自分でも時々忘れそうになるのですが、私はいちおう、「公認会計士」です(笑)。そして、監査実務に携わっていた頃は、それなりに財務分析実務にも長けていたつもりです。ところで、本日は普段と少し趣向を変えて、やや変わった「経営分析」(?)をしてみたいと思います。それは、「もしも民進党が民間企業だったら」、という「たとえ話」です。
目次
民進党の終わりの始まり?
民進党の「党利党略」と長島議員の離党
朝鮮半島情勢が緊迫しているのに、相変わらず日本の国会では、野党4党が「森友問題」ばかりを問題視しているようです。心の底から呆れます。
こうした中、長島昭久衆議院議員が民進党を離党しました。そして、離党した理由については、長島氏本人が、「ハフィントンポスト」の日本語版に「ブログ」という形で、文章を寄稿しています。
長島昭久「独立宣言」―真の保守をめざして(2017年04月11日 11時04分 JST付 ハフィントンポスト日本語版より)
長島氏によると、今回の離党を決めた理由は、共産党との選挙共闘がきっかけだったとしています。
共産党との選挙共闘という党方針は、私にとり受け入れ難いものです。(中略)とくに、国家の基本である外交・安全保障政策において、私のめざす「リアリズム」と共産党の路線とは残念ながら重なることはありません。それを「安保法制廃案」というとても現実的とは思えない一点で折り合いを付けようとしても、政権を担った途端たちまち破綻することは火を見るよりも明らかです。(中略)「党内ガバナンス」という魔法の言葉によって、一致結束して「アベ政治を許さない!」と叫ぶことを求められ、過去に自分たちが推進し、容認してきた消費税も、TPPも、ACSAも、秘密保護法制も、安保法制も、憲法改正論議も、共謀罪も、すべて反対、徹底抗戦、廃案路線で突き進む。行き詰まると、院外のデモ隊の中に飛び込んで、アジる、煽る、叫ぶ。そこには熟議も、建設的な提案もない。与野党の妥協も政策調整の余地もない。
リンク先の記事によると、長島氏は「これまで外交・安全保障政策に力を入れてきた保守政治家」なのだそうです(※ただし、あくまでもご本人の主張です)。その「保守政治家」である長島氏にとって、民進党が打ち出した「共産党との選挙共闘」という方針は、さすがに耐えられなかった、ということでしょうか?
ただ、非常に冷たい言い方をするならば、民進党という組織自体、私の目から見て、単なる「選挙互助会」に過ぎません。そして、「選挙互助会」という民進党の本質に照らして、共産党との選挙協力については、全く違和感はありません。
だいいち、党首である謝蓮舫(しゃ・れんほう)(あるいは村田蓮舫)氏自身が台湾籍もしくは中国籍を保持しているとされる、「二重(あるいは三重)国籍疑惑」を抱えていますし、インターネット上で「ガソリーヌ」と揶揄されることもある山尾しおり衆議院議員も、ご自身の「プリカ疑惑」について、全く説明責任を果たしていません。
こんな政党に所属していたら、感覚もおかしくなるのでしょうか?長島氏は、ご自身のことを「安全保障問題に力を入れいて来た保守政治家」だと思うのであれば、なぜ安全保障法制の時に民進党を離党していなかったのでしょうか?残念ながら、私には長島氏の行動に一貫性を見出すことができないのです。
選挙のためには国益も捨てる!
ところで、民進党が共産党と選挙協力をすることについては、インターネット上でも強い批判があることは間違いありません。ただ、「選挙で勝つ」ことだけを目的にするならば、実は両党の行動は非常に正しいといえます。
まず、現代の日本では、衆議院で多数を制した政党が政権を握ります。これが大前提です。したがって、衆議院議員選挙では、「候補者」を選ぶ選挙というよりも、むしろ「政党」を選ぶ選挙とならざるを得ません。つまり、これを衆議院議員の側から見ると、衆議院議員になりたければ、どこかの政党に所属しなければならない、ということであり、時として自分自身の政治的な信条よりも党議拘束を優先しなければならないこともある、ということです。
つまり、極端な話、日本の国益を無視するような政党であっても、「選挙に勝てばこっちのもの」です。その典型的な例が、2009年8月30日に行われた衆議院議員総選挙でしょう。そして、その時に民主党を大勝させた最大の立役者が、小沢一郎幹事長です。その小沢氏は、民主党への政権交代実現後、直ちに100人を超える議員団を率いて「中国詣で」を行い、あの有名な
「私は中国人民解放軍の野戦司令官である」
という、歴史に残るレベル(※褒め言葉ではありません)の発言をしました。また、習近平(しゅう・きんぺい)副主席(=当時、現・中国国家主席)の天皇陛下との面会をゴリ押しするなど、いわば「天皇の政治利用」を行いました。当時の私は、これらの行動を見て、一有権者として、小沢一郎氏のことは「絶対に許せない」と、怒りがふつふつと沸いてくるのを抑えられませんでした。
余談ですが、小沢氏が率いる現在の自由党の党勢が振るわないのも、「選挙のためならば日本という国を売り渡す」「自分のためならば天皇の政治利用すら厭わない」という政治姿勢に対し、「有権者からの不信任」という「天罰」が下ったからなのかもしれません。
野党共闘が進めばどうなるか?
