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自民党は参院選総括と無関係に臨時総裁選を実施すべき

自民党が参院選で大敗したことに関する「総括」は、本来、「石破」の2文字で終了です。参院選から1ヵ月以上もチンタラ時間をかけてまとめるべきものではありません。ただ、一部の報道によれば、この参院選総括が予定から数日遅れ、9月上旬にズレ込む見通しなのだそうです。この際、自民党は臨時総裁選を実施する場合、この「総括」とやらの公表を待たずに、さっさと決定すべきではないでしょうか。

石破居座り問題

石破茂首相が選挙に負けたのに辞めずに居座っているなか、その石破首相(=自民党総裁)を辞めさせるにはどうすれば良いか、という話題に関しては、(やや不本意ながらも)ここ最近、当ウェブサイトでは連日のように取り扱っています。

といっても、当ウェブサイトにて主張したい内容については、『居座る石破氏を臨時総裁選で降ろさないと自民は終わる』で述べたとおり、「石破(氏)が辞めないと始まらない」、に尽きます。

ただし、自民党内に現職総裁を直接的に辞めさせるための規定が存在しないため、当ウェブサイトでは参院選当日の7月20日の『もし自民惨敗でも石破氏を総裁に選んだ議員の自業自得』に指摘していた通り、党則第6条第4項の臨時総裁選規定を使うより方法はありません。

自由民主党党則第6条第4項

総裁の任期満了前に、党所属の国会議員及び都道府県支部連合会代表各一名の総数の過半数の要求があったときは、総裁が任期中に欠けた場合の総裁を公選する選挙の例により、総裁の選挙を行う。

同項によれば、党所属国会議員(現在は衆参両院議長を除くと衆議院195人、参議院100人)と各都道府県連会長(47人)の合計(つまり342人)の過半数(=172人)が要求した場合は、臨時総裁選を行わなければならないとされます。

スピード感の欠如こそ大きな問題

だからこそ、個人的にはこの第6条第4項を使って(たとえば署名を集めて選挙管理委員会に突き付けるなど)さっさと石破氏を降ろすべきだと考えていたのですが、ただ、現実には、そこまでスピーディーに物事は運びませんでした。

結局、参院選から3週間近く経った8月8日(金)になって、ようやく両院議員総会が行われ、その総会の場で第6条第4項に従って総裁選を実施すべきかどうかを判断することを総裁選選挙管理委員会にゆだねる、という方針が出されたのです。

しかも、その第1回目の選挙管理委員会の会合では、「172人以上が要求しているかどうか」の意思確認方法が議論されたそうで、『石破問題はオールドメディア問題』でも指摘したとおり、総裁選が行われるかどうかが決定されるのは、下手をしたら今月いっぱいかかるかもしれません。

これについては、こう述べる人がいるかもしれません。

やはり自民党のような大きな組織だと、意思決定に時間がかかるのは当然だ。コンセンサスを積み上げながら物事を実施するわけだから、時間がかかっても仕方がない」。

ナンセンス極まりない発言です。

現在、自民党は解党的危機にあるわけですから、自民党を滅ぼそうとしている元凶を取り除くことは、現在の自民党にとっての最大の優先事項であるはずです。なぜ、参院選から1ヵ月以上経っても新体制を発足させられないというのでしょうか?

自民党議員のなかに、当ウェブサイトを読んでくださっている方がいらっしゃれば、このスピード感の欠如に対し、かなりの危機意識を持っていただきたいと思います。

「参院選総括」は単なる時間稼ぎ…さらなる延期も!?

ではなぜ、そんなに時間がかかるのでしょうか?

