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選挙に行こう…ほんの数百票差でも結果は大きく変わる

前回、あるいは前々回の衆院選では、小選挙区で得票差100票そこそこで勝敗が別れる、といった事例も多く発生しています。当ウェブサイトでは具体的にどの政党、どの候補者に投じるべきかについては述べませんが、本稿では改めて、選挙に行くこと自体の重要性を指摘しておきます。その際の「5つの視点」とは、選挙とは▼選挙はダメ候補を落とす手続▼池の水を入替える手続▼鉄道改良工事そっくり、▼食堂街の食堂選びにそっくり、▼国民全員の協力が必要不可欠―――、です。

選挙です!

選挙期間中の注意点

非常にしつこいようですが、当ウェブサイトでは基本的に、選挙期間中は現在進行形の選挙に関する話題を取り上げることを控えており、これに関しては今回の衆院選についても例外ではないつもりです。

先月23日に高市早苗総理大臣が衆議院を解散し、27日に選挙が公示されたことで、今週7日(土)までが選挙期間となります(※投票日である8日は選挙運動が禁止されます)。

選挙期間中であれば、基本的に(成人の有権者であれば)誰が選挙運動をやっても良いはずであり、また、選挙に関する論評も(選挙の公正を歪めない限りは)自由に行えるはずではあります。

ただ、当ウェブサイトはあくまでも「評論サイト」であって、「政治活動サイト」ではないつもりであり、こうした文脈から、政治活動かそれに類する活動は極力控えるという趣旨で、選挙期間中に関しては個別政党に関する話題、あるいは選挙情勢調査に関する話題などにはできるだけ触れない予定です。

したがって、たとえば「現在の選挙情勢分析によるとOO党は圧勝が予想されている」、「XX党は苦戦が予想されている」、「▲▲県の皆さんはXX候補を応援して下さいね!」、といった文章も、当ウェブサイトでは可能な限り避ける話題のひとつです。

また、著者自身は今回の選挙における各政党の議席予想をある程度は試算値として所持していますが(これは数値の積み上げ計算によるものとメディア報道によるもの、それから「とある筋」から入手したものが含まれます)、これらについては少なくとも8日午後8時までは当ウェブサイトに掲載しません。

今回の選挙のポイント

ただ、当ウェブサイトで避ける話題は「個別政党」「個別候補」に関するものであり、選挙全般に関してはべつに話題として回避するつもりはありません。

たとえば「現在の政権与党である自民党が①大敗するとしたら、それはどのような要因が考えられるか、②大勝するとしたら、それはどのような要因が考えられるか」、といった話題は『今回の衆院選を読む最大のポイントは「サナエ旋風」か』でも取り上げたとおり、「タブー」ではありません。

先般より指摘している通り、著者は選挙の公示日直前の時点で、今回の選挙戦を読むうえでのポイントが①立憲民主党と公明党が合体したことで得られる組織票、②参政党などの「保守野党」の出現、③左派政党の支持層が急速に高齢化していること、そして④サナエ旋風、の4つの視点で説明できると考えていました。

今回の選挙を読むべきポイント
  • ①立民公明の組織票…自民票⇩減らす要因
  • ②保守票の食い合い…自民票⇩減らす要因
  • ③左派支持層高齢化…自民党⇧増やす要因
  • ④サナエ旋風の発生…自民党⇧増やす要因

選挙戦開始直前時点では、このうち①と②が自民票を減らす要因に、③と④が自民票を増やす要因となると考えており、これについては『野党の動向次第では自民圧勝も自民大敗も両方あり得る』でも触れたとおり、結局、①②の要因と③④の要因のどちらが綱引きに勝つかという問題だと考えています。

ただ、選挙戦が始まり、ここまでの流れで見ていくと、これらの要因については事前に著者が予想したよりもはるかに大きく出ている項目もある一方、意外と思ったほどには強く出ていない項目もあります。

具体的にどの要因が強く出ているのか、あるいは弱く出ているのかについて本稿の段階で述べることは控えますが、いずれにせよ、一部メディアが公示日前に報じていた選挙情勢分析は大外れであり、この数日に「とあるメディア」が報じた予測の精度がかなり高い(かもしれない)、という点については指摘しておきます。

大事な「5つの視点」

選挙に行こう!

