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複数メディアが「石破首相退陣表明」観測を報じ始める

複数のメディアが23日までに、石破茂首相が8月いっぱいで退陣する方針を表明する、といった観測記事を掲載しています。石破首相は23日午後にも麻生太郎、菅義偉両総理大臣、あるいは岸田文雄・前首相らと会談するそうですが、麻生総理が石破首相に引導を渡すのでしょうか?そして衆院選は案外早く訪れるのでしょうか?

石破首相「居座り」ならグダグダ展開も!

果たして石破首相は居座るのでしょうか?

それとも退陣するのでしょうか?

すでに参議院議員通常選挙では、自民党に対して極めて厳しい結果が示されました。自民党の獲得議席が39議席にとどまり、8議席だった公明党と合わせても47議席と、同党が事前に設定していた「勝利ライン」である「自公両党合わせて50議席」を割り込んだからです。

ただ、その「敗軍の将」であるはずの石破茂首相が選挙翌日の21日の会見で、引き続き政権を担う意向を示しました。大雑把に要約すれば「参院選には負けたけど比較第1党だし国際情勢も厳しいし地震が来るかもしれないから辞めないよ」、といったところでしょうか。

こうしたなかで、今朝の『石破氏に「党則第6条第4項」が発動されたらどうなる』では、一種の理論ゲームとして、もしも石破氏がどうしても首相の椅子にしがみついた場合、自民党側としてはどのような対抗策を講じることができるかについて考察してみました。

お読みいただいた方は、正直、ウンザリしたのではないでしょうか。

著者自身の想像も交えるならば、こんな流れが予想されるからです。

  • 両院議員総会が開かれ、石破茂・自民党総裁に対して辞任が勧告される。
  • しかし、辞任勧告には拘束力がないため、石破首相はこの勧告を無視する。
  • そこで党則第6条第4項に従い総裁選の実施が決定される。
  • 総裁選によって新総裁が選ばれ、新執行部体制が発足する。
  • 発足した自民党新執行部は改めて石破首相に内閣総辞職を要求する。

…。

「首相が交代しない政権交代」という意味不明な展開も!?

端的にいえば、グダグダです。

党則第6条第4項でできることは、石破首相から「自民党総裁としての地位を奪うこと」が限界であり、さすがに首相としての地位を剥奪することはできません。できるとしたら、あくまでも次回選挙での非公認などをチラつかせながら辞任するよう説得することくらいでしょう。

そして、もし石破首相が内閣総辞職に応じなければ、自民党側は他の野党などと連携し、内閣不信任決議案を提出する、といった流れも考えられますが、この場合もいくつも問題が考えられます。

たとえば、他の野党が自民党や公明党と連携して内閣不信任決議案に賛同するかどうかがわかりませんし、また、もし内閣不信任決議案が可決されたとしても、石破首相は辞任せず、衆院解散で応じるかもしれない、といった可能性もあります。

こうした「先の先」を読み、野党の中には「いま選挙されてしまうとマズい」といった判断から、「自民党の内閣不信任決議案に賛成しない」といった行動に出る可能性もありますし、(可能性は極めて低いものの)石破首相が立憲民主党などに移籍するなどし、首相が交代しないまま「政権交代」が発生するかもしれません。

首相が交代しない政権交代」!

自分でも何を言っているのはよくわかりませんが(笑)、いずれにせよ、石破首相が徹底的にゴネて、これに一部野党が賛同するようであれば、石破政権は(最長で衆議院の任期が切れる2028年10月まで)居座ることができてしまう、ということです。

こうした「首相が交代しない政権交代」も含めたグダグダの可能性を含めると、やはり「性善説」を前提とした紳士的なわが国の法制度も、首相の資格がない者が首相になってしまうことには対応しきれないのかもしれません(ある国会議員は石破氏を「首相の器がない」と表現していますが、言い得て妙です)。

時間が経っても退陣論は全然収まらない

ただ、石破首相周辺も、当初は「退陣論は時間が経てば収まる」、といった楽観論で凝り固まっていたフシがあります。

たとえばテレ朝NEWSが22日午後に配信した次の記事では、石破首相の「周辺」では、「冷静になるべきだ。今は選挙直後でガタガタしているが、やがて収まってくるだろう」、といった意見もみられた、などとする記述が確認できます。

