本日は「読者と共に学ぶ時代」について考えていきます。一方通行だったマス・メディアと異なり、ウェブ・メディアでは情報の双方向性が大きな魅力です。本日は、大手メディアに掲載された「駄文」と、これに対して読者から寄せられた鋭い指摘を紹介することで、現在の日本の言論界に、それこそ巨大な地殻変動が生じていることを説明します。
目次
読者コメント機能という魅力
『日経ビジネスオンライン(NBO)』というウェブサイトをご存知の方も多いと思います。これは日本経済新聞社の子会社(※)である日経BP社が運営するウェブサイトです(※ただし、日本経済新聞社の日経BP社に対する持株比率等については開示がないため不明)。
私が普段、日本経済新聞というメディアを批判する記事を公表していながら、その子会社である日経BPが運営するNBOの記事を頻繁に引用する理由は2つあります。
1つ目の理由は、優れたジャーナリスト(鈴置高史・日本経済新聞社編集委員やジャーナリストの福島香織氏など)の記事が掲載されることが多い点です。日本経済新聞本紙では掲載されないような優れた論考が、なぜその子会社が運営するデジタルメディアに掲載されているのか、私にはその理由はよくわかりません。ただ、事実としてNBOには、私が「優れている」と思う記事が多いのです。
しかし、私がNBOを好む理由は、それだけではありません。2つ目の理由は、「読者コメント機能」があるからです。そして、実はこちらの方が理由としては大きいです。とくに、NBOは記事のレベルが低い場合であっても、読者コメントのレベルが非常に高いのです。
まずは、この点を大前提として踏まえておきましょう。
そりゃないよ田原さん
加計問題で自民党を批判する愚
というわけで、本日もそんなNBOから、非常に印象的な記事を引用しておきたいと思います。
加計問題で証人喚問を拒否する自民党の愚(2017年6月2日(金)付 日経ビジネスオンラインより)
リンク先の記事を執筆したのはジャーナリストの田原総一朗さんです。私は冒頭で「NBOにはレベルが高い記事が多い」と褒めそやしましたが、残念ながら本日引用するこの記事は、非常に低レベルであり、また、田原氏の不勉強・不見識ぶりがいかんなく発揮されています。「新聞やテレビばかり見ているとこんな風になってしまうのか!」と驚くような代物だと言い換えても良いでしょう。
ただ、内容を全く紹介もせずに批判するのはアンフェアですので、私自身の文責において、要点をピックアップしておきましょう。
- 過去に15回も獣医学部新設を申請した加計学園を巡り、安倍首相が特別な配慮をしたのではないかという疑惑が持ち上がった
- 文科省は当初から、「加計学園を特別扱いするのはよくない」と獣医学部開設に反対していたが、これに対し内閣府が強い圧力をかけたとする記録文書も出てきた
- 政府はこの文書を怪文書の類いとして片付けようとしたが、当時の文科省の事務方トップだった前川氏が、「この文書は本物である」と認めた
- 前川氏がこのような証言をした理由は、①文科省の違法な天下り斡旋問題で自身が辞任に追い込まれたことに対する「怒り」と、②加計学園問題について安倍首相からの圧力に抵抗できなかったことに対するやるせない思いが残っていたからに違いない
- 自民党は前川氏の国会証人喚問を拒否しているが、森友学園問題で籠池泰典前理事長の証人喚問に応じたことと矛盾する
- 前川氏の発言が100%真実かどうかは分からないからこそ、僕は証人喚問をしてきちんと追及すべきだと思う
…等々、完全に「自民憎し」「安倍憎し」の内容です。
マス・メディアは全く報じていませんが、文科省の前事務次官の前川氏を巡っては、実質的な援助交際を行っていた疑いが強く、しかも文科省の違法な天下りを斡旋していたなど、人間として「真っ黒」ではないかとの指摘は、すでにネット論壇では根拠付きで数多くのウェブサイトが指摘しているところです。また、「加計学園問題」の本質は、「獣医学部が不足している中で、抵抗勢力である獣医学会や文科省、さらには民進党の玉木雄一郎氏を初めとする族議員が新設を妨害していた問題」です。
非常に残念なことに、田原氏の論考を読んでいても、これらの重要な事実は全く指摘されておらず、華麗にスルーされています。
安倍政権支持率の高止まりを訝しむ田原氏
そして、田原氏の思考は暴走し始めます。それが、『それでも安倍内閣の支持率が落ちない理由』と題した下りです。
田原氏は「与党のやり方は公平性に欠ける。そもそも与党は、本来一つの省庁の肩を持つべきではない。客観的な立場を保つためにも、文科省と内閣府の両方から距離を置き、独立した存在であるべきだ。」とした上で、「ところが、菅官房長官は内閣府の発言を信じている。なぜ、彼は内閣府側に立つのだろうか。これは国民の信頼を損ねる原因となり、政府としては結果的に「損」になるだろう。与党は内閣府から距離を置いた方がいいのではないか。」という、仰天の議論を仕掛けます。田原氏には、初歩的な政治学の知識もないのでしょうか?
