本稿は、「論評」ではなく、ちょっとしたメモです。東京都の新規陽性者数について、『東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに、いくつかのグラフを作成したので、それらについて「あくまでも客観的な統計的事実」として掲載しておきたいと思います。
東京都の新規陽性者数は増加
まずは、昨日時点までの新規陽性者数と7日間平均値です(図表1)。
図表1 東京都新規陽性者数
(【出所】『東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータより著者作成)
実数でも示しておきましょう。
6月28日(月)の状況
- 新規陽性者数…317人(前日比▲69人、前週比+81人)
- 7日間平均値…489人(前日比+12人、前週比+97人)
医療従事者が占める比率は激減
次に、職業欄で「医療従事者」のみを拾い、その新規陽性者数全体に占める比率と7日間平均値をグラフ化したものが、図表2です。
図表2 東京都における新規陽性者に占める医療従事者の比率
(【出所】『東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータより著者作成)
高齢者が占める割合も減少の兆候
さらに、年齢別で「60歳以上」、「70歳以上」、「80歳以上」のそれぞれについて、その新規陽性は数全体に占める比率が図表3、それらの7日間平均値が図表4です。
図表3 東京都における新規陽性者に占める高齢者の比率
(【出所】『東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータより著者作成)
図表4 東京都における新規陽性者に占める高齢者の比率(7日間平均値)
(【出所】『東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータより著者作成)
今後の予定
これらについては現在のところ、定期更新するかどうかは未定です。
ただし、『東京都で医療従事者に続き高齢感染者も減少し始めた?』でも取り上げたとおり、東京都における新規陽性者数の推移を巡っては、多くの人が気にしている論点であるはずでしょう。
これについて、あえて当ウェブサイトなりの主観的意見を述べておきましょう。
新規陽性者数自体が増えているという統計的事実は、私たちに不安をもたらすものではありますが、それと同時にその新規陽性者数に占める医療従事者・高齢者の割合が激減しているという点については、希望をもたらすものでもあるはずです。
その意味では、これらの客観的な統計的事実についてはしばらく追いかける価値があるのかもしれないと思う次第です。
View Comments (21)
貴重なデータありがとうございます。
ワクチンを打ってても感染はしますが重症化はほぼしなくなることから、感染者に占める重症者の割合、重症者に占めるワクチン未接種者の割合というデータが重要になってくると思います。
単なる感染者数を数えることの重要性が落ちてくるかもしれません。
もう延べ4,000万人がワクチン接種されたんでしたね。意外にも5,000人〜10,000人可能の大規模会場は、接種券さえあれば、スグ予約が取れて、更にガラガラだと聞きます。
市民の心理として、かかりつけ医で接種したいという人が多いのでしょうが、「もう8月末まで一杯です」と言ってました。またその医師は午後診をワクチン接種に当ててますが、「開業医としてはもう手一杯。クタクタですよ」とも。
大企業が接種始めれば、一気に進むと思います。
更新ありがとうございます。本来ならマスコミに良識があれば、このような分析をして報道すべきだと思うのですが、彼らの目的は政権批判、反日なので期待できません。
今更恥ずかしくて、普段エラソーな事を言っている私が尋ねるのは憚れますが、会計士さんの前文に【※なお、現在、試験的に「ランキング」に参加しています。もしこの記事を読んで「知的好奇心を刺激された」と思った方は、下記ランキングバナーをクリックしてください。】とあります。
これはクリックするだけでカウントされるのでしょうか?また元記事に戻る必要は無いのでしょうか?(笑)クリックはしてますが、コレだけで良いのか?と素朴な疑問です。レベル低くてすみません。他のブログで読む価値アリも押すだけでした。
しかし、同じカテゴリーにも◯◯な人のコラムとかありますネ。ほとんどが承認制、更新頻度も内容も会計士さんがずば抜けてますわ。エンゼルスの大谷翔平くんみたい!
感染症として視るには重症者数の推移も併せて観ていきたいところですが、社会活動維持の側からは医療供給体勢も重ねて視ないとイカンのでしょうね…
…行政タイヘンですね
感染者数と重症者/入院患者数が解離してきてるように思えるのは、ワクチン接種の効果でしょうか?そうなると、マスゴミの感染者数ガー、PCR検査ガーは一層無意味になってきますね。
ワクチン接種率の高いというイスラエルで新規感染者数が増えて一部マスク着用が云われ出したようですが、重症者数はまだ増えていないとのこと
デルタ株との報もありましたが…
“不謹慎厨”にタタカレるかもしれませんが今後の推移、参考にできるかもしれません
市井の内科医 様
感染者と重症者の乖離がはっきりするのは接種率何パーセント越えで
出ましょうか?すでに死亡者が減少してきているようにも思います。
引っ掛かったオタク 様
イスラエルの新規感染者増加は、ワクチン過信があったのではないでしょうか?
マスク無しで踊りまわる映像には呆れてました。
武漢型に対する現状のワクチンが変異株に有効なのは、
体内でワクチンにより産生された抗原が分子レベルで少しづつ変異
していたから変異型にも有効なのか?