では、野党共闘(今回の民進党と共産党との選挙協力など)が進めば、いったい何が起こるのでしょうか?
小選挙区で共産党と民進党の候補者を調整した結果、たとえば共産党の候補者が立候補を辞退し、その小選挙区の共産党の組織票が民進党の候補者に向かえば、「比例復活」する民進党候補者は増えるでしょうし、場合によっては小選挙区を制する民進党候補者も出てくるかもしれません。
実際、この「野党統一候補者戦術」が取られた場合、各政党の獲得票数が前回衆議院選挙と全く同じであったならば、自民党は53議席減らす、との試算もあります。
そして、民進党はこれといった政策を持たない、事実上の「選挙互助会」です。共産党と共闘してしまうと、「共産党に乗っ取られてしまう」とする指摘は多いようですが、私もこれらの指摘に共感するところが多々あります。
私は、今回の「民共合作」の中に、「選挙で勝つためだけならば、国自体が滅亡しても良い」という、小沢一郎氏の思想と似たようなものを感じざるを得ないのです。
もし民進党が「会社」なら?
倒産には2種類ある
もう10年以上前の話ですが、私は某大手監査法人で会計監査に従事していました。その時代、私はさまざまな興味深い経験をしました。中には当時の新聞に載った「大事件」もありましたが、公認会計士には「守秘義務」があるため、たとえ辞めたあとであったとしても、具体的な事件の詳細については申し上げることはできません。
ただ、この頃の経験については、一般論として申し上げることができる部分もあります。それは、倒産する会社には、「本業が傾くケース」と、「本業以外でダメになるケース」の、2つのパターンがある、ということです(図表)。
図表 潰れる会社・ダメな会社のパターン
パターン | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
(1)本業がダメになる会社 | 世の中の技術革新により、その会社の製品・サービスが陳腐化してしまう | 電卓が普及してそろばん会社が潰れる、洋服が普及して着物会社が潰れる |
経済競争に負けてしまう | コンビニやラーメン屋が近所の競合店との競争に負けて潰れる | |
(2)本業以外の要因でダメになる会社 | 本業と無関係の身の丈に合わない過剰投資を行った | 本業と無関係のゴルフ会員権などに投資して大損害を出す |
このうち、(1)本業が傾くケースとしては、世の中の技術革新により、その会社の製品・サービスが陳腐化してしまうような場合や、経済競争に敗れて廃業に追い込まれてしまうような場合があります。一方、(2)本業以外の要因でダメになるケースとしては、本業と関係のない投資で失敗する場合が典型例でしょう。
このうち、「経営再建」ができる可能性が高いのは、(1)よりも(2)です。(1)のケースでは、本業自体がダメになってしまっていますから、経費削減やリストラをしたとしても、黒字に戻すことは難しいのが実情です。しかし(2)の場合は、経営が傾いた理由が明らかであるため、その部分だけを切り離せば、事業自体は再生する可能性があるのです。
民進党は(1)か(2)か?
では、民進党は(1)、(2)のどちらでしょうか?
