自民党の高市早苗総裁が総裁選直後、自民党員に「馬車馬のように働け」と発破をかけたうえで、自身も「ワークライフバランス(WLB)という言葉を捨てる」と宣言しました。現在の日本がさまざまな課題で溢れているなか、力強い言葉です。ただ、この「馬車馬」「WLB」発言に対し、少なくないオールドメディアが「国民に馬車馬のごとく働けというのか」などと曲解し、噛みついているようなのです。なるほど、オールドメディアが衰退するのも当然です。
高市氏勝利はオールドメディアの敗北
オールドメディア時代の衰退は、もう避けられない―――。
『総裁選「代理戦争」でオールドメディアに勝ったSNS』でも取り上げましたが、週末の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利を収めたのは、いわばSNSの勝利であるとともにオールドメディアの敗北である、という側面があると考えています。
くどいようですが、著者自身は高市早苗氏が自民党総裁に就任したこと(そしておそらく今月中には総理に就任すること)については基本的に歓迎しているものの、それで現在の日本が抱えている問題がすべて解決するとはまったく考えていません。
とくに厚生年金や後期高齢者医療制度といった矛盾を抱えた制度が社会の癌細胞のように膨らみ、社保が事実上の「老人福祉税」と化し、現役層に耐えられないほど大きな負担を強いている状況を、そのまま放置することは、おそらく許されない話です。
そして、今は「ご祝儀相場」のように、金融市場は株高などで反応しているフシがありますが、高市氏だって党内基盤は盤石ではありませんし、これに加えて自民党は公明党と合わせても衆参両院で過半数を制しているわけではありません。
いちおう、現時点の観測としては、高市「総理」が誕生する可能性が最も高いと考えられますが、その一方でまかり間違って立憲民主党の野田佳彦代表が次の首相に選ばれてしまうという可能性は(非常に低いにせよ)決してゼロとはいえないのです。
しかし、それでも一般党員の4割を超える支持を得て高市氏が総裁に選ばれたということは、やはりSNS時代の到来を実感させるものです。
高市氏は忙しくなる!
いずれにせよ、著者自身としては、高市氏には、まずは石破茂・現首相がもたらしたさまざまな混乱を収束させる作業が求められると考えています。
とくに、自民党が公明党、国民民主党の2党と昨年12月に取り交わした幹事長合意―――所得税と住民税の基礎控除を75万円ずつ引き上げることと、ガソリン暫定税率を廃止すること―――については、この12月末の年末調整に間に合うように実現していただきたいところです。
また、安倍総理が「空飛ぶ宰相」などといわれていたように、高市「総理」にも、まずは自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の枠組み、日米豪印4ヵ国連携、あるいは日・EU連携、日英連携などの外交窓口を強化していくべきでしょう。
そうなると、高市氏は総理に就任した直後から、まさに馬車馬のごとく働いていただく必要があります。
これについて、高市氏は本当にそこまで働けるのでしょうか。
そのヒントが、こんな発言かもしれません。
高市氏はどう発言したか
動画の2:15あたりからに注目すると、高市氏は、こんな趣旨のことを述べています。
いま、(自民党議員は)人数少ないですし、もう全員に働いていただきます
馬車馬のように働いていただきます
私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます
働いて働いて働いて働いて、働いてまいります
皆さまにも是非とも、日本のために、また、自民党を立て直すために、
たくさん、たくさん、皆さんの専門分野でそれぞれのお仕事をしていただけますよう
…。
力強い言葉です。
すべての自民党議員が信頼に値するわけではないにせよ(特に変な議員がいることも判明しています)、それでも高市総裁のこの発言自体は、現在の自民党が崖っぷちにあり、国民からの信頼を失いかけている中で、全力を尽くして働けと自民党議員に発破をかけたものだと考えて良いでしょう。