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は、「内閣官房長官」という立場にあります。今回の件で文書偽造ないし文書流出などが疑われている文科省に対し、内閣という立場に立つのは当たり前の話でしょう。そして、「国民の信頼」を損ねているのは、自民党や内閣ではなく、田原氏を初めとしたマス・メディアの側ではないでしょうか?
その上で田原氏は、「メディアや国民から、安倍首相のやり方は強引すぎるとの批判が出ていた」にも関わらず、「安倍内閣の支持率はほとんど落ちていない」と指摘(※)(※私に言わせれば、「安倍首相のやり方は強引すぎる」と批判していたのはメディア、それも極左偏向メディアだけであり、少なくとも国民のマジョリティの意見ではないと思いますが…)。内閣支持率が高い理由として、田原氏なりの解釈によれば、
- ①国内の雇用が大幅に改善していること、
- ②株価の水準が高いこと、
- ③保守的な思想を持つ人が増えていること、
という3点を挙げます。そして、このうち3番目の理由については、
「三つ目は、保守的な思想を持つ人が増えていること。特に若い世代が安倍内閣を支持しているようだ。今の大学生の多くは「公務員になりたい」と望んでいるという話をよく耳にする。よく言えば安定志向、悪く言えばチャレンジ精神に欠けていると言える。/もちろん、若い世代だけではない。AI(人工知能)研究の第一人者である東京大学大学院の松尾豊准教授は、「現状を変えたくない」という日本企業の保守的な姿勢が、AI技術において米国企業から大幅に遅れる大きな要因になっていると指摘し、「これは日本の危機だ」とまで言っていた。/「現状を変えたくない」という安定志向が強まっていることが、安倍内閣の支持率が落ちない原因に繋がっている。」
と、あたかも安倍政権を支持することが「現状を変えたくない、チャレンジ精神に欠けている態度」だと糾弾するのです。私は田原さんに、謹んで、こう申し上げたいと思います。「国民をバカにするのもいい加減にしなさいよ」、と。
加計学園問題はむしろメディア崩壊の序章だ!
「安倍政権を支持するのはチャレンジ精神の欠如だ」などとする田原氏の主張は、私に言わせれば、傲慢で独り善がりです。というのも、田原氏の議論は、究極的には「安倍政権の支持率が高い理由は日本国民の意識に問題があるからだ」という主張につながりかねないからであり、その意味で国民をバカにしきっているからです。そして、私はここに、「愚民である日本国民と、それを啓蒙する立場にあるマス・メディア」という、マス・メディア人らによる暗黙の了解を感じてしまうのです。
いずれにせよ、田原氏に言わせれば加計学園問題は大問題なのでしょう。この記事は、「加計学園問題は、安倍内閣の支持率を揺るがすきっかけになりかねない」、と、田原氏の願望に基づく決めつけで締め括られています。
ただ、田原氏は「加計学園問題は、国民にとって非常に分かりやす」く、「「総理の意向」から獣医学部の開設が認められたのであれば、それは国民にとって分かりやすく「悪いこと」である」と主張するのですが、正直、「分かりやすく悪いことだ」とする田原氏の見解は、不見識極まりないものです。
現に日本国内(特に九州・四国)では獣医不足が深刻化していること、獣医学部を新設しようにも獣医師会や文科省、民進党・玉木議員ら族議員が抵抗していること、安倍政権はその岩盤規制を突き破って獣医学部の新設を目指していることなどを考えると、「獣医学部を設立することが国民にとって悪いこと」だと決めつける田原氏の思考回路が心配になります。
以上の議論はまともに引用するのもバカらしいほどの悪文ですが、田原氏の
「加計学園問題は、安倍内閣の支持率を揺るがすきっかけになりかねない」
という下りを、
「加計学園問題は、マス・メディアの信頼性を揺るがすきっかけになりかねない」
と書き換えれば、非常に説得力のある主張に早変わりです。
テレビとネットの違い
なぜこの悪文を引用したのか?
