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もともと少なかったものが、「関係改善の兆し」?

本日の短評です。もともと少なかったものがさらに減り、それがまた少し戻ったとして、「日韓関係改善の兆し」と言われても正直困ります。

先ほど、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の報道を見ていると、こんな記事を発見しました。

11月の日本車販売 前年比56%減も4カ月ぶり2千台超=韓国(2019.12.13 11:00付 聯合ニュース日本語版より)

これによると、韓国政府・産業通商資源部が13日、11月の日本車の販売については「不買運動のターゲット」となり、「大幅な落ち込みが続いている」としつつも、台数としては4ヵ月ぶりに2000台を超過するなど「持ち直しの兆候」も感じられる、としているものです。

記事では韓国の自動車の国内販売データについてつらつら綴られているのですが、当ウェブサイトとして注目したいのは、日本車に関する言及の部分です。

すなわち、「日本政府による輸出規制強化」(※聯合ニュースに限らず、多くの韓国メディアは日本の輸出管理適正化措置のことを、あいかわらず「輸出規制」と誤記しています)を受けて、日本車の販売台数は7月が17.2%、8月が56.9%、9月が59.8%、10月が58.4%となっているとしています。

しかし、11月に関しては台数が2000台を超えたことから、「回復に向かうのではないかとの見方も出ている」と述べています。

はて。

聯合ニュースの記事ではあまり触れられていないのですが、そもそも日本の自動車輸出高は毎年約12兆円前後に達していますが、うち韓国に対する輸出高は毎年1000億円にも満たない額であり、これを集計すると、次のとおりです(図表1)。

図表1 日本の自動車輸出高
全世界向け うち韓国向け 比率
2016 11兆3328億円 535.9億円 0.47%
2017 11兆8253億円 878.5億円 0.74%
2018 12兆3072億円 781.6億円 0.64%
2019 9兆9650億円 647.2億円 0.65%

(【出所】財務省『普通貿易統計』より「70503_自動車」を集計。2019年については10月までの値)

もともと、韓国に対する自動車の輸出高は、日本の自動車の輸出高全体に占める割合が1%にも満たないため、正直、不買運動がどれほどの成果を上げているのかはよくわかりません。ついでに月次データでも見ておきましょう(図表2)。

図表2 日本の対韓自動車輸出高と比率の月次推移(2016年以降)

(【出所】財務省『普通貿易統計』より「70503_自動車」を集計。2019年については10月までの値)

もともと少なかったものがさらに少なくなり、それが前年なみに戻ったとして、何か「日韓関係改善の兆し」と位置付けることができるとも思えない、というのが、偽らざる正直な感想といえるかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (11)

  • 更新ありがとうございます。

    釜山のルノーサムスン工場が仕事無くなったので、日本企業に来て欲しい訳じゃないよね?何かと言えばすぐ過激労組はストをし、計画数値の生産が出来ない上に、従業員給与がスペインとか日本や他国より高いのも足を引っ張った。

    ものつくりが特に優秀でもなく、隙を見てはラクしようとする民族が、自動車を作る事自体、本末転倒です。ルノーサムスン社は、ルノー分の釜山工場での今年度発注分を作って、一応オワリ(笑)。早よ逃げ出したいッ(爆笑)!

    まさか、日産のブランドを韓国工場から、日本に輸入する訳にもいかず(そんなことしたら、日産は消費者からボロクソに叩かれるだろう)、困っている。また韓国GMも作っても売れず、撤退間際に。

    そんな韓国市場で日本車が2,000台売れた、昨年より増えたとか、不買の峠越えたとか、日本にとっては、どうでもいい話だ。単位がちっちゃ過ぎる。

    韓国車は中国・インド市場が命です。そこで売れなくなった今、最早倒産するしかないよ。理由はいつまでたってもセダンやラグジュアリーカーを作り、SUVやファミリーカー、ハイブリッド、電気自動車に見向きもしなかった為だ。

    ちなみに私が今乗っている車は、年間12,000台ぐらい日本で輸入販売されている仏車。そんなに少なくてもやって行けるらしい(トヨタ様の力で 笑)。

    ハイブリッドではないが、ターボかかったら力強いヨ!燃費?気にしない(笑)ハイオク仕様。気にしない(笑)。韓国車は、結局安モン、パチモン車、そういう下の方の大衆しか狙わなかったのが、失敗の要因だ。価値なし。

