日米首脳会談が英米メディアでも大きく取り上げられる時代に
日本時間の土曜日早朝に実施された日米首脳会談の最大の成果は、とにかく「中国を名指しした」ことと「台湾海峡」を明示したことでしょう。しかし、それだけではありません。日米同盟はいまや「軍事同盟」であるだけでなく、「経済・産業同盟」に発展しつつあるのです。日米豪印、日米ASEANといった「多国間連携」への道も見えてきました。
目次
日米首脳会談概要
ホワイトハウストップページに大きく掲載
米国時間の4月16日(金)夕方、つまり日本時間の17日(土)早朝に実施された日米首脳会談については、すでに各メディアが詳細を報じているため、ご存じの方も多いでしょう。
【参考】日米共同記者会見
(【出所】首相官邸HP『菅義偉総理の米国訪問』)
こうしたなか、個人的に注目したいのは、ホワイトハウスのウェブサイトにおける扱いの大きさです。
首脳会談の前、首脳会談の直後、それぞれについての両首脳の発言がトップページに掲載されているほか、普段の首脳会談ではほぼ毎回のように出てくる共同宣言、そして「コア・パートナーシップ宣言」、という4つのリンクを確認することができます。
Remarks by President Biden and Prime Minister Suga of Japan Before Bilateral Meeting
―――2021/04/16 15:09付 ホワイトハウスHPより
Remarks by President Biden and Prime Minister Suga of Japan at Press Conference
―――2021/04/16 17:05付 ホワイトハウスHPより
U.S.- Japan Joint Leaders’ Statement: “U.S. – JAPAN GLOBAL PARTNERSHIP FOR A NEW ERA”
―――2021/04/16付 ホワイトハウスHPより
Fact Sheet: U.S.-Japan Competitiveness and Resilience (CoRe) Partnership
―――2021/04/16付 ホワイトハウスHPより
このうち共同宣言と「コア・パートナーシップ」に関しては、外務省のウェブサイトにも「仮訳」が掲載されています。また、外務省ウェブサイトには「日米気候パートナーシップ」に関する宣言文も掲載されています。
日米首脳共同声明「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」【※PDFファイル】
―――2021/04/16付 外務省HPより
日米競争力・強靱性(コア)パートナーシップ【※PDFファイル】
―――2021/04/16付 外務省HPより
野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップ(仮訳)【※PDFファイル】
―――2021/04/16付 外務省HPより
晩餐会などは実施されず
かつて、日本の首相が米国を訪問しても、「注目された」という記憶は、あまりありません。とくに前世紀においてはそういう傾向が強かった気がします。
しかし、今回はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やフィナンシャルタイムズ(FT)、ワシントンポストなど、いくつかの米国のメディアを眺めてみたところ、多くの英米メディアが菅総理の訪米をトップか準トップで大きく報じています。
もっとも、今回の菅総理の訪米では、新型コロナウィルスやその感染症(武漢肺炎)への配慮からでしょうか、晩餐会などは実施されず、かわりにハンバーガーによる昼食会が実施されたようです(これについては本稿末尾で少しだけ紹介したいと思います)。
以下では、おもに米国政府の発表をもとに、今回の日米首脳会談の具体的な成果について、探っていきたいと思います。
価値同盟とFOIP
共同宣言では「価値同盟」に焦点を当てる
前文の部分を当ウェブサイトなりにざっくりと要約すると、次のような具合です。
- 日米同盟はインド太平洋地域と全世界における平和と安全保障の礎石(cornerstone)である
- 日米両国は自由、民主主義、人権、法の支配、国際法、多国間主義、自由で公正な経済秩序などを含めた普遍的な価値と原則を共有している
- COVID-19や気候変動に加え、自由で開かれたルールベースの国際秩序に対する挑戦に立ち向かうよう、我々はすべての民主主義国に訴えかける
要するに、日米両国が「基本的・普遍的価値を共有している」という宣言です。
この「コーナーストーン」という表現は、オバマ政権時代から使われているものですが、ここでポイントがあるとしたら、日米同盟が単に二国間、あるいは北東アジアにおけるものではなく、「インド太平洋地域と全世界の平和と安全にとっての礎石」、という表現に大幅に格上げされたことでしょう。
原文は、つぎのとおりです。
“Today, the United States and Japan renew an Alliance that has become a cornerstone of peace and security in the Indo-Pacific region and around the world.”