さて、なぜ私は本日、敢えてこの悪文を延々引用したのでしょうか?
その答えは、田原氏の不見識に基づく駄文を補って余りある付加価値が、NBOの記事にはあるからです。それは、「読者投稿欄」です。
昨日(日曜日)までに、読者コメントは約30件寄せられており、私が見たところ、これらの3分の2以上は田原氏に批判的なコメントです。
それも、単なる感情的な悪口はほとんどなく、大部分が田原氏の文中の用語を引用して、理路整然と田原氏の記事を批判するものばかりです。
それでは論点別に、私が読んでいて非常に参考になった読者コメントを紹介してみましょう。
獣医学部新設の件について
まず、田原氏が本文で無視している、「なぜ獣医学部の新設が長年認められなかったか」という論点について、非常に多くの読者が的確なツッコミを入れています。
「そもそも「獣医学部の新設が許されるべきでなかった理由」を明確にしない限り、安倍叩きを目的に騒いでも誰もついていきませんよ。/≪「総理の意向」から獣医学部の開設が認められたのであれば≫、政治決断で国家戦略特区に指定しただけのことじゃないのか?/「国民」は天下り役人天国で≪「行政が大きくねじ曲げられている」≫と騒ぎになるのは、むしろ大歓迎でしょう。/今までは、マスコミが情報を独占していたために、「国民」が違和感を感じていても、マスコミが黒だといえば黒になった。/ネットによって様々な情報にアクセスできるようになった「国民」を思うように動かすことができなくなった。」
「例えば、/加計学園は、愛媛県今治市に獣医学部を新設しようと15回も申請したが、却下され続けた。ところが、民主党政権発足後に風向きが変わる。今治市が国家戦略特区に指定され、獣医学部の新設が決まった。/となってた場合、田原さんはたぶん民主党政権を絶賛するんじゃないでしょうか。
完了政治を打破した!!!・・とかいう見出しで。/そういう風に考えれば、この問題は、単に特区に抵抗しして認可したくなかった文部省の時間が、さらに不祥事でやめさせられ、その腹いせにあることないこと言っている・・というようにしか考えられないんですけどね。/だから、支持率も下がらないのでは?/自民党を叩いていれば支持された時代が過ぎ去ったことに、いい加減に気付くべきですよ、田原さん。」
「加計問題の構図が単純だということには賛成だが、田原氏の言う単純さはまったく本質を捉えてないと思う。/四国地方に獣医学部が存在しないこと、/四国地方では獣医不足に昔から悩まされていること、/2007年に今治市は加計学園誘致のための国家戦略特区を申請していること、/そういった事情になぜ田原氏は触れようとしないのか?/本質的な議論のために必要なのは、四国地方の畜産業界の状況や獣医学部新設の要否に関する知見ではないのか?」
「そもそも獣医学部の新設には民主党が推進していて、問題提起した人物は獣医師会から献金を受けており、獣医学部の設置に反対している受益当事者…マトモな有権者は相手にしない話ですよ。/官僚が自分の仕事を通すために、政府や総理の意向とかペーパーに書くのもよくある話だし、だから?としか言えません。民進、共産は総理のクビとか狙わずに、まともな国会審議をやって頂きたい。」
「「今治市が国家戦略特区に指定され、獣医学部の新設が決まった」のは、民主党政権時の鳩山内閣時と報道されてますが…/一般のイメージとしては、天下りで円光オヤジの言うことをどこまで信じるかということで、そんな人間がトップにいた文部科学省が腐っているということでしょう?/後、これを糾弾している民進党の玉木雄一郎議員が、日本獣医師会から献金され、かつ、実父と弟が獣医で、かつ、四国選出というのは追求しないんですか?」
「52年間もの間 獣医学部の新設が認められず、/ペットブームの中で産業獣医師の需給がひっ迫している現状を見ると、/何者かが行政を捻じ曲げたのではなく/行政が本来ある姿を捻じ曲げているとしか思えないのですが・・・」
(※ただし、本稿において、引用に当たっては、誤植や事実誤認等について修正していません。)
私などがわざわざ追加しなくても、これらの指摘で十分、問題点は尽くされていると思います。田原氏の議論では「獣医学部新設を阻む文科省」という構図が意図的に無視されているのですが、これらの読者コメントを見る限り、こうした田原氏のアンフェアな論調に対する鋭いツッコミ(だけでなく、読者側からの「読者をバカにするなよ」という怒り)が投げつけられていると見るべきでしょう。
