ふとした雑感です。人類史上、さまざまな国が成立しては滅亡する、ということを繰り返してきました。ただ、古今東西、どんな国であっても「国としての目的」は変わりません。それは、「国民が①安全、かつ、②豊かに、暮らしていけること」です。日本という国は、軍事面の議論を封印するなど、安全保障面で大きな問題を抱えていることは事実ですが、私自身は『批判されたって構わない!敢えて言おう、「日本は滅びない」と』で述べたとおり、意外と日本の先行きについては楽観視しています。それよりも、滅亡を控えた国がわが国のすぐ隣にいるような気がしてなりません。
国家が消滅するということ
「国が滅亡する」などという言い方をすれば「何を大げさな!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、歴史で見ると、滅亡する原因はさまざまですが、「滅びなかった国」の方が珍しいのではないでしょうか?
わが国の外務省は、世界には「国」が196ヵ国あると述べていますが(詳しくは外務省ホームページ『世界と日本のデータを見る』参照)、このカウント方法は、
- ①国連加盟国が193ヵ国
- ②国連未加盟国が4ヵ国(バチカン、コソボ、クック、ニウエ)
- ③日本が国家承認していない北朝鮮を①から除外
ということであり、正しくいえば、「日本政府が承認している国の数は195ヵ国、これに日本を加えた196ヵ国が世界の国の数」、ということです。
また、台湾の場合は日本が国家承認しておらず、国連にも加盟していませんが、私は明らかに台湾は中国からは独立した「国」だと考えています。このため、196ヵ国に台湾と北朝鮮を足せば、世界の国の数は198ヵ国、ということです。
いずれにせよ、現在の地球上には「自称国家」を含めれば200前後の「国」が存在している計算ですが、これだけあると、やはり100年、200年といった時間軸で眺めていくと、確実に「滅亡してしまう国」「新しくできる国」というものは存在します。
第二次世界大戦後に成立した国に限定しても、すでに消滅してしまった国もたくさんあります(その典型例は東ドイツや南ベトナムなど)し、逆に「新たに成立した国」は多数あります(21世紀以降で見ても東ティモールや南スーダンなど)。
つまり、古今東西、地球上にはさまざまな国が興り、滅亡して来ましたが、この「国家の興亡」はべつに現代国際社会においてもまったく変わっていないのです。
国家の目的
ところで、私自身の世界観で恐縮ですが、国が存在する目的は、究極的には2つしかないと考えています。それは、国の構成員(つまり国民)が「①安全」で「②豊か」に暮らせるようになることです。これは、古代エジプトであろうが、現代のアメリカ合衆国であろうが、関係ありません。
また、国が亡びる理由はさまざまですが、地震・火山・悪天候・旱魃などの自然条件を除けば、だいたい2つしかありません。それは、経済運営が行き詰まって革命などで自壊するケースか、外敵に攻め込まれて征服されるケースです。
ということは、国家というものは、国民の幸せ(安全で豊かに暮らせるようにすること)を達成することが必要であり、必然的に、経済と軍事が車の両輪とならざるを得ないのです。
日本が戦後、世界に冠たる経済大国になった理由は、日本人なりの勤勉さという側面もあったのかもしれませんが、私はむしろ、日本国憲法で軍事を否定したことで、軍事に費やすべき努力も含め、すべて経済に集中してきたからではないかとすら思います(※実証したわけではありませんが…)。
(※余談ですが、私はむしろ、戦争を禁じた日本国憲法第9条第2項の規定を死守しようとする勢力こそ、日本という国が滅亡することを望んでいるのではないかと思いますし、「反戦」「護憲」などと述べること自体が日本を滅亡に追いやる第一歩だとすら考えています。)
この「①安全」で「②豊か」に暮らすことを、専門的な言葉で言い換えれば、「安全保障」、「経済的利益」ということです。つまり、「国家の目的」とは、国が経済的に栄え、外敵からの脅威に備えることに尽きるのです。この2つの目的のことを、一般に「国益」と呼びます。
(※厳密には、「国民の安全を確保すること」、という部分については、軍事的側面だけでなく、消防、治水などの災害対策、警察などの治安対策なども必要なのですが、議論を簡単にするために、ここでは「軍事」と「経済」を中心に考えていきたいと思います。)
責任ある大人の態度とは?