なお、この高市氏の発言に対し、石破茂首相(前総裁)は、次のように苦言を呈しています(動画の6:29~)。
「あそこまではっきりワークライフバランス辞めたって言われると、大丈夫か、という気がせんでもない」
自民党議員にワークライフバランス(WLB)を喪失させる原因を作った張本人にそんなことを言われても困ります(笑)
ただ、こうした「茶化し」は、放っておけば良いでしょう。働いて、働いて、働いて、働いて、馬車馬のように働くという気がない人は、高市総裁のもとを去れば良いだけの話ですし、逆に現在の自民党はそこまでやらなければもう後がないのです。
高市総裁が総理に就任してから12月末まで、とりあえず、実質的にあと2ヵ月しかないことを強く意識して頂きたいところです。
複数のオールドメディアが高市発言を批判
ところが、このWLBを捨てる発言を巡って、いくつかのメディアが批判的に報じているようです。
某大手新聞が過労死した遺族の苦言を伝えたほか、今朝の某新聞のコラム記事も「みんなが高市さんほど強いわけではない」、「リーダーなら自分は平気で済ませないでほしい」など、非常にピント外れな批判をしているのです。
酷いものになると、おこの高市発言を巡り、SNSなどではWLBを捨てるとする点について、「国民には強いないでほしい」などの「戸惑いの声が上がっている」、といった報道もあります。
はて?
著者自身もSNSをずいぶんと注目している人間のひとりですが、そのような戸惑いの声、大々的に上がっているのを見た記憶がありません。
当たり前の話ですが、「WLBを捨てる」の主語は、「国民が」、ではありません。平均的な国語力があれば、その主語は「高市早苗本人が」、であることは明らかでしょう。それなのに、まるで高市氏が国民に対し馬車馬のように働けと命じたかのように報じるのは、歪みが酷すぎます。
なるほど、オールドメディアが終焉を迎えるわけです。
じつは、一般の読者・視聴者がウンザリしているのは、こうしたオールドメディアの歪んだ報道姿勢ではないでしょうか?そして、オールドメディア各社がスクラムを組んで、この手の揚げ足取り的な報道を続けようとしているのはいかがなものでしょうか?
いずれにせよ、昨年の衆院選以降、潮目は明らかに変わりました。
オールドメディアが世論に対し影響を与えられなくなってきたのです。
そして、今回の「WLB馬車馬」騒動を見ていても、オールドメディアを通じてではなく、オールドメディアをすっ飛ばしてSNSなどを通じて直接国民に語り掛けることの重要性を、政治家の側も理解していかなければならないことは間違いないでしょう。
View Comments (36)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1 2 3 次へ »オールドメディアが好きな昭和の時代に、(うろ覚えで申し訳ないのですが)外部から来て倒産企業を立て直した社長が「社員は2倍働け。幹部は10倍働け。俺はもっと働く」と言ったそうです。ということは、オールドメディアは、この社長のことも批判するのでしょうか。
すみません。引きこもりが偉そうなことは言えませんね。
まートンチンカンな記事発しても縮板にしか残らんかった時代はとうに去ったつーコトがイマヲモッテマダ理解できとらんからこそ“オールドメディア”なんやろーナ
知らんけど
批判しないと宣言したからではないですが、働かないより数千倍マシなので御手並み拝見という感じです。
批判するなら、1日48時間働けくらい無茶振りしてからですね。
マスコミさん、まさか自身らで気付いていないとは思いたくないのですが、もうとっくにオオカミ少年状態なんですよ。安倍総理の頃はどれほど異常で無理がある屁理屈でも効果が出ていたので、もうやめられないのでしょうけど。もう「またオオカミ少年が何か言ってるよ」と受け取る人が増えすぎました。
でも、オオカミ少年は最後は本当に狼の警告をしたのです。そして損を被ったのは、少年を信じないという妥当な選択をした羊飼いの村人達と喰われた羊達。
これがマスコミ版では……