漏れ伝わる報道によると、自民党執行部は現在、参院選大敗の結果分析を行っており、その結果が公表されるのを待ってから総裁選の可否を判断するつもりだから、というものですが、端的にいえば時間稼ぎ以外の何物でもありません。

自民党が大敗した責任は、「石破」の2文字で済むからです。

そんなもの、参院選から1ヵ月以上もチンタラ時間をかけてまとめるべきものではなく、何なら参院選の開票中にでも、石破首相自身が「大敗の責任は私にある」とだけ宣言すれば良かった話でしょう。

みもふたもない言い方をすれば、「石破が国難」なのです。

ただ、それ以上に驚く話題が出てきました。

産経ニュースを含めたいくつかのメディアが21日夕刻以降に報じた内容によると、自民党の参院選総括が当初予定の8月中から「数日程度ずれ込み」、9月上旬になるのだそうです。

正直、まったく予想通りの時間稼ぎですね。

ただ、自民党がこの「9月上旬の参院選総括」を待ってから総裁選実施の可否を決めるならば、総裁選が実施されるとしても、下手をしたら10月上旬以降となりかねません。臨時国会の日程とも重なる可能性があります。

自民党の危機感が試される

いずれにせよ、石破首相の居座り期間が長引けば長引くほど、自民党のダメージは大きくなります。

また、事実上の「石破応援団」と化しているオールドメディア勢が、「世論は石破続投を望んでいる」などとする調査結果をつくってくる可能性もありますし、現に一部メディアがそれをやり始めています(といっても、NHKのように母集団が高齢者に著しく偏っていることがバレているケースもありますが…)。

自民党内でこの状況に対する危機感がどこまで高まるか(あるいは高まらないか)については、注目する価値があるといえそうです。

新宿会計士:

View Comments (23)

  • 仕掛けがばれた手品
    いつまでこの茶番劇を既得権ある左派マスコミメディア、与党左派執行部、左派野党は演じ続けるつもりなのか?
    チャーハンの鉄鍋に着火前に具材が腐ってしまいますけど。

    • ☆ 無限に細分化される総裁選への道

      両院議員総会を実行した
      総裁選を実施するよう指示した
      総裁選の選挙管理委員会に委任することを決定した
      「党所属議員+都道府県連会長」の過半数が総裁選を要求しているかどうかを確認する準備に入った
      過半数が総裁選を要求しているかどうかの意思確認方法が待機状態に入った
      参院選総括が9月上旬にずれ込むと発表した ← 今ココ
      意思確認方法を発表した
      総裁選を要求するための投票用紙の作成を指示した。
      投票用紙の下ごしらえが終了したと発表した
      下ごしらえを終えた投票用紙が待機状態に入った
      投票箱を準備するよう指示した
      投票箱が待機状態に入った
      総裁選を要求するための投票が可能な待機状態に突入した
      この世の誰も体験したことのない革命的な総裁選になるだろう
      総裁選を要求するための投票の予定を白紙に戻す決定が下った
      ・・・(以下略)

    • 仕掛けがバレたけど、ジバン、カンバン、カバンで育っていますから、頭のなかは変えられない。SNS時代には通用しない可能性。ヤバイ!?自民党。

  • 間接代議制の意味を自民党は勘違いしてますね。

    ギリシャ時代の市民による直接投票じゃあるまいし、
    「代議士はコンセンサス取らずバンバン決める」
    (付託に応える)
    「定期的に選挙で民意を確認してその責任を取る。」
    (無能は落選する)
    そういう制度設計ですから。

    要するに、時間稼ぎの言い訳ですね。

    ナウシカで水源地の老大木が腐海の胞子に侵食されたと判明したシーンみたいな?
    「なんとかならんのか?」
    「何百年も水源を守ってくれた木じゃ」
    「焼くしかないね」

  • 石破総裁の進退は政党という私的結社のガバナンスの問題なので、当事者(党籍を有する者)が決めればいい話で、第三者が野次馬や評論家のようにあれこれ言うても詮無きこと。
    それよりも、参院選の結果は石破政権(内閣)に対する「ノー!」だとドヤ顔で語った野党の党首らは、だったら国会で石破内閣総理大臣の職を解くよう内閣不信任決議案を可決すべく行動する政治的責任がある。それをせずに、自民党内の石破降ろしの是非を野次馬や評論家のごとく偉そうに語っているのは職務怠慢でしかない。

