「新聞が売れなくなったのは消費者の質が下がったからだと新聞社の役員が述べた」。この情報自体、真偽は不詳ですが、ただ、一部の新聞(あるいはマスコミ)関係者の情報発信を眺めていると、確かに彼らにはその手の傲慢さが見え隠れします。新聞紙は習字、天ぷら、窓清掃、靴の乾燥、キャンプファイヤーなどには便利かもしれませんが、毎年5万円を払って古くて不正確で偏った情報が書かれた紙の束がどっさり届くサブスクにお得感はあるのでしょうか?
目次
データで見る「新聞が売れない」
「新聞が売れなくなっている」という点については、当ウェブサイトでこれまでに何度も取り上げて来た論点ですが、これについてはデータで見るといっそう明らかでしょう。
たとえば一般社団法人日本新聞協会が新聞部数データ(毎年12月頃に公表)によれば、新聞部数(※セット契約を朝刊1部、夕刊1部、合計2部とカウントした場合)は2025年10月時点で2824万部であり、これは最盛期である1996年の7271万部と比べ、約39%の水準に過ぎません(図表1)。
図表1 新聞部数の推移
これには夕刊部数の落ち込みも要因としては大きいのだと思われますが、いずれにせよ、つるべ落としのように部数が落ち込んでいることが明白でしょう。
部数落ち込みにも拍車がかかる:広告媒体としても落ち込み
また、これを5年刻みにしたものが次の図表2ですが、これによると2015年から20年にかけての5年間の部数減は1278万部でしたが、2020年から25年にかけての5年間の部数減は1410万部と、部数の落ち込みに拍車がかかっているのです。
図表2 新聞部数の増減(5年刻みの合計部数)
そして、新聞部数の減少と軌を一にするかのように、新聞に出稿される広告費も減っています。
株式会社電通が先日公表した『2025年 日本の広告費』データによると、新聞広告費は2000年の1兆2474億円から、2025年には3136億円へと、じつにほぼ4分の1へと激減。折込チラシは4546億円から2354億円へと、半減とまでは行かないまでも、やはり大きく落ち込んでいます(図表3)。
図表3 新聞広告費と折込広告費
折込チラシがそこまで落ち込んでいないのは現象として興味深い点ですが、それ以上にこの新聞広告費の落ち込みぶり、想像するに、新聞部数が落ち込んだことだけでなく、新聞の広告媒体としての価値が下がり、結果的に単価も下落したことなどによる影響もあるのではないでしょうか。
(そういえば最近、著者の友人らから、「新聞を取っていないし頼んでもいないのに折込チラシだけが投函されている」とする報告を耳にするのですが、そうしたケースも「折込チラシ」にカテゴライズされているのでしょうか?)。
Xのとある「トレンド」が話題に
さて、こうしたなかでXでここ数日流行っているのが、『新聞役員「消費者の質低下」発言がネットで強い反発』、というトレンドです。XのAI要約(2026/03/12 06:51バージョン)には、こんな記載があります。
「3月10日、新聞販売店を名乗るアカウントが『新聞が売れないのは消費者の質が下がったから』との役員発言を投稿し、X上で大きな反響を呼んだが、プロフィールに『架空の設定で発言も妄想』とあり真偽は不明。主要メディアでも確認されず、ユーザーからは『傲慢』『他責思考』との非難が相次ぎ、新宿会計士氏が『新聞のレベルが低いとバレた』と皮肉った。一方、新聞業界は深刻な部数減に苦しみ、2025年10月データで総発行部数が前年比6.6%減の2486万部に落ち込み、読売・朝日・毎日新聞も軒並み減少。若年層のデジタルシフトが主因だ。」
なかなかに興味深い要約です。
XのAIによると、もともとは新聞販売店関係者を名乗るXユーザーが「聞いた話」として、「本社(おそらく新聞社のこと)の役員が『新聞が売れないのは消費者の質が下がったからだ』と言っていた」とポストしたことを契機にトレンド入りしたようです。
余談ですが、トレンド履歴を見ると、なぜか山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士のポストも目につきます。
ネットがない時代の情報は「フロー」だった
もちろん、この話自体が事実なのかどうかはわかりませんが、ただ、一部の新聞(あるいはマスコミ)関係者の情報発信を眺めていると、確かに彼らにはその手の傲慢(ごうまん)さが見え隠れすることも否定できません。
さらには、『「ネットの妙な擁護論」とする批判こそ法的根拠を欠く』でも指摘したとおり、最近だとメディア関係者からは、ネットを敵視しているのか、あたかもネットがすべて誤っているかの前提での情報発信を目にすることもあります。