私は、(1)だと思います。つまり、会社に例えれば、「本業」が傾いている状況です。
もちろん、民進党自体は政党であって会社ではありません。しかし、「経営不振の会社」に例えることはできます。冷静に考えてみれば、旧民主党時代の2009年8月に行われた衆議院議員総選挙では圧勝し、民主党単独で総議席数の3分の2に迫る308議席もの勢力を得たわけです。これに対し、民進党が現時点で保有する衆議院の議席数は95議席に過ぎません。つまり、最盛期の3分の1弱という議席数です。民間企業で例えるならば、「2009年時点で売上高が300億円だった会社の売上高が現時点で90億円に落ち込んでいる」という状況で考えると分かりやすいかもしれません。
今年2月に、大阪の学校法人森友学園に対し、国有地を格安で払い下げていたとする疑惑が持ち上がって以来、民進党の国会質問は、まさに「森友問題」一色となっていますし、既存のメディア(地上波民放テレビやNHK、新聞など)は、こぞって、連日のように「森友疑惑」を取り上げているそうです。しかし、各種世論調査の結果だけで判断する限り、「森友国会」で安倍政権を追及しているはずの民進党に対する支持率は全く伸びておらず、調査によってはむしろ低下しているものもあるようです。
もちろん、共産党との野党共闘が進めば、少なくとも前回並みの得票があるという前提で、今よりも50議席程度は上積みできるかもしれません。しかし、それでも150議席弱であり、2009年の最盛期と比べて半減という状況でしょう。さらに、外国人である(と疑われている)謝蓮舫(または村田蓮舫)氏が党首を務めていて、党内に「ガソリン疑惑」を抱える議員や「泥酔・パワハラ事件」、「国会ダイビング事件」などの不祥事を起こしている議員などを大量に抱えている状況で、「民進党を信頼しろ」と言われても、まともな神経を持っている有権者ならば、「民進党など信頼できない」、と答えるのが普通だと思います。
民進党が復活する唯一の条件
では、民進党が2009年の総選挙時点の党勢(衆議院での308議席)を回復するためには、何をなさねばならないのでしょうか?「森友国会」後の民進党に対する支持率の低迷を見るにつけ、その方法とは、現行の路線を維持することではないことだけは間違いありません。
本業が傾いた会社が復活するためには、従来のビジネスのやり方を変えるしかありません。たとえば、現在の民進党がやっていることは、自民党の足を引っ張ることばかりです。ラーメン店に例えて言うならば、「ラーメン激戦区」に出店している「民進党ラーメン」が「自民党ラーメン」に負けている本当の理由は、「ラーメンの味が悪いから」なのに、そのことを直視せずに「自民党ラーメンは不味いよ!」と相手の店舗を大声で罵っている状況だと考えると分かりやすいでしょう。
では、どうしなければならないのか?
とても簡単です。虚心坦懐に、ラーメンの味を見直すしかありません。そして、ラーメン屋でいうラーメンとは、政党でいう政策です。ラーメン屋が経営を再建したければ、自分の店のラーメンを人々に試食してもらい、「どこが悪いか」、「何が必要か」を教えてもらうという姿勢が必要でしょうし、場合によっては「自民党ラーメン」に出掛けて、自分たちで「自民党ラーメン」のラーメンと自分たちの店のラーメンを食べ比べてみるべきでしょう。
では、民進党は有権者の声をどう吸い上げているのでしょうか?
少なくとも民進党議員らのツイッターを見ている限り、有権者から寄せられた批判の声に対し、「ブロック」しているだけのようです。つまり、自分たちの耳に痛い指摘に対し「聞こえないふり」をしているだけであり、いわば、自分たちのラーメンの味を検証しようとしないで競合店のラーメンの批評ばかりしているようなものでしょう。
パヨクとマスゴミは共倒れへ
「パヨク」とは、知的に劣化した左翼勢力を揶揄する、一種の「ネット・スラング」です。私の目から見ると、民進党議員の多くは、こうした「パヨク」と呼ばれる人々と、行動がそっくりです。もちろん、「パヨク」に明確な定義があるわけではありませんが、何か気に入らないことがあると国会前でラッパを吹き鳴らし、太鼓を叩いてデモをしている人たちや、沖縄県で現地の人々の生活を邪魔しながら反基地運動に明け暮れる人たちがその典型例でしょう。私は、かなりの部分において、民進党関係者と「パヨク」が重なっているのではないかと見ています。
そして、こうした「パヨク」の人々の「拠り所」が、新聞やテレビなどの「古いメディア」(つまりマスコミ)でしょう。考えてみれば、近年、テレビ局は「テレビを見ない人々」との戦いを余儀なくされているようですし、新聞も軒並み部数の急減に悩まされています。最近では、「マスゴミ」というネット・スラングも一般化しています。
私の見立てでは、インターネットというテクノロジーが近年、急激に深化していることを受けて、新聞もテレビもごく近いうちに、上記(1)のパターンで経営難に陥るのではないかと思います。もちろん、日本経済新聞社やFT、ダウ・ジョーンズのように、インターネット戦略である程度の成功を収めている会社があることは事実です。しかし、情報を紙に印刷して大々的に全国に情報を届けるという「新聞」というビジネスモデルは、スマートフォンやタブレットの急速な普及により、駆逐されるのも時間の問題です。また、同様に、決まった時間に全国に番組を流すという「地上波テレビ」というビジネスモデルも、動画サイトの出現によって危機に晒されています。
つまり、現状をまとめるならば、新聞やテレビに乗っかって党勢を拡大してきた旧民主党・現民進党をはじめとする「パヨク政党」と、新聞・テレビそのものが、同時に経営危機に陥っている、というのが正確な認識ではないでしょうか?
