選挙で3回連続負けたにも関わらず、また、過去には自民党総裁に進退を含めて厳しい批判の声を浴びせてきたにも関わらず、その石破茂首相本人が辞めずに居座っています。時間が経つほどに状況は悪化するとしか思えません。自民党側も今週金曜日の両院議員総会で何を決定するつもりなのかは知りませんが、もし本気で辞めさせるなら、やはり党則第6条第4項の臨時総裁選の準備はしているのでしょうか?
「辞めない石破氏」にお疲れモード
なんだか最近、ウェブ評論的には疲れ気味です。
その理由は簡単で、現実の政治が(おそらくは)国民の総意とはまったく異なる方向に動いているからです。
いうまでもなく、自民党は今回の参院選で大敗し、39議席しか取れず、公明党と合わせても47議席となり、非改選と合わせても過半数割れしてしまったにもかかわらず、「敗軍の将」である石破茂首相が責任を取らずに居座っているのです。
ただ、これもずいぶんとおかしな話です。石破首相はときの自民党総裁らを批判してきた人物でもあるからです。2007年の参院選や17年の東京都議選のときには安倍晋三総理大臣に対し、2009年の衆院選前には麻生太郎総理大臣に対し、それぞれずいぶんと勇ましい批判を行っています。
そんな石破氏が、自分は3回連続して選挙に負けているにも関わらず、また、辞任を求める党内の声も無視しつつ居座るというのは、なんとも奇妙な話です。
なぜか左巻きの人たちや野党が石破氏を応援?
しかも、ここに来て「左巻き」の人たちや新聞・テレビに代表されるオールドメディアの皆さんが、最近、必死になって石破政権擁護を打ち出しているのも興味深いところです。
敢えて名指しすることは控えますが、「報道」を騙る一部のテレビ番組は「石破政権推し」の姿勢を隠さなくなってきていますし、また、一部メディアが実施する世論調査、一部の新聞の社説なども、明らかに石破政権の延命を図っているのではないかと疑われるものが散見されます。
「オールドメディアは官僚機構とともに沈んでいく」というのが著者自身の仮説ではありますが、最近のオールドメディア(とくに一部の新聞、一部のテレビ)の偏向ぶりは、見ていて痛々しいものがあります。すべてリアルタイムでSNSなどで批判される材料にしかならないのに、と思ってしまうほどです。
どう考えても石破氏のためにならない
もっとも、これを石破首相の側から見ると、何が言えるのでしょうか。
客観的な状況や確度が高い情勢を列挙しても、次の通り、石破首相が居座ることのリスクは、自民党のみならず、石破首相自身にとっても、極めて高いのです。
- 自公両党は衆参両院で過半数を割っている。
- 衆院解散しても勝てる見込みは極めて低い。
- 党内で石破下ろしのケムリが燻り続けてる。
- 2027年総裁選で再選する可能性はほぼゼロ。
- 居座れば居座るほど状況はさらに悪化する。
まず、自公両党が衆参両院で過半数を割っており、まともに政権運営することすら難しいという点を踏まえる必要があります。
この状況を打開するためには衆院で13議席、参院で3議席以上をもつ政党などと連立を組むか、または衆院解散総選挙に打って出る可能性がありますが、結論的にはどちらも難しいといえます。
前者の場合、石破政権を延命させるために自公連立政権にノコノコ入っていけば、その政党自体が次の選挙で惨敗の憂き目に遭う可能性が高く、合理的に判断できる政党であれば、石破政権を延命させるための連立入りはしない可能性が高そうです。
(※もちろん、「合理的に判断できない政党」というものもあります。どことは言いませんが…。)
次に、石破首相が選挙の顔として衆院解散総選挙に打って出るのは非現実的です。3連続で選挙に負けた石破氏のことですから、これまでの政策などをまったく振り返ることなく「4回目」をやろうとしたら、今度こそさらに惨敗して政権を失う可能性もあります。
当然、党内でも「石破下ろし」の空気は漂い続けると想定できますし、連立を拡大するどころか、党内でなかば公然と内閣不信任決議案に言及する意見も出てきています(これについて、SNSをやっている方はご存じかもしれませんが、本稿では敢えて実名を挙げるのは控えておきます)。
こうした状況が続けば、(仮に石破氏が自民党総裁としての任期を満了する2027年まで在任したとしても)「再選」の可能性はおそらくゼロですし、それまでに党則第6条第4項を発動されて総裁選が強制的に実行される可能性すらあります。
「時間稼ぎ」仮説も?