バイデン氏が欧州各国の首脳でもなく、ボリス・ジョンソン英首相でもなく、ジャスティン・トルドー加首相でもなく、菅総理を初の外国首脳として招いたのは、米国の側で日本の重要性が飛躍的に高まっているという事情を感じ取ることができるのです。
イの一番に「FOIP」、そして中国を名指しで牽制
次に、 “THE ALLIANCE: FORGING A FREE AND OPEN INDO-PACIFIC” 、つまり『日米同盟:自由で開かれたインド太平洋の強化』の箇所の記載が、非常に充実しています。
「航行の自由」、「核兵器を含むあらゆる防衛力で米国が日本を守る」、「尖閣諸島への日米安保第5条の適用」、「サイバー空間や宇宙を含めたあらゆる分野における協力」、さらには「技術的優位性の維持」などに言及。
そのうえで、中国を名指しし、中国の「国際法秩序に反した活動」として、具体的には軍事力だけでなく「経済力を含め、他国に強制するような活動」に懸念を示したのです。
さらには、中国による「東シナ海の現状変更の試み」、「南シナ海における不法な海洋活動」などが「国際法に基づく航行の自由」の妨げとなってはならないと述べ、次のように踏み込みます(少し長いのですが、原文を紹介しておきます)。
“We underscore the importance of peace and stability across the Taiwan Strait and encourage the peaceful resolution of cross-Strait issues. We share serious concerns regarding the human rights situations in Hong Kong and the Xinjiang Uyghur Autonomous Region. The United States and Japan recognized the importance of candid conversations with China, reiterated their intention to share concerns directly, and acknowledged the need to work with China on areas of common interest.”
ここで固有名詞がハッキリと出てきました。
先ほどの東シナ海・尖閣諸島、南シナ海だけでなく、「台湾海峡の平和と安定の重要性」、「香港と新疆ウイグル自治区における人権状況への懸念」と述べたのです。中国に対抗するためにはFOIPが大切だ、とする日米の共通認識が、改めて示された格好です。
クアッド、ASEAN、韓国に言及
この “THE ALLIANCE: FORGING A FREE AND OPEN INDO-PACIFIC” の節は、さらに続きます。
中国の次に来るのは北朝鮮です。
「日米両国は北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認した」、「北朝鮮の核開発プログラムや核拡散リスクに深刻な懸念を表明する」、「米国は日本人拉致事件を直ちに解決することにコミットする」、という具合に、これも明らかに従来の姿勢を完全に引き継いでいます。
一方で、中国や北朝鮮などに対抗するためには、仲間が必要です。
これについて共同宣言では、まずは「クアッド」、すなわち日米豪印4ヵ国連携に言及し、これがかつてないほど重要性を強めている、と述べています。ここについては原文を整えて紹介しておきましょう。
“The Quad, which has never been stronger, to build the free, open, accessible, diverse, and thriving Indo-Pacific we all seek.”
豪印両国に続いて言及されているのが、東南アジア諸国連合(ASEAN)であり、具体的にはASEANの一体性などに加えて「ASEANのインド太平洋アウトルック(AOIP)」への支持を表明しています。
また、クアッド、ASEANに続いて今度は「韓国」が出てきます。具体的には、「安全保障と繁栄のためには日米韓3ヵ国連携が不可欠だ」、などとしていますが、韓国に言及された唯一の箇所、というわけです。
個人的には韓国が日米同盟において「不可欠なファクター」だとは思いませんし、むしろ話は逆で、「無能な味方は有能な敵を上回る脅威」ですらあるとも考えていますが、ただ、現時点において菅総理が日米韓連携の重要性に同意したことは、止むを得ない話でもあります。
(なお、日米同盟から見た日米韓3ヵ国連携の意義と、これに対する当ウェブサイトとしての意見については、『処理水問題が米韓同盟を消滅させる原動力のひとつに?』でも詳しく議論していますので、とりあえず本稿では割愛します。)
さらには、日米両国はミャンマーの状況に関する懸念とともに、暴力行為の停止と民主主義への速やかな回帰を求めています。
同盟は産業連合に!
