を「寂れた食堂街」にたとえてきたつもりです。

  • まともに食べられる料理を出してくれるのが、高くてマズい「自民党食堂」しかない。
  • 自民党食堂のライバルと名乗る「立憲民主党食堂」に入ると、メニューには「自民党食堂」の悪口しか書かれておらず、肝心の料理が掲載されていない。
  • 料理を注文しても、店員さんはひたすら「自民党食堂」の悪口ばかり言っていて仕事をしない。
  • 間違って「日本共産党食堂」に入ると確信犯的に毒物を提供してくる。

こういう状況だとわかりやすいでしょう。

端的にいえば、じつに救いがない状況です。

自由・民主主義に反する勢力が権力を握っている

では、なぜこんな構図が維持されてしまうのか。

さまざまな要因が考えられますが、ひとつには自由・民主主義に反する勢力が日本社会で力を持っていることがあるでしょう。

日本は本来、自由・民主主義社会であり、ある組織や会社が社会的に大きな力を持つためには消費者の支持を得ることが必要ですし(任天堂が純粋な経営努力によって多くの消費者に受け入れられているようなものでしょう)、ある政党ないし組織が権力を持つには有権者の支持が必要です。

しかし、財務省や財務官僚は国家財政の入口(国税庁)と出口(主計局)を一手に支配下に置き、実質的に国会議員を遥かに上回る政治的権力を持ってしまっていますし、新聞・テレビなどのオールドメディアは記者クラブ制度などを通じて情報を独占することで、社会的影響力を持ってしまっています。

さらには、NHKは法律の規定を悪用して年間7000億円を超える受信料収入を得て、職員1人あたり1700万円近い人件費を計上し、連結集団に年金資産を含めて1兆円を超える金融資産を抱え込む、一種の「特権集団」と化しています。

そして、オールドメディアが野党を徹底して守るためでしょうか、立憲民主党はいまでも最大野党の地位にありますし、国会で最大野党であれば、慣例上、与党を大きく上回る質問時間を持ち、法案の上程などについても強い影響力を発揮することができます。

その意味で、官僚機構(とくに財務省)やオールドメディア(民放、新聞、NHKなど)、野党議員(とくに立憲民主党の議員、日本共産党の議員ら)は、自由・民主主義社会としての原則から逸脱する存在である、という言い方をしても良いのです。

日本を良い方向に変えるための方法

ただ、それと同時に、ひとつ救いがあるとしたら、日本は自由主義社会であり、民主主義国家である、という事実です。

正直、高くてマズい「自民党食堂」で食事をするのはシャクですが、ただ、「立憲民主党食堂」で食事をする人がいなくなれば、その分、「立憲民主党食堂」は徐々に面積を縮小し、やがては食堂街から撤退せざるを得ません。

そして、「立憲民主党食堂」よりはいくぶんかマシな「国民民主党食堂」や「日本維新食堂」などが少しだけ面積を広げるかもしれませんし、あるいはもっとマシな食堂が新規に進出してくるかもしれません。あるいは「公明党食堂」が面積を減らせば、「自民党食堂」への影響力を減らすことができるかもしれません。

(※なお、いちおう注意しておきますが、当ウェブサイトの著者は「国民民主党」や「日本維新の会」の支持者ではありません。あくまでも「モノのたとえ」です。)

当ウェブサイトでしつこいほど「選挙で必ず投票してください」と呼びかけている理由は、まさに、「無党派層」が投票をしなければ、その分、組織票を持つ政党(たとえば公明党や日本共産党など)が得をするからであり、現在の構図がそのまま維持されてしまうからです。

すなわち、あなたが白票を投じたり、選挙で棄権したりすることは、間接的に公明党や日本共産党に投票しているのとまったく同じ、というわけです。

N国党という政党の歴史的意義

だからこそ、こうした「自由・民主主義に反する勢力」の政治権力・社会的影響力を排除するためには、基本的に私たち日本国民が、有権者として、消費者として、次のような行動をとり続けるしかないのです。