-マスコミ少年は嘘をつき続け、もはや誰も信じてくれなくなった後も嘘をやめられずに、いつのまにか消えてなくなってしまいました。狼はついに現れませんでした。-
オオカミ少年よりもだいぶ惨めですね。でも村人達(国民)は被害に遭わずに済むようになりそうです。
え、本当に狼が来たらどうするんだって?ネット(SNS)という警報装置が完備されているのでまぁ。問題点は多少ありますが、随分マシです。
馬車馬のように働きたい人の働く権利を制限しないで欲しいものです。(笑)
昨日の高市氏:
「ワークライフバランス大事に」 高市氏、記者団に語りかけ
https://news.yahoo.co.jp/articles/53e16e7d2bb7de517ac3333758c3c4d8a22b3aa0
待ち受ける記者団に「皆さんの方はワークライフバランスを大事にしてください」と語りかけた。「私は今、一生懸命働いていますが、日曜日ですよ」とも語った。
これでいいんだと思いますよ。本質的に問題でないことにはサラッと応じる程度で。
そんなくだらないことではもう世論は盛り上がりませんから。
岸田氏の頃からそうだったんですけどね。真に受けると力を与えることになります。
この程度の揚げ足取りをするってことはネタがないんだろうなぁ。
高齢者は「働く」ということに別にネガティブじゃないだろうし、現役層はオールドメディアの言うことに白ける。
オールドメディアの高齢社員が、若い社員に「俺たちが若い頃は、24時間、戦っていたものだ」と説教しているのでは、ないでしょうか。
牛若丸三郎太(歌)2番歌詞
「年収アップに希望を載せて カイロ ロンドン イスタンブール」
という奴ですね。今 Youtube で聴き直しました。
株価急上昇、過去の議員たちは、昨日の彼方へ ...
今回の総裁選の情報源の一つはANNが提供するノーカットインタネット配信でした。マイクやカメラは一等地にあるので聴きやすく見易い。
産経新聞の議員さん達が退場時の状況を取材するシーンとか、他にも色々鮮度の高い情報があった。多くの気づきを視聴者に与えたと思います。
余計な編集などの「付加価値」さえなければ、既存マスコミ・メディア陣も最高のアウトプットを提供できることを自ら証明していました。
付加価値という名の添加物ゼロ、それを可能にする「太い土管」。
逆説的に言えば、今までは「細い土管」しか無かった故に、取材過程や情報圧縮過程に「利権や腐敗」が取り込まれる余地があったという事でしょう。
これで判るのは「細い土管」に過ぎないTV波に依存する事を止めれば、既存マスコミメディア陣にも生き残る可能性があるということです。
そこに気づいた既存マスコミ・メディアからエコシステムを刷新し生き残ることができる未来を想像します。
X年後、昔はTVというのがあって、コメンテーターとか言う人が知ったかぶりして自説を唱えていたんだよ。みたいな。
>> 余計な編集などの「付加価値」さえなければ、既存マスコミ・メディア陣も最高のアウトプットを提供できることを自ら証明していました。
→他局(0テレ)は後になって余計なカットを行い、既存マスゴミ・メディアは最低のアウトプットで糊塗することを自ら証明してしまいましたね...
完全非文解者=意味・内容解らない
高市氏の勝利により自民党内の緊縮派は一時的にしても主導権を取れなくなっています。
問題は昨年の総選挙で与党過半数割れの後、石破政権が衆院予算委員会委員長をはじめ
重要ポストを立憲民主党に譲り渡しているため、国会審議において立憲民主党による
強硬な妨害が確実視されることです。
野田立憲民主と石破自民は双方が財務官僚の指導下にあったため、今までの国会審議は
なあなあで大過なく進行しましたが今後は妨害と遅延行為が激しくなるはずで、高市自民は
これを跳ね除けて進まなくてはなりません。
そういえば。
総裁選の最中。
小泉候補者はメシの最中に電話して「メシの時間も惜しんで仕事してます」アピールしてませんでしたっけ?
あれ? 何でマスコミ・メディアさん非難しなかったのですかぁ?
韓国政治家お得意のポーズですね
ひだり(軽い)の人特有のポーズなんでしょ