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読売「日韓亀裂リスク顕在」、むしろ焦点は日中関係だ

昨日の『果たして日本にとって韓国は「信頼できる友邦」なのか』で、韓国メディア『中央日報』(日本語版)から孫引きする形で、読売新聞に掲載されたという『第16回安全保障シンポジウム』の話題を少しだけ紹介しました。ただ、中央日報には何かと不自然な記述も多く、とくに佐々江賢一郎・前駐米大使が「韓国の気持ちにある程度合わせる努力をしても無駄ではない」と述べたとする下りには強い違和感を抱きました。こうした「もやもや」を払拭するためには、やはり、147円分の電子マネーを使って、読売新聞の原文を読んでみる必要があります。

読売新聞、買ってみた

佐々江氏の「問題発言」

昨日の『果たして日本にとって韓国は「信頼できる友邦」なのか』で、5日に東京・内幸町の日本プレスセンタービルで開かれた『第16回安全保障シンポジウム』(NPO法人ネットジャーナリスト協会主催、読売新聞社後援)の話題を紹介しました。

といっても、紹介するうえで参考にしたのは、読売新聞ではなく、韓国メディア『中央日報』(日本語版)の記事です。

そのなかで、基調講演者のひとりである佐々江賢一郎・前駐米大使が

文在寅大統領が2045年の南北統一を目標にしているが、日本として最も望まないのは統一した韓国が核を保有し、反日的に中国の拡張政策のパートナーとして存在することだ/そうならないように手を打つべきことは手を打つ必要がある/日韓関係でも日本は韓国を投げ出さず、韓国の気持ちにある程度合わせる努力は無駄ではない

などと述べた、とする話題を紹介しました。

これが事実ならば、聞き捨てならない発言です。なぜなら、この発言は、日本が原理原則を捻じ曲げてでも韓国に譲歩しろ、と主張しているのと同じようなものだからです。いつも当ウェブサイトで報告しているとおり、これからの日韓関係を巡っては、最終的には次の3つしか帰結はあり得ません。

  • ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
  • ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
  • ③韓国が国際法を破り続け、日本が原理原則を貫き続けることで、日韓関係が破綻する

前駐米大使ともあろう人物が、かかる軽率な発言をすること自体、本当に困った話だ、という言い方もできるでしょうか。

原文を読んでみたら…

ただ、外務省内には、「日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩せよ」と主張する勢力が多いことはおそらく事実だと思いますが、果たして本当に佐々江氏がそのように発言したのか、引っ掛かるところでもあります。

佐々江氏といえば外務省の事務次官を経験後に、2012年から米国大使を6年間務めたほどの人物でもあります。仮にそのような人物が「日本の国益をないがしろにしてでも日韓友好を重視しろ」と主張したのだとしたら、それこそ「今すぐにでも外務省を解体せねばならない」という議論にもつながりかねません。

このように考えていくと、やはり原文を読んだ方が早いです。

そこで、昨日、読売新聞朝刊を購入し(本体+税で150円、コンビニエンスストアのローソンだとキャッシュレス決済還元で147円)、原文を読み比べてみました。

さっそくですが、問題の個所です。

中央日報は佐々江氏の発言を

文在寅大統領が2045年の南北統一を目標にしているが、日本として最も望まないのは統一した韓国が核を保有し、反日的に中国の拡張政策のパートナーとして存在することだ。そうならないように手を打つべきことは手を打つ必要がある。日韓関係でも日本は韓国を投げ出さず、韓国の気持ちにある程度合わせる努力は無駄ではない。

と紹介しましたが、読売新聞には、こうあります。

韓国の文在寅大統領は、2045年の南北統一を目標に掲げている。日本にとって最も望ましくないのは、統一された朝鮮が核を保有し、反日的で、中国の拡張政策のパートナーとして存在することだ。そうならないように打てる手を打っていくことが必要だ。日韓関係でも、日本が韓国を突き放さず、韓国の気持ちにある程度手当をして努力することは無駄ではない。

(【出所】2019年11月14日付 読売新聞朝刊東京12版13面)

佐々江氏の主張は「北核保有を容認するな」

いかがでしょうか。

細かい表現がいろいろ異なっていますが、とくに大きく違っているのは、原文の「韓国の気持ちにある程度手当をして努力する」が、中央日報だと「韓国の気持ちにある程度合わせる努力をする」です。日本語表現的にはちょっとした違いかもしれませんが、これだと受ける印象がずいぶんと変わってしまいます。