さて、「国家」という点で大上段に構えて偉そうに議論すると、実に大げさな話にも聞こえます。
実際、
「私たち一般国民は天下国家を議論するよりも、まずは自分の生活を何とかすることが大切だ」
と考えていらっしゃる方も多いでしょう。それは、当たり前の話です。いくら日本や世界人類のことを考えていたとしても、自分自身の生活が成り立たなければ、生きていくことはできないからです。
しかし、逆に言えば、私たちとしては、まずは「自分の生活を何とかすること」という目標を達成しなければなりませんが、「責任ある大人」としては、それでおしまい、というわけにはいきません。
会社員や公務員であれば、職場で自分以外の誰かと関わって生活していく必要がありますし、場合によっては職場の環境に責任を持たねばなりません。配偶者がいれば助け合い、子供がいれば、子供を育てて行かねばなりません。
つまり、大人であれば、多くの場合、自分のことだけを考えるのではなく、何らかの形で自分以外の他人のことについても気を配らねばならないのです。
「他人と関わりを絶って生きていく」ことを希望するなら、それこそ無人島にでも移住するしかないのかもしれませんし、社会で暮らしている以上、他人と関わりを絶って生きていくことなどできないのです。
国と国との関係もこれとまったく同じことであり、世界に気に入らない国があったとしても、国益のためならば我慢して付き合わなければならないこともありますし、付き合いをやめるのならば、その分、国益が損なわれることを覚悟しなければなりません。
最近の事例だと、お隣の国・韓国が日本に対してさまざまな不法行為を仕掛けて来ているのですが、これにしてもまったく同じことがいえます。インターネット上で威勢よく「日韓断交」を主張する人はいますが、その割に、日韓断交に伴うデメリットについての認識が甘いと言わざるを得ません。
私に言わせれば、「日韓断交」の前に、まともに国民を保護することすらできない欠陥のある日本国憲法を長年にわたって日本の有権者が放置し続けていること自体、「責任ある大人の態度」とはいえないと思うのです。
ただ、私自身は『批判されたって構わない!敢えて言おう、「日本は滅びない」と』で申し上げたとおり、日本の先行きに対してはさほど悲観していません。
インターネット上に良質なウェブサイトが乱立し、日本の言論空間の質が向上していけば、私が「国民の敵」と批判する勢力のうち、とくに日本共産党や立憲民主党、朝日新聞社などの組織は、自然淘汰されていくに違いないからです。
また、日本の有権者が正しく選挙権を行使し続ければ、やがて「財政再建原理主義」という誤った思想を掲げる財務省や国益を毀損する放送局であるNHKなどについても、解体に追い込むことができるはずです。
それまでに、あと10年かかるのか、20年かかるのかはわかりません。しかし、日本が仮に自力で「日本を悪くしているボトルネック」を排除することに成功すれば、おそらく世界でもっとも洗練された「積極的平和主義」、「自由・民主・法治主義」を有する経済・軍事大国として再生できるはずです。
私自身はそれについて、あまり悲観していないのです。
極めて無責任な国家
さて、前提条件がダラダラと長くなってしまいましたが、私自身が最近、強く感じていることがあるとすれば、私たちのお隣にある韓国とは、「敵」「味方」を峻別する能力を持たない、きわめて無責任で歪んだ国家だ、という点です。
大前提として、北朝鮮という国家は、まさに核武装をすることで全世界の平和と繁栄に対して深刻な打撃を与えようとしている、という事実を忘れてはなりません。
本来であれば、今すぐにでも北朝鮮に攻め込み、危険な独裁者・金正恩(きん・しょうおん)の身柄を拘束し、北朝鮮という国家を解体しなければならないところです。そして、本来、国際社会の大義名分として、それができる国は、同一民族である韓国です。
それなのに、2017年5月、文在寅(ぶん・ざいいん)氏が大統領に選ばれて以降の韓国がやってきたことといえば、ひたすら北朝鮮の核武装を幇助することです。とくに、さまざまな名目を付けては北朝鮮に石油を搬入しようとしていることは、韓国が北朝鮮と「共犯者」だと批判されても仕方ありません。
それなのに、この期に及んで韓国政府は、「(少なくとも北朝鮮・開城市にある)南北連絡事務所への油類搬出は(国連安保理の)制裁対象ではない」とする見解を出して来たようです。
チョ統一部長官「南北連絡事務所への油類搬出は制裁対象ではない」(2019-03-21 08:14付 ハンギョレ新聞日本語版より)