ワクチンで過剰に生産された抗体の飽和攻撃が少々の変異を圧倒して
有効なのか?色々考えました。
抗体価が2700倍を超えた自分は基礎疾患のアレルギー性鼻炎症状悪化から
免疫系の賦活は明らかにあるように思います。
論文を楽しみに待つことにします。
ポプランさま
数字ではなく、あくまでも現場での肌感覚で、ですが、高齢者接種がかなりのペースで進んでいますので、すでに乖離してきているのではないかと。
そうなるとオリンピックで感染者数は増えるとしても、意外に入院者数は増えず、医療崩壊なきオリンピック開催が実現するかも。その場合でも、マスゴミは感染者数だけを取り上げて、政権批判一色になるんでしょうが、我々庶民はマスゴミに踊らされないよう、冷静に評価したいものです。
高齢者と医療関係者の陽性数が減り続けているのが吉兆だといいですね。
こういった数字、政府が直接広報したらいいんですよね。
本記事の数値ではありませんが、ワクチンの接種推移は集団免疫の出口と深い関係があると思いますので、私自身とても関心が高いのですが、政府からの広報が今ひとつと思います。
(忙しいのはわかりますけどね)
今は改善されているようですが、官邸の数字もある時期より前は厚労省HP、後は官邸HPとしばらくの間別々に掲載されていました。基礎数値は公表するけどもかき集めるのと加工は勝手にやってねという風情でした。
VRSの数値を公表しているのも評価するのですが、あそこからワクチン接種状況を知るには、新宿会計士さんが苦労されている作業を経なければなりません。
医療関係者分も含まれません。システムの目的から含まれないのはわかります。
マスコミも数字に弱いので、政府としてもマスコミ中抜きできるいいチャンスなだと思います。
政府ももう少し、国民に実態を正しく理解してもらうための戦略的な広報に知恵を絞ったらと思います。
>こういった数字、政府が直接広報したらいいんですよね。
いえいえ。
相手に信じさせるには、こうですよとこちらから提示するんじゃなくて、さも自分が発見したかのように思い込ませるのが詐欺師の手口です。
Dr.STONEのメンタリストから学びました!
メンタリストは読んでいないのでわかりませんが・・・
政府が言うからこそ信用できない人々がいるのもわかるんですが、今どきのネット社会だと、ソースを引用して論破する様式が増えていると思います。
政府が材料提供するのは多少は有意義ではないかとも思います。
とはいえ、政府が正しく広報を始めてしまえば、知的好奇心者の食いつきはイマイチかもしれません。
更にソノ裏を読み出すから大丈夫!
…ソレハ陰謀論者!?
政府が直接、論評抜きで淡々と数字を公表することは大切だと思います。間違っていたり追加カウントがあればふつうに訂正すればよいです。そのうち官報が国内最大部数の新聞になったりして....
今朝のニュースを見ると、
「(ブルームバーグ): 米ファイザーと英アストラゼネカがそれぞれ開発した新型コロナウイルスワクチンを組み合わせて接種した場合、強力な免疫反応が生み出されることが英オックスフォード大学の研究で示された。」
とありました。ホンマでっか? 1社の治験結果からでは導き出せない目から鱗です。んじゃ、シノファーム製のワクチンと組合せるとどうなるのだろ。でも、こちらは毒性を薄める既存の製法なんで組み合わせると毒性を復活させてしまう、と言うのは単なる冗談です。でも中国製は効果が薄いとは提供を受けた各国でささやかれているのは本当らしいです。
何処カノメディアガホルホルシソウナ…ですな
ロイターは下記も記しています。
>調査に関与したオックスフォード大学のマシュー・スネイプ教授は、接種を柔軟に行う根拠となる可能性があるが、これまでに承認されている接種方式を変えるには調査の規模が小さすぎると述べた。
どこぞの国で大規模治験を実施して国際公衆衛生に貢献してくれるのを期待しましょう。
シノファームは不活化ワクチン(生きたウイルスではなく、ウイルスの死骸のようなもの)を使っているので、効果が薄いのは当然です。その代わり副作用も少ない。
不活化ワクチンが良いのか、生ワクチンが良いのかは、一概には言えません。
なお、シノファームのワクチンが不活化ワクチンとしても効果が薄いかどうかは知りません。
日本ではあまりやりませんが、アメリカでは肺炎球菌ワクチンは二種の組み合わせ接種が推奨されてたはずですので、そういうことは十分アリかと思います。
SARSも確かコロナウイルスの一種ですが、不活化ワクチンで出来ちゃいけない抗体ができちまったとかで、開発が中止されたとかされなかったとか、その過程で出てきた技術がm-RNAワクチンだそうで。だから、シノバックスだがシノファーム製だかのワクチンが不活化と分かったときは、その筋の専門家は「ホント大丈夫か~」みたいな反応も、、、。正直、免疫はド素人なので、その当時は「ふ~ん」としか思いませんでしたが、専門家はやっぱエライっすね。
この年代別のグラフに、年代別の重症化倍率をかけて、危険度指数グラフにしてみるというのはどうですかね?
価値観が違いすぎる 様
いつもコメントありがとうございます。
すばらしいアイデアですね。さっそくやってみます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。