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新たな慰安婦裁判、ついに日韓関係にとどめを刺すのか

いわゆる(従軍)慰安婦問題は、韓国が日本に対して仕掛けてきたヘイト犯罪という意味では、自称元徴用工問題と非常によく似ています。ただ、歴代の日本政府の不作為により、慰安婦問題に関してはほぼ完全に韓国側に敗北していると考えた方が良く、ベルリンの慰安婦像問題などでも予断を許しません。こうしたなか、破滅のふちにある日韓関係にとどめを刺す可能性があるものとして、個人的に注目している話題のひとつが、「慰安婦訴訟」です。

慰安婦問題、再燃中

いわゆる(従軍)慰安婦問題の罪深さ

当ウェブサイトなりの理解に基づけば、いわゆる「(従軍)慰安婦問題」とは、「戦時中に旧日本軍が組織的な意思決定に基づき、朝鮮人少女20万人を強制的に拉致し、戦場に送り込んで性的奴隷として使役した」とされる与太話をもとにした、韓国による日本に対する一種のヘイト犯罪です。

これについては当ウェブサイトでもこれまで散々議論してきたとおり、本当の加害者は慰安婦捏造報道を行った朝日新聞や、それらの報道に悪乗りして日本を貶めている自称元慰安婦やその支援団体、さらには彼らに隠然たる支援を行っている韓国政府、韓国メディアなどであることは間違いないでしょう。

その意味では、自称元徴用工問題と構図はそっくりです。

【参考】自称元徴用工問題の問題点
  • ①日韓間のあらゆる請求権に関する問題は、1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に決着しており、韓国の大法院の一連の判決自体、国際法に違反する状態を作り出している。
  • ②韓国側が主張する「強制徴用被害」なるものの多くは、(おそらくは)韓国側が捏造したものであり、ウソの罪をでっち上げて日本を貶めているのと同じである。

要するに、彼らにとっては日本を貶め、日本からカネを強請りたかるためのものならば、慰安婦だろうが徴用工だろうが、ネタは何でも良くて、最終的な目的は日本からの謝罪と賠償を引き出し続けることにあるのでしょう。難癖をつけて金銭を強要するという意味では、まさに反社会的勢力とそっくりです。

当たり前の話ですが、「反社会的勢力による恐喝」には絶対に応じてはなりません。あるいは、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の言を借りるなら、「煽り運転の被害に遭ったときに、車を降りて相手と話しをしようとしてはならない」のです。

煽り運転で話し合いに応じてしまった者の末路

そして、以前からしばしば申し上げてきたとおり、この慰安婦問題を大きくしてきた責任は、日本政府自身にもあります。いわば、「煽り運転の被害者」が車から降り、相手のチンピラと協議をしてしまったようなものでしょう。

歴代の日本政府はこの慰安婦問題があたかも事実であるかのような前提で韓国と「対話」や「交渉」をしてしまったことにくわえ、その後の対応のまずさもあり、慰安婦問題は全世界であたかも事実であるかのごとく、広まってしまっています。

職業柄、英米メディア(英Financial Timesや米the Wall Street Journalなど)をよく読むのですが、外国メディアでは慰安婦は “comfort women, who were forced to serve as sex slaves” つまり「性的奴隷として強制労働させられた女性」という定義が完全に定着しています。

そして、河野洋平が1993年に発信した『河野談話』では、慰安婦問題とは「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」などと明記されており、諸外国では「日本政府が公式に認めているのだから、慰安婦問題は事実だ」と受け止められているのも仕方がない話です。

しかも、安倍晋三政権下で韓国と取り交わした2015年12月28日の日韓慰安婦合意でも、この「当時の軍の関与」云々という表現を踏襲していますし、日本政府が国家予算から10億円を支払ったという事実は、諸外国から見れば「日本政府が賠償に応じた」という行為に他ならないのです。

当ウェブサイトなりに言うところの「ゼロ対100%の理論」というものがあります。

これは、自分たちの側に100%の過失がある場合でも、告げ口外交、瀬戸際外交などを駆使して『相手も悪い』などと言い募り、過失割合を『50対50』、あわよくば『100対ゼロ』に持ち込もうとする、朝鮮半島国家特有の屁理屈のことです。

慰安婦問題などしょせんは100%の捏造というわけであり、韓国からすれば1ミリでも日本の情報が獲得できれば儲けもの、というわけです。

ベルリン慰安婦像問題は長引き、世界中に慰安婦像が建つ?