新時代の日米関係は「コア・パートナーシップ」
さて、今回の日米会談での注目点といえば、この共同宣言で従来の立場を繰り返しただけでなく、「コア・パートナーシップ」でも合意した点です。今度は『コア・パートナーシップ』宣言についてもざっと眺めておきたいと思います。
この宣言では、冒頭で「COVID-19のパンデミックから世界を守ること」、「気候変動と戦うこと」などに加えて、「日米両国の人的交流をいっそう強化する」ことが謳われています。
ここで注目すべきは、 “Competitiveness and Innovation” 、つまり「日米両国が引き続き競争力を持ち、そしてイノベーションを達成し続けること」で協力する、という記述でしょう。
その際、特筆すべきは、「癌治療法の開発、バイオテクノロジー、人工知能(AI)、量子科学技術、民間宇宙開発協力」などに加え、「安全な通信技術(secure information and communications technolotgy, ICT)」が含まれている、という点でしょう。
具体的には、つぎのよなことがうたわれています。
- 「オープン・ラジオ・アクセス・ネットワーク」(いわゆる「オープンRAN」)を含めた5Gネットワーク開発での協力
- 5Gだけでなく、その次の世代(6Gまたは “Beyond 5G” )などにおけるICTの研究で、米国が25億ドル、日本が20億ドルを投じること
- サイバーセキュリティ能力の強化、デジタル経済化の促進
- 日米のICT分野における積極的な人材交流、連携、情報交換
- 半導体分野を含めた機微なサプライチェーンにおける相互協力と重要な技術情報の防衛協力
- バイオテクノロジー分野(ゲノム解析など)における研究開発の協力や統合
安全保障同盟から経済産業同盟へ
すなわち、上記の流れを確認していくと、今回の菅総理の訪米は、単に「尖閣諸島に日米安保の適用を確認してきた」というだけではない、日米同盟の極めて大きな変質を見ることができるのです。
ことに、産業面における情報は、かつてないほど安全保障と密接にかかわってきます。
2009年から12年にかけての民主党政権下でエルピーダメモリが経営破綻したことなどにより、「日の丸半導体」産業は韓国などに奪われ、すっかり落ち目になってしまいましたが、この半導体産業を取り戻すきっかけができるのかどうかについては、非常に気になるところです。
また、米国から見て、日本が防衛面だけでなく、産業面においても重要性が増している、という姿を見ることができます。
半導体産業、サイバーセキュリティ、民生宇宙開発、ゲノム解読などの機微な分野における日米交流の活発化とは、言い換えれば、協力できる国とそうでない国を選り分ける、という話でもあります。
もっとも、このあたりは拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』でも指摘したとおり、日本には産業スパイなどを包括的に取り締まる法律が存在しないなどの事情もあるため、日本が本当にこの宣言文どおり、米国から信頼されるかについては、やや微妙でしょう。
手放しで喜べない点です。
安倍政権の偉大な置き土産
いずれにせよ、今回の日米首脳会談について、ポイントをまとめておくと、次のとおりでしょう。
- 従来の日米同盟については、引き続き強化する
- 尖閣諸島は日米安保の適用対象
- 東シナ海、南シナ海、台湾海峡、香港、新疆ウイグル自治区を例に挙げ、中国を牽制
- 連携すべき相手のトップは豪印両国の「クアッド」
- ASEANが掲げるAOIPに対する支持の表明
- 韓国にも(いちおうは)言及
- 日米同盟は単なる軍事同盟であるだけでなく、さらに産業・経済面にも発展する
- 機微情報に関しての日米交流の推進・強化
…。
当然、ここまで言い切った以上は、日本としても防衛力の強化からは逃れられません。
ことに、事実上、米国とともに台湾防衛にコミットした形となったため、やはり「敵基地攻撃能力」、「中距離ミサイル」などの議論を進めていかねばなりません。
いずれにせよ、話が動き始めた方が、国内の議論を進めていくうえでも有益です。菅総理を巡っては外交的に華やかさがあまりない、といった批判もありますが、今回の日米会合を眺める限り、「外交下手の菅政権」は杞憂だったのかもしれません。
