X

文在寅さん、支持率100%に向けて是非頑張ってください

北朝鮮のメディアが韓国経済の苦境を嘲笑する一方で、韓国メディアからはしつこいほど、「日韓スワップ待望論」が出て来ています。私自身、あんな反日国家を支援するスワップなど論外だと思う一方で、韓国が反日を仕掛けて来るからといって、日本が韓国と同じレベルに落ちてはならず、日本にはできること、やらねばならないことがあるとも考えているのです。

韓国経済崩壊と北朝鮮

北朝鮮に嘲笑される韓国経済

韓国メディア『中央日報』日本語版に、日曜日に掲載された、興味深い記事を発見しました。

「企業は倒産し労働者は解雇」…北朝鮮に笑われる韓国の経済危機(2018年07月22日13時14分付 中央日報日本語版より)

これは、北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙である『労働新聞』が22日、「韓国の経済危機と民生破綻が深刻だ」と報道した、という話題です。

中央日報の報道から、労働新聞の記載内容を孫引きすると、

南朝鮮で経済危機が深刻化しており各界の懸念が高まっている。経済危機で多くの企業が倒産したり合併される中で労働者が無理に解雇され失業者に転落している

南朝鮮で経済破局と失業事態はそのまま民生破綻につながっている。全般的な分野で物価暴騰が続き、これに対し住民所得は急激に減り社会二極化指標は過去最高を記録したという

とする指摘です。

韓国経済の内憂外患

ともすれば、私たち日本国民の間では、北朝鮮のメディアの報道がいかにいい加減であるかという印象を持っている人も多いかもしれませんが、今回の指摘についてはまったく見当外れではありません。韓国の経済危機の理由はいくつかあるのですが、大きく外部的な要因と国内的な要因に分けられます。

まずは外部的な要因としては、米・トランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争、あるいは米・EU貿易戦争などの余波を、韓国は大きく受ける、という点にあります。

先週金曜日に『ドイツと韓国:輸出依存度が高い国が共通して抱える問題点』でも述べたとおり、貿易依存度を各国比較してみると、韓国、ドイツ、中国などは外需への依存度が非常に大きく、そもそも国際経済の影響を強く受けすぎるという状況にあります。

これに加えて、韓国の場合は輸出競争力を維持するための為替介入を常態化しており、また、為替介入の結果についてはほとんど公表して来ませんでした。こうした不透明な経済運営は今に始まったことではありませんが、韓国経済が極端に外需依存型であるという点については重要です。

一方、国内的な要因としては、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が発足して以来、最低賃金を強引に引き上げて来たことがあります。『雇用政策の失敗は経済の自殺:民間経済潰す韓国の最低賃金』でも触れたとおり、いわば、雇用政策の失敗は企業倒産と失業増を招きかねない、危険なものです。

さらに、本来、韓国のような「オープン経済」の場合、最大の雇用政策、失業対策は金融政策(とくに利下げや金融緩和)ですが、残念ながら韓国の場合は利上げも利下げも非常にやり辛いという状況にあります(『「利上げしても地獄、利下げしても地獄」の韓国』参照)。

先ほどの中央日報が報じた北朝鮮メディアの記事によれば、

南朝鮮では民生苦が日増しに深刻化し、多くの人が『健康も愛も夢も希望も失った』と絶叫し他の国に離れているという。経済危機の中で企業経営に失敗した中小企業家、生活難に苦しめられて負債に追われた多くの人が社会現実を呪って自殺している

などとあるのですが、これを読んだ北朝鮮人民は「国を離れられるだけ、南朝鮮のほうがまだマシ」と思っているに違いありません。中央日報は

北朝鮮がこのように韓国側の低迷した経済状況を指摘するのは南北和解局面で住民らの韓国側に対する幻想を事前に遮断しようとする意図とみられる

と述べていますが、むしろ韓国メディアに必要なのは、北朝鮮の意図をくみ取ることではなく、「日米の援助のおかげでOECD加盟国にまでなった韓国が、親北政権の成立により経済運営に失敗しつつある」という事実にしっかりと目を向けることではないかと思います。

文在寅氏こそ、「北のエージェント」では?

