総選挙が近いとみられるなかで、立憲民主党と公明党が新党結成を視野に入れて協力を模索しているとする話題が出て来ました。短期的に見れば、選挙協力の数合わせとしてはたしかに有意義です。各選挙区で2万票前後の公明票が立憲民主党に向かえば、選挙では有利だからです。ただ、片や2009年から12年までの3年3ヵ月間政権を担った民主党の流れを汲む政党、片やつい最近まで自民党と連立を組んでいた政党。政治的立場が相容れるものなのかは疑問です。
目次
来週解散、来月13日投開票か
先日の『総選挙で自民圧勝し高市総理はフリーハンドを得るのか』では、高市早苗総理大臣が衆院の解散を検討しているとする話題を取り上げたのですが、その後の続報、あるいは与野党関係者のXポストなどを見ていると、おそらく解散総選挙はほぼ確定的と考えて良いでしょう。
野党・国民民主党の玉木雄一郎代表は「1月23日解散、27日公示、2月8日投開票の見込み」としたうえで、さっそくに「候補を100人擁立し、51人当選を目指す」とする目標をXに投稿しています。
高市総理の狙いはおそらく安定した円滑な政権運営
23日ということは、来週金曜日に召集される通常国会の冒頭で解散される、ということでしょう。
また、解散から投票期日までの期間は16日で、これは石破茂・前首相の2024年10月9日解散・10月27日投開票(18日間)、岸田文雄・元首相の2021年10月14日解散・10月31日投開票(17日)などを抜いて戦後最短です。
これはあくまでも想像ですが、おそらく高市総理の心中には、「内閣支持率が高いうちに解散総選挙をやっておき、少なくとも衆院側では安定して政権運営を円滑に進められる程度には与党の議席を回復しておきたい」、といった狙いがあるのでしょう。
著者などは少なくとも国会で与党の足を引っ張るだけの政党が一掃されることは望ましいと考えている反面、自民党が大躍進してしまうと再び増税路線を歩むのではないかという警戒心もあったりもするのですが、これは著者の勝手な考えに過ぎません。
あくまでも当ウェブサイト側では、法令が許す範囲で、選挙情勢についてはできるだけ客観的なデータで追いかけていくつもりです(※もっとも、公選法の制限を意識して、公示日以降はあまり積極的に選挙の話題を取り上げることはないかもしれませんが)。
支持層が偏る立憲民主・公明・共産
ただ、そうなると、真っ先に思い当たるのが、「いま選挙されてしまうと困ったことになる政党」です。具体的には、立憲民主党、公明党、日本共産党など―――は、ホンネベースでは、いますぐに選挙されるのは嬉しくないのではないでしょうか。
とりわけ立憲民主党は前回(2024年)衆院選で公示前勢力を50議席積み増して勝利したのですが、これは自民党が「石破ショック」で自爆したからだ、という点を忘れてはなりません。小選挙区で自民党から票が逃げたため、立憲民主党が「漁夫の利」を得たに過ぎないのです。
今回は高市総理が自民党の総裁として「選挙の顔」を務めるため、立憲民主党にとっては少なくとも2024年に「自民党の自爆」で獲得した50議席前後については喪失するという可能性もあり、そうなると獲得議席が再び100議席を割り込む、といった展開だって見ておく必要がありそうです。
さらに気になるのは、支持層の高齢化です。
メディアの世論調査などから判断して、支持層がとりわけ高齢者(≒テレビ層)に偏っていると考えられるうえに、これまでの選挙結果などから判断するに、これらの政党は得票数が減るという傾向から脱却できていないのです。
その典型例が公明党と日本共産党で、両党は過去に多少の変動はあれ、比例代表での得票数が減り続けている傾向にあります(図表1)。
図表1 衆参両院選における比例・得票
また、たとえば立憲民主党に関していえば、選挙により多少の変動はありますが、それでも2009年8月の衆院選における2984万票を最後に得票は減り続け、参院選だと1000万票を割り込むことが常態化しているようです(図表2)。
図表2 衆参両院選における比例・得票(民主党・民進党・立憲民主党)