“石破退陣論”が強まる 総理周辺「やがて収まる」

―――2025年7月22日 12:13付 テレ朝NEWSより

このテレ朝NEWSが報じた「やがて収まる」云々は石破首相本人の言葉ではないにせよ、おそらく石破首相周辺の空気を正確に表現しているのではないかと思いますが(※著者私見)、もしそうだとしたら大変な思い違いです。

実際、参院選で示されたのは明らかに石破茂内閣に対する有権者の拒絶感だったと考えられるからです(※著者私見)。

そして、実際に参院選後の数日の動きで見る限り、こうした石破首相に対する拒絶感は、「やがて収まる」どころか、日を追うごとに強まっているのではないでしょうか。

ついに複数メディアが「石破首相退陣」観測を報じ始める

さて、こうしたなかで気になるのが、本日、いくつかのメディアが相次いで報じている「石破退陣説」です。

最も踏み込んだものは、産経新聞や毎日新聞による、こんな報道でしょう。

<独自>石破首相、進退を8月に最終判断へ 広島・長崎式典や国際会議に出席

―――2025/07/23 10:37付 産経ニュースより

石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ

―――2025/07/23 11:17付 Yahoo!ニュースより【毎日新聞配信】

これらの記事では石破首相が「8月までに退陣を表明する意向を固めた」、とあります(時期については毎日新聞は「8月末までに」、産経新聞は「8月下旬にも」、と、報じるメディアによって内容が微妙に異なっています)。いわば、参院選の総括の結果が出るのを待ってから退陣表明するつもりだ、ということでしょうか。

また、これらに続いて他社も似たような話題を続々と報じ始めています。

石破首相、8月退陣も 改めて進退判断

―――2025年07月23日12時49分付 時事通信より

石破首相退陣へ、月内にも表明する方向で調整…関税協議の妥結踏まえ意向固める

―――2025/07/23 12:50付 読売新聞オンラインより

メディアによって退陣を表明する時期などが微妙に異なりますが、いずれにせよ、21日の会見から2日経ってここまで追い込まれたのも、石破首相を支えようとする人がいないという「人望のなさ」に、ここにきて石破首相自身がやっと気づいたからでしょうか。

日経電子版は「辞任不可避」と報じる

なお、個人的には、本件については日経電子版のこんな記事が最も腑に落ちます。

石破首相、退陣不可避の情勢 麻生氏ら首相経験者と進退協議へ

―――2025年7月23日 10:08付(13:18更新) 日本経済新聞電子版より

日経の記事だと、自民党内での衆院選大敗を受けた退陣要求の前に、石破首相の「退陣が不可避な情勢になった」、などとしています。

おそらく具体的には、麻生太郎総理や菅義偉総理、あるいは岸田文雄・前首相といった総理大臣経験者らとの23日の会談を踏まえて自身の進退を決めるのでしょう(あるいは麻生総理あたりが石破首相に「引導」を渡すのでしょうか)。

いずれにせよ、これらの報道が正しければ、石破首相はおそらく8月中に辞任するのだと思いますし、正直、遅きに失した感もあります(※どうでも良いのですが、この人物は「戦後80年談話」を出すつもりでしょうか?)。

ただ、それ以上に印象的なのは、石破首相の「しがみつき」の醜悪さです。

参院選は政権選択選挙ではありませんが、昨年の衆院選、先月の都議選と合わせて「3連敗」だったことなどを踏まえると、もっと早く辞任を宣言しておくべきでした(極端な話、参院選の投票の前日までに辞任宣言を行っていれば、もしかしたら自公の過半数割れは回避できていたかもしれません)。

案外近い?衆院選

そして、それ以上に強烈なのは、やはりこのような人物を昨年秋の時点で自民党総裁に選んでしまった189人の存在です。

よっぽど「高市早苗総理大臣」を阻止したかったのかどうかは知りませんが、そうした一時の感情(?)で国益を大きく棄損する人物をよりにもよって首相に選びだした者たちの責任は極めて重大でしょう。

しかも、自民党は現在、公明党と合わせても衆参双方で過半数を割り込んでしまっています。

仮に新総裁の下で秋に衆院選が行われたとして、自公が過半数を回復するかどうかは微妙ですし、場合によっては先の参院選で大きく勢力を伸ばした国民民主党や参政党が、勢いに乗って衆院選でも議席を積み増すかもしれません。