ただし、今回の日米会談は、菅政権・バイデン政権の成果というよりも、やはり安倍晋三総理、ドナルド・J・トランプ前大統領の両名による働きを評価すべきでしょう。
米国でもバイデン政権になってから突如としてFOIPだの、クアッドだのの連携が進み始めたかのような論調が見受けられますが、これは大きな間違いです。昨年10月、菅政権発足直後に東京で日米豪印外相会談が持たれましたが、当時の米国はトランプ政権だったことを忘れてはなりません。
いずれにせよ、FOIPと日米同盟の根本的な強化は、安倍政権の偉大な置き土産であり、かつ、これをきちんと承継し、発展させた菅総理の力量については、素直に評価するのが正しいのではないかと思う次第です。
バイデンさん、大丈夫ですか?
ちなみに記者会見録を読んでいると、ジョー・バイデン米大統領が菅義偉総理大臣のことを “Yoshi” と呼んでいるのも印象的ですが、あくまでも個人的には、“Ga-Su-” と呼んでほしかったな、という気がしないではありません。
一方、それと同時にバイデン氏の発言内容には、ちょっと不安な気持ちになります。
バイデン氏は開口一番、こう述べます。
Well, good afternoon. The Prime Minister has brought the sun out, so he can do about anything.
「菅総理は晴れ男だから、何でもできる」、といったニュアンスでしょうか(もしかするとワシントンでは直前まで雨でも降っていたのでしょうか)。
また、バイデン氏は菅総理が「ホワイトハウスにやってきた最初の国家元首である(the first head of state in my administration to come to the White House)」と述べていますが、このあたりも菅総理のことを日本の国家元首だといわれると、個人的には強い違和感を覚えます。
(※もっとも、米国政府が日本の首相を “head of state” と呼んだ事例が過去にもあるのかどうかについては調べていませんが…。)
ちなみに共同宣言の方では、菅総理のことをちゃんと “the first foreign-leader visit of his presidency” 、つまり「バイデン大統領の任期が始まって以来、初めて訪問した外国首脳」と呼称しています。
ほかにも、バイデン氏の発言を読むと、言い間違いが大変に多いのです。
とくに、今回の日米首脳会談の「目玉」である「コア」、すなわち “Competitive and Resillience” (競争力と強靭性)の頭文字 “CO” と “RE” から取った “CORE” を巡っては、次のような言い間違いをしています。
So today, we’re announcing a new Competitive and Reliance [Resilience] partnership — CORE — between Japan and the United States that will enhance our ability — enhance our ability to meet the pressing challenges of our time — together meet those challenges.
実際、ホワイトハウスのウェブサイトでもバイデン氏の発言のうち “Reliance” の部分に取り消し線が付され、 [Resillience] という注記が付記されています。
また、バイデン氏が「菅総理と昼食を取った」際の話に関しても、「私が副大統領だったときに」、「総理大臣と」、などと言いたかったのか、菅総理を「副大統領(the Vice President)」と言い間違えたり、「大統…(the Pres…)」などと言いそうになったりしています。
In our private lunch, the Vice President — the Pres- — the Prime Minister and I talked about, when I was Vice President, visiting the families in the region to show support of the United States.
