自民党総裁といえば現時点で内閣総理大臣に最も近い立場の人物であり、その総裁選に出馬している人物に対する批判は、それが犯罪予告などでない限り、ほぼ無制限に認められなければなりません。著者自身は(もちろん事実に基づいて)こうした批評をやめるつもりは一切ありません。さて、それはともかくとして、とある新聞記事に対し、少々文句を付けたいとも思います。
目次
自称会計士、Xで自民総裁選に言及
本稿は、ちょっとしたネタです。
X(旧ツイッター)では最近、なにやら山手線の駅名を関した怪しげな自称会計士が、自民党総裁選などに関連し、積極的に発言を繰り返しているようであり、とくに特定の候補に関しても意見を述べているようです。
総理大臣候補への批評は最大限認められるべきなのに…
これについてはいちおう申し上げておくと、言論の自由の範囲内に十分に収まっていると考えています。
だいいち、自公両党が衆参両院で過半数を割り込んでいるとはいえ、自民党総裁に選ばれた人物が現状、最も内閣総理大臣に近いわけですから、次の内閣総理大臣になる可能性がある人物については、その人格面や素行も含め、広範囲に批判する権利を私たち有権者は持っています。
もちろん、そもそも根拠なしに誹謗中傷もしているつもりはありませんが、もしそうだったとしても、これは私たちが暮らすこの自由・民主主義社会では、政治家に対する批評は(殺害予告などの違法行為を除けば)無条件に認められます。
内閣総理大臣になろうとする者に対する「名誉棄損」など、成立する余地はないのです。
それなのに、自民党がこんな方針を打ち出しています。
自民党広報公式アカウントが21日に発信した内容ですが、そのなかで、こんな趣旨の警告が掲載されているのです。
「自民党はSNS等における偽・誤情報の投稿や悪質な誹謗中傷を繰り返すアカウントに対しては、事実に基づき、必要に応じて開示請求といった法的措置を含む対応を適切に行ってまいります」。
これは、本当に驚き、呆れる対応です。
なぜオールドメディアではなくSNSなのか?
もちろん、事実に基づかずにSNSで政治家に対して誹謗中傷を行うアカウントは存在しますが(某まとめサイトなどがその典型例でしょう)、「事実に基づかずに誹謗中傷を行っているアカウント」に対しては、Xだと多くの場合、コミュニティノートがつくなどの自浄作用が働きます。
それに、事実に基づかずに誹謗中傷を繰り返しているという意味では、オールドメディア(とくに地上波の報道番組など)の方が遥かに酷いケースもありますが、なぜ自民党はオールドメディアに対し、損害賠償請求などをしないのでしょうか?
意味がわかりません。
いずれにせよ、山手線の駅名を関した自称会計士は、今後とも、権力者(あるいは権力を持つ可能性がある政治家や政党)に対し、当然事実に立脚して自由な批評活動を行っていくつもりですし、こうした脅しに屈するつもりは一切ありません。
もし法的措置を受けたら堂々と受けて立つつもりですし、著者自身が「絶対に首相にしてはならない」と考えるような政治家に対しても、その理由を付したうえで、批判を辞めるつもりはありません。私たち国民の生活に直結する重大な問題だからです。
その意味で、自由・民主主義の基盤を脅かしているのは、まさにこのXポストの文面を考えて発信した担当者ではないでしょうか?
リプ欄閉鎖を批判する自称会計士と産経ニュース記事
さて、こうした観点からこの自称会計士は自民党総裁候補者(≒内閣総理大臣候補者)の素行面を含めてこれまでも自由に批評してきたつもりですし、今後もそうするつもりです。たとえば、次のようなポストもその一例でしょう。
これは、小泉進次郎農林水産大臣のXへのポストについて、コメント欄を閉鎖していることを指摘したものですが、このポストに関連してでしょうか、産経ニュースが22日、こんな記事を配信しています。
小泉氏、Xのコメント欄閉鎖で「国民の声とともになのか?」 他の総裁選候補者はオープン
―――2025/9/22 18:33付 産経ニュースより
本稿で紹介したいのは、記事に含まれているこんなくだりです。
「『なぜリプ欄を閉じているんですか?』『国民の意見を聞くつもりすらないのかな』<略>といったように、X上では、小泉氏の振る舞いに不満を抱く声が多数寄せられている」
…。
出所を示さないのですか?
産経記事が引用している小泉進次郎氏のXポスト画像は別のものですが、記事に含まれている「ところでなぜリプ欄を閉じてるんですか?」、「国民の意見を聞くつもりすらないのかな?」の部分は、まさにこの自称会計士のポストに含まれていたものとほぼ同じに見えてなりません。
念のため、改めて申し上げておきますが、著者自身はべつに著作権をいちいち主張したりしませんし(当ウェブサイトも商業出版目的以外であれば、出所を明示して頂ければ引用も転載も可能です)、また、Xのプラットフォーム上では(Xのルールに従っている限りは)自由に引用も転載も可能です。
ただ、せめて記事で引用する際には、元ポストを明示せずに引用するのは無礼ですし、せめて元ポストを引用した方が、読者には親切ではないでしょうか?
