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韓国の「知性」が「韓日は歴史和解プロセスを」と提案

韓国メディア『中央日報』(日本語版)にときどき掲載されるのが、「韓日ビジョンフォーラム」と呼ばれる組織の「議論」です。といっても、正直、同組織が日本側の韓国専門家の意見も聞かず、勝手なことばかり主張してるのを見ると、これは「議論」というよりも「妄想」のたぐいではないかと思えてなりません。

ムシが良い韓日ビジョンフォーラムの主張

以前から韓国メディア『中央日報』に不定期で登場するのが、「韓日ビジョンフォーラム」なる組織です。ちゃんと調べたわけではないのですが、この組織が登場する頻度は、最近だとだいたい1ヵ月に1回くらいでしょうか。

「韓日ビジョンフォーラム」の内容については、日韓問題に興味があれば、「名前くらいは聞いたことがある」という方も多いでしょうし、実際、当ウェブサイトでも先月の『日韓関係破壊の加害者側が「日本に譲歩を」と言い出す』などを含め、過去に繰り返し何度も取り上げています。

あらためて申し上げておくと、このフォーラムは洪錫炫(こう・しゃくげん)中央日報会長を代表とし、申珏秀(しん・かくしゅう)元駐日大使をはじめとする「専門家」(?)46人を集めたものだそうですが、「韓日」と名乗っているわりに、日本人の名前を見かけた記憶はありません。

そして、この「韓日フォーラム」、韓国側の「用日外交」、「食い逃げ外交」とでも言えば良いのでしょうか、これまで極めてムシの良い主張をしてきた組織です(たとえば先月の『韓日首脳が書簡を交わした今、「譲歩イニシアチブ」推進を』という記事などもその典型例でしょう)。

なにより、この「韓日ビジョンフォーラム」からは、「韓日関係を破壊しているのは我々韓国の側だから、我々の側こそがこうした破壊活動をやめるべきだ」、といった意見が聞こえてこない時点で、正直、私たち日本人にとって、まともに正面から検討する価値があるとも思えません。

敵の手の内を知るのも必要

ただし、この「韓日ビジョンフォーラム」のメンバーが韓国の「保守界」を代表する、一種のオピニオンリーダーであるという点を踏まえるならば、私たちとしても無関心でいるわけにはいきません。なぜなら、この組織の議論を見れば、韓国が「次の一手」として何を企んでいるのかを何となく読むことができるからです。

現在の韓国は「保守政権」ではありませんが、この「韓日ビジョンフォーラム」における議論ないし提言の内容については、そのすべてが受け入れられているわけではないにせよ、おそらく韓国政府内でも一定の賛同者がいるはずです。

だからこそ、私たちは警戒を怠らないという意味でも、彼らの議論については、いちおうは目に留めておく必要はあるのだと思います。そして、その最新稿が本日、中央日報日本語版に掲載されています。

「韓日2025年を目標に歴史和解プロセスに突入しよう」

膠着状態が続いている韓日関係の改善に向けて韓国内の専門家が額を突き合わせた結果が本として出版された。<<…続きを読む>>
―――2020.10.20 06:47付 中央日報日本語版より

というか、記事本文冒頭に「韓国内の専門家が」と明記されていましたね。

せめて韓国国内で勝手に議論するのではなく、日本国内の優れた韓国観察者(たとえば鈴置高史氏など)の意見を少しでも聞いていれば、まだ少しは提言として意味があるものになったかもしれない、と思ってしまいます。

それはともかく、この記事は「韓日ビジョンフォーラム」の新刊書の出版記念会の様子が取り上げられたもので、朴喆熙(ぼく・てつき)ソウル大学国際大学院教授はこれについて「激論を経て議論された集団知性の結果」と絶賛したのだそうです(※敢えて突っ込みません)。

また、韓日ビジョンフォーラム委員長を務めた申珏秀氏は挨拶の言葉で「韓日関係は過去8年間累積した複合多重骨折状態ともいえる困難に陥っているが、闇が深まれば夜が明ける」と述べたのだそうです(※その「複合多重骨折」を招いた加害者こそが韓国でしょうに)。

さらに、李洪九(り・こうきゅう)元首相は「韓日ビジョンフォーラムの重要なキーワードは平和」と述べたのだそうです(※当ウェブサイトに言わせれば、日韓関係における重要なキーワードは「約束を守る」以外にはありえないと思いますが…)。