いちいちこういう細かい言い間違えを書き立てるのは、本来ならば良いことではないという点は承知しているつもりですが、やはりバイデン氏にアメリカ合衆国大統領としての任務が務まるのかどうか、個人的には不安感を抱いている次第です。
View Comments (35)
更新ありがとうございます。日本の旧民主党政権が完全に破壊した日米の関係を安倍さんが復活させ、菅さんがちゃんと引き継ぐ。本当、安心します。それなのに、立憲民主党の連中ときたら謝蓮舫がバイデンを招待するのか?とか、他の議員も外遊を海外旅行と勘違いし(立憲ではそうなんでしょう)、「この時期に外遊に行くのを国民がどう考えるのか?」とか外交音痴も甚だしい質問。国益よりも政権批判が大事な連中で、もっと世間に知られるべきですが、マスゴミは報道すらしません。本当、腹立たしい限りです。
何様??たかがクスリ屋だろう。ごう慢ファイザーは河野大臣に「首相を出せ」。ワクチン市場はいずれ飽和する。その時こそファイザーに報復を。日本をコケにした償いをさせるべきだ。
追記
第2 第3の ワクチンはまだか? 市場独占は危険。
いつもお世話になっております。
匿名様 なにもファイザー製だけが武漢コロナウィルスのワクチンでは
ございません。
英国のアアストラゼネカ製とか、ソ連製スプートニク・中共製(一部塩水とか
とか噂されております)とよりどり取り揃えております。
日本でワクチン接種するのは、どれになるんでしょうね?
週刊誌によりますと、大金持ちの方は中共製を接種済の方がいらっしゃると
されております。
日米首脳共同声明自体は、日米の複数の各分野の官僚集団による話し合いの要約ですから、各セクションから仕上がってきた文書をつないでまとめた形で、結構長い文書です。首脳の個性がそれほど反映されていない分、政府の共通認識をまとめていて、トップが交代しても、方針は変わらないでしょう。
米欧関係はトランプ政権下でかなり傷ついていて、バイデン政権でそれを修復中ですが、日米関係はずっと良好だったので、それも意識してアメリカのメディアも大きく取り上げたのでしょう。
「バイデンさん、大丈夫ですか?」については、大統領選挙の前からアメリカ国民もそれは承知の上でしょう。ドランプ氏以外の人を大統領にしたかったわけで、個性を発揮してスタンドプレーをする人より、官僚機構にまかせて集団プレーをする人を選んだのだと理解しています。
共同声明中の「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」のうち、「両岸問題の平和的解決を促す」という文言は、日本政府の要請で加えられたもので、台湾問題に触れる場合の日本政府の定型見解で、外務省幹部は「この表現を後ろに付けることで、これまでの日本政府の姿勢と変わっていないというメッセージになる」と解説したそうです。
これに対し、あるアメリカ政府関係者は、「日本には共同声明でもっと強い表現に賛同して欲しかった」「落胆している」と不満を口にしているそうです。
中国との経済的な深い結び付きに加えて、自民党内の親中派(筆頭は二階氏)や連立を組む公明党の親中路線に配慮した結果なのかもしれませんが、習近平の戦狼外交をこれ以上放置すれば、我が国は「世界で最も理解し合い、信頼し合うことができる近隣の友人国家」を失うことになりかねません。(これに引き換え、我が国と最も近い距離にある、「世界で最も理解し合い、信頼し合うことが難しい国家」など、どうなっても構わないと思いますが)
中国の台湾進攻を米国・台湾と協力して撃退するためというよりも、中国に台湾進攻の野望を思い止まらせるために、日本政府は、中国に対して、より強いメッセージを送るとともに、中距離ミサイルの配備など防衛力強化に腹を括る時だと思いますし、国民も賛成すると思います。
単に日本の地位が高まったというよりは、中国の台湾周辺での動きがヤバすぎて、その最前線として日本の地位が否が応にも高まってしまった、というべきでしょうね。冷戦時代の韓国みたいに。地理的にも人種的にも台湾・ASEANの対中国カウンターパートとしては豪英ではちょっとって感じだし。
それと安倍・トランプ時代の置き土産というよりも、安倍・オバマ時代の回帰への完了って感じですね。トランプ時代は基本的に日本の持ち出しばかりで、今のような互恵感はありませんでしたし。トランプという試練の時代を乗り切った安倍ちゃんの手腕が光ります。
>単に日本の地位が高まったというよりは、中国の台湾周辺での動きがヤバすぎて、その最前線として日本の地位が否が応にも高まってしまった、
アメリカ高官の話でも、日本だから一番に選ばれたということでなく、対中国ということで日本が一番の役割を果たすことを期待したからだ、ということでしたね。
