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「自民党ダイレクト」本格始動で腐敗利権崩壊が加速へ

官僚機構、マスコミ、特定議員という「腐敗トライアングル」構想は、まずはマスコミから崩壊が始まります。その崩壊を加速させるような手段が出現しました。これを当ウェブサイトでは「自民党ダイレクト」とでも名付けます。短期的に高市早苗政権が発足するかどうかは見通せない状況です。しかし、中・長期的に見て、「腐敗利権」の崩壊が始まった日本の先行きは明るく、そして「自民党ダイレクト」が腐敗利権の崩壊を加速させることは間違いないといえるでしょう。

腐敗トライアングルに関する過去記事

財務官僚などの「官僚機構」と新聞・テレビなどの「マスメディア」、そして特定野党議員(あるいは自民党の一部議員)には、基本的には「国民の総意で選ばれた人たちではないのに、やたらと大きな権力を握ってしまっている」という共通点があります。

これが、当ウェブサイトの用語でいうところの「腐敗トライアングル」であり、当ウェブサイトではずいぶんと以前からしばしば言及してきた概念です(たとえば次のような記事などもご参照ください)。

【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる

絶対的な権力は絶対に腐敗するといわれます。「官僚-メディア-特定野党」という「腐敗トライアングル」もまたその例外ではありません。こうしたなかで、改めて思い出しておきたいのが、利権の3大法則です。利権は得てして強欲ないし怠惰で崩壊するとする歴史の鉄則ですが、「腐敗トライアングル」については、このうちの「メディア利権」が崩壊の過程に入ったことは間違いありません。<<…続きを読む>>
―――2024/05/10 12:00付 新宿会計士の政治経済評論より

【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」

社会のネット化が進展して、一番困る人たちは新聞・テレビを中心とするオールドメディア産業関係者であることは間違いありませんが、それだけではありません。官僚・役人や野党議員なども、かなりの割を食うことが予想されます。いったいどういうロジックでしょうか。ここで考えておきたいのが「腐敗トライアングル」という重要な論点です。<<…続きを読む>>
―――2024/05/10 12:00付 新宿会計士の政治経済評論より

腐敗トライアングルとは?

腐敗トライアングルの権力構造については、大雑把に説明すると、こんな具合です。

官僚機構

国民から選挙で選ばれていない。しかし、政府提出法案を起草したり、政省令を起草したりすることを通じて法令解釈権を握っているほか、財務省を筆頭に、何らかの強大な利権をしっかりと握り、下手な国会議員すら凌ぐ実質的権力を持っていることもある

マスコミ

国民から選挙金で選ばれていない。しかし、少数の企業で記者クラブなどを通じて情報流通を独占し、「報道の自由」または「報道しない自由」を悪用することで、自分たちにとって意にそわない政治家を落選させようとしたり、自分たちにとって好都合な政治家を当選させようとしたりする

特定議員

官僚、マスコミの両者にとって都合が良い議員。たいていの場合は特定野党の議員だが、まれに自民党非主流派議員のこともある。国民の意思で選ばれた与党などの足を引っ張ることが多い

すなわち、官僚、マスコミ、特定議員の3点セットが、この国の世論を捏造し、国民の意見でも何でもない者をあたかも国民の意見であるかのごとく喧伝してきたのです。「国の借金」論は、その典型例でしょう。

官僚は記者クラブでメディアを支配し、メディアは官僚の意向に沿った報道を行い、特定野党議員らは与党、閣僚らの行動を妨害する―――などのかたちで、この国を強化するはずの法制を骨抜きにするなどしてきたのです。

自民党ダイレクトが本格的に始動した!

ちなみに官僚とメディアが自民党の(とくに保守派の)議員を嫌うのは、官僚の場合は「強すぎる与党」が邪魔だからであり、メディアの場合は単純に思想的に嫌いだからなのではないかと推察されます。

ただ、この腐敗トライアングル(官僚、メディア、特定議員)の長年の権力構造が制度疲労を起こし、一角がいま崩れようとしていることは間違いありません。

そして、一角が崩れたら残り2つも自動的に、早ければ数年で崩れ去ります。

どうしてこんなことを強調するのかといえば、ついに「自民党ダイレクト」が本格的に始動し始めたからです。

自民党広報の公式Xアカウントが最近、高市早苗総裁や鈴木俊一幹事長ら自民党幹部のぶら下がり会見などの模様を文字起こしし、動画とともに配信し始めたのです。

「支持率下げてやる」の手法が封殺される

これは、記者クラブ利権の崩壊です。

Xを眺めていればわかりますが、どこの社がどんな質問をしたのか、これに対し自民党幹部(今回の事例だと高市氏)がどう答えたのかが、すべて詳細に掲載されているからです。