つまり、もともと支持層が高齢層に偏っているがために、これらの政党は選挙を経るたびに得票が減っていくという可能性が高い、ということです。
立民と公明が新党結成視野に選挙協力か
こうしたなかで、さすがにこれは衝撃的と言わざるを得ない話題が出て来たようです。
立憲民主党と公明党、衆議院選挙比例の統一名簿協議 解散みすえ「新党」構想
―――2026年1月14日 22:20付 日本経済新聞電子版より
立憲と公明が新党結成へ、15日に党首会談 公明は小選挙区撤退方針
―――2026年1月14日 20時58分(2026年1月15日 0時29分更新)付 朝日新聞デジタル日本語版より
立民と公明が「新党」視野、15日にも党首会談…政権批判票の受け皿狙い野田氏提案・参院は両党を残す方向
―――2026/01/14 23:50付 読売新聞オンラインより
立民と公明、新党結成視野に調整 斉藤代表ら小選挙区撤退の方向、15日にも党内手続き
―――2026/01/14 21:29付 産経ニュースより
日経、読売、朝日、産経などの主要紙は14日夜、いっせいに、立憲民主党と公明党が選挙協力を協議している、などと報じたのです。
報道する内容やトーンには若干の温度差もあり、たとえば日経の記事では「統一名簿」や「共通公約の策定」、読売の記事では「衆院側では新党結成、参院側では両党を残す方向」などとしているなど、情報は若干錯綜しているようです。
ただ、少なくとも複数の主要紙がいっせいにこれを報じたということは、両党内で新党結成も視野に入れて選挙協力を検討していることはほぼ間違いないと考えて良いでしょう。
数合わせとしてはそれなりに有意義だが…
ただ、これもなんだかよくわかりません。
片や公明党といえば、つい最近、昨年10月まで自民党と連立を組んでいた政党であり、片や立憲民主党といえば、2009年から12年までの3年3ヵ月間政権を担った民主党の流れを汲んでおり、公明党とは政治的立場が相容れるものなのか、疑問だからです。
しかも、立憲民主党の野田佳彦代表は報道や自身のXなどを通じて、同党が「中道」だ、などとしきりに主張するのですが、日本共産党と選挙協力阻止てみたりするような政党が「中道」だと言われても、おそらく多くの国民からは納得され辛いのではないでしょうか?
この点、あくまでも技術的な「選挙戦略」という観点からいえば、数合わせとしてはそれなりに有意義な戦略といえるかもしれません。
図表1で見たとおり、公明党は(かつてと比較して減ったとはいえ)依然として2025年7月の参院選では全国比例で521万票を獲得しており、これを衆院の289選挙区に単純に案分すれば、1選挙区当たり約1.8万票を持っている、ということです。
これだけだと衆院で議席を獲得するのは少し難しいですが(平均すると当選するためには10万票前後が必要です)、しかし、立憲民主党が各地で自民党候補者と競り合っているという状況を踏まえると、話は違ってきます。
前回選挙で自民党候補に入った2万の公明票が今回は立憲民主党に向かう可能性があると考えると、前回と比べ、最大で4万票は変わって来るからです。
ただし、これはあくまでも「数字の上の議論」であり、現実の有権者の行動がこの通りの「足し算」になるという保証はありません。このように考えていくと、今回の衆院選は票読みがなかなか難しくなりそうです。
もっとも、やはり長い目で見ていくならば、「政策をないがしろにした数合わせ」を賢明なる日本国民が是認するとも思えません。
もし本当に立憲民主党と公明党が統一名簿・統一政策を掲げるなら、また、両党の合同が単なる数合わせを目的としたものではないと訴えるのであれば、それがちゃんとした実態・中身を伴ったものである、ということを国民にどこまで訴えられるかが大きなカギとなることは間違いないといえるでしょう。
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1 2 3 4 次へ »本当に素晴らしく優秀ですわ立憲民主党!