すなわち、石破氏にとっての状況は、居座れば居座るほど悪化しますし、好転することは考え辛いところです。
どうして石破氏が居座りを決め込んでいるのかを巡っては、諸説ありますが、著者自身がSNSで見かけた仮説の中で最も「さもありなん」と思ったのは、「石破氏を実質的に操っている」とされる旧宏池会の面々の時間稼ぎ仮説です。
おそらく次の総裁選が行われれば、石破氏、あるいは旧宏池会(岸田派)が推す候補が当選できる可能性はなく、宏池会政権が終わってしまうため、宏池会側が全力で石破氏の辞任を先送りさせている、といった説明がそれです。
もちろん、そんな説明の真偽のほどはわかりません。
個人的には、さしずめ、8月15日ないし9月2日あたりに「安倍談話」を上書きする自分なりの談話を出そうと思っている、といったところが真相に近いのではないかと思っている次第です。
いずれにせよ、今月8日(金)に開かれる両院議員総会で自民党は何を決めるのか知りませんが、あくまでも個人的な感想を申し上げるなら、やはり同時並行で第6条第4項の臨時総裁選の署名を集めておいた方が良いのではないか、といった気がしてなりません。
その意味で、石破氏や自民党がこの「石破居座り問題」をどう収束させるつもりなのか(あるいは収束させないつもりなのか)については、この両院議員総会あたりで方向性が見えてくるのかもしれない、などと思う次第です。
View Comments (33)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
1 2 次へ »「報道」を騙る一部のテレビ番組w
「大っ嫌いだ!!」
「バーカッ!!」
ごめんなさい!
転勤族さまへのコメントです
少し前にXで見かけた動画。
コーヒーこぼしそうになりました。
こんなこと言っててもおかしくない程、石破氏は常軌を逸してますね。
https://x.com/tweet_tokyo_web/status/1948448810122052053?t=B9UZJQc7-20h3Osu-W4TZQ&s=19
これ。電車の中で観てはいけない作品ですね~。怪しいオヤジになってしまう。
「プラスチック野郎!」 (笑)
どーかついでがあったら裏切りの
石破氏のおバカにハナクソをつけてやってください
一日でも長く念願の総理の椅子にしがみつきたいのでしょう。その後の政治家生命など全く考えず。
非論理的ですが、そう考えると全てがしっくり来ます。
石破~野田 地下水脈???
延命に力を貸しているのか?
3党信用ならず。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20250804-OYT1T50225/
親友でしょう
石破総理居座りの影に岸田宏池会というのは面白いですが考えられません。
理由は簡単で、石破総理居座りの結末を予想出来るぐらいの能力が岸田さんにはあるからです。
しかし、石破総理を作る岸田さんの能力は信じられないかもしれませんが、石破総理がここまで常識外れなのは誰も予想できません。
おそらく岸田さんは、石破総理の失敗は予想できても どんなに選挙で負けても石破総理が厚顔無恥に居座り続けるのは予想出来なかったのでしょう。
また、選挙に負けたあと石破おろしが野党から起きると思ったら、石破総理が酷すぎて野党が石破応援団になるとは思わなかったのでしょう。
自分の中では、石破総理は鳩山氏の無能と菅直人氏の迷惑なバイタリティを足して二倍にした感じなので史上最低最悪の総理だと思ってます。
おそらく後世、あの悪夢の石破政権と歴史に名を残すのでしょう。
長い 石破も岸田も無能で最悪 ほら一行で済んだ
安倍総理はここまで見通していたのか、想像以上の斜め上それとも斜め遥か下なのか....
少なくとも石破氏はダメだ触るなと評価した点で岸田氏とは比べ物にならない見識かと。
『党則第6条第4項の臨時総裁選』は、総裁が欠けたときのみに適用されるので、今回は石破総理が居るので適用されない旨、両院議員懇談会で、有村治子両院議員総会長側から説明があったそうですよ。
違うと思います。
総裁が欠けた場合の規定は6条2項と3項のみだと思います。
4項は以下の通りで、
>4 総裁の任期満了前に、党所属の国会議員及び都道府県支部連合会代表各一名の総数の過半数の要求があったときは、総裁が任期中に欠けた場合の総裁を公選する選挙の例により、総裁の選挙を行う。
要求で総裁選を実施する場合は「欠けた場合の」総裁総裁選のやり方で実施せよと記されているに過ぎません。
懇談会は非公開でしたが、有村氏の説明について私が知っているのは、両院総会で解任できないということだったとのことでした。これは先日の当ブログ記事でも紹介のあったとおりです。
ちなみに4項は議員の総意で総裁を辞めさせる規定が必要との議論があり、2001年に追加されたものだそうです。
自民党党則
https://www.jimin.jp/aboutus/pdf/organization.pdf
その解釈が、総裁が欠けたときのみに適用されると説明があったそうですよ。
党則をご自分で読まれてどう思われますか? 日本語の読める方なら解釈は自明だと思いますが。
