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【夕刊】「だんご3兄弟以来のヒット作出現!」と言われても

かの有名な「だんご3兄弟」などと並ぶ大ヒット…なのでしょうか?

そんな曲知りません

史上3番目、「だんご3兄弟」などと並ぶ300万枚

当ウェブサイトは「独立系ビジネス評論サイト」を名乗っており、国内政治、外交、経済、金融などの話題を主に取り上げていますが、「芸能」に関する話題を掲載することはほとんどありません。私自身がテレビを持っていないという事情もあるのですが、そもそも芸能に興味がないからです。

ただ、そんな私が気になったのが、次の話題です。

<6月度GD認定>AKB48初の3ミリオン~「Teacher Teacher」でシングル認定史上3作目の3ミリオン認定(2018/07/10-12:01付 時事通信より)

これは、一般社団法人日本レコード協会が、「AKB48」というグループの「Teacher Teacher」というシングルCDを「2018年6月度3ミリオン認定作品」と認定した、とするものです。平たく言えば、シングルCDが300万枚売れた、ということでしょう。

ちなみに、この「3ミリオン認定作品」は、「だんご3兄弟」(1993年3月)、「世界に一つだけの花」(2016年8月)に次いで史上3番目だそうです。このうち、「だんご3兄弟」については、私自身も学生でしたが、タンゴ調の旋律は、今でもよく覚えています。

しかし、非常に申し訳ないのですが、この「Teacher Teacher」という曲があるということについては、正直、初耳です。さすがに「AKB48」というグループが存在するということは知っていますが、楽曲自体にあまり興味がないからです。

歴史に残らない

どうしてこの話題を持ち出したのかといえば、どうも最近、音楽CDが売れなくなっているらしい、という情報を、よく聞くからです。たとえば、その年の1位となったオリコン「CDシングルランキング」を調べてみると、1990年代のヒット曲は、多くの人が現在でも「聴いたことがある」と答えるであろう曲が挙がって来ます。

1990年~1997年のシングルランキング1位(著者調べ)
  • 1990年…おどるポンポコリン(B.B.クィーンズ)
  • 1991年…Oh!Yeah!/ラブ・ストーリーは突然に(小田和正)
  • 1992年…君がいるだけで/愛してる(米米CLUB)
  • 1993年…YAH YAH YAH/夢の番人(CHAGE&ASKA)
  • 1994年…innocent world(Mr.Children)
  • 1995年…LOVE LOVE LOVE/嵐が来る(DREAMS COME TRUE)
  • 1996年…名もなき詩(Mr.Children)
  • 1997年…CAN YOU CELEBRATE?(安室奈美恵)

しかし、2010年代のヒット曲(というよりもシングルランキング)は、少なくとも2010年以降、毎年このAKB48というグループが占めていることがよくわかります。

2010年~2017年のシングルランキング1位(著者調べ)
  • 2010年…Beginner(AKB48)
  • 2011年…フライングゲット(AKB48)
  • 2012年…真夏のSounds good!(AKB48)
  • 2013年…さよならクロール(AKB48)
  • 2014年…ラブラドール・レトリバー(AKB48)
  • 2015年…僕たちは戦わない(AKB48)
  • 2016年…翼はいらない(AKB48)
  • 2017年…願いごとの持ち腐れ(AKB48)

それにしても「握手券」の力は絶大ですね(笑)

1990年のシングルランキング1位の曲をリストアップしてみましたが、これらの曲は20年近く経過した現在でも、カラオケなどで歌われているようです。とくに、テレビアニメの影響でしょうか、「おどるポンポコリン」については「聴いたことがある」と思う人は多いと思います。

しかし、昨年のシングルCDランキング1位の「願いごとの持ち腐れ」という曲を聞いて、「あ、この曲聴いたことがある!」と思う人は、いったいどれだけいるのでしょうか?私も今初めて知ったくらいです。

もちろん、このAKB48というグループが国民から広く愛されていて、数年にわたって歌い継がれるような良曲を連発しているのならば、それはそれで良いことだと思います。しかし、このグループのCDを買う人たちが、心の底から曲を愛しているのか、それとも握手券が目当てなのかどうかは存じ上げません。

インターネットが文化を変える!

ところで、現代だと、「CDを購入して音楽を聴く」という人が、どのていど存在するのでしょうか?