呆れて物も言えません。
いわば、開城連絡事務所への石油搬入は安保理制裁のグレーゾーンを突く形となっているようですが、それでも、実質的に見れば、北朝鮮に禁止されている年間50万バレルを超える石油を搬入することにつながりかねません。
ただ、この手のニュースを眺めていて、同時に痛感するのが、韓国という国には、「敵」「味方」を正常に判別する能力がないのではないか、という仮説です。
もちろん、「国家の消滅」について、軽々に議論すべきではないという点は事実ですが、自国に対して脅威を与える国(=中国や北朝鮮)に敢然と対峙することもせず、自国に利益を与えてくれる国(=日本や米国)を敵視する政策が支持されるような国が、主権国家として存続できるとも思えないのです。
この私自身の予想が正しいかどうかについては、意外と遠くない未来に判明するのかもしれません。
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ある人は、
「安全保障」
「経済的繁栄」
と表現していました。
「利益」より「繁栄」がしっくりきそうです。
更新お疲れ様です
>日本共産党や立憲民主党、朝日新聞社などの組織は、自然淘汰されていくに違いない
余り、楽観できません
朝日新聞だけを考ても、現時点で
が残ってるコトの方が普通にオカシイ
減少率から考えても、消滅に後20年は掛かる
20年後なら、韓国が消滅してる可能性のが高い
更新ありがとうございます。
今のトータル約200国も10年先、20年先にはいろいろ変わっていくと思います。また、国の目的は究極的には二つというのも、当然だと思いますね。
でも、いつも会計士さんが国民の敵と批判する『日本共産党、立憲民主党、朝日新聞などの組織は自然淘汰されていくに違いない』のあたりは、私もそうなって欲しいが、皆が皆、そう思っているとはいえませんよ〜(笑)。少なくとも私は全く同意見ですが、このサイト見てる人のなかにも、左傾の意味不明の論をブチかます方が居ますからね。
それとか日本政府ダメ!だけ言ってる人とか。怖いわ(笑)論戦はしたくない。ことほど人心とは100人いたら100通りで、一本にまとめるのは難しいです。
でも最大公約数を求めるなら、韓国には無駄な忖度せず、可能な限り近寄らない、嘘を言われたら放置せず反論し、戦う。歴史問題、日韓条約を覆すなら国交も無し、経済制裁強化、セルフ制裁OK!崩壊望むところ!で良いと存じます。
韓国は非常識で無責任な国家です。こんな土地は南北で中国の属国か、米中露(嫌だけど日本も入るかな)で分割統治されればいい。ソ連じゃないが、働かざる者喰うべからずで(笑)。どだいラクして生き抜くのが間違いだッ(笑)。
昔から、朝鮮の人間は、アジア人の中でも、他とは何かちょっと違うな、と感じていたと思う、心の隅に引っかかるものがあった。その何かが何なのか、最近の激しい摩擦でようやく炙り出され、衆目の知るところとなった。それは、嘘つき、恥知らず、ねつ造、そして『無責任」の民族性。
そうですね〜。韓国の国政指針は「国家100年の計」ではなくて、どう考えても『目先の損得勘定』なんです。
だから、「敵・味方」との概念もなく、「バランサー」「仲介者」だと名乗ってはみても、その実態は「コウモリ・八方美人」でしかありません。
いつも自らの所在をハッキリとさせず責任も取らない、そのくせ長いものに巻かれる訳でもなく声高々と権利ばかりを主張しています。
そんなどっちつかずの思想に理解を示し味方になり得る国家なんて〔同胞以外に〕あるはずもないんですよね。
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韓国旗は、赤と青の右二つ巴
相反する力の流れは
決して交わることのない螺旋の宇宙
〔の、はずだった〕
その取り巻きには、天と地がある
〔だけど、そこには人は居ない〕
青の尻尾に位置するのは「日〔Japan〕」
赤の尻尾に位置するのは「月〔Moon=文〕」
*自国旗でさえも相反するものの集合体
*100年も前から、現在の状況を暗示してたんでしょうか?〔すごい先見の明ですね〕
国体を維持しようとすれば、国体に益となる国は「味方」、国体に害となる国は「敵」という判断を常にします。
民主主義国家を維持しようとすれば、国防では在韓米軍。経済でいえば日本経済。が彼らの味方であるはずです。
常に軍事的挑発を韓国に繰り返す北朝鮮や、経済的圧迫を行う中国は、彼らの敵であるはずです。
真逆の政策を取っている韓国政府というより、韓国民には、極論をいうようですが、国体を維持しようという意志がないように感じます。