(※当ウェブサイトでもとくに批判的な目的が含まれている際には元ポストをわざと伏せることもありますが、これは元ポストが「炎上」することを防ぐための配慮です。)
過去に産経新聞社様からは原稿執筆依頼などを頂戴したこともあるため、あまり批判したくはないのですが、念のため申し添えておきたいと思う次第です。
View Comments (15)
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1 2 次へ »新聞記者が、引用元を示さずに、他のところから引用するのは、珍しい話ではなくなってきているのではないでしょうか。
これは著作権法違反でしょう。著作権法処理はマストなのに、サンケイはやっていない?ということですか?随分ゆるい会社ですね。もしかして経営者が著作権法処理とか知らないとか。劣化がひどいですね。
著作権法処理ではなく、著作権処理
もう一つ、新宿会計士さまのXコメント見ました。勝手なコピペ、お許しください。尚、ご参考までに、候補者の推薦人リストを添付しておきます。
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新宿会計士
@shinjukuacc
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7h
自民党があともう一回変なのを総裁に選んだら、少なくない国民が自民党を絶対に許さないんとちゃう?
今度はその変な総裁を選んだ議員のリストが作られてネットで全力で落選運動が始まる。
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小泉進次郎氏推薦人
【衆議院議員】
伊東良孝氏、旧二階派。
遠藤利明氏、無派閥。
大串正樹氏、無派閥。
加藤勝信氏、旧茂木派。
神田潤一氏、旧岸田派。
島尻安伊子氏、旧茂木派。
田所嘉徳氏、無派閥。
田中和徳氏、麻生派。
辻清人氏、旧岸田派。
中西健治氏、麻生派。
西銘恒三郎氏、旧茂木派。
根本拓氏、無派閥。
野田聖子氏、無派閥。
牧島かれん氏、麻生派。
宮路拓馬氏、旧森山派。
【参議院議員】
阿達雅志氏、無派閥。
梶原大介氏、旧二階派。
上月良祐氏、旧茂木派。
福山守氏、無派閥。
三原じゅん子氏、無派閥。
他、4名の推薦人リストは次の記事をご覧ください。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250922/k10014926021000.html
Tiktok 初投稿、コメント欄が荒れているとの X トレンドが目に入りました(ナーム)
>言論の自由の範囲内に十分に収まっていると考えています。
穏当な範囲の発言だと思いますので大丈夫だと思います。
自民党の誹謗中傷対応の対象にはならないと思います。(笑)
ただまあ、おっしゃる通りでSNSでそれやるなら、マスコミにもやれよと思います。
産経記事はツイート丸パクリみたいですね。(笑)
産経が言い訳するとしたら「インスパイアされた」みたいなことでも言うんでしょうか。
「インスパイアされた」
ラーメン二郎、連想してしまった。。。
最近の『オールドメディア』は出展が明らかでないSNSを元に記事を書いたりしてますね。
どっかで「多数寄せられてい」たんでしょうね。マスコミは産経だろうが朝日だろうが、「誰かのことだが誰とは言わない」「嘘でもないが本当でもない」などの隠れ蓑、逃げ道が身に沁みついてしまっているのでしょう。
どうも、ネットが基本的に匿名だからって、「ネットであがった声」というものが実態の無い誰のものでもない曖昧でいい加減な現象とでも思っていそうなフシがあります。インフルエンサーだろうがどこぞの馬の骨だろうが、確たる意思を持った個人の発信であって、ネットとかいう謎の集合体の発する怪現象ではないなのですが。このあたりの認識がいつまでも進歩せず、右寄りだろうが左寄りだろうが、なんともオールドなことです。
さておき、犯罪予告等で刑法に触れでもしない限り、自民党も法的措置など出来ないのではないですかね。突然個人に強い対応などしてしまったら、「今まで同等以上の誹謗中傷をしてきた数多のマスコミや御用専門家達には何もしなかったくせに」と言われるのがオチです。相手が弱ければイキるのかという視線が寄せられ、ダブルスタンダードを嘲笑され、マスコミ様に逆らえないんだという評価になってしまいます。現代では致命的です。
まぁもうここまで致命的ムーブを繰り返しまくっているので今更ですか。
なるほど怪しい限界極右新聞がネトウヨ自称会計士のツイートを窃用か。限界極右同市丁度良いんじゃね?
呆れた。産経新聞はオールドメディアの中では良心派だと思ってたがこんな杜撰なことやってたんだね。引用の枠を超えてただの窃用じゃん。
新宿会計士さんの情報発信は全て事実から出てるから名誉棄損とかは勿論、情報プラットフォーム法の有害情報にも当たらない。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai.html
誰かが言ってたけど新宿会計士さんのブログはちょっと薄味だが事実に立脚した公平性の高い立論が魅力で産経新聞よりもある意味信頼度は高い。だから産経も無断引用したんじゃないかな?
いつも楽しみに拝読しております。
産経ニュースに引用されるということは、少なくとも産経の記者さんはブログ主様のXのサイトをモニタリングしているということですよね。ブログ主でもない私が言うことではありませんが、だとしたら今からでもいいので、責任ある方からお詫びのツィートでもしてみたら如何でしょう。SNSで拡散されて評判爆上がりなんてことになったり、私もニュースサイトに会員登録させていただくかもしれません。記者さんがこのサイトまでモニタリングしているかは定かではありませんが、やってみたら面白いと思いますよ。