もっといえば、文在寅氏は韓国の経済をガタガタにして、北朝鮮との赤化統一の地ならしをしているだけではないか、という疑念もあります。いわば、文在寅氏は「北朝鮮のエージェント」として、あえて韓国経済を破壊しようとしているのではないか、という仮説です。

もちろん、そんな証拠はありません。しかし、文在寅氏が常日頃から、外交面、軍事面その他において、北朝鮮の利害を代弁していると思しき言動を取っていることは事実です。実際、文在寅政権が発足して以来の韓国政府の行動を列挙すると、

  • 2017年7月…北朝鮮に対して対話を呼びかけ(※このときは北朝鮮が無視)
  • 2017年10月…中国に対して「三不の誓い」を立てる(※米国政府を激怒させる)
  • 2017年12月…中国に国賓訪問した文在寅氏が徹底的な冷遇を受ける
  • 2017年12月…日韓慰安婦合意の見直しを表明(※日本政府は相手にせず)
  • 2018年1月…米韓合同軍事演習を中止し、南北高官級協議に踏み切る
  • 2018年2月…平昌(へいしょう)冬季五輪開会式で北朝鮮代表団をペンス米副大統領に引き合わせようとし、米国側が激怒する
  • 2018年3月…米国に米朝首脳会談を提案
  • 2018年4月…南北首脳会談

という具合に、本来の同盟国である日本や米国を無視した、まさに「スタンドプレー」の連続です。

もはや日米両国政府は韓国政府のことをまったく信頼していないと見て間違いないでしょう。

実際、ドナルド・J・トランプ米大統領は折に触れて在韓米軍の撤退の可能性に言及していますし、安倍晋三内閣総理大臣、河野太郎外務大臣らも韓国を「基本的価値・戦略的利益を共有する相手」ではなく、「(これ以上関係が悪化しないよう)マネージする」相手だと発言しています。

これに文在寅氏の失政で雇用を崩壊させれば、韓国経済が根底から崩れ、南北赤化統一シナリオの実現に向けて走り出すのかもしれません。

最近、文在寅氏の政権支持率は少し下がっているという話ですが、いっそのこと「支持率100%」を目指し、文在寅氏には反対派を粛清するなどして頑張っていただくほうが、わかりやすいのかもしれません。

韓国メディアの日韓スワップ待望論

「日韓スワップ」、いったい何回目?

ところで、韓国経済の崩壊という意味では、金融面からも心配の種は尽きません。

同じ中央日報日本語版の記事には、月曜日にこんな記事も出ています。

米中為替相場戦争始まるのに…韓国、通貨スワップなど問題ないか(2018年07月23日10時38分付 中央日報日本語版より)

簡単にいえば、米中貿易戦争が韓国にも飛び火し、韓国で通貨危機が生じるのではないかとの疑念が広まっている、としたうえで、「日本との通貨スワップ再開が必要だ」、といういつもの論法に持ってくる、というものです。ただ、

韓国は各国との積極的な通貨スワップ締結で為替相場戦争に対応中だ。韓国銀行は2月、スイス中央銀行と11兆2000億ウォン(約1兆1200億円、100億スイスフラン)規模の3年満期通貨スワップ協定を結んだ。昨年初め、豪州と通貨スワップ契約を延長して規模を2倍に拡大し、10月には中国と満期を延長した。カナダとは無限度・無期限常設契約を結んだ。