  • ①内容に同意できない新聞を購読しない。
  • ②内容に同意できないテレビを視聴しない。
  • ③選挙では必ず投票する。

このような行動を人々が続けていれば、必ず社会は良い方向に変わっていきます。

こうした事例として、個人的に興味深いと思ったのは、旧「NHKから国民を守る党」(N国党)です。

この政党は2019年7月の参院選で比例区において1議席を獲得するとともに2%の得票を得て「政党要件」を満たしましたが、「NHKをぶっ壊す」という立花孝志党首のわかりやすいメッセージが有権者に受け入れられた、という言い方もできます。

ただ、こうした「過激な(?)」主張をNHK自身を含めたオールドメディアが報じるわけがありません。

もしも選挙が行われたのが2019年7月ではなく、その3年前の2016年7月だったとしたら、N国党は泡沫政党で終わっていたに違いありません。そのN国党が比例区で議席を得るまでに「躍進」したのは、間違いなく、インターネットの社会的影響力が拡大している証拠です。

そして、あくまで著者私見ですが、日本の憲政史上における立花氏の意義とは、「『NHK改革』というワンイシュー政党でも、有権者に支持されれば、オールドメディアから無視されてもインターネットで注目され、議席を得ることができた」という事例を作ることにありました。

ちなみにこの「N国党」、その後は党名をコロコロ、コロコロと変え、肝心の立花氏はせっかく参議院議員に選ばれたのにすぐに辞職し、参院補選に出馬したり、東京都知事選に出馬したり、と、「NHK改革」を期待したであろう有権者の期待を踏みにじっています。

「インターネット派」(?)から見れば、立花氏は「既得権をぶっ壊す」という意味での社会的な「宣伝塔」としての役割は終焉した(=「お役御免」になった)と考えています。

余談ですが、個人的には、立花孝志氏にはお引き取りいただいたうえで、NHKを本当に「ぶっ壊す」、新たな政治的勢力の出現を期待したいと思う次第です。

小沢氏のインタビューの続き

さて、冒頭に紹介した愛媛新聞のインタビュー記事には、続きがあります。

岸田首相はすでに、今月中に衆院の解散総選挙を実施する意向を示していますが、これについて小沢氏は次のように述べたのだそうです。

新内閣発足のお祝いムードの中での解散となる。岸田氏のソフトでハト派的なイメージは、かなりうける。野党としてはやりにくく、非常に厳しい選挙になる。だから私は(候補者らに)『頑張れ』と言いながら全国を歩いている」。

小沢氏が候補者に「頑張れ」と声を掛けたら当選するものでしょうか?

このあたり、『菅総理続投というシナリオが狂って大慌ての立憲民主党』でも指摘したとおり、年内に必ず総選挙が行われるということがわかっていながら、「菅義偉総理の続投」「菅政権への批判票を取り込む」以外のシナリオをまったく考えていなかった立憲民主党執行部の自業自得でしょう。

というよりも、そもそも国会議員とは国家の利益のために存在するものであり、国会議員の本職は、本来、日本国民や日本社会のために、法律を作ることにあります。その職責を果たそうとしない人たちが、有権者から排除されるのは当たり前のことではないでしょうか。

また、新型コロナウィルス対応で「自民党が批判を浴びる一方、野党の支持も伸びていない」ことについては、小沢氏はこう述べます。

いくら菅政権の人気が悪くても、野党も低位安定だ。野党は国民の心に響くような、将来に向けた強いメッセージを発信できていないので、期待が集まらない。これは野党の責任だ」。

小沢氏にそれを指摘する資格があるのかは存じ上げませんが、「野党が国民の心に響くような、将来に向けた強いメッセージ」を発信できていないとご認識になっているのであれば、なぜそれを党執行部に進言しないのでしょうか。

小沢氏は、「野党の候補者は、有権者とふれ合う日常活動が足りていない」、などと述べていますが、立憲民主党に関しては、「それ以前の問題」でしょう。

新宿会計士:

View Comments (23)

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (そう自分に言い聞かせないと、素人が舞い上がってしまうので)
     素人考えですが、今回の選挙運動では、街頭演説が制限されると思います。(というより、新型コロナで、人の集まりも悪いでしょう)
     ならば、自分たちの支持者以外の有権者の感触を確かめる方法を、模索しなければなりません。だから、(希望的観測として)今回の選挙運動は、これまでと違ったものになるはずです)
     蛇足ですが、ネットの『いいね』で有権者の感触を確かめるにしても、それが多いか少ないかの比較対象がありません。
     駄文にて失礼しました。