この読売新聞の記述を読む限りは、佐々江氏は「日韓関係において、韓国の気持ちにある程度手当して努力することは無駄ではない」と述べていますが、「韓国の気持ちに合わせる」とは言っていません。

むろん、この佐々江氏の発言に対しても、「これまで日本政府・外務省が韓国に不要な配慮をしてきたから、今日の日韓関係がここまで迷走しているのだ」という批判は成り立つと思いますし、佐々江氏は外務省の事務方トップとして日本外交を仕切ってきた人物でもあります。

(文脈はともかくとして)佐々江氏が「韓国の気持ちに手当せよ」と述べたことは事実であり、佐々江氏が本心で「日本は韓国に譲歩すべき」と考えている可能性があることは否定できませんが、それでも、「韓国の気持ちに合わせよ」とまでは言い切っていないことは、公正さのため、付言しておきましょう。

なにより注目すべきは佐々江氏が「韓国の気持ちにある程度手当すべき」と述べている下りは、最後の1行だけであり、それ以外の箇所は基本的に韓国や北朝鮮に対して非常に厳しく、たとえば次のような発言もしている、という事実です。

  • 日本としては、ミサイル防衛の強化に加え、抑止のために、攻撃能力を持つ通常兵器の導入を議論するのは当然の論理だ。核を持つかどうかについても専門的に冷静な議論をすべきだ。
  • 元徴用工らの請求権問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定で解決済みだということを韓国が今一度確認することが不可欠だ。

佐々江氏の発言のなかで、個人的に共感できるのは、むしろこの2点です。

そして、佐々江氏の発言の真意が「韓国が日本との約束をきちんと守り、日韓包括軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)に回帰するなどすれば、日本としても韓国に対してある程度気持ちに配慮する努力をするのは無駄ではない」という点にあったのだとすれば、無碍に否定すべきものではありません。

(※もっとも、当ウェブサイトとしては、「日本が韓国の気持ちに手当てすべき局面」というものは、とうの昔に終了したと思っていますが…。)

他にも示唆に富んだ記述

河野克俊氏の問題意識

さて、「中央日報が報じた内容と、読売新聞の元記事で読んだ内容のニュアンスがまったく異なる」という意味では、前防衛省統合幕僚長の河野克俊氏の発言についても同じことがいえます。河野氏の発言のなかに、昨日紹介した中央日報の記事に紹介されていない下りが、いくつか含まれているからです。

中央日報の記事では、河野氏は次のように述べたとされています。

仮に朝鮮半島に統一国家ができて、中国・ロシア・統一韓国という大陸国家群が形成されれば、これに対応して日本・米国・豪州の海洋ネットワークとの間の対立構図が表れる可能性もある」とし「こうした構図ではよりいっそう日米同盟が重要になる。

この下り自体、非常に示唆に富んだ警告でもありますが、それだけではありません。ここに至るまでに、韓国が日本の防衛当局者の信頼を損ねる行動を相次いで仕掛けてきた、ということを、河野氏が指摘しているのです。読売新聞の記事を参考に、要約して箇条書きにしておきましょう。

  • 昨年10月、韓国の国際観艦式で突如、韓国側から、自衛艦旗である旭日旗を掲げてはならないという無礼千万な要求があった
  • 2ヵ月後の12月、韓国海軍による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題が起きたが、韓国側は「やっていない」と主張した
  • 今年8月には、韓国がGSOMIA破棄を通告したが、結果として北朝鮮の意向に沿った決断をした格好だ
  • 日本の安全保障が脅かされることはないが、日米韓がタッグを組んでやっていこうという中で、非常にまずいことだ

(【出所】2019年11月14日付 読売新聞朝刊東京12版13面を著者が要約)

いかがでしょうか。

この内容とつなげて読めば、河野氏の発言はさらに深いものとなります。

あえて発言の裏も読みながら、当ウェブサイトなりに河野氏のホンネを探ると、こんなイメージでしょうか。

本来、日米韓3ヵ国連携は北朝鮮や中国と対峙するうえで有効な枠組みだ。しかし、昨年秋口以来、旭日旗騒動、レーダー照射事件、日韓GSOMIA破棄、と、韓国側からの非合理な動きが相次ぎ、もはや日米韓がタッグを組んでやっていくことに限界が来ている。このうえ朝鮮半島に統一国家ができるような事態が発生すれば、大陸国家群に対する日米豪の海洋ネットワークの対立図が出現する。日米同盟はますます不可欠だ。

GSOMIA破棄、実際のところどうなの?