それでも有村氏がそう説明したとおっしゃるなら、そのソース提示がルールでしょう。
私が有村氏の説明についてのソースを示さなかったのは、こちらのブログ記事に掲載されたものだったからです。こちら↓
https://shinjukuacc.com/20250730-01/
こんなことを、ここで論議するつもりはありません。
8日の総会をを待ちましょう。
>こんなことを、ここで論議するつもりはありません。
そんな捨て台詞吐かずに、元雑用係り氏が述べている、以下の内容に答えたらいいだけの話なのに。
1)党則をご自分で読まれてどう思われますか? 日本語の読める方なら解釈は自明だと思いますが。
2)有村氏がそう説明したとおっしゃるなら、そのソース提示がルールでしょう。
★なお、番号は私が付けました。
情報収集手段はオールドメディアの時代が終わりを迎え、ネットの時代となりますが、ここで大事なのが情報の受け手の情報リテラシーであることは、ブログ主さんが日頃から繰り返し主張されていることです。
情報に触れた人が、「自分の脳味噌」を使って真偽を判断する。判断が付かなければ保留する、等々。
>論議するつもりはありません。
私も議論しているつもりはありません。
あなたがおっしゃった「有村氏の説明」の根拠を聞いているだけです。あなたがどこの誰から聞いた話か、何を読んだのか。
お答えにならないということであれば、口から出任せを書いていると認識します。
根拠も示さずいい加減なことを触れて回るということは、デマを流す行為です。
偽情報が問題になっていますが、ネットの時代ではアウトな行為です。
>山嵜邦弘 より:
>2025/08/06 05:39
>その解釈が、総裁が欠けたときのみに適用されると説明があ
>ったそうですよ。
山嵜邦弘さんへ。
ちゃんとその根拠を示してください。若しくはソースを示してください。
総会での流れが総裁選前倒しの方向に向かったようですね。
理由、根拠は別にして、前言、取り消させていただきます。
申し訳ありませんでした。
あなたにとっては当たったか外れたかが意味があるのでしょうが、
他人にとってみればどこの誰ともわからない人の予言が、たまたま当たろうがたまたま外れようが、どうでもいいことだと思います。現に私はすっかり忘れていたし。
これが根拠を述べていれば他人がその成否について議論する余地が生まれますが、あなたはその選択をしなかった。
5chでもなくあなたの日記帳でもなく、根拠に基づく議論を重視するこのブログのコメント欄に書くのですから、少しくらいは気を遣ったらどうかと思います。失礼ですよ。
石破首相はまるでロシアと戦ってぼろ負けし、ライプツィヒやワーテルローの戦いで敗れたナポレオンみたいですね。亡命先を巡ってだだをこねてる感じ。
一部のマスコミで報じれれてますが、生き残り戦術として小泉Jrを幹事長にして、維新と閣外協力、喧嘩別れした斎藤健氏を総務会長か重要閣僚で処遇するなどするしか?
ナポレオンに例えるのは、さすがにナポレオンに失礼では....
財務省の代弁者である宏池会は、財務省の民主主義ごっこの別働隊である立憲民主党と連携させる事で石破政権の延命を図っていると思われます。
役所の言いなりである左巻きのマスコミは首を傾げる世論調査を持ち出し、財務省の広報機関である日経新聞社も減税を青筋立て懸命に批判しています。
醜態を晒し続ける自民党からは最早自浄能力は失われていると判断せざるを得ません。
自民保守派の奮起に期待する気持ちも少しはありますが本気で戦うつもりはあるのでしょうか?
提出される見込みの無い内閣不信任案に賛成するなどと言う方もおられるようですが、よく吠える犬以下ですね。
(政党のトップの役職名は全て「党首」と表記します)
立民の野田党首はおろか最早まともな政治家ではなく日本社会の破壊と日本人の中華共産党による奴隷化を狙う単なる左巻き活動家なのではと思いたくなるような社民の福島瑞穂元党首やられいわ新撰組やら共産党やらまでもが石破党首・首相の辞任に反対し留任を求めるとは実に異様な姿ですが、この現実こそが石破党首という政治家の本質を図らずも明るみに出していると考えます。
かくなる上は、自民党(の保守派)から内閣不信任案を出して過剰にリベラルな他の自民党議員や立民などに踏み絵を踏ませると良いでしょう。
少なくとも現時点では、地方自治体レベルの都議選は別にしても衆院・参院の両方の選挙で示された日本国民の意思を無視して=民主制という政治制度を支える最も根幹のルールを無視して居座り続けようとする石破首相に対して不信任案を提出することは、たとえ身内のはずの自民党側からでも国民の多くに支持されると思います。
そして仮にですが、元清和会などの自民党の保守派議員が党を割ったとしても、国民の多くが求めた石破退陣をせまる不信任案を提出しておけば、それが否決されたとしても新党を応援する国民は多いのではないでしょうか。
とにかく二度の国政選挙で示された日本国民の民意を無視して、いつ起こるか誰も科学的に適切な精度(例えば誤差3年=現在の衆院議員の残り任期以内)で予測できない南海トラフ地震まで持ち出して自己の留任を主張する民主制を破壊しようとしている極めて独善的な危険人物は速やかに最高権力者の座から排除せねばなりません。