>トランプという試練の時代を乗り切った安倍ちゃんの手腕が光ります。
そうですね、他国の首脳ができなかった巧いあしらいができたかと思います。但し、トランプ元大統領自体も安倍元首相との相性が良かったため、安倍元首相の言うことに耳を傾けることが多く、クアッドFOIPも安倍トランプだからスタートを切れたようにも思います。
国務省の官僚の意見に従えば、日米韓連携重視になりますからね。
相性が良かったというか、自分的には気が合ったのはマスコミ嫌いとゴルフぐらいしか思い浮かばないです。北核でもTPPでも散々振り回されたし、せっかくの慰安婦合意トラップも無視されたし。TPPを瓢箪から駒にしたのはすごかったけど。
単に日本の地位が高まったというよりは、中国の台湾周辺での動きがヤバすぎて、その最前線として日本の地位が否が応にも高まってしまった、というべきでしょうね。
どこもそんなものですよ?ww何をおっしゃりたいのか?
今、わざわざ日本より格下のインドや韓国に期待するか?
単に日本の地位が高まったというよりは、中国の台湾周辺での動きがヤバすぎて、その最前線として日本の地位が否が応にも高まってしまった、というべきでしょうね。
どこもそんなものですよ?ww何をおっしゃりたいのか?
今、わざわざ日本より格下のインドや韓国に期待するか?
更新ありがとうございます。
いちいち日米首脳会談の扱いで驚いたり、隔世の感などと思っていたら時代に着いて行けてない、という事でしょうが、ホワイトハウストップページに大きく掲載されたり、米国有力紙やメディアに最大級の掲載をされたら、やはり日本人として喜ばしいです。
こうなったのは安倍晋三総理=トランプ大統領の時からかと思います。表現下手、思った事を言えない、表情が硬い、東洋人特有の謎の微笑、、。歴代の総理大臣にはG7、G8でもそうですが、端っこをひとりで歩いているイメージが強いです。カネは出してもタダのATM(笑)。
日米首脳会談の前に菅義偉総理は米国ハリス副大統領の訪問を受け、約1時間に及ぶ異例の長さに渡り、意見交換したそうです。これはこれで素晴らしい事と思いますが、どうやら米国では、まずは首脳対首脳、つまりバイデン大統領と会談の前に少しの時間でも合って、謝意を伝えるのが通常とか。
まず菅総理と副大統領が長時間会談するのは菅総理に対する欠礼に当たるのではないか、と心配する声が上がっているようです。
でも、それは穿ち過ぎだと思います。格とかプライドのみで評価する中国、韓国らは空港まで出迎えたのはナンバー2だ、序列3位だと格付けし、トップが公式会場で出迎えるのがホストのナンバー1だ、とかしょうもない序列が好きです。今回の順は、何らオカシイ事ではありません。
共同声言では、礎石(コーナーストーン)が大幅に格上げされてます。また最初に東シナ海、尖閣諸島、南シナ海、台湾海峡、次いで香港と新疆ウイグル自治区。すべて中国にマトを絞ってますね。
そして「クアッド」日米豪印4ヵ国連携がかつてないほど重要性を強めている事、AOIP、何故か韓国に言及しているのは、現状仕方ないでしょう(失笑)。
最後は「コア・パートナーシップ」と経済産業同盟にも話が進んでますから、今回の訪米はとても実りのある会談だったと思います。日本もここまで来たら腹をくくって、防衛力にも更に強化せねば、目前の敵に良いように威嚇行動・占領行動をやられます(台湾含む)。
一つの良い報道記事を見つけました。「飛び道具」を日本は作製に入った。米国のミサイル「トマホーク」は射程1,500km以上で目標到達率も優秀とされてますが、日本独自(川崎重工)で長射程2,000kmの地対艦(地)ミサイルを開発。
これなら、国内でトレーラー移動しながら平壌は当然、中国都市部も射程に入ります。艦船も狙えます。もちろんステルス性を持ち、敵の迎撃をかわしながら、予測しにくい飛行行動をして目標に向かうそうです。
また別の開発チーム(三菱重工)では、F-35B戦闘攻撃機に搭載するミサイルを強化する。F-35Bは米国でも射程500kmだそうですが、これを日本はまずは900kmにし、最終的には1,500kmまで延長するそうです(以上は産経ニュースより)。
正面敵の中国は、今や尖閣諸島(台湾含む)や日本領海内に毎日の如く踏み入り、奪還演習や日本漁船の放逐をする乱行ぶり。今度は新ミサイルを試射して、偶には側に水柱を上げるぐらいやっても良いと思います(笑)。
麻生太郎総理は、国内ではホッケの煮付けだのカップ麺の値段だので散々にこき下ろされ、国民の多くが愚かにもそれを真に受けましたが、外交ではなかなかのプレゼンスがありました。G8でプーチンとじゃれ合う写真は中々のものでした。
阿野煮鱒様
遅くなりました。
麻生太郎総理を失念しておりました。そうです、おっしゃる通りでしたね!