この点、当ウェブサイトとしては、「ネットにすべての正解がある」などとは言いません。
ネットにだって誤った情報、不適切な情報、不正確な情報は溢れているからです。
ただ、それと同時にもうひとつ指摘しておきたいのですが、メディアの報道が100%常に正しいという前提を置くのも不適切です。メディア報道も、しょせんは「人間が発信する情報」だからです。
そして、メディア報道が情報の発信者側の都合で歪んでいるときには、それによって有権者の投票行動にも大きな影響が生じることがあります(『偏向報道を排除した日本人を中国が騙すのは百万年早い』などでも取り上げた2009年の政権交代劇などはその典型例でしょう)。
| 中国のアカウントがSNS上で日本の世論にさまざまな工作・働きかけを行っていた可能性がある―――。これは、SNSユーザーの間では何となく知られていた現象ですが、これを大手メディアが遂に報じました。「ネット工作は恐ろしい」?いえいえ。現実問題、そもそも日本人は騙されません。いったい何年、メディアの偏向報道と戦ってきたと思っているのでしょうか。中国共産党の世論工作、日本人を騙すには百万年ほど早いです。政権交代選挙のインパクトメディアは2009年8月に何をやったのか今からかれこれ5年近く前の『先祖返りする立... 偏向報道を排除した日本人を中国が騙すのは百万年早い - 新宿会計士の政治経済評論 |
タテ・ヨコ・深さの検証
しかし、インターネット言論空間は、これと全く違います。誰もが自由に情報発信できるようになったことでネット空間に蓄積される情報に厚みが出ており、それらを「タテ・ヨコ・深さ」という三次元で検索し、情報の妥当性を検証できるようになっているからです。
- タテ:同一の話題・類似する話題を時系列で調べられる
- ヨコ:同一の話題を他社がどう報じているか調べられる
- 深さ:同一の話題をより源流にさかのぼって調べられる
従来のメディア報道では、情報は「フロー」でした。
インターネットがなかった時代、情報なんて数週間、あるいは下手をすれば数日で忘れ去られていましたので、たとえば「与党の不祥事は舌鋒鋭く追及するくせに、同じ不祥事が野党で発覚したらサラッと流してなかったことにする」、といった手法が普通に通用していました。
しかし、現代では、情報は「ストック」であり、人々はこの「タテ・ヨコ・深さ」という三次元での検索が可能です。
たとえば与党議員に何らかの不祥事(不倫でも何でも良いですが)が浮上したときに、一部メディアがそれを一斉にバッシングし始めたとします。すると、ネット空間ではたいていの場合、「タテ」の検索をする人が出てきて、「野党議員にも過去に同様の不祥事があったが、メディアは大して叩かなかった」という事実を指摘します。
こうした検索結果は検証が可能ですし、しかも「メディアは公正中立に報道をしていた」と反論しようと思えば、「野党議員に同様の不祥事があった際にメディアがバッシング報道をしていた」という証拠を示さなければならず、そうした証拠が見つからなければ、メディアのダブル・スタンダードが事実として積み上がっていきます。
また、同じような事件が生じたときに、とあるメディアが悪意を持って与党議員を叩くかのように発言を切り取ったりした場合も、他社報道との比較(「ヨコ」の検索)、政治家本人の情報発信という一次情報(「深さ」の検索)を行うことで、その報道が客観公正なものかどうかが常に検証されてしまうのです。
年間4~5万、あるいはそれ以上の価値があるのか
くどいようですが、新聞社の幹部が本当に、「新聞が売れなくなったのは読者のせいだ」と発言したのかどうかについては確認できません。
しかし、少なくとも新聞の報道内容のクオリティが高いのかどうか、あるいはもっといえば、年間4~5万円か、下手をすればそれ以上の金額を払ってまで読むに値するのか、すなわち値段に見合っているのかどうかについては、むしろ新聞社の経営者の皆さまに自問していただきたいところです。
もちろん、新聞紙は子供の習字であったり、天ぷらの油吸取りであったり、掃き出し窓の清掃であったり、濡れた革靴の乾燥であったり、キャンプファイヤーを燃やすためであったり、と、なにかと役に立つ、といった指摘がある点についてはその通りです。
しかし、年に何回もキャンプに行くという人ならばいざ知らず、毎年5万円を払って古くて不正確で偏った情報が書かれた紙の束がどっさり届くサブスクには、個人的にはあまりお得感はないと思うのが正直な感想なのです(すべての新聞がそうだと申し上げるつもりはありませんが…)。
