もはや批判するのもバカらしい――。それが日本の野党です。
実質民進党
やはり希望の党は「実質民進党」だったのでしょうか。
希望の党の執行部が小池百合子東京都知事に離党を打診するのではないかとの観測報道が、複数のメディアに報じられています。
「希望の党」執行部 小池知事の離党打診を調整へ (2018年1月26日 18時30分付 東京MXテレビより)
希望、小池氏離党で調整(2018年1月26日 02:11付 ロイターより)
これらの報道によれば、希望の党の執行部は、党創設者でもある小池百合子氏に「離党を促す調整」に入る」(?)方針を固めた、としています。
この「離党を促す調整に入る」という表現が、日本語としてかなり意味不明ですが、私はこれを、
「執行部が小池百合子氏に対し、自発的に離党して欲しいと考えているが、それでも党内の意見も割れているため、党としての意思を決定するための調整に入る予定だ」
という意味だと(勝手に)解釈しています。
もちろん、現段階では、これらの報道の真否については定かではないため、これらの報道をベースに批判することは適切ではありません。ただし、こうした報道が事実だとすれば、結局、希望の党は民進党に戻る、ということでしょう。
それだけではありません。いずれのメディアも、
「基本政策で隔たりのある結党メンバーの松沢成文参院議員団代表らと合意の上で党を分割する「分党」も視野に、将来の党名変更も検討する」
としていますが、この「分党」構想と小池百合子氏の処遇の関係も、今ひとつ定かではありません。
党名ロンダリング、結局は民進党
思い起こせば、現在の野党の皆さんは、民主党時代から一貫して、「都合が悪くなれば党名を変更する」という行為を続けて来ました。私はこれを「党名ロンダリング」と呼んでいます。
民主党は2009年8月に政権を奪取しましたが、3年3ヵ月の政権与党時代を通じ、日本をめちゃくちゃに破壊してくれました。とくに菅直人政権による2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故に対する対応が悪く、私も節電で真っ暗になった東京の空を眺め、深くため息をついたことを、昨日のことのように思い出します。
2012年11月16日、野田佳彦首相(当時)が衆議院の解散を決定した当日の夜、私は有楽町で菅直人元首相が選挙カーの上から演説するのを見ていたのですが、その菅直人元首相に対しては、聴衆から大ブーイングの嵐が起きていました。とくに、菅直人元首相が「いちばん無責任なのは」と言いかけたところで、聴衆が「お前だー!」と合いの手を入れたのを、私は苦笑して眺めるしかありませんでした。
ところで、民主党は2009年8月に衆議院議員総選挙で圧勝したのですが、この時に獲得した議席数がピークで、それ以降は、かつての政権与党だったとは想像できないほど、党勢は低迷しました。
こうした党勢の低迷を受け、民主党は民進党に党名を変更。
しかし、村田蓮舫(むらた・れんほう、中国名「謝蓮舫」しゃ・れんほう)代表の二重国籍問題の影響もあり、せっかくマス・メディアが「もりかけ」問題を捏造して応援してくれていたにも関わらず、民進党の支持率は全く伸びず、挙句の果てに前原誠司代表(当時)は、衆議院が解散された2017年9月28日に、民進党としては公認候補を1人も出さず、希望の党に合流すると決断。
それだけではなく、希望の党側が「排除の理論」を持ち出したために、それに合流できない勢力が「立憲民主党」を立ち上げ、現在、民進党は「民進党」「立憲民主党」「希望の党」の3つに分裂した状況にあります。
ただ、党名を変えたところで支持が増える訳でもありません。
図表は小選挙区における各回の選挙での獲得議席数を示したものですが、1人しか当選しないという小選挙区の特徴もあるものの、やはり獲得票数自体が低迷していることは、一目瞭然でしょう。
図表 小選挙区における自民党と民主党の獲得議席数
(【出所】著者作成。なお、2017年11月の総選挙は「民主党」ではなく「立憲民主党」と「希望の党」の合算)
阪神タイガースは球団名を変えない!
昨年の衆議院議員総選挙期間中に、安倍晋三内閣総理大臣が大阪で行った街頭演説で、非常に興味深いたとえがありました。
「阪神タイガースは優勝できなければ球団名を変えますか?変えませんよね。」
これはまったく安倍総理の指摘どおりでしょう。
選挙に勝てないからといって政党名をコロコロ変え、それこそ選挙のたびに集合離散を繰り返すような政党に、国民の大多数の支持が集まるとも思えないのです。
希望の党がさらに分裂し、片方が民進党に合流し、もう片方が泡沫政党になり、もしかしたら再び維新に合流したりするのかもしれませんが、こうした茶番劇に騙されるほど、日本の有権者は愚かではありません。
なお、立憲民主党については、かつての社会党左派を彷彿とする、非常に左傾化した政党になりつつあるようです。その意味で、立憲民主党は社民党などと合流を目指すのが良いのではないかと思うのは私だけではないでしょう。
いずれにせよ、私は野党の皆さんのこうした集合離散劇を、冷ややかに眺めて行きたいと思います。
View Comments (2)
< 夕刊の配信ありがとうございます。
< 希望の党は、小池都知事つまり都民ファーストや希望やらの創設者に出て行って欲しいと。改憲に賛成の大物がいては、もう選挙の神風は吹かない、終わった邪魔な人。ホンネは民進や護憲に近い連中には要らないんでしょう。投票した方、反省してますか?
< また昨年秋の衆議院選挙では「安保法制の実質的容認」と「改憲」に積極的な姿勢を示していたのに、玉木代表は両院議員懇談会で党の見解を変更している。これは投票者への裏切り行為ではないか?一方で松沢成文氏(この人もパっとしないね)も「立党の精神と違う」と、袂を分かつ方向です。中山恭子氏も。松沢氏って党創設メンバーですよ。更に大串衆議院議員も分党ですか。
< 結局コロコロ名前のみ変えても中身は同じ人材だから、いろんな所から綻びが出る。で、『野党共闘路線』(笑)です。いずれ近いうちに民進党、希望の党、立憲民主党、無所属などが『大合同』(書いてて恥ずかしいわ)するんでしょ。これでは多少のヘマを自民党がしても、野党風情が多数派になることなど、絶対無理。マスゴミにヨイショして貰ってもダメだよ、アイツらも昨年と同じ手法で来ているし。世論を馬鹿にしている。貴方たちには聞こえないのか、自分の議席しか考えていない。心配しなくとも、次の参議院では更に失速するから。でも、しっかりした政権交代可能な野党が出ないと、日本国の為に良いことではないですね。
< 失礼いたします。
寄生虫が本体乗っ取るってかwwwさすがタマキードやることが違うね
小池と玉木って目糞と鼻糞の関係かな?