  • まぁミエミエの時間稼ぎ
    マスコミによる世論誘導と
    熱が冷めるのを待つことですね。

  • 多分、80兆円問題が曖昧な状態では、誰も次の総理になりたくないとか。目に見える地雷ということかも。

  • 前回の総裁選で石破氏に投票した議員は、高市総裁になるぐらいならまだ石破続投の方がましと思ってるんでしょう。一度実行したことが間違いだと認めたくないことと、保身しか考えてないなら積極的に動かない。
    過去の自民党は多数の派閥が共存してたが、今の自民党は脇の甘い保守派の隙をついて淘汰しつつあり、時間が掛かってるのは淘汰されつつある保守派が主導権をなかなか握れないから。
    強引に事を進めらないことが主導権を得られてない証拠に思える。だから文句を言いにくい手続きに従っているし、そこでばたばたするとまた隙を作ることになりかねない。

    まあ、そんな悠長な感想を持っているのは自民党関係者以外が必死になってもなにもできないから。結果を待つ。

  • >「やはり自民党のような大きな組織だと、意思決定に時間がかかるのは当然だ。コンセンサスを積み上げながら物事を実施するわけだから、時間がかかっても仕方がない」。

    いろいろな要素が混じった一文ですが「自民党が大きくて意思決定に時間がかかる」って部分は自民の言い訳だと思います。
    企業もそうだと思いますが、総裁や党幹部に権限を委譲して、迅速な判断と執行をするルールにしています。今はその迅速さの要である総裁が、適切な判断ができなくなっている状態なんですよね。
    降ろすルールもなく総裁選前倒しの6条4項はあるが、実施細則がないのでそのルールを作らなきゃならない。多少の時間がかかることはやむを得ないと私は思います。でもそれは組織の大小とは関係ないですよね。

    逢沢氏が総裁選管のアウトプットを参院選総括と絡めたのはおかしいと思います。ルール作りをするのに、現執行部のパフォーマンスが良いか悪いかは関係ないはずです。迅速にルールを作るだけのこと。
    とはいえ、逢沢氏や選管のスピードが遅いかというと、私の知る範囲では、まあ現実的にはそんなもんじゃないのという感覚です。

    ・両院総会の時点で総裁選管は欠員状態で人選が必要だった。その後各派閥から人選。
    ・8/8両院総会→人選→8/19第一回会合。2回目は翌週。

    社内の意思決定の段取りばかりやってた元雑用係としてはこの速度感にはそれほど違和感はないです。権力者の強力な後押しがあればもっと早くもできるでしょうが、その権力者が降ろしの対象なんですよね。
    じゃあ代わりに誰が、というと「俺が」という親分的派閥の領袖もいない。コンプラ意識が高くなって社会全体が行儀がよくなった昨今、そんな人は今後も出てこない気がします。

    とはいえそれもこれも所詮は「党内事情」であって、国政選挙で民意が示されたのに「自民党」として民意に応えられない状態が続くことは、厳しく批判されてしかるべきと思います。この点は自民党の劣化だと思います。
    ただ、自民党も民間営利企業ではなく公権力を行使する政党ですから、民主主義の縮図としての党内プロセスへの拘りは党の健全性の維持のためにも持っておいて欲しいとも思います。
    自民党が強く正しくあることは日本の政治の安定にとって必要なことでだと思いますし、うまく捌いて欲しいところです。

  • 総括で、「増税洗脳が足りなかった」、「裏金議員への処分が足りなかった」とか言われても、自民党員は納得するんですかね?

  • もう自民党は割れてくれた方が良いのでは。財務増税党に多数がなってしまって戻りようがない。

  • 【承認欲求】

    9月24日まで居座れば、麻生政権越え(見たか!)
    10月2日まで居座れば、一次安倍政権越え(ざまみろ!)

    *時間稼ぎは「石破の飢えに!・・の一念(一年)」か?

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