手近にあり、同一民族であるという親和性で、北朝鮮という国に併合されたがっている。
半島の民族は、古代から強国の属領として生きてきました。それが、第二次大戦後に彼らの意志とは関係なく独立させられました。
韓国の建国独立に彼ら自身が納得していない。彼らは他国に併合されたがっている。ということだと思います。
それが、北朝鮮でなければ、中国でもいい。アメリカでも、日本でもいい。彼らを国民として受け入れてくれれば、どこの国でもいいのです。
しかし、彼ら民族の厄介なところは、そうやって引き受けてくれた国を恨むということです。中国も日本もロシアもそれを知っています。アメリカですら、知り始めています。
北朝鮮が韓国を引き受けるというなら、日本は反対できません。
ただ、日本には自国を防衛する権利があります。核や大量破壊兵器を持ち、いかなる国際制御もきかない犯罪国家をこのまま、見過ごすことはできません。
アメリカや国際社会に協力を仰ぎ、韓国を外して、台湾を加え、新たな軍事、経済の再編成を行わなくてはいけません。
また、スレタイとは関係ない話で申し訳ないのですが、少し書かせてもらいます。
小生は職場に会社の通勤バスで通っています。6時50分にバスがが来て、約40~45分ほど揺られて会社に到着します。距離にして約10km程度なのですが、朝は通勤ラッシュのため時間がかかります。
ところが、今月に入ってから25~35分の間にバスが到着するようになりました。帰りも同様で最近はかなり早く家に着くようになりました。見た目にも車の流れが良くなっています。新しい道路が出来た訳でもないので、単純に交通量が減ったと考えるのが妥当です。小生の地域は中小企業が多く、かなり渋滞する地域なのですが、朝の通勤時に車両が減っているのをみると、やはり景気の問題で通勤しなくてもよくなった人が増えたのだと思います。
韓国の新卒は3月から入社します。3月は日本の4月の様に年度初めではないのですが、それでも何らかの節目になります。その節目にあたる月に道路の通勤ラッシュが緩和されるような現象は初めてで小生も結構戸惑っております。
そろそろヤバいかも知れません。
駄文にて失礼します
韓国の景気ウォッチャー報告、大変具体的で参考になります。
記事更新誠にありがとうございます。
「日本は東アジアでどう生き残るか」
https://ameblo.jp/koshioheikuroh/theme2-10106453654.html
上記の一連の記事からは、往時の日本も現在の韓国と大して変わらない、というかそっくり(笑)な国体であったと読み取れます。
権力構造に関しては全く変わっていないとさえ思える事から、個人的には日本の先行きについてあまり楽観視しておりません。
現在の半島の狂騒は、日本の来し方行く末の、一つのカリカチュアライズとして捉えております。
避けるべき轍を現在進行形で明示してくれるサンプルとしては貴重ですが、ただそれだけで、存在としては今や邪魔な厄介者でしかありません。恐らく中国にとってすらそうでしょう。
今後どう生き残るかを考えた上で現在のような有様を呈しているのであれば、他国に「相手にする価値無し」と判断/拒絶されるのも当然です。
これは日本にとっても同じ事であるが故に、早急に半島の影響は断つ方が良いと考える次第です。
わたしは楽観していません。
先の大戦で一度滅びていますからね。
危機に際して、議論を忌避し「和によって滅ぶ」なんてことにならないか心配です。
シリコンバレーの経営コンサルタントの渡辺千賀さんは、「ベースはアルゼンチン型、良くてフランス型、悪くて絶望の貧国に転落」なんて言っていましたね。
韓国は近く滅ぶのでしょうが、韓国人(国籍は北朝鮮なのか中国なのか、はたまた別の○○国なのかもしれませんが・・・・)という人間の集団は残ります
彼らは、良くわからない理由で、日本や日本人を敵視していて、それを隠そうともしません
できることは物理的または、その他の手段で迷惑をかけられないように、自らの力をつけることと、相手に力を持たせないようにすることです
過去には、彼らと手を携えることができると思ってたけど!無理なのは、よーくわかりました
南北で喧嘩してて、外を見る余裕をなくそうにも、そろそろ限界のように思います
米中の間でもう少し揺蕩って欲しいけど、そうも以下なさそうです かといって、まるっと中国に飲まれてもそれはそれで恐いのです
これからどうなるかはわかりませんが、自分達の力をつけるのが最低限やらなきゃいけないことなんでしょうね