これにより、メディアとしては「支持率下げてやる」(『「支持率下げてやる」発言に見る「終わっている業界」』等参照)式の従来の手法が封じられることになります。高市総裁ら自民党幹部が、いつ、どう発言したかがすべて記者クラブ抜きに公開されてしまうからです。

昨日の『メディアの「要約」は正しいのか』でも指摘しましたが、そもそもメディアの目を通すことで、客観的事実が歪んで伝わってしまうことが、今日のメディアがもたらす極めて大きな問題点でもあります。記事タイトルひとつで印象がガラッと変わってしまうからです。

しかし、この「自民党ダイレクト」(※著者自身が勝手に命名したものです)が本格始動したことで、メディアによる切り抜きを許さなくなりましたし、最も正確かつ詳細に伝えるという意味では、もしかしたらメディア自体が不要になってしまうのかもしれません。

メディアは「情報の中間流通業者」のようなものですが、考えてみれば、日本のメディアはこの「中間流通」の機能が極端に弱く、事実をありのままに伝えるのではなく、あたかも「糸電話の糸が勝手に喋る」かのように、余計な情報を付加することが多いです。

それが、「自民党ダイレクト」はこうした「中間流通業者」を完全にすっ飛ばし、自民党が直接、国民・有権者に語り掛けるわけですから、新聞記事・報道番組などで知るよりも遥かにわかりやすいといえます。

マスコミ崩れたら官僚利権も崩れる

ただ、こうした変化は、マスコミだけに留まりません。

もしもマスコミの崩壊が加速すれば、マスコミを通じて政治家をも上回る権力を得てきた官僚機構にも、その影響力が間違いなく及びます。民意は法律に勝るからです。

国会議員の本職は民意を受けて法律を改正することにあり、法律が改正されたら官僚には抵抗のしようがありません。

たとえば、政治経済ウォッチャー界隈ではわりと有名な話ですが、財務省設置法に設けられた「財務省の使命」に関する条文には、「GDPの最大化」が含まれていません。

財務省設置法第3条第1項

財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。

財務省が日本経済の成長を止めてでも増税に邁進してきたのも、おそらくはこの財務省設置法自体に大きな欠陥があったからだと考えられますが、応急措置的に、この第3条第1項にある「健全な財政の確保」を削除し、「国民経済の最大化」とでも入れておけば、財務省の動きを当面封じることができるかもしれません。

(※もちろん、中期的には同法改正では足りず、財務省の機能を分解し、税収は財務省から分離して歳入庁へ、予算も財務省から分離して内閣へ、外為特会も分離して日銀へ、財投特会も規模を縮小し民営化、といった措置が必要だとは考えていますが…。)

こうした法改正を実現するのも、結局はマスコミの影響力を排除し、SNSで展開されるインフルエンサーらの自由闊達な言論が土台となる時代が、おそらく早ければ数年で実現します。官僚はあくまでも公僕であり、官僚が国民世論に勝てるわけがないのですし、また、勝ってはならないのです。

同じ文脈で、与党の妨害ばかりするような人たちが最大野党であるという状況も、早ければ10年以内に是正されるでしょうし、政権担当力のある野党が育つとともに、時代にそぐわない憲法を改めようとする機運も自然に高まって来るでしょう。

要するに、憲法改正を妨害していたマスコミや特定野党の影響力が排除されるからです。

日本の未来は明るい!

いずれにせよ、高市早苗氏が本当に日本の総理に就任するのかどうかは、現時点では読めません。野党統一候補が首相になってしまう可能性も排除できないからです。

しかし、『自公連立崩壊でもいずれ高市政権が発足する可能性高い』でも指摘したとおり、遅くとも3年以内には衆院総選挙が行われますし、政策なき野党連合政権はかなり早いタイミングで崩壊せざるを得ません。ネット世論からの批判にも耐えられないからです。

このように考えていくと、中・長期的に見て、「腐敗利権」の崩壊が始まった日本の先行きは明るく、そして「自民党ダイレクト」が腐敗利権の崩壊を加速させることは間違いないといえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (33)