  • ↓韓国メディアの過去記事から数字を拾って見ました。

    対日輸出韓国車台数

    2013年 462台
    2014年 321台
    2015年 273台
    2016年 371台(乗用車200台
    2017年 180台(乗用車7台
    2018年 17台(乗用車5台

    2018年は11月までの集計。
    乗用車以外はバス。

    *日本国内で乗用車が10台売れたら「回復の兆し」ってことになるのでしょうか?
    *ならないですよね。

    https://www.recordchina.co.jp/b163599-s0-c20-d0124.html
    https://www.recordchina.co.jp/b668347-s0-c20-d0144.html

    • カズ様へ

      在日韓国人だけでも数十万は居るのですよ。もう少し売れても良いと思うのです。

      戦後まもなくの米国で、日系の御婦人が「車の性能はともかく、私も日本人だから」とクラウンを1台買ってくれたというトヨタの伝説があるらしいですが・・・

      • 門外漢 様

        「ソナタ買ってくれたのどなた?」

        この台数だと、乗用車の発注元は大使館等による公用車納入なのかもですね。
        この現状は「祖国への哀もない伝説」と云ってしまっていいのかもしれません。

        現代自動車が10年ぶりに水素自動車の販売を目論んで日本市場に再挑戦するみたいです。
        提供されるサービスの品質とコストが嚙み合わなければ、歴史は繰り返すことになるのだと思うんですけどね・・。

        *レスポンスありがとうございました。

  •  自動車関連の韓国らしい記事を一つ。一部抜粋して翻訳します。

     タイトル
     現代自、操業中のワイファイ制限措置を留保特別勤務拒否も辞さない労組に頭を下げた

     http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2019/12/11/2019121102469.html

     自動車業界の関係者によると、現代自動車は、12/11から再び蔚山工場の生産ラインの勤労者が24時間Wi-Fiに接続できるようにした。作業の中の安全事故発生の憂慮などを理由に12/9から操業時間にはWi-Fiを使うえないように制限してからわずか二日ぶりに原点に戻った。

     現代自の関係者は、「最近、蔚山工場では作業中にニュース検索はもちろん、スポーツ中継を視聴したり、さらには映画やユーチューブなど各種動画を視聴する社員も頻繁に目につく」と語った。

     しかし、会社側のWi-Fi制限通報に対して労組は強く反発した。 すでに労使間の合意を通じて決められたWi-Fiの使用を急に制限するというのは、組合員を無視した会社側の一方的で強圧的な措置だというのが労組の主張だった。

     いかにも韓国らしいニュースです。

     駄文にて失礼します。

    • 韓国在住日本人さま
      これでも社員のクビを切れないのが、韓国なんですよね。
      彼らは、1000万近くの年収があるはずで、まさに労働貴族を謳歌してるようですね。

  • それにしても「韓国命」の在日さんが何故韓国車を買わないのでしょうか。
    もっともネットサーフィンしながら組み立てる乗用車なんておっかなくって誰も乗りたくないですよね。
    就業中のネット使用を認める会社もおかしいがそんなことを要求する労組も労組です。文在寅大統領やその取り巻き、政府、民間も手を取り合って亡国へ一直線。みんなでやれば怖くないんでしょうか。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     韓国メディアの印象操作では、ないでしょうか。最低の時点を基準とす
    れば、僅かなりと言えども上がれば、『関係改善の兆し』と言っても嘘で
    はないのですから。

