本日の名言です。「自分たちの主張が社会に届いていない現実を悟るべきだったのに、なぜ偽造に走ったのか。詳しい動機の解明も待たれる」。これほど説得力のある主張も珍しいです。この主張を読むと、まっさきにもい出すのは某新聞社による捏造報道の数々です。あわせて、「不正な手段を使った民意の改竄」、「民主主義に対する冒涜」という批判は、さまざまな場面で応用することができるのは間違いないでしょう。
愛知県のリコール運動で先週、逮捕者が出る
愛知県の大村秀章知事知事に対する解職請求(リコール)を巡り、共謀して署名を偽造していたとして、リコール運動の事務局長らが地方自治法違反(署名偽造)容疑で、先週、愛知県警に逮捕されました。
ここでは、時事通信の記事を紹介しましょう。
署名偽造容疑、事務局長ら逮捕 知事リコール―指紋鑑定で断定・愛知県警
―――2021年05月19日18時34分付 時事通信より
逮捕されたのはリコール団体事務局長で元県議の田中孝博容疑者(59)ら4人で、広告関連会社が下請けを通じて代筆のアルバイトを集め、佐賀市の施設で署名を組織的に偽造した疑いが浮上した、などとしています。
記事に記載されている解職運動は、もともとは「あいちトリエンナーレ」で昭和天皇の御真影を燃やすなどの展示が行われたことに端を発するものです(なお、「トリエンナーレ」自体について、当ウェブサイトで初めて取り上げたのは、『朝日新聞が例の芸術祭を「圧力に屈しない姿勢」と絶賛』です)。
この点、解職署名運動自体は2020年8月下旬から2ヵ月間実施されたものの、結局は規定数に到達せず、リコールは成立しませんでした。
また、東京新聞の次の記事によれば、事務局幹部だった山田豪・元常滑市議は、田中容疑者が「『リコールが成立しなければ署名用紙はただの紙切れ』と述べた」と証言したそうであり、もしこれが事実なら、田中容疑者が「不正は発覚しない」と見越していた可能性を示唆するものでしょう。
【独自】事務局長「選管は数えるだけ」と不正持ちかけか…愛知県知事リコール、取材に「あくまで一般論」
―――2021年4月17日 05時00分付 東京新聞より
地方選挙の話だが、マイナスのインパクトは大きい
さて、当ウェブサイトでは、じつはこの解職運動について、ほとんど取り上げて来ませんでした。というよりも、基本的には地方の選挙、地方自治体の首長などの話題は、東京都のものを除き、それほど取り上げることはしていない、と申し上げた方が正確でしょうか。
今回の解職運動についても、話題としては大変に興味深いものではありましたが、当ウェブサイトで結果的にほとんど触れないままで終わってしまったのも、解職運動が始まって以降は愛知県という自治体の問題だと認識したためです。
ただ、報じられている疑惑が事実であるならば、これは大変に由々しき問題です。
もちろん、愛知県が主催した「あいちトリエンナーレ」の展示物には大変に非常識なものが多かったようであり、かつ、文化庁の補助などを通じ、こうした展示物に私たち日本国民の税金が投じられているという問題があります。
正直、「表現の自由」を騙るなら、公的資金に頼らず自力でやってほしいという気持ちも非常に強いのですが、「商業ベースで成り立たない展示会を税金の力で成り立たせる」という特定の勢力の行動については、別途議論する必要があります。
しかし、そのことに怒りを感じ、解職運動を始めるのは正当だとしても、署名を偽造するというのは明らかに間違っています。法に触れるだけでなく、後述するとおり、その本質は間違いなく「不正な手段を使った民意の改竄」であり、「民主主義に対する冒涜」そのものです。
