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【衆院選議席数】左派政党壊滅的敗北に見る時流の変化

それにしても、自民党が圧勝しました。300議席を超え、単独で衆院の3分の2を制したからです。ただ、それ以上に印象的なのは、左派政党の退潮です。49議席の獲得に留まった中道改革連合のうち旧立憲民主党が100議席以上減らして21議席という泡沫政党レベルに転落したほか、日本共産党が3議席、れいわ新選組が1議席、社民党がゼロ議席だったからです。

衆院選の結果(報道ベース)

衆院選の結果が出て来たようです。

報道等をもとに作成したものが次の図表1です。

図表1 2026年2月の衆院選の結果
会派 小選挙区 比例代表 合計
自民 249 67 316
維新 20 16 36
与党合計 269 83 352
中道 7 42 49
旧立民 7 14 21
旧公明 0 28 28
国民 8 20 28
参政 0 15 15
未来 0 11 11
共産 0 4 4
れ新 0 1 1
減ゆ 1 0 1
無所属 4 0 4
合計 289 176 465

(【出所】報道等。ただし、自民党の議席に無所属1議席を含めるかどうかについては報道等で差異がある)

新勢力は自民党が316議席となり、なんと単独で3分の2を制したほか、36議席となった日本維新の会と合わせた勢力は352議席で、なんと全体の4分の3を与党で占めた計算です(なお、得票等のデータは現時点でまだ手に入っていないため、入手出来てからの分析となります)。

自民は比例で14議席を他党に譲る=産経報道

しかも、自民党は比例での候補者数が足りなかったらしく、産経報道によると、14議席を他党に譲ったとのことです。

自民「名簿不足」で14議席譲る 重複立候補の大勝で南関東6 東京5 北陸信越2 中国1

―――2026/02/09 09:04付 産経ニュースより

産経によると譲ったのは南関東ブロックで6議席(中道、維新、国民、れ新、みらいの各党)のほか、東京で5議席、北陸信越で2議席、中国で1議席だったそうです。いわば、小選挙区で落ちる候補が少なすぎた格好だ、と言えるかもしれません。

ちなみにチームみらいも近畿ブロックで2議席分の票を得たものの、重複立候補者が比例復活に必要な票数に達していなかったため、他党に譲ったそうです。

いずれにせよ、「仮に」、という議論ですが、もしも今回、自民党が比例で十分な候補を立てていれば、新勢力はさらに316議席ではなく、330議席に達していたという可能性もありますが、裏を返せばそれだけ最大野党である中道改革連合(というか立憲民主党)が盛大にコケた、ということでもあるのでしょう。

じっさい、公示前勢力と新勢力を比較しておくと、中道改革連合が123議席(カウント方法によってはよれより少なくなります)減らし、自民党が118議席増やしている、ということです。

公示前勢力との比較:左派政党の総崩れ

ただ、公示前勢力と新勢力を比較すると、興味深い事実も浮かんできます(図表2)。

図表2 公示前勢力と新勢力
会派 公示前 新勢力 増減
自民 198 316 +118
維新 34 36 +2
与党合計 232 352 +120
中道 172 49 ▲123
旧立民 148 21 ▲127
旧公明 24 28 +4
国民 27 28 +1
参政 2 15 +13
未来 0 11 +11
共産 8 4 ▲4
れ新 8 1 ▲7
減ゆ 5 1 ▲4
保守 1 0 ▲1
社民 0 0 ±0
無所属 10 4 ▲6
合計 465 465

(【出所】報道等。ただし、自民党の議席に無所属1議席を含めるかどうかについては報道等で差異がある)

圧勝したのは自民党、惨敗したのは中道改革連合ですが、それだけではありません。

日本共産党やれいわ新選組が壊滅的な打撃を受けたほか、かつては自民党と並ぶ「二大政党」といわれた旧社会党、すなわち現在の社民党に関しては、改選前も改選後も議席はゼロであり、このことから、今回オン選挙はいわば「左派政党が激減した回」だったことは間違いありません。

その一方で、国民民主党が28議席と公示前勢力をほぼ維持したほか、参政党が15議席、チームみらいが11議席を獲得しました。保守系、あるいはそれに近い政党が衆議院側で406議席を占めた計算であり、改憲議論も進んでいくことが期待されます。

また、国会運営もずいぶんと自民党にとっては楽になることでしょう。参議院側では、自民党は100議席、維新は19議席しか持っていませんが、自民が単独で衆院側の3分の2を制圧した以上、参院側で法案が否決されても衆院側で再可決できるようになったからです。