私が見たところ、少なくとも「ウォークマン」で音楽カセットを持ち運んでいる人を、東京の地下鉄で見かけることはありません。音楽を聴いている人がいたとしても、おそらくは音楽再生機器ではなく、スマートフォンからワイヤレスイヤホンにBluetoothで飛ばしている人が大多数だと思います。

新聞、雑誌を読む人が激減しているのと同様、スマートフォンの普及により、完全に東京の通勤電車の風景が変わってしまった格好です。このように考えていくと、音楽CDの売れ方が大きく変わってしまうのも、ある意味で当然のことかもしれません。

ただ、考え様によっては、これは悪いことではありません。ひと昔前だと、自分が音楽を作成し、自分で歌って、それを全国に配信する方法は、非常に限られていました。駅前でライブをやって、気に入ってくれた人に自作カセットを配るのが関の山だったのです。

しかし、現代では誰でもインターネットを通じて気軽に情報発信ができます。YouTubeに動画をアップロードするのも簡単ですし、その気になればライブ(中継)で情報を発信することもできます。ということは、素人が音楽を作ってアップロードすることも簡単にできる、ということです。

音楽CDが売れなくなっている理由が、こういう「誰もが気軽に情報発信できるようになったこと」にあるのだとしたら、そのこと自体、悪いことではないのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (3)

  • ボーカロイド(ボカロと略される)というものがあります。
    ボカロはご存知なくとも、「初音ミク」というキャラ名くらいはお聞きになったことがあるかもしれません。

    歌詞と楽譜を指定すれば、音程を整えながらボーカル音声を作ってくれるPC用ソフトです。
    要は人工音声なのですが、技術的には非常に興味深いものです。

    人工音声とはいっても、元となる声のネタはとある声優さんのものです。
    これが、販売元も驚くようなヒット作となりました。

    当初、販売元はアマチュアバンドでバックコーラスを入れるのに便利だろという想定だったそうです。
    それ(これは初代の別ソフト)が、予想より売れたため、その儲けを投入して「うまくすればメインボーカルにも使えるかも」というレベルのソフトに仕上げました。

    これがバカ売れしました。
    もちろん、デフォルトの設定のままで歌詞を与えたところで、感情の欠けた棒読みのような歌い方になります。これを丁寧に(ものすごい時間をかけて)設定をする「調教師」と呼ばれる人々が登場します。
    最初の棒読みとは世界が違うレベルの「歌」に化けます。
    さらに、その詞や曲に魅せられた方が、プロモーションビデオ形式にしてみたり、生演奏+ボカロという組み合わせにアレンジしたり、といったバリエーションがYoutubeやニコ動で広まりました。

    いまや、レコード会社がボカロをCD化したりして販売していますし、カラオケにもボーカロイドというジャンルがあります。

    これは主様のおっしゃる、コンピュータ(ソフト)とインターネットの進歩が音楽CDを食っちゃったパターンかと思います。

  • IT化の一方、偏狭になっていく組織に、ちょっと嫌な予感がします。

    • ごめんなさい、さっきの間違いです。
      IT化の一方、偏狭になっていく組織に、ちょっと嫌な予感がします。
      音楽ではJASRACの集金の酷さに驚き、NHKの料金徴収同様、ヤクザの採りたてみたいです。
      何かIT化に弾かれたような、存在は凶暴化するようです。
      その最たるものはマスゴミで、凶暴化は凄いものです。
      朝日新聞の高橋純子の「便器を叩き壊せ」とか、もう、女なのに何を書いているのか?これが政治部の論説委員ですよ?
      挙句の果てには「あぁ〜らそうなのデベソなの」には一様に「何が書きたいの?」と思う次第です。
      私はまぁ自分が言うのは憚られますが、藤原雅彦氏の「国家の品格」ではないけど、その地位にふさわしい品格が、必要だと思うのですが、他方で金融やITの関連を中心に「ざっくばらん」スタイルから「錯乱した欲望」をお構いなしに魅せつける時代になっている様にも見えます。
      税理士殿は、あのモルガンスタンレーのパートノイがテレビに向かって昔の顧客を罵倒する画面は見ましたか?竹中平蔵がリーマン・ショックを聞いてひとしきり笑った後「皆さん給料下げないと、会社全部海外に来ますよぉ〜」と思いっきり嬉しそうな顔でホザクのを見たでしょうか?
      金だけに価値を見出す連中に何も言うつもりもない。
      ただ、今経済と称するものの中では、抜身の欲望が荒れ狂っているだけとしか見えません。
      マスゴミも嘘吐きですが、金融機関、BNPパリバも投資銀行もクレディースイスも皆嘘吐きです。
      今後仮想通貨やBISのバーゼルⅢなどで、いよいよIT化の文化がどんなものかはっきりするのでしょうが、その未来が素晴らしいものとは思えません。
      水爆の生産を始めた米ソは、電力に逼迫して、核ミサイルを作る為に原子力発電所を沢山作ったと言われています。ブロックチェーンも大量の電気を使い、また人工知能の機械学習も同じです。この辺の事を誰も理解していないようです。
      実際アメリカとソビエトがデタントを始めたのは「核兵器維持の経費」が膨大になりすぎた結果です。
      それは多分仮想通貨のブロックチェーンと人工知能の機械学習のエネルギーに取って代わるのかも知れません。まぁその問題がなくても、基本的に我々に然程影響を与えるとは思えません。
      虫獄は経済成長して毒の河と毒に汚染されつつ在る海から飲水を金を出して日本の技術でろ過しています。
      ブロックチェーンや人工知能が我々にとっての毒水に成らないといいう想定は知りません。