河野氏の発言が示唆に富んでいるという点は、そこだけではありません。

河野氏は韓国が日韓GSOMIAを破棄したとしても、「日本の安全保障が脅かされることはない」と断言しているのです。

日本の防衛のトップ経験者が発言しただけに、非常に示唆に富んでいます。

日本のメディアには、しばしば、「日韓GSOMIAの破棄は日本の防衛にとっても由々しき事態だ」といった主張が掲載されることがあります。

たとえば、朝日新聞系のウェブ評論サイト『Web論座』に11月10日付で「GSOMIA失効を防ぐために、日本が韓国に譲歩せよ」などと主張する論考が掲載された、という話題は、『GSOMIA破棄、いよいよ米韓同盟が崩壊の瀬戸際に』でも紹介したとおりです。

正直、低レベルすぎてお話にならない主張ですが、『Web論座』の主張は論外として、ほかにも日経新聞や保守系を自称する論客などが、「日韓は双方歩み寄れ」などと述べている事例は、枚挙にいとまがありません(詳しくは先日の記事で触れましたので、繰り返しません)。

この点、河野氏は日韓GSOMIA破棄は「論外」だとしつつも、これによって日本の安全保障が脅かされることはないと断言しているのであり、また、むしろ韓国が「海洋同盟」から切り離されるのを奇貨として、日米同盟をさらに確固たるものにする良い機会だ、と主張しているようにすら見受けられます。

薗浦氏「米国の対中感情厳しい」

昨日の中央日報の記事には紹介されていない下りのなかで、さらに重要なのは、パネリストのうちの薗浦健太郎・自民党総裁外交特別補佐のシンポジウムでの発言です。薗浦氏は次のように述べています。

米国の対中感情は、我々が想像している以上に非常に厳しい。中国を変えていくという政策から、対立の構図に走っている。日本は『100%米国につくのだろ』と米国から言われたときにどう対処するか、いまから準備しておかないといけない」。

まったく同感です。

個人的には、中国と米国をどちらか選べといわれたときに、日本が共産党一党独裁の野蛮な軍事主義国家である中国を選ぶという選択肢はあってはならないと思います。

ただ、あえて補足するならば、日本はもっと主体的に、中国と対峙すべきでしょう。

パワーバランス的な議論でいえば、地球人類の歴史は強大国同士の突っ張り合いの繰り返しでもあります。日本はそれこそ単独でも中国やロシアとも対峙し得る能力を気概を身に着け、そのさらに上に日米同盟という鎧をまとうべきなのです。

あるいは、米国の立場からすれば、日本が真のパートナーとして信頼に値する相手になるために、むしろ軍事的な自立を強め、米軍のオペレーションを友軍としてしっかり支えるくらいになるべきでしょう。

そのくらいの能力が身に着けば、日米同盟はより対等でより強固な同盟に発展しますし、そのような状態になれば、中国やロシアといえども日本には迂闊に手を出せなくなります。

近未来への備え

さて、仮に日本と米国が、ごく近い将来、韓国を切り捨てるという決断をしなければならなくなったのだとすれば、切り捨てられた韓国が北朝鮮とくっつくのか、中国の影響圏に入るのか、ロシアと中国が朝鮮半島をどう位置付けるのか、といった問題が必ず出て来ます。

読売新聞のシンポジウムでもここまでオープンに議論されたということもあるため、もう申し上げて良いと思うのですが、当ウェブサイトとしては、日本にとっての「悪夢」は「統一朝鮮が経済力と核兵器をともに所持した状態」であり、これを何としても防ぐ必要があると考えています。

したがって、日韓GSOMIAの破棄を規定路線として、もう今から韓国を「経済的に焦土化する作戦」を仕掛けていくべき局面ではないかと思うのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、個人的には今年11月23日以降、日韓GSOMIAは消滅すると考えていますが、この段階になれば、今度は今までの「日米韓3ヵ国連携」に代わって、「日米豪3ヵ国連携」、「日米印3ヵ国連携」、「日米英3ヵ国連携」、さらには「ファイブアイズ」などの重要性が意識されるようになると思います。

この近未来への備えを、私たちは国民レベルでも議論を活発化していく必要があるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (33)