田原氏、あるいはメディアの議論姿勢そのものに対する疑念
次に、田原氏の議論の姿勢そのものについても、読者コメントからは根深い不信感が見て取れます。
「筆者の願望としては、何としても支持率が落ちてほしいのですね。/でも、それなら他の加計問題を書いている記事のように、賛成にせよ反対にせよ客観的な事実を披歴して比較して、よってこうだ、という結論が導けないものでしょうか。/願いをものすだけなら星に祈っていただいて、貴重な紙面を浪費しないでいただきたい。」
「本来、大学の学部の開設や定員増は、質を担保した上であれば自由に行われるべきものである。/しかし獣医学部の定員は、獣医師会と文科省の癒着により、長い間増員されてこなかった。
簡単に言えば、「文科省と獣医師会の意向」による岩盤規制だったわけだ。/今回、岩盤規制を崩そうとする「総理の意向」で岩盤規制が崩されたのであれば、国民にとっては良いこと以外の何物でもない。/そもそも、前川証言の本質は、自らの不始末で首になり、さらに今後自らの天下り先を失ったキャリア官僚の逆恨みである。/マスコミやジャーナリストにとっては、敵の敵は味方ということで前川発言をことさら取り上げているのだろうが、物事の本質を取り上げないマスコミの言うことを鵜呑みにするほど、今の国民は馬鹿ではないだろう。」
これらのコメントを見ていると、一つの傾向に気付きます。それは、「私たち読者はマス・メディアやジャーナリストの主張することを鵜呑みにするほど愚かではないぞ」、という強い反論です。
こうしたコメントの中で、私が特に凄いと思ったのは、次のものです。
「今年に入ってからの最悪の記事です。(中略)/今回の問題は国会で議論する様な話では無いので無視しているだけです。/特区の話に何か違法性があるのですか?/政治主導で岩盤規制を突破するのは全部「総理の意向」です。/それが駄目だと言うなら「政治主導」を全部やめるしか無いです。/田原さんが愛した民主党は2009年のサギフェストで「政治主導」と声高に言っていたではありませんか。」
比較的長いコメントですので、前半と後半に分けて引用しましょう。前半では「特区そのものに違法性がない」と指摘。田原氏を初めとするマス・メディアの着眼点のトンチンカンさを糾弾します。ちなみに「サギフェスト」とは、2009年8月の総選挙で鳩山由紀夫代表(=当時)が率いる民主党が掲げた「マニフェスト」をもじったものでしょう。
一方、同じコメントの後半では、次の指摘があります。
「尚、自民党がこの話をズルズルと伸ばしているのはこういう騒ぎ方をすると自動的に野党の支持率が落ちて自民党に有利になるからと言われています。/R4と略して言われる御仁は自民党が放ったトロイの木馬ではないのか?と言う話まであります。/国益を第一に考えて今何を議論すべきかは自明の理です。/こんなテレビのワイドショーの延長のようなことを一日当たり経費が1億円かかる国会でやるべきことですか?/田原氏は歳なりの国家観を持って欲しいと思います。/面白ければ何でも良いでは国が滅びます。/若い人が自民党を支持するのは当たり前の話です。/野党に国を任せたら何がどうなるのかを3年半も見せつけられて更に支持しろと言う方がどうかしています。/若い人を馬鹿にしない方が良いと思います。」
コメントに出てくるR4とは、村田蓮舫・民進党代表のことでしょう。このコメント主の方は、村田代表が民進党の代表であり続ける限り、民進党には放っておいても次々に不祥事が発生するため、自民党には絶対に勝てないという見通しを指摘されているのだと思います。
あるいは、何か間違いが起こって、安倍政権が倒れ、野党第一党である民進党が政権の座に就いてしまえば、村田代表が日本国の首相に就任してしまうことになります。ご自身の国籍のことすら国民に説明できていない村田氏(中国名「謝蓮舫=しゃ・れんほう」)が日本の首相に就任するとは、悪夢を通り越して悪い冗談か何かでしょう。
現在の政権・政党支持率は、そうした思いを国民が共有しているからこそなのかもしれません。
読者と共に学ぶ時代