洪錫炫氏、「韓日和解プロセス突入を」

さて、ここでもうひとつ興味深いのが、洪錫炫氏の次の演説内容です。

今年の年末に予定されている韓日中首脳会議は、韓日関係改善のための重大な転機。菅新任首相が訪韓しなければ韓国内の問題解決の雰囲気を硬化させかねない

これはおそらく、『仮想敵国のホンネを知るには、その国のメディアを読め』などでも触れた、「菅義偉総理大臣の訪韓見送り」に関する言及でしょう。

年内に開かれるであろう日中韓3ヵ国サミットを巡って、共同通信は先週、自称元徴用工問題を巡って「日本側が受入可能な措置を講じない限り、菅総理は参加しない」、などと報じています。

首相、年内の日中韓会談に難色/徴用工進展条件と韓国側に伝達

―――2020/10/13 06: 17付 共同通信より

洪錫炫氏の発言を読む限り、この人物は、韓国が置かれている立場をいまだに理解していないと言わざるを得ません。

そもそも、自称元徴用工判決問題を筆頭とする日韓関係の諸問題を巡っては、すべて韓国側の一方的な約束破り、条約破りがその根底にあります。ということは、韓国自身が国際社会の法と正義を尊重する以外に、日韓関係の破壊を防ぐ手段はありません。

ところが、洪錫炫氏は、さらに驚くべき提案をします。

韓日請求権協定60周年の2025年を目標に、韓日が『歴史和解プロセス』に突入することを提案する」。

そもそも1965年の日韓請求権協定自体が戦後の日韓関係を規定して来たものですが、これをないがしろにしている韓国と、これ以上何をしなければならないというのでしょうか。

洪錫炫氏は、ドイツとフランスが1963年に、当時の首脳の政治的決断で結んだような「日韓版エリゼ条約」を締結することも提案したそうですが、残念ながら、韓国とはどんな条約を締結しても意味がありません。どうせ韓国から破られるのですから。

鳩山政権の崩壊を心から喜ぶヒトコト

ちなみに、今回の式典には日本側からも冨田浩司駐韓日本大使が出席したほか、訪韓中だった河村建夫・日韓議連幹事長、さらには(なぜか)鳩山由紀夫元首相も参加していたのだそうです。いちおう、鳩山氏の発言についても紹介しておきましょう。

日本側の妥協案の基本は『敗戦国は被害者がこれ以上謝罪する必要がないという時まで謝罪する心を持たなければならない』という無限責任論にあると信じる」。

鳩山政権が1年弱で崩壊したことについて、「本当に良かった」と心から実感せざるを得ないヒトコトでしょう。

新宿会計士:

View Comments (41)

  • 日中韓首脳会談の意義は不明ですが、米韓北朝鮮首脳会談の再現になりそうな予感w
    中国のSPがドアをシャットダウン。
    そこで颯爽と菅首相が開けてあげるという演出なんかどうだw

    • りょうちんさま
      そこで颯爽と菅首相が鍵をかけるのは、どうでしょう?
      李克強氏が、それをにこやかに見ている。

      • やはり、文大統領を入れて、入れ替わりに菅総理が出て鍵をかけるというのがよろしいかと。

  • 「韓日ビジョンフォーラム」ネタだから、新宿会計士さんが、スレを作ると思って待ってました。
    私が、一言で言うと「ふざけるな」で、終わってしまいます。

    「韓日ビジョンフォーラム」は、韓国がどうやって日本を騙すかを打ち合わせする、詐欺集団です。
    今回彼らの提案は、詐欺師が考えた詐欺手法です。
    どうやら冨田駐韓大使が参加しているのは確実です。
    河村氏、鳩山氏が、直接参加しているかどうかは?
    日本側としては
    1.日韓関係を改善、発展させる理由が無い。
    2.日韓間の歴史問題は、日韓協定で解決済み。
    という事でしょう。
    菅総理が、日中韓首脳会談に参加しない方が良いのは、鈴置氏のお墨付き。韓国は、これで日韓関係が改善されない原因は、「日本が悪いニダ」でウインウインの関係ですね。

  •  この場合の「知性」とは、病膏肓に入って病ダレが付く法の「痴性」じゃないでしょうか。ハトヤマ氏など痴れ者の切れ物も参席してるようですし。

    • それよりH/Nがナイス過ぎます。ムン化大革命(笑)
      4人組,誰でしょう?