    • 引きこもり中年さま
      緊急事態宣言が解除していますので、選挙活動の制限は、難しいと思います。

      • だんな 様
        新型コロナの緊急事態宣言自体は解除されても、街頭演説に人を集めることが出来るか、また集まったら、マスゴミが密になっていると批判しないか、などの問題が出てくると思います。

  • 小沢一郎さんの候補者への「頑張れ」が口だけ、手ぶらの訳はないだろうと邪推してしまいます。その昔の、政党を作っては壊して政党交付金を懐に溜め込んだ「埋蔵金」から、百万単位で寸志を渡して回っているんだろうと信じています。ただ、最近は小沢さんも随分影が薄いので、そのお宝資金がかなり減ってしまって現金商売の政治屋さんには通じなくなってきた、と、更に妄想してしまいます。妄想現金!

  • 小沢さんは、自民党時代は今の二階幹事長の10倍くらい権力があって10倍くらい国民に嫌われていた
    今の二階と同じく、自民党は嫌いじゃないが小沢さんは大嫌いな国民も多く
    、自民党が小沢さんを切ることができたら(これは難しいけど)、自民党の支持率回復していたかも
    幹事長は利権と裏金の中枢で(裏金を配るという汚れ仕事もしている)、小沢さんを切ることをできたとしても、次の幹事長が早期に小沢化して元の木阿弥になったかもしれんけど

  • 政権交代だけを訴えて「野党は国民の心に響くような、将来に向けた強いメッセージ」を聞いた記憶が、有りません。

    自由民主主義国家だから、マスゴミや特定野盗が存在出来るのも、現実だと思います。
    自由民主主義は、弱点でもあるのです。

  • 立憲民主党厳しいのか、
    可哀想だし票入れてやるか。

    自民党にコロナ対策の責任をとらせるぞ。


    政策見て投票行く人間の少ないことよ

  • その昔を知るものからすれば、小沢一郎さんが立憲民主党候補の激励に廻っていると事の違和感をどうしても拭いきれません。

  • 野戦司令官から督戦司令官へ鞍替えですか?そりゃ作戦立てるより「おりゃ突っ込めー突撃だぁー」って喚いている方が年寄りには楽だよなぁw
    退却すると後ろから撃ってくるしw

  • 菅総理は、多大な実績をあげられたにも関わらず、職を辞する結果となりました。
    岸田総理は、可能性は0ですが衆院選で敗北すれば、職を辞することになるでしょう。
    それが、経緯はどうあれ、リーダーの責任ということです。
    当然、「政権交代を目指すんだぁぁぁぁぁ」と叫び続けている某党首は、政権交代できなかった場合は、潔く責任をとるんだろうなぁ、と期待しています。

    何故か、泉谷しげるさんの「春のからっ風」を思い出しました。

    言葉がたりないばかりに、相手に自分を伝えられず、分かってくれない周りを恨み、自分は正しいと逃げ出す・・・

  • 現在の立憲民主党の存在意義は「自民党ではない政党」というただ一点のみです。かつての日本社会党のような「日本に社会民主主義を」という看板(看板だけでしたけど)すらもありません。しかしながら、残念なことに、その一点だけを頼りに票を入れてくれる人が少なからず存在するため、政党(?)として存続できています。
    省みれば、「自民党ではない」という一点だけを頼りにした寄せ集め政権は過去にも存在しましたが、細川政権にせよ、羽田政権にせよ、何一つ実績を残せないまま、短期間で崩壊しました。つまり、「自民党ではない」という一点だけで寄り集まった烏合の衆に政権を預けるなどということをしてはいけないという重要な教訓にしかなりませんでした。
    唯一政権交替と呼べるようなものがあったとすれば、民主党政権でしょうが、絶望的なまでの無能ぶりをさらけ出し、居酒屋政談しかできないヒョーロン家に政権を預けるのはとても危険であるという手痛い教訓となっただけです。