めがねのおやじ様
>新ミサイルを試射して、偶には側に水柱を上げるぐらいやっても良いと思います
いやぁ、いいっすね
豪快に水柱を上げてあげて欲しいものです。間違って民間船は沈めないで。
はにわファクトリー様
ありがとうございます。
私の願望という事でお許しください。
その産経のニュースというのを検索してみたのですが見つけられませんでした。
おそらくいろんな情報が混雑しています。
F-35Bは垂直離着陸機構のため、兵装搭載量が現代の戦闘機としては非常に少なく、500kg以下です。いわゆるビーストモードもどきにして(それでもたったの680kg)、ステルス性を無視して機外搭載し、燃料空っぽで離陸した後に空中給油とかすれば、もっと積めるのかもしれませんが、1500kmも飛ぶ様な大型ミサイル(JSM?島嶼防衛用新対艦誘導弾?)が積める様には思えません。
おそらくF-35Cと混同されているのかと。
F-35Bの日本での役割はF-2やもしかすると大型ミサイルのプラットフォームにされるかもしれないP-2の露払いや、艦隊防空・哨戒でしょうね。
某マンガでF-35Bが中国の空母にカミカゼに近い突撃をして機銃掃射したのには軍オタはみんな大笑いしました。
りょうちん様
遅くなりました。古い報道で昨年12月28日の産経ニュースです。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/politics/amp/201229/plt2012290001-a.html
トマホークの射程は1,600kmでした。F-35BはAかも知れません。失礼しました。
自分はバイデンは神輿だと思っているので、実務者ときっちり話ができたのならその方が菅さんらしいなと思いはしますけど。副大統領の実務者ぶりってどうなんだろ?
トランプの時は経済の話は副大統領と副総理でやろうってタガをかけたけど、全然意味なかったですし。
米韓首脳会談は韓国はまたトップダウンに持ち込もうとすると思うけど、どういうあしらわれ方をすることになるのか。Try Me外交部長官の対米ラインってまだ廃棄されてないんだろうか?