さて、私が本日、NBOに掲載された『田原総一朗の政財界「ここだけの話」』シリーズの最新作を紹介した理由は、私が田原氏の記事に感銘を受けたからではありません。記事本文だけであれば、正直言ってバカにするために引用するだけの価値すらない代物です。
私がこの記事を延々取り上げた理由は、その「読者コメント」の秀逸さにあります。
NBOには日本経済新聞社の鈴置編集委員やジャーナリストの福島香織氏のレポートが掲載されるためでしょうか、読者層のレベルは高いように思えます(※あくまでも私の主観です)。そして、こうした優れたジャーナリストらの論調に目が肥えてしまった読者は、田原氏のような旧態依然とした「自称ジャーナリスト」の不見識を、容赦なく叩くのです。これを痛快だと言わずしてどう言えば良いのでしょうか?
思うに、田原氏はテレビ・タレントの延長のような感覚でジャーナリストが務まるとでも思っているのでしょう。私が引用した記事でも、新聞やテレビで手に入る以上の情報は使われていません。しかし、加計学園問題に関していえば、インターネット上でちょっと一次ソースを調べれば、文科省前事務次官の発言内容やマス・メディアの報道に食い違いがあることは誰にでもすぐにわかります。
つまり、この記事そのものと、これに対して寄せられた読者コメントは、マス・メディアのレベルが一般人に負けるほどに落ちぶれているという証拠であるとともに、我々一般人のメディア・リテラシーが数年前と比べて格段に向上している証拠でもあると考えられるのです。
その意味でも、私が当ウェブサイトでもコメントを承認制とせず、自由にしている理由の一端がお分かり頂けると思います。最近、私自身がコメント欄でコメント主の方に直接返信することはできていませんが、つい先日も、記者クラブを巡って活発なコメントのやり取りがあったようです。私は、それぞれのコメント主の方に、改めて深く御礼申し上げたいと思います。
なお、私は本日の記事で田原総一朗氏の記事をこっ酷く批判しましたが、だからといって私は田原氏に「言論界から引退しろ」などと申し上げるつもりはありません。田原氏だって言論人ですから、ご自身の記事、見識が批判されることも、当然に「言論の自由」の範囲内であることを理解しているはずです。
当然、私が田原氏の記事を批判したのであれば、私自身の記事も同様に批判されるべきでしょう。その意味で、記事(あるいは当ウェブサイトの主張そのもの)に対するご意見やご感想、あるいは批判についても、私はえり好みせず、甘んじて受けたいと思います。
その意味で、是非、コメント欄にご意見・ご感想をご記入いただきますよう、心からお願い申し上げる次第です。
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更新ご苦労様です。
原子力に対して軍事と民間で被害を受けたばかりの日本に攻撃を宣言している北朝鮮が核開発・弾道ミサイル発射実験を行い完成直前ともあれば誰も倒閣など望みもしないでしょう。
仮に現政権で本当に不正が行われていたとしても政権交代にまではなりません、3.11の時に我々は政治力の無いトップ・政治の空白が有事の際にどれだけ被害を齎らすかを身を以て味わった筈です。メディアがどんなに安全保障を無視して倒閣を優先しても悪夢を味わった国民はメディアに同調は出来無いと考える事もできるはずです。
同じ悪夢を味わった筈なのにどうしてこうもマスコミと国民との間で意識の違いが極端になって行くのか不思議でたまりません。彼らの優先順位に大変興味が湧きます。
いつも勉強させて頂いております。
以下、新宿会計士様の記事に直結はしないですが、ここのサイトに刺激を受けて考えていることを独り言のように投稿させて頂きます。
現在、ASEAN各国と日本を行き来してしておりますが、ASEAN各国で、とにかく中国人がとても多いです。人口の最も少ないブルネイにさえたくさんの中国人がいました。歴史的にもずっと昔から中国人はASEAN各国に進出して財閥を形成、既得権益を持っています(もちろん各国で事情の違いはありますが)。
日本人は駐在員として3年ほどで現地を離れる場合が多いのに対し、中国人はその国に長く住み込み、英語が堪能、各国で経済を牛耳っている印象を受けます。