コント集団としては。
もー“看板掛け替え”やら“メニュー書き直し”ではどんならんコトを自覚しとんやろナ、立民の一部は
背乗り出来そうな獲物を寄せたい、ンでフェイスハガーのごとく飛び付く算段がいね、知らんけど
???「いや ヘタすっと今より弱くなるんじゃねえか…!?」
新党得票数 ⇒ 両党基礎票-(【国交業界票】+消極的支持層+他宗教団体票?+【自然減!】)
*少なくとも、国交業界票は戻ってこないですよね。
立憲民主党と公明党は一般的な(特に現役世代からの)期待感は底辺に近く、それは当然選挙対策を色々考えざるを得ないだろう。しかし、方向性は政策で評価されることじゃなく組織票の強化なのは共産党との選挙協力と同じ。いわゆる一般的な期待感とは真逆方向で、それで選挙で多少票を上乗せできたとしても先行きどうなのと思う。
しかし中道ねぇ。以前から左派ほど中道を主張する気がして仕方ない。左派政党以外は中道と言わない方が誤解を避けられるとまで思う。
まとまるのは衆議院だけで参議院では両方の政党が継続するようです。選挙で大敗したらあっさり解消されるかもなあ。
昔、ゲームで色々合体させてたことを思い出しました。多分スライムが召喚されると思います。
ネットは左巻き界隈はギャアギャアと怨嗟の声で溢れてますが、高市氏の狙いが合っていたと言うことなんでしょう。
「麻生氏激怒」「鈴木幹事長激怒」とか、誰から聞いたんだ?と問い詰めたくなるようなことを左巻きのインフルエンサーが言ってたり。「麻生氏はキングメーカーの老害」とかディスってたくせに。(笑)
立憲と公明は・・・新党結成?
公明の支持者って政策や思想は置いといてマジメに考えてる人が多い印象なんですよね。それに対して立憲主流派は機会主義者の集合体なんで、肌が合わないんじゃないかと思うんですが。
立憲を離脱したくても大義がなくて動けなかった議員なんかにとっては、今回は飛び出すいい機会じゃないでしょうかね。
それにしても公明票の行方は自民党にとっては決して楽観できないと思いますんで、高市氏も楽勝ではなく、結構な覚悟を持って賭けに出たのだと思います。
ウチの選挙区は石破内閣の閣僚で政策主張もほぼゼロの日和見議員ですが・・・どうしたもんか。対立候補との比較で考えます。
某党執行部「ヤバいな選挙互助会機能瀕死や!」
「せや!組織票鉄板ントコいまアブレとる!!」
「解散総選挙自体にネガキャンフルにカマしたら選挙民飽いて投票率下がるかしれん! 組織票でワンチャンあンで!!!」
…やったりして
知らんけど
何もせずにはおれず、何かしなければならないくらいに尻に火は付いているものの、実際彼らの選択肢なんてほとんどないですしね。無い無い尽くし。
少しでも政策の勉強してれば、政局数合わせ以外の選択肢もあったんでしょうが。
ホントの中道政党になるとか。
立憲と公明の新党設立って、溺れている人が、やっぱり溺れている人にしがみついてるようにしか見えん。余計に沈んでいく事になりそうだが、はてさて????
選挙関連のマスコミ担当者ほど、「小選挙区の1~2万の票が自民から立憲に移動すると、、、、」なんて言ってるけど学会員がそう右から左に動くかね?
自分の投票はともかく、選挙活動は低調になるんじゃないかな。
それに創価票が上積みされても逃げていく票がプラマイでどうなるかって話。
中道改革だってさw
"中道"とか"改革"が受けると思う感覚が昭和だね。
「中国への道?」とか「中革派?」とか大喜利のお題としか思えない。