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私が新聞購読を止めたのは2006年3月でした。
2005年から順調に発行部数が減少してるのが個人的には面白いですね。
今では読みたいと思うことは皆無です。
巷の動きはスマホ、PCで十分です。
以下Xの引用によれば、
今年1月の朝日新聞社の販売店総会において
朝日新聞社長の角田氏より以下の展開があったそうです。
#朝日新聞 販売店総会(26.1)
角田社長
1)広告収入は非常に厳しい
2)デジタル収入も思ったようには伸びていない
3)不動産事業については盤石
4)今年1年は「広告をどう立て直すか」「デジタルをどう伸ばすか」が課題 →
読売の社長と比べると、率直に経営の現状語っている様子ですな。
(chitosemidori 2026/2/7 12:11)
「新聞紙」については最早課題に挙がる段階ではないのかもしれませんが、販売店主相手の展開内容としてその点に触れないのはどうなのかな?と思いました。
因みに私自身、「新聞紙」はペットの為に未使用新聞紙を密林から時々購入します。使い勝手がよく手に入らなくなると困るので全廃しないでくださると助かります。
「新聞が売れなくなったのは、読者の質が低下したから」、「中道の候補が落選したのは、有権者の偏差値が低いから」ということにしていれば、新聞社内(あるいは党内)で、何の問題にもならないのではないでしょうか。(それにしても、「読者の質が低下したから」あるいは「有権者の偏差値が低いから」が原因なら、それを前提に対策を考えるべきでは、ないでしょうか)
別件ですが、
>https://www.youtube.com/watch?v=u2dF5vmpzBU
「米軍のイラン攻撃支持の在日イラン人集会で、日本のテレビ局は逆に放送した」とのことです。もしこれが事実で、意図的に行っていたなら、(高齢者大好きの)テレビ番組も、意図的に捏造したことになります。
亡霊が令和ニッポンを跋扈している
それは悪いポピュリズムという日経構文・日経話法である
そんなニセ街頭演説の幻聴が聴こえた気がします。
物知りで、探索調査が巧みで、読みやすい時事報道を、生成 AI が都度その場で作文して、読者の欲求を満たすことが常態化すると、取材して編集して印刷して送り出すという報道産業の基本構造に質的な転換圧が掛かる予感がします。
年間4,5万払うぐらいなら
子供や孫に年玉としてやったらどうだよ
あとは寄付とかさ
新聞より有効に使え
1996年に結婚して新しい生活を始めましたが、最初から新聞は購読しませんでした。特に何の不便もありませんでしたよ。お陰で5万円✳︎30年で150万円も節約出来ました。マスコミを利する事なく大満足です。
ただ、妻の実家では今だに○日新聞を購読されています。もう止めたらとも言いにくく、伺うたびにテーブルの端に新聞が積み上がっている様子を眺めています。
>>3月10日、新聞販売店を名乗るアカウントが『新聞が売れないのは消費者の質が下がったから』との役員発言を投稿
>>ユーザーからは『傲慢』『他責思考』との非難が相次ぎ、
>>新宿会計士氏が『新聞のレベルが低いとバレた』と皮肉った。
まあ、こうだろ???
今まで隠し通せてこれた事が不能になりドンドン露見した事と、
新聞・メディアの反日傾倒とか低次元低レベル・非科学オカルトであることが、
広く一般国民にバレて露見し、周知されただけだろ。
そして、わざわざ金払い、時間を割いてでも、読む価値がなくなっただけだろ!
追伸:
「新聞が売れなくなったのは消費者の質が下がったからだと新聞社の役員が述べた」
ってこれって、他責志向だよなあ~。
こういうのもあるから、ドンドン…ドンドンと多数派を形成する分厚い一般購読(鉱毒?公読?)層が、ドンドンといなくなっているんだろと…、もうムダ金払いたくねえよと…。(増すゴミメディアの購買相手として…)
「選挙で負けたのは有権者の質が下がったからだ」としっかりリンクしていて良いですね。
質問だ…
朝刊を畳むか?
夕刊を諦めるか?
答えてみな
「ひ、ひと思いに…夕刊を…止めさせてくれ…」
No!No!No!No!
「ち、朝刊を?」
No!No!No!No!
「り…りょうほーですかあああ〜」
Yes!Yes!Yes!Yes! YES!
「もしかしてオラオラ(廃業)ですかーッ!?」