いずれにせよ、もしパヨクやマスゴミの皆さんが経営破綻を回避したいのであれば、やるべきことはただ一つ、「有権者・読者・視聴者の意見に真摯に耳を傾けること」しかないと思うのですが、いかがでしょうか?
※余談ですが、私は「民進党ラーメン」、食べたいとは思いません。
View Comments (4)
感情論と言ってしまえばそうかもしれないけど、あたしなんざ
蓮舫とか辻元とか、その立ち居振る舞いや言辞のすべてに「生理的嫌悪感」しかないです
民珍ラーメンとか、何の罰ゲームですか?ムリムリ、無理だってw
うげえ。民主党ラーメンなんて、なんて罰ゲーム何だよw
>「自民党ラーメンは不味いよ!」と相手の店舗を大声で罵っている状況
自民党ラーメンがマズイんだとしてもお前らと違って民主党ラーメンと違って有害物質は入ってないからなw
毎日読ませていただいてます。私も「民進ラーメン」はナニが入ってるか分からないんで食べません。「共産ラーメン」も時代に合わせて味を変えたんでしょうが、コクがなくなりました。小沢一郎氏のことは策士だが作っては潰しで、何がしたいか分かりません。民主党で印象に残っているのは松本龍氏です。祖父時代から大物一家らしいです
が、やはり東北震災の復興大臣の時が一番注目を集めまし
た(笑)。岩手、宮城知事に対して「九州のもんやから何県の何市言われてもわからん」「自分らでコンセンサスを
取れ」「知恵を出すもんには力を貸すが、、」「長幼の序を知らんのか」(大臣が知事より上?それともトシが?)「先に来て待つのが正しい。客が来てから入ってくるな」etc。
この方、社会党ふりだしに7回?当選です。コワモテのタイ
プで、周りにプレッシャーかけてたんでしょう。有権者も
こういう2世3世議員は、選別する眼力をつけないといけま
せんね。しかし地元にはよほどのなにかがあったのでしょうか。
「民進党の迷走が結果的に安倍政権にとっての追い風となっている」という命題に関しては全面的にその通りだと思うが、この記事はその「原因」に対する分析が不十分だ。特に
>抜群の知名度と女性リーダーへの期待を追い風に2016年9月に代表に就いた蓮舫氏。「選挙の顔」や党勢回復の柱として期待されていた
の下りは、残念ながら事実認定が甘すぎる。
本当の理由は、国民・有権者が民進党に対して感じている「胡散臭さ」にあるだろう。ざっと列挙しただけでも、
●謝蓮舫(しゃ・れんほう)代表がご自身の二重国籍(あるいは三重国籍)問題を説明せずに逃げ回っていること、
●山尾しおり衆議院議員(前政調会長)が地球6週分のガソリンを「がぶ飲み」していた疑惑を説明せずに逃げ回っていること、
●辻元清美衆議院議員が森友学園問題に深く関わっている疑惑を説明せずに逃げ回っていること、
等々、民進党所属議員を巡っては、何かと黒いうわさ・不透明感が漂っているのも事実だからだ。
そして、貴紙を含めたマス・メディアも、民進党の疑惑に正面から切り込まないどころか、むしろ民進党を擁護するような意見ばかり掲載してきたのではないだろうか?安藤記者は、なぜ国民が、「民進党」と「マス・メディア」を信頼していないのか、胸に手を当てて、じっくりと考えてみて欲しい。