  • 密室の記者クラブについては 長年指摘されてきていたが これを維持してきたのは マスコミだけでなく そのほうが都合が良いと思ってきた 政権側の思惑もあったのかもしれません。
    今回の「自民ダイレクト」によって もう後戻りは許されません。 思ったより早く利権トライアングルは変化するものと思います。もちろんしぶとい抵抗はあるでしょうが。

    • ガラスの天井 ガラスの壁 マスゴミや既得権益者はヴェールを使いたいんでしょうけど
      現総裁は大掃除を始めました 

      まともな国民は一緒に大掃除を手伝うか支持しなきゃダメでしょうな

  • クリステンセンの理論で、ある産業のサプライチェーンの儲かる場所がシフトするというのがあります。今回の自民党ダイレクトは、まさにメディアのサプライチェーンで儲かる場所がシフトするということですね。これまでメディアの収益源は、情報を独占して、その情報を要約して流したり、切り抜きしたり、「支持率下げてやる」の加工をしたり。この工程が自民党ダイレクトで破壊され、メディアの儲かる場所がシフトしてしまいました。メディアの次の儲かる場所?は、自民党ダイレクトで開示された情報の解説とか、背景の洞察とか、今後の展開とか。メディアも頭を鍛えないと商売にならなくなるということですね。メディアの仕事がこれまでどんなに楽だったのか。今後は、エリート記者さんたちの腕の見せどころということですね。

  • 総裁リコール引きずりおろし、新総裁選出、そして新首相決定まで長い時間を費やしていることを、当方は嘆かわしいとは考えていません。炙り出し効果があるからです。
    かつて自民党は「政治空白を回避するため」、海外メディア記事をして「回転木馬が回ったかの如く」新総裁を決めたものでした。海外報道は、日本流政治の実態に呆れていたのです。
    今回にあっては、過程はすべて可視化され記録され再生検証可能になって事態がじわーっと進行している。密室談義で、かつてそうだったように、日本の未来が決定されたりは(たぶん)していない。どうもなんだか、誰かが大シナリオを書いて、大立ち回りを演じているのではないか(黙っている人がいちばん怪しい)という疑念が拭えませんが、そうであってもそうでなくても、結構当方は今の状況を面白がっています。年内にもぶっ潰れてしまう組織・体制・企業が出て来そうなくらいにエンタメ℃が高い。自民党ダイレクト、大歓迎です。

    • 参院選後のグダグダも、すんなり総理辞任・国会議員のみによる総裁選によりあの方が現在首相になっていたかもと考えると、結果オーライかな?

  • 一番心配なのは、高市総裁が安倍元総理のように暗殺されたりしないかどうかです。自分の印象ですが、総裁の後継はまだ育っていないと思っています。この状況下で総裁の身に危険が及ぶことのないように、警備担当者には頑張っていただきたい。

  • 維新も藤田くん一任はヤバイと思ったか吉村くん出張って来たし、岸波閥(特に日本維新を敵にまわした木原氏)がチャチャらンかぎり首班指名は高市さん優勢気味になってキマシタかネ?
    公明代表が地上波出まくって「政治とカネ」アピに忙しそうですが公明の“不記載事案”についてメディア側が掘り返しはおろか触れるも見聞きせん(あーそもそもあんま視てないか)のは「消せば増える」の傍流でかアチコチで掘り返されとるげにあるを眺むるに“反作用”のが伸して来つつあンちゃん?? 知らんけど
    まーフタ開けるまで予断は許さんやろからシバシ刮目かしらん
    知らんけど

  • 毎度、ばかばかしいお話を。
    オールドメディア:「中長期的にみれば、マスゴミの腐敗利権は崩れるかもしれないが、俺が現役中が大丈夫だろう。苦労するのは、今の若手だけだ」
    その中長期が、年月にしたら、どの程度になるのでしょうか。

    • 毎度、ばかばかしいお話を。
      石破総理:「次期総理が決まらずに、揉めるのなら、俺が総理を続けるのが一番だ」
      これって、笑い話ですよね。

    • >https://www.jiji.com/jc/article?k=2025101401041&g=int
      中国が、韓国に造船業での対米協力を理由に圧力をかけていますが、韓国は米中でまた裂き状態になるのでしょうか。(韓国で行われるAPECで、踏み絵を踏まされるかも)