いや、1ミリどころか、現在の韓国は「慰安婦=性的奴隷」という評価が全世界に確立していることを受けて、もはややりたい放題です。その典型的な弊害が、世界各地の主要都市に続々と増える、あの醜悪な慰安婦像でしょう。

ドイツの首都・ベルリン中心部のミッテ区の路上に慰安婦像が設置された問題については、当ウェブサイトでもずいぶんと取り上げました。

慰安婦像そのものを話題に取り上げた最新稿は『ベルリン慰安婦像問題「撤去命令撤回」は事実ではない』ですが、それ以外にも、自民党の青山繁晴参議院議員などがミッテ区にメールを送付した件は『政府は姜昌一氏に「ペルソナ・ノングラータ」発動せよ』でも取り上げています。

しかし、日本側のこうした警告にも関わらず、慰安婦像の撤去自体が困難になるかもしれないという話題もあります。たとえば、韓国メディア『東亜日報』(日本語版)などの報道によると、例の慰安婦像を巡っては、ミッテ区議会が「永久設置」を決議したのだそうです。

独ミッテ区、「ベルリン少女像」の永久設置を決議

―――2020/12/03 8:47付 東亜日報日本語版より

東亜日報は先週木曜日付の記事で、ベルリンのミッテ区議会は現地時間の1日、慰安婦像の「永久設置」を議決したと報じています。しかも、賛同したのは出席議員31人のうち24人で、賛同率は77%なのだとか。

もちろん、このミッテ区議会の決議自体に法的拘束力はなく、また、少なくともミッテ区当局の2020年プレスリリースを読むと、現地時間の先週金曜日までの時点で、ミッテ区当局が慰安婦像について何らかの声明を出しているという事実はありません。

しかし、先ほども申し上げたとおり、外国では「慰安婦=性奴隷」という誤った認識が完全に定着しているため、私たち日本国民の個人というレベルでこうしたウソに対抗するには限度がありますし、外国の議会にとっては「戦時の女性の人権」という大義名分が立ちやすい項目でもあります。

そして、このミッテ区の件については、日本が完全勝利したとすれば慰安婦像の撤去ですが、1日でも長く慰安婦像が展示され続ければ、韓国にとっては儲けものです。なぜなら、最初から設置されていなかった像と虚偽の碑文を展示して、日本を貶めるという彼らの目的が達成できるからです。

その意味では、この件も典型的な「ゼロ対100」なのでしょう。

あらたな慰安婦裁判の動向

問題解決には韓国ごと最貧国に転落してもらうしか…

いずれにせよ、慰安婦問題は日本政府の重ねての不作為等により、いまや日本に対する消し去りがたいほどのネガティブイメージを植え付けることに成功してしまったのです。

すでに米グレンデール市の実例もありますし、ベルリン・ミッテ区の慰安婦像を撤去することに成功したとしても、ほぼ全世界で同様の像が続々と建立され続けることは、私たち日本人としては想定しておかねばなりません。

個人的には、ここまで至ってしまった以上、「慰安婦問題が完全に解決するとしたら、韓国が慰安婦問題を全世界に訴えかけるほどの余裕をなくすほど韓国を困窮させるしか方法はない」のではないか、という悲観論も頭をよぎります。

あまり言いたくはないのですが、慰安婦問題の解決とは、何らかの方法で韓国経済を破綻させることと同義なのかもしれません。

「日本政府を提訴」の非常識

さて、こうしたなか、個人的に少しだけ注目している話題が、自称元慰安婦が日本政府を訴えた問題です。ここでは2年ちかく前に、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された記事を紹介しましょう。

2年以上「受付拒否」された旧日本軍「慰安婦」被害損害賠償訴訟…今度は開かれる

日本政府が3回も受け付けを拒否してきた「旧日本軍慰安婦被害者損害賠償訴訟」の訴状を伝達するため、裁判所が「公示送達」のカードを切った。<<…続きを読む>>
―――2019.03.13 17:12付 中央日報日本語版より

中央日報によると、自称元慰安婦による訴訟を巡り、ソウル中央地裁民事部は日本政府に対し、損害賠償訴訟の訴状と訴訟案内書の翻訳本を、2019年3月8日付で「公示送達」したのだそうです。

公示送達といえば、例の自称元徴用工判決問題を巡り、韓国国内の裁判所が日本企業に対してとったのと同じ措置です(『公示送達の期日が到来:注目される日本政府の対応』等参照)。

ただし、日本政府側は「主権免除の原理」、つまり「国家は外国の裁判権に服さない」とする国際法上の考え方をもとに、そもそも訴訟に応じていません。もっとも、この訴訟自体は先月11日にソウル中央地裁で結審しているのだそうです。

早ければ今週に判決も!?