ちゃっかり議席確保した旧公明党

一方で興味深いのが、旧公明党でしょう。

著者のカウントによれば、旧公明党は公示前の時点で24議席の勢力を持っていましたが、今回の選挙では旧公明党の有力候補が「中道改革連合」の比例代表に回り、むしろ旧公明党系の候補が28人も当選したのです。ちゃっかり議席を増やした格好です。

これに加え、今後さらに気になるのは、中道改革連合の再分裂を含めた政界再々編です。

立憲民主党側としては小選挙区で厳しい戦いを強いられたうえ、比例上位を公明側に占有されてしまい、比例復活もままならなかったわけですから、野田佳彦代表の責任問題が浮上することはほぼ間違いないのに加え、旧立民側からは強烈な不満が巻き起こる可能性が高いです。

しかも、衆院側では立憲民主党と公明党が消滅し、中道改革連合に一本化されましたが、その一方で参院側では立憲民主党(40議席)と公明党(21議席)がまだそれぞれ別の会派として存在しており、しかも立民の方が議席数では上です。

  • 旧立民…衆21議席+参40議席
  • 旧公明…衆28議席+参21議席

自然に考えて、憲法や原発などに関する考え方もまるで違ううえに、選挙目当てで野合してズッコケたという事例もできたわけですから(共通点といえば老人政党、といったところでしょう)、やはり近いうちに両党の分裂という動きが生じる可能性が高いことは間違いないでしょう。

そうなると、公明党は次回の選挙をどう戦うのでしょうか?

参院選に関しては比例代表や中選挙区に議席が厚く配分されているため、まだ今後の議席確保も可能かもしれませんが、少なくとも衆院選に関して立民と協力するのは今回が最後という可能性が高く、また、自民党が圧倒的多数を占めたいま、与党に戻るという選択肢もありません。

その意味では、立民は立民として再出発した方が、まだ今後の復活の可能性はあるのではないでしょうか。

左派の敗北、マスコミの敗北

いずれにせよ、今回の選挙は、自民党に対する信認というよりはむしろ、左派的な主張を繰り返すうえにダブルスタンダードの極みだった野党に対し、国民が徹底的に罰を与えた選挙だったのではないかと思いますし、報道しない自由を謳歌したマスコミの支配が完全に終了した象徴だったことは間違いありません。

ただし、自民党が今後、増税や社会保険料引上げといったふざけた政策を展開することがあれば、今回の立民の姿が将来の自民党の姿にならないという保証はありません。

また、高市早苗総理大臣にとっても、今回の選挙での圧勝は国民からの圧倒的な信頼の証拠であるとともに、彼女がその期待を裏切った時には容易にそれが票の力となって自民党に襲い掛かることは間違いないとおいえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (29)

  • 中革連が立憲と公明に分離した場合、
    野党第一党が国民民主と公明になるのですよね

    それを踏まえて分裂できるか、とてもどうか気になります

  • 国民と参政と未来とで、
    「便宜的な会派」
    を組めば、野党第一党になれるのでは?

    野合だ!と中道は言うかもしれませんが。

    PW=おまゆう、…じゃなかったな、残念。

  •  旧公明は確かに議席を増やしましたが、ここからは下り坂ではないかと思います。小選挙区では当選もおぼつかなくなり、比例のみでの議席確保はもうすぐの社民、数年後の共産、未来の公明と消滅へのカウントダウンが進むのでは。

    • 創価学会側からは「衆院撤退」論まで出ていた模様なンで、公明党としてこの先スタンドアローンでいくなら衆院選は捨てるツモリもあるかもなぁ、知らんけど
      学会内部は長らく主導筋だった東大閥が突き上げ著しい創価大閥に追い落とされてからヒトマワリしよるげなし、公明党側に残る東大閥有力者も斉藤氏ぐらいで打ち止めくさいから、もっと“学会の意向”に沿うカタチでジリひ…もとい均衡縮小路線かいね、知らんけど
      斉藤氏も“勘違い甚だしかった”前任者のヤラカシで“緩やか隠居へ”路線からのリリーフ登板、今後は“本人の欲”と“公明党閥議席増の学会&公明党内評価”しだいカシラン??
      知らんけど

  • 「悪口と批判・揚げ足取り」だけを発し続けた左派各党。

    生徒:”情報がフローからストック”ってどういうこと?
    先生:「過去の言動が視える化した!」ってことだよ。

    生徒:じゃあ彼らは「嫌われる努力」が報われたんだね。

    ↑そういうことですよね。(=_=)