    奇しくも、小沢一郎氏は上記のすべての政権(自民党も含む)に関わった人です。彼は、政治家というよりは政局屋であり、政局を混沌化した挙句に数を集めてまとめるという点では、これまでも辣腕をふるってきました。その意味においては、けして無能な人だとは思いませんが、入閣したのは中曽根政権の頃に一度だけ(自治大臣)であり、行政官としての実績はほぼゼロに等しく、また政策やビジョンをぶち上げるということともほとんど無縁です。「民主政治において数は力だ」というのは必ずしも間違ってはいませんが、彼は数を集めることしかできません。言うなれば、仏は作れるけど魂を入れるのは他人任せという人であると思います。
    だからこそ、現在の野党が人々の心を揺さぶるようなメッセージを発していない、発することができないという彼の指摘は正当ですが、昔からそんなことをしてこなかった彼が、他のボンクラどもに代わってメッセージを出すなどということは期待できません。彼はそういったことを担ったことはないし、(もしかしたら)考えてすらいないでしょう。

    まあ、現状は、そんな政局屋である小沢氏をもってしてもどうにもならず、ただ自民党側の失点を待つしかないという末期的な状況なのでしょうね。

  • >小沢氏が候補者に「頑張れ」
     ソ連軍の督戦隊政治将校のようなものでしょう。

    >N国
     ニッチな注文に特化した美味しい食堂!?と思ったら飲食業じゃなくて解体屋だったでござる。

     レストランの例えを延長して考えてみました。今まで国民は、現在の日本の政治に対して「もっと清廉な人物を」だとか「国会議員は給料泥棒だ」という方向で見てきました。コレ自体は正当です。しかし、レストランで言えば、シェフの給料を下げろ、でも良い仕事をしろ、と求めてきたと言えます。正当な要求とはいえ、独占状態の店が対応などするわけもなく、奇特な人などそうは現れません。むしろそういうフリをするエセ調理師ばかりが現れた。
     いっそ給料を増やし特権を認めて、えげつないが腕の確かな人間が集まる制度にした方が良いかもしれません。その分、客の舌も確かでないと、目も当てられないことになりますが。
     ウチはもっと安く同じ品が出せるぞ(できらぁ禁止)、ウチは高いが更にウマいぞ、志向は違うがこっちの選択肢はどうだ、という多様化が生まれる下地は、商店街に競争状態がないと。

    • >えげつないが腕の確かな人間が集まる制度にした方が良いかもしれません。
      ちょっぴり賛成なんだけど、今でも充分にえげつないところで、タガが外れないように法整備をきっちりしてから...でも法整備するのは彼らだから...つまりやっぱり救えない。

    • 日本の政治の選択肢を狭めるのに一役買ったのが、小選挙区制の導入ですね

    • 農民様

      給料を増やし、特権を与えた状態が現在の状況です。
      夜盗なんて何もしないし、会期中も長期間も勝手に休むし、懲戒免職に
      しづらい等特権だらけでしょ。
      えげつない人を集めてといっても、誰がそれを認定するの?
      誰もできません。
      現在実施しているのは、党でえげつないと思う人は小選挙区でなく比例代表に
      回している事です。
      でも今、緊急にして欲しいのは、小選挙区で敗れた議員候補が比例代表で復活する事を
      止めさせる事です。

    • 皆様
       ツッコミどれもご尤もです。「客の舌も確かでないと」が全くにして担保できぬ以上、空論ですから。ただ、レストランの評判がメディアに支配されていたのが、個人で相互発信できるようになり、情報が高速化した所に、いくらか希望を感じます。「現状よりは」害悪な人物が弾かれて有益な人物が集まるよう、完璧ではなくとも変えられるのではないかと思った次第です。立憲の「変えよう」だかなんだかがこういう方向ならまだなぁ……
       企業役員に対する巨額報酬などにもケチをつけたがる風潮ですし、やはり難しいのでしょうか。私は大きな仕事には正当な(或いは奨励のために過度にでも)報酬を払うべきと思いますが、菅前総理ひとり挙げても、仕事人と言われたり何もしなかったと言われたり。

       そういえば特権については、ちょうど木下ふみこが体現したところですね。不逮捕特権などは時代にそぐわないというだけで廃止で良いかと。

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