本稿は、「速報」です。例の自称元徴用工判決に関し、金銭債権の差押を原告側が取り下げてしまったようなのです。ある意味では予想どおりでもあったのですが、とり急ぎ、ここでは韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の記事を紹介します。
『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』で報告したとおり、自称元徴用工問題を巡り、韓国で原告側が金銭債権の差押に踏み切ったと発表したことは、個人的にはかなりの衝撃を受けました。これが事実なら、自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」からです。
なぜなら、金銭債権の場合、差し押さえた瞬間、日本企業に損害が生じるからです。
韓国側で自称元徴用工問題で差し押さえられている資産が、非上場株式だの、知的財産権だのといった「換金できない資産」ばかりであるという事実は、自称元徴用工側が日本企業の資産売却により自称元徴用工らの救済を図るつもりがないことを示唆していました。
こうした彼らの振る舞いからすれば、金銭債権の差押は自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」という可能性があることは間違いないにせよ、やはり当ウェブサイトで申し上げてきたとおり、唐突感・違和感を拭い去ることはできないのです。
つまり、彼らの「意図」として、本気で金銭債権を換金するつもりはなく、単に日本企業を「脅す」つもりで差し押さえただけだったにも関わらず、『続報がない徴用工金銭債権差押、「月末」での動きは?』などでも指摘したとおり、思わず日本企業に不当な損害を与えてしまいそうになった、ということではないでしょうか。
こうしたなか、唐突に、こんな「続報」が出て来ました。
三菱重工債権の差し押さえ 韓国被害者側が申請取り下げ=元勤労挺身隊訴訟
―――2021.09.02 16:49付 聯合ニュース日本語版より
これによると、自称元徴用工らの側が三菱重工の金銭債権(※原文ママ、正確にはその孫会社である三菱重工エンジンシステムの金銭債権)を差し押さえていた件につき、「原告の華族が申請を取り下げたことが2日、わかった」のだそうです。
聯合ニュースの報道からは、いつ取り下げたのかは明らかにされていませんが、おそらく現時点において日本の側で関連する報道がない以上、売掛債権の支払期日が到来する前に、そそくさと取り下げてしまった可能性は濃厚です。
いちおう、聯合ニュースによると、担当弁護士は「差し押さえ申請を取り下げた理由に関し、今後報道資料を通じて明らかにする」と述べたのだそうですが、おそらくは「あまりの影響の大きさに怖気づいた」というのが真相でしょう。
(※なお、本件については続報があるかどうかわかりませんが、改めて、別稿にて議論するかもしれません。)
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多分8月末が支払期限でそのままだと現金が差し押さえられて三菱重工孫会社の損失が確定してしまうところだったのでしょう。
孫会社で別法人だから無効の裁判所の判断が間に合わず、そこを強引に急がせると、後に司法介入がばれると死ぬので出来ず、原告たちに命じて取り下げさせた。そんな感じかなと。この国の三権分立ってそのレベル。
G様
>多分8月末が支払期限でそのままだと現金が差し押さえられて三菱重工孫会社の損失が確定してしまうところだったのでしょう。
同感です。
法人格否認の法理を適用するにしても、適用判断&手続前に支払期日が来てしまいますので、取りあえず今回は日本企業に実害が出る前にいったん退いた、ということなのでしょう。
これで、やはり裁判所と原告側が通じている可能性が高いことが判明しました。
さて次はどのような手をうってくるのでしょうか?
ちょっとワクワクします。
>「原告の華族が申請を取り下げたことが2日、わかった」
茶化す意図は全く無くて、大韓民国に置ける「皇族」「王族」はやはり自称元日本軍慰安婦で、自称元徴用工は「華族」止まりだと思います。
自称元徴用工が自称元日本軍慰安婦と同じ権威を目指したら叩き潰されましたし。
つまんない。
裁判になると思っていたのに。
更新ありがとうございます♪。【韓国よ、何してんねん⁉︎】の気持ちです。
やはり根性ナシの韓国には、嘘つき自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」という行動はムリでしたね(嘲笑)。ずーっとタカろうとするには、金銭債権差押はマズイでしょ。2日に弁護士が発表という事は、月末締めの可能性大です。ギリギリやん(笑)。
あと聯合ニュースは、三菱重工業エンジンシステムは、三菱重工業が100%出資した子会社だと書いてます。孫会社だよ!
怖いもの見たさがあったのに、ちょっとがっかりです。
これからもあの手この手で日本を甚振ってくるのでしょう。
三菱なんだろ?こまけぇことはいいんだよ、一緒だろ!
的な理論を振りかざすと思ってたんですけどね、ガッカリです。
深く考えていなかった(単純に間違った)か、単なる脅しの一環だったのか知りませんが、結局ワーワー騒ぐだけで終わるんですね。
KOREA ECONOMICS紙によれば「ソウル経済新聞は21日、裁判所がLSエムトロンをターゲットにしたことで、『結局、韓国企業が《最大の被害者》になる可能性がある』との見方が財界から出ているとし、『また、三菱・住友・日産・日立などの強制徴用という暗い歴史から自由になれない日本の主要企業が韓国企業との取引を原点から見直す可能性も排除できない』と指摘した。」とあります。
取り下げた理由は、こういったところではないでしょうか。
それは甘いように思う。
日本企業との関係を壊したくないなどという深謀、薬にしたくてもないんじゃないかな。
それをやったり口にすると「親日派」といわれるから。
おっしゃる通り、あんまり深く考えてなかったんですね。
ちゃんと考えたら、怖くなっちゃったんでしょう。韓国人らしいです。
早く一線を超えて欲しい気持ちはあります(笑)
貿易代金の決済をしたことがあるが、グループ企業だったので「おーい、あの金いつ払うの?」「あっ、忘れてた、明日送金する」というようなやり取りをメールでするようなゆるい関係で済んでいた。三菱にとって赤の他人にこの方法はあるのだろうか? 貿易ではブツを受け取るまでカネを払いたくない輸入側とカネを受け取るまでブツを渡したくない輸出側のニーズを満たすためにLCという制度がある。またLCを使わなくても荷為替を使った、輸入側と輸出側の銀行をかませる決済方法もあるはず。 差し押さえ取り下げの原因はこのあたりかもしれない。
また、国が設立した会社がやっている貿易保険がある。韓国でこういうことが続くと保険料率があがるのでは。
よくわかんないけど、一度取り下げても別の債権にするとかして、また差押請求ができるんじゃないのかな?
だとすると、「いつでもできるんやで」「裁判所は認めたやろ?他に迷惑かけたくなかったら、どうしたら良いかわかるよな?」っていう脅しなんじゃないのかな?