では、その判決はいつ、言い渡されるのでしょうか。

複数のメディアの報道によれば、判決自体は来年1月13日に予定されていたはずですが、日曜日に配信された次の記事によれば、1審の判決が出るのは今月11日(金)に早まったようです。

慰安婦被害者、日本相手の損害賠償訴訟今週1審判決…韓国内で初の判決

日本軍慰安婦の被害者が、日本を相手に起こした損害賠償請求訴訟の1審の結論が今週出る。<<…続きを読む>>
―――2020/12/06 8:03付 Yahoo!ニュースより(WoW!Korea配信)

掲載されているのは『Yahoo!ニュース』ですが、配信しているのは『WoW!Korea』というメディアです。

WoW!Koreaによると、「日本政府を相手に起こした損害賠償請求訴訟の1審の結論」は、11日午前9時55分に開かれる法廷で言い渡されるのだそうです。

WoW!Koreaは「日本政府を相手にした慰安婦被害者の損害賠償訴訟について、韓国の裁判所の判決が出るのは今回が初めてだ」としていますが、ただ、判決自体が今週中に出ると報じているメディアを探しても、現時点ではこのWoW!Koreaの記事だけしかみつかりません。

ただ、主権免除の原則を無視して日本政府を訴えた訴訟を進めてしまうという韓国の後進性もさることながら、この記事には不自然な点があります。ここまでインパクトがある訴訟であれば、他メディアももっと注目していても良いはずでしょう。

いちおう、日曜日に配信されてから丸2日以上経過していますが、現在のところ、このWoW!Korea以外のメディアが記事にしていないため、当ウェブサイトでも取り上げるべきかどうか迷ったのですが、いちおう「参考情報」として注意喚起のために取り上げておくことにした次第です。

もしこのWoW!Koreaの記事が事実であるならば、きっと後追いで多くのメディアが取り上げるでしょうし、また、判決が下りた当日に関しては、その内容次第ではまた話題になるでしょうから、これについてはとりあえず今週金曜日を待ちたいところです。

モンスター判決を量産する国

さて、この判決、いったいどういったものになるのでしょうか。

自称元徴用工問題などを巡る2018年10月30日と11月29日の韓国大法院(※最高裁に相当)の判決では、「韓国という国家自体が日韓請求権に違反する状況を作り出してしまう」という椿事が発生しました。

というよりも、裁判官ですら時の政権の意向により逮捕されるような国ですので、韓国では三権分立は存在していないと考えた方が良いと思います(※余談ですが、これで「三権分立」を騙る文在寅(ぶん・ざいいん)政権の面の皮の厚さは大したものだと思う次第です)。

もちろん、文在寅大統領自身の残り任期が1年半を割り込むなか、現在の韓国政府は日韓関係の改善に向けて躍起ではありますが、判決を出す裁判官としては、文在寅政権よりも「その後」の政権についても気を配る必要があります。

地裁判事も「国民情緒法」を意識せざるを得ないのでしょう。やはり自身の身の安全を考えるなら、自称元慰安婦らの勝訴を言い渡す可能性は相応にありますし、ましてや今回は地裁レベルであるため、なおのこと、国際常識や法に反する判決が出てくるシナリオを想定しておく必要はあるでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

そうなると、やはりシナリオとしては、次の3つしかありません。

  • ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
  • ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
  • ③韓国が国際法違反を続け、日本が韓国に譲歩しないことで、日韓関係が破綻する

ただし、残念ながら韓国側に日韓関係を改善させるだけの問題解決力はありません。ちょうど1年前のGSOMIA破棄の撤回にみられるとおり、韓国が①に近い選択を取ることで日韓関係の破綻が避けられる可能性もないわけではありませんが、その可能性はさほど高くないように見えます。

個人的な観測を申し上げるならば、自称元徴用工判決に関する資産売却問題が膠着状況にあるなかで、韓国の側からおかしな判決が出れば出るほど、間違いなく、日韓関係を傷つけます。

つまり、破綻のふちにある日韓関係に、この慰安婦訴訟はとどめを刺すのかもしれません。

いずれにせよ、リスクシナリオとしては上記②か③のいずれかが実現する可能性を考えておくべきでしょうが、少なくとも日本国民の1人としては、日本政府にはもう2度と②の選択を取ってほしくないと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (24)

  • 日韓関係の溝が埋まらないのは、日本側が真摯に「彼らの理解」に努めたから。
    彼らの被害者コスプレの実態を「知れば知るほど嫌いになる」しかないのです。

    *難癖には、消極的関与(否定声明のみ)と積極的放置で充分なのかな・・?