さて、それはともかくとして、本稿では改めて述べておきたいのが、なぜ選挙に行かなければならないか、です。

当ウェブサイトにおいて、「必ず投票に行ってください」と呼び掛けると、ごく稀に、こんな反応が返って来ることがあります。

報道ではXX党が勝つらしいから、選挙結果は決まったようなものでしょ?

私ひとりが選挙に行かなくたって、選挙結果は変わんないでしょ?

うちの選挙区、俺の投票したい候補がいないんだよ。今回は棄権/白票で意思表示する」。

端的にいえば、どれも大間違いです。

結論からいえば、「あなたひとりが選挙に行かなかったことによって、選挙結果が変わる」というのはあり得ます。

こうしたなかで指摘しておきたいのが、5つの視点です。

選挙:5つの視点
  • 選挙はダメ候補を落とす手続
  • 選挙は池の水を入替える手続
  • 選挙は鉄道改良工事そっくり
  • 食堂街の食堂選びにそっくり
  • 国民全員の協力が必要不可欠

選挙とはダメ候補を落とす手続

まず、選挙とはよりどりみどり、ピカピカの候補者群から最高に素晴らしい候補を選び出す手続ではありません。

候補者だって人間なわけですから、政策その他で不完全な状態なのに出馬していることもありますし、特定団体などの支援を受けていたり、特定集団の利害を実現させることばかり考えていたりするかもしれません。

そうであるならば、それらの候補者群のなかで「一番マシな候補者」を選ぶ、という視点を持つ必要があります。あるいは、もっといえば「絶対に当選させたくない候補者を落とす手続き」だ、という側面で考えると、もう少しわかりやすいかもしれません。

選挙とは池の水を入替える手続

続いて、選挙とは大きな池の水を少しずつ入れ替える作業だと考えるとわかりやすいかもしれません。

一般に池の水は一気に抜いてきれいな水に入れ替えることが難しいことも多く、地域住民がバケツリレーで池の水を少しずつきれいにしていくような状況をイメージすると良いでしょう。

当然、ズルをして池の水を入れ替える作業に参加しない人もいるかもしれませんが、池の水は定期的に入れ替えないと腐敗しますし、腐敗したらその地域に暮らす住民全員に悪影響が及びます。

「自分ひとりやらなくても大勢に影響ない」、といった考え方は、無責任なのです。

選挙は鉄道改良工事そっくり

さらにいえば、選挙は大都市圏の鉄道改良工事ともよく似ています。

大都市圏に暮らしている方ならご存じとは思いますが、鉄道の改良工事は大変に時間がかかります。なにせ、通勤電車がバンバン動いているわけですから、これらの大量の通勤電車を無事故で捌きながら安全の工事を終わらせるためには、かなりの時間がかかります。

路線を改良するならば土地の買収などが必要となるケースもありますし、土地収用がどうしてもスムースに進まない場合は部分開業や計画変更などが必要となるかもしれません。なにより沿線住民や鉄道利用う者の協力が必要です。

食堂街の食堂選びにそっくり

さらにいえば、選挙とはさびれた食堂街の食堂選びにも似ています。

高くてマズいうえに頼んでない料理を持ってくることで有名な某政党には正直ウンザリしますが、それ以外の政党だとメニュー表には隣の食堂の悪口しか書いていなかったり、店員が悪口ばかり言ってて全然働かなかったり、あるいは料理と称して明らかに有害な物体を運んできたりします。

ただ、その街で暮らしていく以上は、どこかの食堂を選んで入店するしかなく、必然的に「高くてマズい食堂」が大繁盛してしまうのですが、それは結局、それ以外の食堂が極めて危険だから、という意味でもあります。

投票で結果は変わる!

過去の事例①2021年衆院選

そのうえで、ここで取り上げておきたいのが2つの事例です。

ひとつは2021年衆院選の小選挙区の事例で、全国289選挙区を分析していくと、1位の候補者と2位の候補者の得票差が1,000票もなかったという事例が散見されるのです(図表1)。