多くの日系企業がASEANに進出して現地雇用を生み出し多額の投資を行っている割に、日本人が各国の権益層に食い込んでいるかというとそういう話はあまり聞きませんが、中国人は経済、政治だけでなく、マスコミの権益層にさえ食い込んでいる可能性があります。(中国の真似をして日本ももっと権益層に食い込むべきという主旨ではありません。) とにかく国の内部にたくさんの中国人がいます。
日本に関心を持っているASEANの国々の方々は多いものの、ニュースでは、ASEAN、欧米、中国が取り上げられ、日本に関するニュースは少ない印象を受けます。中国に関する記事は、中国贔屓で公平ではないのでは、と思う記事もあります。
私は人種差別はしたくないし中国人の好きな知り合いもいますが、反日で世界に自己中心的な覇権を広げようとする中国は許せません。
日本国内の政治、経済界、マスメディアに中国寄りの人々がいるように、ASEANにも「内部」にたくさんの中国人がいると感じます。
マスコミの信用性が低いのは日本だけではないです。
事実の捏造等しない真っ当な日本発の記事を、英語や現地語で読める民間サイトを増やす必要があると思います。ASEANやインド周辺の方々が、日本に関心を持った時にすぐにアクセスでき、ブックマークに保存してくれるのが理想です。そのためには、その国の方が読んでメリットがある必要があります。外務省は頼りになりません。
(最近、産経新聞がJapan forwardという英語サイトを始めました。主旨に共感します。)
新宿会計士様のおっしゃる通り、マスメディアではなく一般人の発信力が強くなっているからこそ、日本人による英語・外国語による真っ当な情報発信が非常に重要と思います。
私自身はただの一般人ですが、微力ながらも何か、日本やASEAN各国に関する真っ当な情報を、英語や現地語で発信することに貢献できないか、考えはじめているところです…
いつも非常に参考になる記事をありがとうございます。田原氏のNBPの記事には、当方もコメントを入れました、この媒体は当方の過去においてコメントを必ず掲載していただいており、フェアな編集方針と優秀な書き手が存在することにおいて信頼できる媒体と思います。なぜ田原氏が連載を持っているのかは謎ですが、「差別だ、偏見だ、ヘイトだ」とすぐに騒ぎ出す人種、勢力をいなすためのコストと考えているのかもしれません。まあ、あれだけ論破、反論できないコメントが押し寄せているのは、偏向やりたい放題の「朝まで生テレビ」等のワイドショーの無効化、すでに同氏や朝日新聞の政権崩壊への影響力が無効化された証左でもあるのでしょう。
今やマスコミと学会、官界と財界など、従来のエスタブリッシュメントに、邪悪な勢力、特に特定三国と直接的または間接的に利害を有する、または無意識に加担する人間が浸透し、多くの日本人との内戦状態にあるというのが当方の現状認識です、親玉かつ最大の脅威は中国共産党で半島勢力はその尖兵または捨て玉という伝統的な構図、これからは日本もチベットやモンゴル、ウイグルのような、皇室をはじめとする日本の骨格の溶解と解体、世論分断とソフトテロ(沖縄は典型、神社テロも兆候)の危機にますます直面すると思います。日本国民はもうすでに、憲法九条があるにも関わらず、交戦状態にあり、政府と自衛隊だけでは守れない、長期にわたる総力戦を覚悟する、そういう気概を持たなければ、我々のご先祖様に会わせる顔もないし、子孫への責任も果たせない、非常に厳しい時代認識を非常に遅まきながら、頼りなげではあるが共有しつつあると思います。勝手ながら、これからもブログ主の優良かつためになる記事を、楽しみにさせていただきます。
民進党の野田幹事長がテレビで言っていましたが、怪文書とされる文章は文科省の誰かから玉木議員に向けて出されたメールの中にあったとのことです。玉木議員は日本獣医師会から献金を受けているなど関係が深く、既得権益を守るために動いている人です。朝日新聞が朝刊で怪文書の記事を出したら、その日のうちに民進党が国会質問していました。あまりに迅速で不審に感じた人も多かったと思いますが、やはり朝日新聞の記事の出どころは民進党だったようです。大手新聞社と特定政党との繋がりが強いことは大問題だと思います。
ただ、怪文書が玉木議員にあてたメールに書いてあったことを公表すれば、たとえマスコミは報道しなくても、こういったことは国民にはすぐ理解されると思います。野田幹事長はそんなことも理解できないのでしょうか?