とありますが、これについては事実誤認が多々含まれていますが、そのなかでもとくに大きな誤認は2点あります。。

まず、カナダとのスワップは「常設の為替スワップ」、つまり市中銀行に対する流動性供与プログラムであり、「通貨スワップ(通貨当局に対する通貨の提供)」ではありません。このあたり、韓国銀行側も、意図的に「通貨スワップと為替スワップ」を混同させるように誤導しているのではないかとの疑いは払拭できません。

次に、中国との通貨スワップ協定については、中国側はタダのヒトコトも、「韓国との通貨スワップを延長する」と発表していません。昨年10月10日にスワップが失効した直後に、韓国政府高官らが「中国政府との間で口頭で契約延長で合意した」と一方的に発表しただけのことです。

さらに、韓国の通貨スワップには大きな問題があります。確かに韓国が締結している通貨スワップについては、米ドル換算額は800億ドルを超えていますが、使い物にならない中国とのスワップを除外すれば、総額は300億ドルに足りません(図表)。

図表 韓国と外国中央銀行の通貨スワップ(BSA)
相手国と金額 韓国ウォン 相手国通貨の換算額
100億豪ドル(オーストラリア) 9.0兆ウォン 74.2億米ドル
150億リンギット(マレーシア) 5.0兆ウォン 37.0億米ドル
115兆ルピア(インドネシア) 11.0兆ウォン 79.5億米ドル
100億フラン(スイス) 11.2兆ウォン 100.9億米ドル
3600億元(中国) 64.0兆ウォン 532.4億米ドル
合計 100.2兆ウォン 824.0億米ドル
(うち中国以外とのスワップ) 36.2兆ウォン 291.6億米ドル

(【出所】著者調べ。なお、米ドル換算額はWSJにより2018年7月23日時点で調査)

さらに、マレーシアやインドネシアの通貨は「ソフト・カレンシー」であり、これらの通貨スワップは、引き出したところで米ドルに両替することが困難です。最悪の場合、通貨危機をマレーシアやインドネシアにも広めることになりかねません。

その意味で、韓国が本当に必要としているのは日本との通貨スワップなのだと思いますが、中央日報は

しかし日本とは通貨スワップ交渉再開に関する協議がない状況だ。韓国と日本は2001年に初めて通貨スワップ契約を締結し、2011年には700億ドルまで規模が拡大したが、2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)元大統領が独島(ドクト、日本名・竹島)を訪問したことで韓日関係が悪化し、2015年2月に完全に終了した。2016年末に韓日間で協議があったが、2017年1月に釜山(プサン)日本領事館前に慰安婦少女像が設置されたことを受け、日本側が一方的に交渉を中断した。

と恨み節たっぷりです。

外貨準備高は問題ないはずなのに…

ただ、冷静に考えてみれば、韓国がそこまで大騒ぎしているのは不自然です。なぜなら、韓国当局の発表だと、韓国の外貨準備高が4000億ドルもありますし、統計から確認する限り、外国からの借金(外債など)はせいぜい2000億ドル弱に過ぎないからです。

このため、「統計の数字を信じるならば」、今すぐ韓国で通貨危機が生じるとは、到底思えません。なぜなら、通貨危機とは、第一義的には韓国の銀行や企業が外貨を借りることができなくなるという現象ですが、中央銀行が管轄する外貨準備のたくわえが十分ならば、自国の中央銀行から借りれば済むからです。

しかし、『【準保存版】韓国の外貨準備統計のウソと通貨スワップ』でも述べたとおり、韓国の基本統計には、

  • 外貨準備を過大に計上している
  • 外貨負債を過少に計上している

という2つの問題点があるように思えてなりません。

実際、今年の3月には、通貨危機が発生した場合に、韓国には少なくとも1200億ドル程度の外貨不足が発生する、という試算を、韓国国内の研究機関「韓国経済研究院」が発表しています。

韓国、米利上げ時に通貨危機の可能性…日米との通貨スワップ必要(2018年03月19日13時47分付 中央日報日本語版より)