  • 好ましいと感じる情報しか見ようとしない人が多いだろうことから、恒久的ではないにせよ「自民党ダイレクト」に目を通す人とオールドメディアフィルタを通した情報にしか触れない人の間に大きな現実認識のギャップが生じる恐れがある。
    高市氏が嫌いな人は理屈はどうあれ「自民党ダイレクト」を認めようとしないだろうし、そもそもエビデンス欠如症に掛かっているとそれを一次情報として引用してもワゴンセールのどうでもいい情報の一つのように扱うだろう。つまり元から敵対視している人たちの心に響くことはない。
    オールドメディアに現実を見ろと言っても今更の事であり、情報の透明性が大好きな人たちと分かり合うことは難しく、このギャップはしばらく放置されるだろう。世代間ギャップがこれ以上広がるのもよろしくないのだが。

    • 「人は、見たいものしか見ることができず、聞きたいことしか聞くことが出来ず、信じたいものしか信じることが出来ない。自分のお気持ちに合わない事実には怒り出す」ということでしょうか。

    • 私も人のことは言えず、石破総理の発言はずっとスルーでした。もし聞く価値のある発言をしていたとしたら申し訳ないと思います。

  • 貼っときます。

    広報本部長に就任して1週間。怒涛のような毎日でした。おかげさまで、投稿がXのトレンド入り、Yahoo!トピックスにランキング入り、各種メディアが連日【自民党公式アカウント】発信を取り上げてくれています。…— 衆議院議員 鈴木貴子/SUZUKI Takako (@_SuzukiTakako_) October 15, 2025

    >それにしても、、、、、
    >。⋆* 自民党広報がこんなに
    >取り上げられる日がくるなんて*⋆。
    >#この投稿いいねと君が言ったから10月15日は自民党広報記念日

    これまでもSNS発信強化を図ってきた(はずの)岸破執行部では緩い話題を扱う「ゆる自民党」なんて公式のセカンドアカウントを作ってましたが、大して盛り上がりませんでした。(知らないでしょ?)
    「全文書き起こし」なんてお堅いコンテンツで大盛り上がり。結局ニーズを掴めてないってことに尽きたのだと思います。「ゆる自民党」も物事に真摯に取り組む姿があってはじめて引き立つのだと思います。
    以前は電通丸投げなんて話も聞きましたが、鈴木氏みたいに自らSNSを使いこなしている人が携わるのが効果的なんだろうなと思いました。
    前広報本部長は何やってたの?

    • >前広報本部長は何やってたの?
      総裁が情弱かそうでないかは大きいと思いますが。

    • 石破さんとおなじ、おもちゃに表面的な話には詳しいが、その意味するところ、それがもたらす未来の可能性とリスクには無頓着の人です。
      なので、身内で遊んでいただけかと。

    • いわゆる「目的と手段が入れ替わっている」ものはうまくいかないの典型でしょうかね。
      従来は「他がやっているから我々もSNSを」であり、今回は「自分たちの意見を間違いなく伝えたい。そのためにSNSを使たっらどうか」ですから。
      それにしても鈴木氏はいい仕事をする。裏はあるのかもしれないが、それも含めて頭のいい人なんだろうな。
      P.S. 高市さんの表情が明るくなってきたように思うのは私だけ?

  • 晴川雨読氏が自民党広報の書き起こしと新聞各社の報道の比較をしています。参考までに。
    どれくらい毒が混ぜられているかわかります。

    自民党鈴木俊一幹事長のぶら下がり会見の全文を自民党広報が公開している。その内容と新聞の報道が一致するか軽く調べてみた。朝日新聞、北海道新聞:ニュアンスが少し変わっている東京新聞:主語が変わっている詳細をスレッドにぶら下げます。1/ https://t.co/ilx82luzpQ— 晴川雨読 (@Seisenudoku) October 15, 2025

    返信欄の連続ツイートに続きます。

  • 「あまり詮索はするな 消されるゾ」
    という画像が、ついうっかりブラウザに表示になっていしました。消込み大将活躍中、なのか

    笑い話で済まないのが「很中國」
    中国堪能な知人女性が上海滞在時代に現地で聞かされたホラーとは、携帯電話会話が盗聴されており、やばいことを話していると突如おばはん声が通話に割り込んで来て、そんなことを話してはいけないよー、と(やんわり)指導するのだそうです。当人がそんな目に遭ったわけでなく、都市伝説と見分けがつきませんが、時期は上海万博のころで。今となってはチャットが実時間監視されているのは、秘密でも何でもありません。追われる危険を察知したら、スマホをトラックの荷台に投げ込んで、人目につかない移動方法でなるたけ遠くを目指して逃亡するのだ、とも現地人から護身術として指南されていたそうです。

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