図表1 2021年衆院選・接戦選挙区(1位と2位の得票差)
選挙区 1位 2位 得票差
新潟県  第6区 立憲民主党(90,679票) 自由民主党(90,549票) 130票
佐賀県  第1区 立憲民主党(92,452票) 自由民主党(92,319票) 133票
新潟県  第4区 立憲民主党(97,494票) 自由民主党(97,256票) 238票
長崎県  第4区 自由民主党(55,968票) 立憲民主党(55,577票) 391票
宮城県  第2区 立憲民主党(116,320票) 自由民主党(115,749票) 571票
大分県  第2区 自由民主党(79,433票) 立憲民主党(78,779票) 654票
北海道  第4区 自由民主党(109,326票) 立憲民主党(108,630票) 696票
三重県  第2区 自由民主党(110,155票) 立憲民主党(109,165票) 990票
愛知県  第8区 自由民主党(121,714票) 立憲民主党(120,649票) 1,065票
宮崎県  第1区 立憲民主党(60,719票) 自由民主党(59,649票) 1,070票

(【出所】総務省『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果』データをもとに作成)

2021年といえば、立憲民主党が日本共産党と大々的に選挙協力を行った年としても記憶されますが、自民党は全国289選挙区中187議席を確保したものの、うち5つの選挙区で得票差1,000票前後かそれ以下の辛勝となった格好です。

同じく立憲民主党も全国289選挙区で57議席を獲得したものの、得票差1,000票前後かそれ以下で辛勝した選挙区が5つあった格好であり、なかにはたった130票差で選挙を制したケースもありました。それこそ有権者のわずか0.05%が投票するかどうかで選挙結果が左右されるのです。

過去の事例②2024年衆院選

もうひとつ、事例を挙げましょう。こうした「僅差」ぶりは、たとえば前回、2024年の衆議院議員総選挙の事例でも発生しています(図表2)。

図表2 2024年衆院選・接戦選挙区(1位と2位の得票差)
選挙区 1位 2位 得票差
和歌山県  第1区 自由民主党(70,869票) 日本維新の会(70,745票) 124票
愛知県  第10区 立憲民主党(59,691票) 自由民主党(59,529票) 162票
栃木県  第3区 自由民主党(45,546票) (無所属)(45,368票) 178票
群馬県  第3区 自由民主党(74,930票) 立憲民主党(74,716票) 214票
東京都  第28区 立憲民主党(50,626票) 自由民主党(50,290票) 336票
東京都  第10区 自由民主党(93,491票) 立憲民主党(92,900票) 591票
富山県  第1区 自由民主党(45,917票) 立憲民主党(45,179票) 738票
秋田県  第1区 自由民主党(60,387票) 立憲民主党(59,515票) 872票
神奈川県  第6区 立憲民主党(80,207票) 自由民主党(79,281票) 926票
東京都  第15区 立憲民主党(66,791票) (無所属)(65,666票) 1,125票

(【出所】総務省『衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果』データをもとに作成)

こちらは和歌山1区で当選者と落選者がわずか124票差で決まっており、また、接戦のすえ辛勝したケース、涙を呑んだケースなどが混在しています。

今回の最大野党は「立憲民主党」ではなく「中道改革連合」ですが、想像するに、個別選挙区で見れば1位と2位が激しく競り合っているというケースもあるでしょうし、こうした状況でどちらを勝たせるかによって国政が大きく変わることもあります。

やはり、選挙では投票しないともったいないのです。

国民全員の協力が必要不可欠

いずれにせよ、現実の私たちが暮らす社会は、すでに社会として出来上がっているわけであり、1回や2回の選挙で過去のすべての制度をリセットして作り変えるということは非常に難しいのです(※ただし、著者は少なくとも社会保障については「グレートリセット」が必要だとは考えていますが…)。

こうしたなかで、たとえば、選挙とは「すばらしい候補を当選させる手続」ではなく、「ダメな候補を落選させる手続」だと考えると、より参加の意義が高まるのではないかと思いますが、それだけではありません。

選挙とは、いわば池の水を入替えるような手続であり、地域住民みんなが参加しなければ意味維がありませんし、鉄道改良事業のように、沿線住民や利用者が協力しなければ円滑に進みません。さらにはさびれた食堂街でも一番マシな食堂に出かけて応援し続けるしかないのです。

こうした観点から、改めて指摘しておきますが、仮にあなたが日本の有権者であるならば、棄権、白票、無効票は、ぜったいにやめてください。必ず選挙に出かけ、あなた自身の判断と責任において、有効票を投じていただきたいのです。

そのことを、改めてお願い申し上げたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (11)