  • GSOMIAについては私も破棄を予想します。敢えて単純に理由を言えば「支持率が上がってるから」。

    そんなアホなと思いたいですが、やっぱり玉ねぎさんを切ったのも支持率が落ちたからと考えると異様にしっくりきます。

    支持率が操作されたものであることも理解しつつ、その操作された支持率すらも落ちたらはじめて反省して修正して様子を伺う。

    韓国が日本へ譲歩するのは何か日本への対応で支持率が下がったときです。ただ、それは基本あり得ない。だから日本への譲歩も有り得ない。

    単純すぎる仮説ですがしばらくこれで見ていこうかと思います。

    • > 操作された支持率すらも落ちたらはじめて反省して修正して様子を伺う。

      些末なとところに食いついて恐縮ですが、韓国人、なかんずく絶対無謬の文在寅大統領に「反省」はありません。反省という思考回路は持たないのです。

      反省はしませんが、支持率という指標を元に軌道修正はします。犬がリードを引っ張られて歩く方向を変えるようなもので、反省とは無縁の行動です。(犬さん、喩えてごめんなさい。)

      • おっしゃる通りですね。彼らの行動の表現に反省なんて言葉を不用意に使ってしまったことに「反省」。
        なんか予感ですけど、彼ら「米韓同盟破棄」なんて大それたこと考えてないじゃないかと。単に中国に叱られたから位の話でGSOMIA破棄なのかも。
        米韓同盟破棄も単に中国にレール敷かれて乗っかってるだけなのかも。

  • 更新ありがとうございます。

    結局いつも通りの、韓国報道の「こうあって欲しい」という願望が織り込まれてましたね。会計士さんが払った読売新聞147円、ここを閲覧する人が10万人とすれば、お買い得でした(笑)。ありがとうございます。

    佐々江氏が「韓国の気持ちに手当せよ」と述べたが「韓国の気持ちに合わせよ」ではない。日本語の難しさもありますが、この二つの言葉は同義語ではない。

    しかし、韓国報道されそうで曲解される可能性があるなら、もっと簡潔に言ってやらないと朝鮮人は、都合の良い方に取ります。

    日韓GSOMIA は米国が軍最高幹部を使者にしても、南朝鮮は受け入れないと思う。もう破棄を 前提として、統一朝鮮などが出来る前に、今から韓国の力を削ぎ落とすべきです。経済的に焦土化する作戦を敢行する。

    日本はそれこそ単独でも中国やロシアとも対峙し得る能力を持ち、アジアのリーダーである必要がある。その上に日米同盟という鎧をまとうべきなのです。

    それには改憲と防衛予算の強化、質の高い人員が欠かせません。もっと待遇を改善し、優秀な人材が集まりやすい環境を整えるべきです。

    • > 改憲と防衛予算の強化、質の高い人員が欠かせません。

      お説の通りです。

      ZAKZAKによれば、韓国の防衛費が日本のそれを上回るそうです。
      https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191112/for1911120001-n1.html

      北との融和を勧める中での軍事費増強は、日本を仮想敵国としたものと見なせると思います。日本もそろそろGDP 1%のくびきを解いて、適正な予算に組み替えたいものです。

      私に権限があるなら、増えた予算で真っ先にやりたいのは、自衛隊官舎の整備。できるなら潰れかけのパチンコ屋を買い取ったりして、便利の良い場所に綺麗な官舎を建てたいです。

      官舎の家賃を現物支給と見做す制度も涙ものです。撤廃して欲しいです。
      https://nikkan-spa.jp/1462245

      質の高い人材を集めるには、良い待遇が必要です。

      • >日本もそろそろGDP 1%のくびきを解いて

        もともと根拠薄弱だった「GDP1%の枠」ですが、公式に廃止されています。
        しかし、最大瞬間風速で、超えたのは単年度で、以降1%切り続けています。

        トランプ大統領はNATO加盟国にGDP2%の負担を要求しています。
        この原則からいえば、日本の同レベルの軍事費支出を要求されかねません。
        ガン無視しているケチなドイツからは、在欧米軍は、おそらくポーランドに移転します。

  • 日米韓の連携が影響出てるかどうかは、多分気になってるだろうから、GSOMIAが終了したら、北朝鮮あたりがなんかするんじゃないかと思うのです
    もしかしたら、破棄を撤回しても、実際のとこ影響あるかどうかをみるために、やらかすかもなのです
    来週末は、ちょっとドキドキなのです♪