  • これ将来の戦争の種ですね。
    40代の私はすでに覚悟していますが、日本の若者や子どもたちが本当に可哀想だ。

    管理人さんは嫌がりますが、最近は民族的憎悪まで持っています。
    まだまだ理性的に考えることのできる管理人は立派だと思う。

    それにしても日本のメディアは罪深いですね。
    若者に韓流芸能人に好意を持つような洗脳をして。

    • 若者だけではありません。私の父は耳が大分遠くなったせいで、一日中大音量でテレビを見てのんだ暮れていますが、某国営放送の垂れ流す韓国のウソ歴史ドラマにすっかり毒されてしまってます。昔は酔っぱらうとテーブルに登って「天皇陛下、ばんざーい」と言っていたのに。腹立たしいです。国営?

  • 菅首相には、韓国に謝罪をしていただきたい。

    1.過去の日本の誤った情報や方針に基づいた、行うべきでない謝罪とその賠償に関する行為をしてしまったことを、心から謝罪する。
    2.するべきでなかったこの行為が、日韓の関係を大きく損なっていることは明白で、最近ますますその悪影響が拡大していることの根本的な原因がこの誤った謝罪であると認識するに至った。
    3.今回、日本はこの誤った過去の行動(するべきでなかった謝罪と賠償)に対し謝罪の意思を明確に表明するとともに、過去の行動を根本から見直し、偽情報や感情的な行動を排し、確実な事実およびその調査に基づく正確な歴史的事実を明白にし、この事実をひろく世界に広めたいと考える。(「日韓の歴史的事実に関する調査報告書 by 日本」を作成する)
    4.この歴史的事実を前提として、改めて事実のみに基づく、日本がとるべき行動を決定し、日本の過去にとった誤った行動を是正するために、断固たる行動をとることを決意する。
    5.たとえ好意によるものであったとしても、事実でない情報に基づく行動は、結局双方のためにはならない、ということを、日本は今回のことで学んだ。今後は事実を明らかにし、事実のみに基づき、正しい判断をする、賢明な国家としての国際的位置をさらに向上させたいと切望するものである。

  • 朝鮮には関係のない事だけど、
    やはり「戦争を起こし、かつ負けた」といつ事実は本当に重い大大大黒星ですね。
    もちろんそれに至る経緯はあれど、所詮日本の立場はもうどうやっても世界のコンセンサスにはなりませんから。
    こういういわれなき非難にも繋がるというもの。
    次からはこういう事がないように考えて動かないと。
    「勝つ」か「仕掛けない」のどちらか。
    でなきゃ後世の人達が大変生き辛い。

    この件については事実はどうあれ「解決済み」で押すしかないでしょう。
    実際はどうだったか、そんなことを論じても今更意味がない。
    最初から一貫して否定してりゃまだ目もあっただろうけど。

  • 更新ありがとうございます。

    韓国民の中にはまともな人も居ますが、保守革新関係なく韓国の政府は対日ヘイト・対日レイシズムに染まった言動を取り続けている以上、日韓関係はもうお仕舞いでしょうし。

    ちなみに、米国が米韓同盟の破棄と引き換えに北朝鮮や中国からどのような利益を得るか、興味が湧きます。
    台湾を独立国として認める、は先ず有り得ないでしょうけど。。。

  • だから、今月制裁すれば良いんだって。
    もうこのタイミングを逃すと、慰安婦合意の日本政府が認めた部分以外は、無かった事になると思います。

  • 更新ありがとうございます。

    韓国の対日裁判、日本政府への反日裁判ですから、ロクな結審は無いでしょう。コレで日本は縁を切れる(実際は擦り寄ってくるが)。

    無視するがヨシです。それでも片手では握手を求めて来るから、頭ん中オカシイとしか思えない。日本はリカンを急ぐべし、です。日米韓は無い。日中韓は永遠に無い。

  • やはりこの期に至っては、「河野談話」は撤回すると公式発表するべきのような気がしてきました。 そして腰を据えて韓国だけでなく世界に向かって「事実」を主張し続けるしかないでしょう。

  • 自称害交カードを作りたいんでしょうね。しかしまあ、悉くこんなカードばかり。文氏には韓国の性根をここまで晒してくれて、日本側の判断をしやすいようにしてくれて感謝ですね。

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