  • >韓日請求権協定60周年の2025年を目標に、韓日が『歴史和解プロセス』に突入することを提案する

    呆れるね。
    朴槿恵大統領が「加害者と被害者という立場は、千年過ぎても変わらない」と演説したのを忘れているのかしら。
    せめて、1000周年の2965年を目標にと言うべき。
    しかし、2965年までに「万年過ぎても変わらない」と言い出す朝鮮人が現れるでしょう。
    今でも、と文禄・慶長の役を引き合いに出すぐらいですから。

    年末に実質的に韓国によって壊されかねない日韓請求権協定を持ち出すこと自体がナンセンス。

    日韓請求権協定という土台がないのに、それ以外の話し合いなど意味無し。
    相手にするだけ時間の無駄。
    「約束を守れ」
    日本はこれ一点に尽きますね。

  • 日本から見たら、「笑止千万」以外のなにものでもない。
    韓国の無限に広がるファンタジーに付き合うヒマは日本にはありません。

  • >「複合多重骨折」を招いた加害者こそが韓国でしょうに
    韓国の過失で無く故意による自損事故ですよね。
    それにしても鳩山元首相の脳内はどうなっているのでしょうか。韓国こそベトナムで悪逆なことをしたのに。

  • 真実の歴史を知り認めることから始めましょうね。
    ウリナラファンタジーにつき合ういわれはありません。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (なにしろ、自分でも、あり得ないと思っているので)
     朝鮮戦争は、北朝鮮と中国義勇軍、それに国連軍を代表して米軍が停戦に合意したままです。ということは、停戦破棄を宣言すれば、(法的には)北朝鮮が米軍を攻撃することも、中国義勇軍が米軍を攻撃することも、または、その逆も問題がないことになります。(北朝鮮は、すでに停戦破棄を宣言しています)
     それで韓国は、「だから終戦宣言すべきだ」と言い出すかもしれません。もっとも、中朝は「攻撃するかもしれない詐欺」のために、カードとして温存しておくと考えるかもしれませんが。
     蛇足ですが、(建前としては中国政府と関係のない)中国義勇軍の代表は誰になるのでしょうか。また理論上は、中国義勇軍は(習近平国家主席を無視して)米軍への攻撃を再開することが可能ではないでしょうか。
     駄文にて失礼しました。

    • 引きこもり中年 様
      >蛇足ですが、(建前としては中国政府と関係のない)中国義勇軍の代表は誰になるのでしょうか。
      中国義勇軍といっても、それは冠に「中国義勇軍」とついているだけで、中の人は全て人民解放軍であることは間違いないでしょう。誰が代表になるかについてはわかりませんが、解放軍の上級幹部以外になり得ないと思います。

      >また理論上は、中国義勇軍は(習近平国家主席を無視して)米軍への攻撃を再開することが可能ではないでしょうか。
      理論上では可能ですが、米国との国交がなかった朝鮮戦争当時とは異なり、現代で「米軍への攻撃を再開する」とは即ち米中直接衝突への尖端を開くことになりかねません。
      一般論としては、人民解放軍のトップが習近平が中国共産党中央軍事委員会主席を兼任していることから、中国共産党指導部が米国との直接衝突への腹をくくらない限り、それが起きる可能性は低いと考えられます。
      しかし、別の角度から見ると違った一面が垣間見れます。
      北朝鮮と国境を接しているエリアを管轄する人民解放軍は瀋陽軍区(現在は北部戦区に属する)です。この瀋陽瀋陽軍区は一貫して隠れ反習近平勢力であるという噂があり、瀋陽軍区の不穏な動きを封じるために新たに北部軍区を設置し、瀋陽軍区を牽制した、とも言われています)。
      もし引きこもり中年様が仰るように、もし瀋陽軍区の青年将校が習近平や人民解放軍最高指導部の制止を振り切り(または不意を突いて)、無断で中国義勇軍を結成し第2次朝鮮戦争に介入したら、表向きは北朝鮮を支援すると見せかけて・・・「敵は本能寺(中南海)にありぃ~~っ!!!」と、実写版「本能寺の変」がお茶の間で展開されるという可能性も全くゼロではないことを申し添えます(笑)

  • 毎日の更新御疲れ様です。最近の南朝鮮発表は印象操作としか見れませんね。発表の「ツマ」として駐韓大使や元日本首相、日韓議連等を入れており、さも日本政府関係者が認知している様にしている。慰安婦案件でも一部の放言を日本政府が放置した事で取り返しがつかない事態になったと思います。政府の公式否定を期待したいところです。世界では沈黙は黙認であると思います。

    • 知 性 と は
      程 遠 い 人 の
      合 言 葉
      韓 流 で な け れ ば
      み な 反 知 性 主 義

      (^^)

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