  •  何故か高市さんの障害になりそうな相手(マスコミ、中国、公明党に立憲)が、戦う前に勝手に自滅していくんですよね。ジャンヌ・ダルクか何かの生まれ変わりなんでしようか。
     ドラマや物語としては失格物なんでしょうが、悪魔とか魑魅魍魎と戦う話と考えれば英雄譚として成立しそうです。
     まだまだ祓わねばいけない穢れが、特に妖怪ねばねばとか、妖怪メガネとか自民党内にもたくさんいますので、頑張っていただきたい。
     特に予算委員会で野党の正当な手続きを、数の暴力と言った民主主義を全否定した自民党の件は忘れておりませんので、自爆した愚かな左派のようにダブスタにならないようにしっかり気を付けてもらいたい。

  • 中道がここまで気持ちの良い負けっぷりを晒したら、「"高市後"は公明とヨリを戻そう」なんて寝言を言う自民党議員が増える危険は減ったんじゃないでしょうか。
    何しろ公明党と組んで稼げる組織票より逃げ出す浮動票の方がデカいんだから。

  • 自民党総裁選挙で勝ち抜いた時の緊迫感溢れる高市さんの表情を覚えています。
    今回の大勝利をうけての表情も同じでした。
    勝って兜の緒を締めよ、
    体現出来ているのが素晴らしい。

  • 自民爆勝、左派政党壊滅の要因は勿論高市旋風ですが
    国民も人で判断してるのではなく、人+行動で判断した結果かと思ってます。
    件の台湾有事に係る総理発言後の悶着における対応諸々でくっきり明暗が別れたんではないでしょうか。
    高市総理の発言は、野党マスゴミから従来の曖昧戦略を放棄する問題発言と非難されました。そこで一歩も退かない姿勢を見せた。
    このやりとりで高市総理の曖昧さを捨てて明確なメッセージを発する行動力と胆力、責任から逃げない姿勢が大多数の国民に支持された。
    一方、カウンターパートは国際情勢が不安定化する中で、明確な解決方針を示せず、いまだ頭の中がお花畑であると認識された。
    自身の、子孫の未来のためにどちらに国政の舵取りを任すべきか。
    石破でないですが考えるまでもないこと。

  • 旧立憲の人達は、中革連移行で政策転換・変節・切り捨てをしちゃったがために、公明票と左翼票(共産社民)の両方を取るうまい曖昧戦略が取れなくなってしまったかと。今後は公明票か左翼票のどっちかしか得られない。
    共産社民は中革連を敵視してますから、左翼票を頼りたい候補は新党を作るしかないでしょうが、立憲の生き残りのうちヨシフさんが党首になって旧社会党系の落選議員とで新党つくりますかね?かといって、一度裏切られた左翼票が戻ってくるかどうかなんてわからないですけど。
    公明は選挙中は政策の不一致に無言でしたけど選挙後はそうはいかないでしょう。

    中革にいる左翼候補諸氏は裸で極寒の荒野に飛び出すのか、残って茹でガエルになるか、どっちの選択をするんでしょうね。
    大変そうですね~。

    • 当選した旧立憲21人のうち、サンクチュアリと国のかたち研究会(左派)の議員が半分を超える12人もいました。
      これだけ多いと再分裂の可能性も結構ありそうな気がしてきます。
      なりゆきを生暖かく見守りたいと思います。

  • 朝日ですけど、ちょっと面白い記事がありました。

    リベラル自認の10~30代、「自民に投票」3割 中道は1割届かず
    https://www.asahi.com/articles/ASV264K1WV26ULLI004M.html
    衆院選をめぐり、朝日新聞が大阪大の三浦麻子教授(社会心理学)と実施したネット意識調査で、自らのイデオロギー(政治的立場)を左寄り(リベラル)と自認している人の投票先は、40代以下だと自民党が最多だったことがわかった。
    ===

    左か右かリベラルかなんて定義、今や私にはサッパリわからないんですが、この調査では左か右かの「自認」に基いて調査しています。

    中革連は「中道」を自認していましたが、多くの票を集めたのは、「左」と自認する高齢者だったそうです。中間を自認する人達の票は大して増えなかった。
    年齢の傾向としては、年齢が高くなるほど、右が自民、左が中革の傾向が強く、若い層では傾向が無くなり、むしろ逆すらあったそうです。

    他の世論調査では立憲の左票が中革連に入っていないことが見えていますので、立憲が「中道」を名乗らなければ高齢者の左票はもっと多かったかもしれません。その上「中間」の票がそれほど増えなかったのであれば、中革連の「中道戦略」は大ハズレだったということなんでしょうね。

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