  • 貴紙、夏ごろより拝読させていただいてる者です。

    オールドメディアが、周回遅れの対韓国議論をしている中、
    「先の周」を見通した議論を進める貴紙に感服しております。

    オールドメディアが「知ったかぶり」の軍事・日韓GSOMIA論を展開しておりますが、
    河野氏のお考えは拝聴すべきものでしょう。
    刮目すべきは、
    氏は高位になるにつれ、米軍高位者との交流により生(なま)の米軍の戦略理解が想像されるからです。

    (オールドメディアの軍事記者・論説者で、米軍高位者と交流のある方が、
    どれほどおられるのでしょうか。
    米軍の生の戦略思想を知らずして、日本の軍事戦略を語れるのでしょうか)

    どうでもよい話ですが、本記事に、
    「日本はそれこそ単独でも中国やロシアとも対峙し得る能力を気概を身に着け、そのさらに上に日米同盟という鎧をまとうべきなのです」とありますが、

    私流に翻案させていただくと、
    「対峙しうる気概のもとに自衛隊の鎧をまとい、日米同盟という長刀を背負うべき」
    と理解しました。

  • 日韓GSOMIAが存在したのは、2016年からですので、それ以前の状態に戻るということです。
    当時、北朝鮮は、ミサイル発射や核実験を行っていましたので、対北朝鮮という点で、GSOMIAが無くとも、その後打ち上げた偵察衛星などてカバーできるのかなと思います。
    日韓GSOMIA締結当時についての、私見です。
    韓国朴政権は、中国寄りの姿勢で、中国を使って北朝鮮をコントロールする事を、考えていたと思います。
    しかし度重なる、北朝鮮のミサイル発射や核実験に耐えられず、アメリカ側に擦り寄りました。朴大統領が、国益を考えての事と理解しています。アメリカが要求する、GSOMIAを締結し、慰安婦合意をして、日米側に戻ってきました。
    私は、結果的にこれらの親米、親日的な行動が、朴大統領が弾劾される原因と考えています。ロウソクデモと、証拠となったタブレットは、工作員の仕業で、それに国民が扇動されて、弾劾→文大統領(工作員)の誕生となったというのが、私の理解です。
    GSOMIA破棄を撤回するとヤバイ事を、文大統領は良く知っているのかも、知れません。

  • 新宿会計士様

    いつも勉強させて頂いております。

    原著(読売)と編集物(中央日報)の対比、とても参考になりました。

    やはり、何事もオリジナルを確認することが大切だと、あらためて思い知らされた次第です。

    11/13の記事においても、米国防総省HP掲載のミリー統合参謀本部議長の原コメントの微妙なニュアンス(韓は日米から離脱すべきではない、米軍幹部が在韓米軍負担を問題視しているわけではない)を、中立&正確に記事にしていただきたかったと存じ上げます。

    今後も、楽しみに拝読させていただきます。

  • 北朝鮮の核武装解除(無害化)とは呼ばず半島非核化と標榜されている理由は、主に中国の意向の表れと理解していました。半島の南半分に配備されているかも知れない核兵器に安全保障上の脅威を感じているのは、半島北半分と中国です。朝鮮戦争とは仲違いする部族間で争われた内戦でした。その紛争は身内の喧嘩にとどまることなく、大陸に生まれたばかりの新興国と第二次大戦に勝利した大国との間で争われることになりました。国境線を脅かされることを恐れた新興国が義勇軍を南進させたことで対立の構図は明白に確定しました。以来70年半島全体は緩衝地帯として宙ぶらりんになり続けています。米韓関係が破綻し米軍が兵を引き払えば、中国「も」狙っているはずのミサイルは南半分から撤去で当然、めでたしめでたし。それこそレッドボスが明に暗に韓国人に「分からせている」要求の一部でしょう。核武装中立願望の表明があったそうですあが、そのじつは株武装孤立にほからなず、鈴置氏が以前から指摘されているように、半島に北朝鮮が2つできる結果になるのでしょう。半島処分の日は遠くないのではないでしょうか。米中が手打ちをやり日ロが証人として決定に同席するこというかたちで21世紀北東アジアの構図が確定する。自らの意思とは無関係に手打ちがなされることを恐れている。生存空間を脅かされることを現実に感じているからこそ、彼らは彼ら流の外交努力=じたばたを演じている。そのように心のうちを汲み行いを解釈するのが自然と思います。