     駄文にて失礼しました。

  • 外交音痴な韓国人も,米朝関係が怪しいことはさすがに気付いていて,最近の韓国の新聞のメインニュースも北朝鮮情勢で,反日してる余裕がなくなってます。間もなく日本に助けを求めてくるかも。
    しばらくは韓国ネタはあまり意味がなさそうなので,今日はロシアの出方を考えてみました。
    12月11日の安保理決裂は想定内ですが,11月22日の日経新聞の記事「ロシアのラブロフ外相は21日、朝鮮半島問題の解決に向けて中国とつくった新たな行動計画を北朝鮮側に伝えたと明らかにした。2017年に中ロでまとめた行程表を更新する内容で、米国や韓国など関係諸国にも近く伝達する。」の行動計画とはは何だったのでしょうか。
    政治家としてはトランプ氏よりプーチン氏のほうが数段能力が上です。逆に言うと,トランプ氏や金正恩氏(ついでに文在寅氏)の政治能力が低いから北朝鮮有事が懸念されるのです。もちろん,目的は北朝鮮ではなくて中国とロシアへの牽制です。韓国にはミサイルが配備できないので,北朝鮮の一部を制して,そこに自由に使える米軍基地を作りたい。そもそも,北朝鮮分割委任統治案は,数年前アメリカが中露に提示して了解を得た案のはずで,そのときから,アメリカは北朝鮮に基地さえ作れれば統治領の面積は気にしない,という姿勢だったと思います。
    話は変わって,アメリカ内のマイルドな意見で面白かったのは,「北朝鮮が1970年代に銀行向けに発行し、その後デフォルト(債務不履行)となった数百万ドル相当の債券を流通市場で購入してはどうか。相当な割引価格で手に入れられる可能性がある。米政府はそのような債券を保有すれば、北朝鮮の国外の隠れ銀行口座やその他蓄財を追跡し、差し押さえる権利を手に入れることになる。(By Nicholas Eberstadt)」
    調べてみたら,北朝鮮はロシアにも40億ドルの債務があって,焦げ付いているらしいです。それでも回収を断念していないとか。北朝鮮はロシアに対してはミサイルを用いないという条約を2001年頃締結しているそうです。プーチン氏は北朝鮮が韓国を含む外国との交戦能力は持っていないと考えていて,北朝鮮は心配してないけど,アメリカが北朝鮮に軍事的な足がかりを作ることを非常に怖れているのでしょう。
    もっとも,中国もロシアも,北朝鮮の指導者を金正恩氏じゃなくて,もっと自分の言うことを聞く指導者に交代させたい,とは考えているはずです。でも,中国は保護していた君正男を暗殺されてしまったし,ロシアはもともと玉を持っていない。ただ,金正恩氏がロシアに亡命できるルートを以前用意しましたが,それで何かしようとしているのでしょうか。
    習近平氏については,反腐敗運動をやりすぎて足下がぐらついてきたところに,厄介な対米問題や香港問題がふりかかってきて,彼の対処能力を超えた現状になってしまったように感じます。果たして,適切に北朝鮮問題に対処できるかどうか。

  •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

     本日、12月13日の『プライムニュース』で、鈴置高史氏、真田幸光教授
    それに佐藤正久(前)外務副大臣出席で、『韓国経済リスク』について、
    話していましたが、12月10日のBS-TBSの『報道1930』でも、木村太郎
    氏、深川由起子教授、金明中氏出演で、同じく『韓国経済リスク』につい
    て、話していました。この2つの番組の元ネタが同じであるか、それぞれ
    独自に分析した結果なのかは分かりませんが、同じような結論に達したこ
    とを、皆さんは、どう解釈しますか。
     もっとも、『プライムニュース』の方は、時間が30分長いせいか、中
    国に関しても発言していましたが。

     話は変わりますが、本日の『プライムニュース』の質問コーナーで、佐
    藤正久(現)自民党外交部会長代理が、日韓通貨スワップを(日本経済へ
    のダメージ覚悟で)否定していました。もちろん、知らなかっただけと、
    言われればそれまでですが、与党でそれなりの立場にある人の公の電波で
    の発言なので、野党や日本マスゴミ村からの発言よりは、信頼度が高いと
    思います。

     蛇足ですが、『プライムニュース』を観ていて気がついたのですが、安
    全保障を理由に(中国の)ファーウェイ製品、ZTE製品排除を呼びかけてい
    るアメリカに、韓国が「日本が安全保障を理由に、韓国に経済的報復を仕
    掛けている」と訴えること自体に、そもそも、無理があったのではないで
    しょうか。

     駄文にて失礼しました。

  • 韓国政府の考えはおそらく彼らがよく言う「自分がすればロマンス、他人がすれば不倫」の理屈だと思います。

    なにしろ、韓国政府はすでに日本に対して「ホワイト国除外」をして「自分たちは輸出管理をしている」が「日本は韓国に対しては輸出規制をしている」と叫んでいるのですから。

    自分たちで不買してるくせに、「日本製品を買わせろ」と叫ぶ。
    正直頭のおかしい集団としか思えません。

    国民は政府が悪いと言いながら自分たちの行動が政府を支援している事にも気づかない所にも理解ができません。

    まず自分たちの行動と発言に統一を持たせてほしいところです。