そして、こうした事件が発生すると、「解職請求」という活動自体に対する社会の疑念が芽生えることも防げません。その意味では当然、疑惑の全容は解明されるべきです。
なお、今回のリコールで大規模な不正が行われたことが事実だったとしても、だからといって「あいちトリエンナーレ」の主催者に対する批判が消えるというものではないでしょう。
なお、大村秀章知事が約1年半後の2023年の愛知県知事選に再出馬なさるのかどうかは存じ上げません。しかし、再出馬された場合、再選させるか、落選させるかは、第一義的には愛知県民が決めることでもありますが、今回の事件は大村氏にとって有利に働くかもしれません。
もちろん、まだ選挙は先の話ですので、どうなるかはわかりませんが、もしも大村氏が再選された場合は、このリコール運動が「結果として大村氏を助けた」というきっかけになるのだとしたら、リコール運動側にとっては大変に皮肉な話と言わざるを得ないのです。
なかには舌鋒鋭い批判も…
こうしたなか、本件を巡って次のように批判する意見がありました。
- 県選管に提出された約43万筆のうち、じつに8割以上が無効だったというのは「信じがたい事件」である。
- 不正行為のすべてを4人が企て、実行したのか、それともほかに関与した者はいないのか、捜査を尽くさなければならない。
- 納得できないのは、街頭に立って運動を率いた河村たかし名古屋市長や、請求代表者の高須克弥氏らの態度だ。
…。
そのうえで、この批判者は、河村氏や高須氏らのことを「厚顔無恥ぶりにはあきれるばかりだ」と鋭く批判し、「当事者として一連の経緯を検証し、結果を説明して謝罪するのが、リコールの呼びかけに応じたスタッフや有権者に対する当然の責務」ではないかと疑念を呈します。
さらに、日本維新の会の言動を巡っても、副代表の吉村洋文大阪府知事が「(容疑者は)厳正に処罰されるべき」とコメントしたことについて、「そんなひとごとのような態度で済ませられる話ではない」と追及の手を緩めません。
そして、署名の偽造などは「民意の改竄」であり、「今回の犯罪は民主主義への冒涜」、「運動を扇動しながら不正を見逃した者らにも極めて重い責任がある」と断じています。
なかなか舌鋒鋭いですね。
説得力が段違いですね
では、いったい誰がそれを述べたのでしょうか。
答えは、次のリンクです。
(社説)リコール不正 民主主義への冒涜だ
―――2021年5月21日 5時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
はい。
朝日新聞の社説でした。
「自分たちの主張が社会に届いていない現実を悟るべきだったのに、なぜ偽造に走ったのか。詳しい動機の解明も待たれる」。
掲載された新聞が新聞だけに、説得力がまったく異なります。
この「自分たちの主張が社会に届いていない現実を悟るべきだったのに、なぜ偽造に走ったのか、詳しい動機の解明が待たれる」という記述、大変に便利です。今後、大いに使わせていただくことにしましょう。
View Comments (24)
>「自分たちの主張が社会に届いていない現実を悟るべきだったのに、なぜ偽造に走ったのか。詳しい動機の解明も待たれる」。
なぜ、慰安婦記事の捏造に走ったのか、動機の解明も待たれる。
慰安婦の捏造記事について 「自分たちの主張が社会に届いていない現実を悟るべきだったのに、なぜ偽造に走ったのか。詳しい動機の解明も待たれる」 動機の解明よろしくお願いします。朝日新聞社殿。
匿名さん ダブりました。_| ̄|○ペコリ
don't mind!