  • 「味方にしても頼りにならないが、敵にするとうっとうしい」

    というのが韓国のポジションでした。
    最近では、別に敵にしてもうっとうしくないんじゃないかと見られていますがw

    しかし、ハードウェアの点では、韓国が仮想敵国になると結構うっとうしいです。
    F-35は早晩動かなくなるにしても、第四世代機は結構持っていますし、イージス艦もあります。
    潜水艦も沈める作業にも、それなりの大部隊を展開しないといけません。
    防衛費は1.5倍にしないと韓国に対応できないのではないかと思われます。

    • 韓国軍の機材整備請負会社に日本の工作員を潜り込ませて、ネジの締め付けをゆるくしたり、配線材をちぎれそうな奴に交換したりといった、セコい整備をさせられたらいいのに、とか妄想します。

      • もし現地工作員なんて派遣できるようなら、空軍パイロット全員のヘルメットに旭日旗をスプレーで書き付けておくとかしたら、さすがに日本の工作とわかっていいかもしれません。

  • 更新ありがとうございました。

    『中央日報』(日本語版)のこの手のシンポジウム紹介文は発言改竄とメディア戦略が絡まってマタマタ韓国譲歩論のオンパレードと思い気にも留めないニュースソースであり、またブログ主様の更新サイクルを変えてまで、それも「韓国は邦友か」とするほどの記事かと考え込んでしまいました。
    今は来る11//23 0:00のGSOMIA破棄が破棄撤回か一部メディアが主張する破棄延長かと見の時期でありブログ主様は何焦ってるのだろうとの思いもありましたが、原文との比較で納得し驚いてるのが現状です。

    それは、佐々江氏発言は今も変わらず温い発言で駐在大使の職業病の域を出ませんが、主体を忘れた議論でないだけ安心しましたし、河野氏発言も小生の中ではトランプ大統領の2選するとの大前提に立って既定路線である為、余り驚かないのですが、薗浦氏の発言は驚きです。
    それは現在状況を韓国問題からの北朝鮮核問題への対応とするなら(核問題を解決するなら韓国を叩け、この時中国、ロシアは韓国を助けない。理由は統一朝鮮が現出しても核を他者には渡さないのと北朝鮮のミサイルが何時、中国・ロシアをターゲットとするか判らないからが小生の持論です)
    近未来として対中貿易戦争が泥沼化し日本の力をアメリカが欲状況となった場合、さしあたり3兆円のスワップ破棄要求と対中関税引上げ要求が来た場合の云わば米国同盟者認証の踏み絵をどう扱うかの点であり、米国民主党が大統領選勝利時の起きるであろう踏み絵との認識だった為、時間的にまだ余裕があると思っていました。米国共和党も韓国が敵国認定で上記踏み絵を日本に要求する可能性を薗浦氏の「米国の対中感情は、我々が想像している以上に非常に厳しい。」から読み取った次第です。
    以上、駄文失礼しました。

  • もしいまさら韓国がGSOMIA破棄を撤回しても、既に手遅れかと。他の同盟国に対する統制及び体面上、米国は破棄撤回へ圧力をかけているのであって、もはや韓国を信頼できる同盟国としては計算してはいないでしょう。

    次に米国が画策することは、韓国のいないブルーチームを見越して、軍事と交易に関するリンクから韓国を排除していくことだと思います。そしてレッドチーム側に逝ってしまうことを勘案して、韓国の衰亡を図るでしょう。できるならソフトランディング的に、でもハードランディングの可能性も織り込んで…。

    かつての帝国主義時代であれば、米国と中国が韓国と北鮮に強力な指導力を発揮して、緩衝地帯としての非核朝鮮半島も実現できたのかもしれません。

    日本は中国に友好的に振る舞うことまではいいですが、友好国ではないということは国際的に明確にしておくべきだと考えます。現在中国は米国との対立で窮地にあり、そのために対日融和的ですから、表面的にはそれに呼応することに異議はありません。しかしその膨張主義のために、遅かれ早かれ敵対しなくてはならない相手であることを忘れるべきではないのです。安倍政権にはその意識はあるのだろうと期待しています。経済界は、そんな先のことは気にしていないのかもしれません。報道界は、問題点の認識さえないような気がします。有権者が賢くなるしか、歯止めはないのです。

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