  • 投票率が高く国民の関心が高いと困るのは、よりまずいことをしている又はしようとする政党や議員、組織票頼みの人達です。
    すなわち、投票すべしですね。
    中革のディスり戦略とおまいう戦略は、コイツらみんなダメだと思わせて投票意欲を下げる戦略なのかも。

  • 個々の小選挙区でみれば、1票で、よりましな候補が当選することも、あり得ます。
    蛇足ですが、世界情勢が不安定化している今、有権者は、強く見えて安心できる政治指導者を求めているのではないでしょうか。(それでうまく行くかは別問題です)

  • 不支持の意味で白票を入れるなんて人もいますが、白紙の委任だなんて愚策ですよね。

  • 選挙区だけでなく、比例ゾンビ(惜敗率)もかなりの僅差で決まる。どうしても落としたい候補は、比例ゾンビできない程度に負けさせる必要がある。

  • 選挙に行く人が、普段選挙に行かない人に声を掛けて一緒に行けば、単純計算で投票率は倍になります。たくさんの人が誘い合わせて選挙に行けばいいなと思います。

    おじいちゃんおばあちゃんは子や孫と、会社員は同僚に声掛け、大学生は友達とお祭り気分でもいいと思います。そして選挙特番で答え合わせをみんなでやれば盛り上がるんじゃないかと。

    本当に選挙に行って欲しいなと思います。

  • 【“第3波”強烈寒波と雪の予想】関東・東海・近畿・四国・九州にも雪雲? 次は6日(金)~週末7日(土)、8日(日)に強烈寒波襲来か 北日本で大荒れの恐れ
    https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2440719

    投票日は「強烈寒波」のただ中で、寒さと雪が厳しいようです。期日前投票の投票率も前回より2ポイントほど低いそうです。選挙期間が短いですし、最終投票率は低めかもですね。

    話題の朝日の情勢調査ではトップ2党の議席差ほどには票差は開いておらず、選挙区は接戦区が多いようです。正確だと言われる朝日調査も他社に比べればマシ程度であって、21年総選挙では大外れ、直近の参院選も終盤で外してました。
    選挙結果がオセロのようにひっくり返る可能性も十分あると思います。

    まあ結果はどうあれ、選挙には多くの人に足を運んでいただきたいですね。

    • 最近チラホラと「チョットの得票差でも全体の議席数は大きく差がつく」的な衆院選の仕組みに今更な解説を打つオールディ地上波をチラ見横聞きする気がしまする
      朝日の序盤人気投票結果にイモ引いて選挙後のネガキャン仕込んでンのかしら?的“受け止め”をシチマウ程度には“角度の付いた”現時点未投票有権者でアリマス
      まー結果は終わるまでワカランと云ふに、狂躁状態かにもウカガエル“反高市”勢の踊りっぷりには要留意かもしれませな、知らんけど

      • >衆院選の仕組みに今更な解説を打つ

        自分で書いててそう思いました。当たり前やんと。楽観的なコメントを書く意味はないと思いつつ。
        とはいえ、投票先未定が2割強。与党多数を望むが4割、野党多数が2割、伯仲が3割。票差が埋まるかと言えば。
        文春の豆鉄砲にすがりつく左巻きの悲鳴に哀れみすら覚えてしまう今日この頃。

  • 日本の有権者でも日本のことを大事に思わない層が一定割合いる。
    選挙に行ってその影響を薄めることが大事。
    投票する(選択する)過程で考えたことも役に立つかもしれない。

    今回の選挙は、組織票を集めようとしてる最大勢力が中改連で、それを悪しざまに言うつもりはないが、やはり組織に縛られず個々に考えて投じられた票の方が圧倒的な影響力がある方がいい。

  • >選挙とは、いわば池の水を入替えるような手続

    政治家は選挙毎の入れ替えが可能ですが、反社会的勢力に堕ちてしまった観があるNHKや日経などのマスコミは、池の水のように入れ替えができません。
    また、マスコミ業界の将来性も総じて業績不振ですので、今後有能な人材の流入も期待薄といったところです。
    今後まともな業界に戻るとも思えませんので、今回の選挙で高市政権に大勝してもらって、日本破壊工作を無力化しなければならないと本気で思っています。
    1滴の水が集まって大河になることを期待しています。

  • 公文書の透明化と完全義務化をやるといいと思います。
    記者クラブメディアの隠蔽もやりにくくなりますので。