この「韓国経済研究院」が発表した「1200億ドル」の具体的な計算根拠については、正直、よくわかりません。しかし、結果的には私自身の試算とも大きなズレはありません。

付き合い切れない

冷静に考えてみれば、韓国が日本からの支援を必要としていることは事実ですが、日本が韓国を支援して何か見返りがあるというものでもありません。せいぜい、韓国に投資している企業、韓国と好き好んで貿易している企業が助かるくらいであり、肝心の韓国国民からは感謝されることもありません。

この点、地政学的に見て、確かに韓国が中国やロシアの「核の傘」に入ってしまうことは日本の安全保障にとっても脅威です。したがって、「韓国を日米陣営に引きとどめるために、韓国を通貨スワップで救済してあげましょう」、といった判断が、過去の日本政府のなかで働いて来たことは否定できない事実でしょう。

しかし、実際に欧州危機が再燃していた2011年10月に、野田佳彦首相(当時)が韓国に対して700億ドルという巨額のスワップ契約を締結した際には、翌年に李明博(り・めいはく)大統領(当時)が島根県竹島に不法上陸し、天皇陛下を侮辱するというオマケまで付きました。

ソウル・釜山の日本公館前に設置されたあの醜悪な慰安婦像の問題にしてもそうですが、韓国は日本に対し、一方的な不法行為を繰り返しています。この国が日本の友好国となる資格があるのかと問われれば、私にはどうもそうは思えないというのが実情なのです。

日本がやらねばならないこと

ただ、どこかの「ネトウヨサイト」と違って、韓国のことを「バ韓国」(ばかんこく)などと罵倒する、「在日韓国人(朝鮮人)は帰れ!」と叫ぶ、などという考え方には、私は同意しません。いくら韓国のことが気に入らないからといって、民族単位で憎悪の表現を向けたら、やっていることは彼らと同じです。

私が必要だと考えているのは、同じレベルで韓国と争うのではなく、「その次」に冷静に備えることです。そして、「その次」とは、現在の国際秩序が崩壊したあとのことを意味します。

当ウェブサイトでは以前から、「朝鮮半島の将来シナリオ」というシリーズを更新し続けています(最新版は『予想通り、韓国では朴槿恵政権時代に戒厳令が検討されていた』で読むことができます)。

この中で私は、朝鮮半島に待っているのは、「▼北朝鮮に赤化統一されるか、▼中国の属国になるか、▼ロシア、中国など多国が共同管理する信託領になるか」、といったシナリオだと考えています(「北朝鮮を日米が、韓国を中国が支援する」、といった「クロスシナリオ」も考えられます)。

ただ、まことに残念な話ですが、現時点で日本は自力で自国を守ることができません。憲法第9条第2項という条項が存在しているのが最大の理由ですが、それと同時に、この条項については自力で何とか無効化しなければなりません。

韓国による竹島侵略も、北朝鮮による日本人拉致事件も、ロシアによる千島・樺太不法占拠も、中国による尖閣諸島周辺海域侵略も、いずれも「日本国民を守るための戦争をしてはならない」と命じた、憲法第9条第2項が諸悪の根源です。

逆に言えば、憲法第9条第2項を無力化することこそが、日本が本当の意味で「戦後」を終わらせるための第一歩なのです。その「遅すぎる第一歩」を踏み出すことを邪魔しているのは、「国民の敵」である朝日新聞社、日本共産党などの組織であり、また、中国、北朝鮮などの外国勢力です。

韓国を「バ韓国」などと罵るのも勝手ですが、相手をバカにして溜飲を下げている暇があったら、まずは日本が現在抱えている問題点を何とかするために、現実的にできることを少しずつやっていく方が、はるかに生産的ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

新宿会計士:

View Comments (2)

  • 「外国勢力の勢力を削ぐ」
    ではなく
    「外国の勢力を削ぐ」
    と書くべきでしたね。
    読者コメントの投稿削除や記事訂正の機能があれば、それを知りたいです。