一度噓をつき信用を失った人間は、そのあといくら正論を吐いても相手にしてもらえませんよね。
「おめーに言われたくねーよ」という声が聞こえてきそう。
嘘の新聞(朝日新聞)お得意のブーメランですね。
厚顔無恥とは正にこの事を指すのか。
匿名29号様
いやいや、言うではありませんか。「一発だけなら誤射かもしれない。」って。
あっ、これも朝日新聞だけだった(笑)
今年の「おまゆう大賞」の超有力候補だと思います。
野球のパーフェクトゲームくらいかな。
大村知事に脅威な対立候補は、河村市長だがねしかいないがね。前回の対立候補は共産党系。
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/local/2019/aichi-chiji.html
大村知事は、左寄りの自民党なので、タチが悪いです。まだ若いからしばらく続いてもおかしくないです。
報道機関や言論機関というのは言論の自由や報道の自由の基、製造物責任(PL)のようなものが無いからやり放題です。PLどころか文句を言ってきた者には場合により裁判を仕掛けて黙らせることもします。良い商売です。
朝日や特定野党、そして韓国寄りの思考を持つ方々独特の、自分がやればロマンス、他人がやれば不倫の典型的な例ですね。
また、攻撃は最大の防御って勘違いしている感じもしますが、攻撃の度にストックしている信頼って弾丸を撃ちまくっていることに気付かないんだろうな。もう信頼は弾切れして久しいので、下劣な弾を撃っているみたいですけど。
ウエムラ記者が名誉毀損で訴えた裁判が最高裁で負けましたが、訴えられた西岡力氏と櫻井よし子氏の結審後の対談を読むと、判決文には朝日新聞が取り消した記事には「捏造」したものがあることを最高裁が認めた部分があるとのことです。
にもかかわらず、当の新聞は頬被りを決め込んでこの指摘に何も言及していません。
こういう不誠実な輩には、ことあるごとにこの新聞社がやらかしたことを突きつけて、「お前には言う資格が無い」ということを世に訴えた続けることが必要だと考えます。
朝日新聞としては、自分たちがもたらした結果の矮小化と、自分たちも騙された被害者であるということにして、とにかく嵐が過ぎ去るのを待っている状況なので、名誉を棄損された日本国民はやつらのやり得、逃げ得を許してはいけないと思っています。
>もちろん、まだ選挙は先の話ですので、どうなるかはわかりませんが、もしも大村氏が再選された場合は、このリコール運動が「結果として大村氏を助けた」というきっかけになるのだとしたら、リコール運動側にとっては大変に皮肉な話と言わざるを得ないのです。
実際リコールの対象とされた人間を選ぶ様なことは有り得るのでしょうかね?
他に有力な対抗馬がいなければ再選は有り得るのかもしれませんが、そもそも良いイメージを抱いている愛知県民はどのくらいの割合でいるのか。
>そんなひとごとのような態度で済ませられる話ではない
彼らが相手の言行そのものではなく所属によって判断して、何を言っても噛み付くのだというのがよくわかる話です。弁明すれば「謝れ」、謝れば「態度が気に食わない」、態度を改めたら「見せかけではなく弁明してみせろ」とループするのが目に見えています。
捏造よりも、こういった論理が目立ちすぎて嫌われだした気がします。つっても捏造も話になりませんけど。
https://agora-web.jp/archives/2051583.html
タイムリーに、藤原かずえ氏がこんな記事をあげたばかりです。対象は一応、朝日新聞ではありませんが。論理的でありながら難解な要素は無いので、様々な方に読んで頂きたい内容です。
おまゆうは皆さんが言ってるので、制度についてひとことなのです♪
リコールは、署名→住民投票って流れで手続きが進むんだけど、今回の不正は署名が手書きで良いって事が仕組み上の問題なのかな?って気がするのです♪
例えば、マイナンバーを使ってオンラインで署名ってか、マイナンバーカードを読取って送信するとかにすれば、いいんじゃないかな?って思うのです♪
制度上も署名集めの後に住民投票があるから、多少のカウント間違いはあっても問題ないだろうし・・・・・
そんなシステムを組んだら、自治体あたりに売れるかな?
・・・・そしてゆくゆくはオンライン選挙に進出して、大儲けなのです \(^o^)/
システム利用料だけじゃなくて、投票結果速報に結果分析・・・・・さらには選挙対策へのアドバイス
う〜ん、夢が広がるのです♪
ぐぅぐぅ(-ω-寝)。о
٩(๑´O`๑)۶フワ~ いい夢でした
>例えば、マイナンバーを使ってオンラインで署名ってか、マイナンバーカードを読取って送信するとかにすれば、いいんじゃないかな?って思うのです♪
それを匿名化するステップが必要なんですよ~
現様
コメントありがとなのです♪
そういえばマイナンバーって扱いが面倒だったんですよね♪
マイナンバーカードにカード自体の個体番号ってないのかな?
マイナンバーとカードの個体番号を紐付けて別システムで管理してれば、署名者から送られたカードの個体番号の存否確認だけ、そっちでしてもらったらどうかな?
カードを失くしたって次々と再発行を受けるとひとりで何度でも署名できちゃうけど・・・・・
まぁ、リコールの成否は住民投票で決めるから、そのあたりは仕方ないと諦めることにして・・・・
ダメかな?あたしに思いつくくらいならとっくにやってますよね♪
ꉂꉂ(ˊᗜˋ)アハハ