そして、文科省も同様の繋がりがあったということを示しています。既得権益を守るために、朝日新聞と民進党だけでなく、文科省内の誰かが繋がっていたことを民主党自身が暴露したのです。文科省側の発信者が前川前次官なら今回の騒動は完全な自作自演だったということであり、前川前次官以外なら文科省全体が既得権益を守るために、行政機関と全く関係がない特定政党の意思で動いているということになり、このことは更に大きな問題だと思います。
ケント・ギルバートさんのtwitterに書いてありました。民進党が出したメールは複数の画像を切り貼りして作った捏造だったらしいです。
文科省には、疑って申し訳なく思います。民進党や朝日新聞には、呆れ過ぎて、もう何も言うことはありません。
メディアは真実を報道しない。
辻元清美の義捐金3600億の使途不明金疑惑
玉木議員も既得権益で真っ黒
朝日は真摯に謝罪するなら
慰安婦捏造の元社員に損害賠償なり、「一部の異端社員の捏造」と題して謝罪広告を出すべき
売国新聞にはむりでしょうが
田原総一朗氏、本当は左なんだけど、カモフラージュして中道に見せたい、幅広く意見は聞くというポーズを取りたいんでしょうね、無理だけど。この人の話は若い頃から論点をわざとズラす、核心的な意見にはすぐにキレて大声だし、恫喝する。あるいは下卑た言い方で反論するが、話の辻褄が合わない。あるいは論客の話を途中で遮る。40〜50代頃は内容ないがパワフルさがあって、人気もあった。しかし今さら、という感じ。83歳でテレビなんてバンバン出るもんじゃないよ。自分の姿が見えないか?老醜ですよ。もっとも昔から今まで、ご意見は無茶苦茶だが。氏にとっては安倍首相の長期政権、高い人気が想定外で、癪に触るんでしょう。これを深掘りできないなんて、著名ジャーナリストとしてはとっくに賞味期限切れということです。
読者の皆様、コメント主の皆様
いつもコメントを賜り、大変ありがとうございます。また、普段、頂いたコメントに対して、全く返信できていないことにつきましても、深くお詫び申し上げます。たまには自己コメントという形で返信をさせていただきたいと思います。
私が本日の記事を執筆した動機は、本文にも執筆したとおり、ウェブ・メディアがマス・メディアに対して優位を示すためには、情報は「一方通行」ではなく「相互通行」でなければならないとする、私自身の信念にあります。
世の中の評論誌などを読んでいると、執筆者が読者に「俺はこんなに博識で見識があるんだ、だからお前たちに教えてやるんだ」といった、ある種の傲慢さを感じることもあります。しかし、こうした「一般大衆は愚かで、俺たちは有識者だ」といった思い上がりは、国民を愚弄しているとも言えます。
これに対し、私のメディアでは、あくまでも私と読者の皆様は「情報の発信者」という意味では全く対等です。本日のタイトル『読者に教えられる』(あるいは『読者に教えていただく』)とは、マス・メディアだけでなく、私自身のことでもあるのです。
その意味で、当ウェブサイトが一種の「思考実験場」となることが、私にとっても幸いなのです。
引き続きご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。