共同声明で5G・6Gでの協力に言及がありました。
昨年、NTTが5G・6G開発強化と称してNECに出資して驚きました。NECとは資本関係なしでも濃厚な取引関係を維持していたので。
また、ドコモの上場廃止・完全子会社化を行い、移動体から外資の影響力を排除できるようになりました。
この2点は、NTTはそのような説明はしていませんが、国の「外交安保政策との呼応」を感じていました。
そこで、先日の国会で議論になったNTT接待を思い出しました。
当時はメディアや国政への根回し力抜群のNTTが槍玉に上がったことに、違和感がありました。
NTTが外交安保政策の文脈上に位置しているなら、「中国の差し金」もあるかもしれません。まあ今回、その可能性を後押しするようなニュースではありました。
ただ、国会での追求はあまりにも内容がショボすぎでしたが・・・
私も今回の日米会談は、新宿会計士様同様に以下を感じました。
①日米韓連携から台湾も含めたクアッドFOIP連携へ、
②経済同盟の構築強化
②バイデン大統領リスク
①長らくアメリカの東アジア戦略の要であった日米韓連携から、台湾も含めたクアッドFOIP連携重視へと舵を切ったように感じます。
これは、アメリカにとって最大の安全保障上のリスクである中国に対するコントロールとして、韓国の役割を見切って替りに台湾を組み入れたということでしょう。
しかし、アメリカ国内にも日米韓連携を重視&利権を有する反動派がいるため、今後は日本がアメリカを引っ張っていくという気概が必要です。
そのためには、日本の軍事力の増強はもとより、中国との間の経済依存関係をどう見直していくのかの検討が必要です。
②ヤフーコメントを見ると、「日本政府はもっと強い中国批判をすべき、台湾守護の姿勢を見せろ、経済界は中国との関係を断て!」等の感情的なもが多く、私はそれに与しません。
当然ながら、中国との経済依存関係は低くしていく必要はありますが、急に関係が遮断した場合、企業のみならず我々の日常生活、翻っては日本の財政状態にも多大な影響を与えます。
国民がその現実を受け止める覚悟ができているか言えば、そうは思えませんし、そもそも経済に疎ければその現実を予測することもできないでしょう。
私は、今回の会談で、民主主主義陣営との間でどう具体的にサプライチェンを構築するのかが具体的に話されたこと、それは日本企業のみならずアメリカ企業にも大きな影響を与えるにも関わらず、腹をくくった素晴らしい決断だった思います。
但しそのためには、民間企業の経営意思決定に政府が関与することになり、自由経済主義の原則に反しますので、どう誘導していくのか、特にGAFA等多くのグローバル企業を抱えるアメリカがまず自腹を切って示すことが重要と考えます。
中国との経済依存関係、場当たり的に急激に解消するのでなく、戦略方向性を定めたうえ、計画的に粛々と縮小すべきでしょう。
③今回の会談で、バイデン大統領の弱弱しさが目につきました。ワクチンを接種したにも関わらず異常なほどな感染対策、これでは外国首脳とまともに会うこともできないでしょう。
うがった見方をすれば、認知症等の問題があるため、英語で生のコミュニケーションを取る必要が無い菅首相が選ばれたのかもしれません。
会談に先立って、カマラハリス副大統領と1時間超も菅首相に引き合わしたのは、バイデン大統領まさかの事態に備えて、菅首相とパートナーシップの関係を早めに構築させたようにも感じます。
いずれにせよ、バイデン大統領は任期を満了するとは思えません、カマラハリス氏が大統領になる可能性も踏まえた外交戦略が必要かと思います。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、素人が舞い上がってしまうので)
今回の日米首脳会談で、ますます米中新冷戦が鮮明になりました。ここでロシアが、どう動くのでしょうか。確かに現在、ウクライナ東部の紛争地をめぐって、欧米とロシアの緊張が激化しています。しかし、米中新冷戦の展開次第では、ロシアとの関係改善を図ることも考えられます。つまり、ロシアがコウモリ外交が出来るということです。(しかし、韓国と違うのは、ロシアは最悪の場合、10年間(?)、米中を同時に敵に回しても耐えられるということです)
駄文にて失礼しました。
共同声明の文面は両国実務レベルによる折衝で固められたものでしょうから、まずまず双方ともに大きな不満はない内容でしょう。中国の反発の程度も今のところ想定内だと思います。
多少気になる点と言えば、会談時間が合計で2時間半に及んだとのことなので、声明文には盛り込まれなかった内容についても議論が行われたと思われ、その議題とどの程度踏み込んだのかということでしょうか。
例えば、会談直後に文在寅大統領訪米が発表されましたが、おそらく日米首脳会談の折にその話題は触れられているでしょう。その際にバイデン大統領から「韓国、どうよ?」といった問い掛けくらいはあっただろうと想像されます。さて、菅総理はどう答えたのでしょうね。