(※もっとも、衆院選は参院選と異なり、定数465議席のうち6割超にあたる289議席が小選挙区に割り振られているため、自民、立憲民主といった大政党に有利であることは付言しておく必要がありますが…。)

いずれにせよ、当ウェブサイトとしても引き続き、「現在の日本の問題点」について淡々と指摘するという事業を続けていくつもりです。

この「現在の日本の問題点」は、負担と給付のバランスがおかしいこと(『負担と給付の関係がおかしい日本』等参照)や、官僚やメディアといった「国民から選ばれたわけでもない者たち」が大きな実質的権力を握っていること(『【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』等参照)などをさします。

参院選が終わったら3年間は選挙がないのかと思いきや、案外早く衆院選が到来する可能性も出てきたなかで、当ウェブサイトとしてもしばらくは忙しくなりそうです。

新宿会計士:

View Comments (44)

    • 国民的アニメのサザエさん、世界的人気のKポップ。
      その言葉、信用なりますか?

    • その通りです。

      思い切り石破が一番人気、二番が小泉、三番が河野太郎ってバンバン放送yahooニュースで言ってました。しかも高市さんは5位とかで無茶苦茶な報道をしてました。

  • >石破首相が立憲民主党などに移籍するなどし
    その際には是非とも以下のセリフを発していただきたい、「自民党の歴史的使命は終わった」(笑)

    >やはりこのような人物を昨年秋の時点で自民党総裁に選んでしまった189人の存在
    その筆頭は当然あの人でしょう。派閥解散は結局自民党にも国民にも百害あって一利なしでした、これでお咎めなしで再登板などは絶対に許せません(これさえやらかさなければ十分第二次政権ありえたはずなのに…)。

  • 八月末というのは最期のあがきで八月談話で安倍談話をひっくり返す河野談話以上をやらかすつもりと警戒されてますなあ

  • 石破総理、最後によい仕事をされたと思います。ただ、80兆円ではなく100兆円にすればよかったのに。株価も上昇しています。お疲れ様でした。

  • 速報が入りまして「やっぱり辞めない」だそうです

    優柔不断ってか…責任のとれないくずですね

    • あ、本当だ。
      このまま居座ったら、自民党と日本を壊した人物として歴史に名を残せそうだ。

    • えぇっ、辞めないって?
      ホントに、「首相が交代しない政権交代」が起きるかも…

      • 石破は前回の衆議院選挙でも負けたら辞めると述べていたし、麻生・安倍総理の時代に「選挙で負けたんだからお辞めになるべき」とか講釈垂れていやがりました

        二連続で負けたらこの世を去るくらいの覚悟があるはずです

    • CAPCOMの
      「BIOHAZARD」
      を、現実世界で体験することになろうとわ!

      「うま····、かゆ····、ウマ·····、」

      なるほど、なんべん注意深く聞いても訳わからんはずですね。

  • 首相の器もなければ、矜持もない。
    日本人が好む責任の取り方(潔さ)が全くない。
    国政選挙2連敗、都議選入れて3連敗した理由を理解していないとしたら、どうしようもない人ですね。これが我が国の首相とは・・
    史上最低で史上最悪の首相と称号(褒めてない)を得たことですし、盟友の総務大臣・外務大臣と共に政界から完全引退してほしいです。

    しかし、この期に及んでもオールドメディアはこの男を守りたいのか、総務大臣・外務大臣のコメントを流していますが、逆効果ということを理解できていないですね。
    あのコメントを見て聞いて「石破首相も大変だな」「支えないとダメだ」と思う訳ないのですけど。

    • 石破総理自身に退陣する気がなくても、国内外メディアに退陣を書かれ、それを前提に周囲が動き始めたら、外堀、内堀は埋められた状態になるのでないでしょうか。

      • そういう外堀はマスコミが勝手に飛ばしたフェイクニュース以外の
        何物でもない。
        石破はどうしようもない無能で屑だと思っているが、こんな人物を
        国民が待望する総理候補として持ち上げたマスコミ、担ぎ挙げた
        自民党員達はそれ以下の無能で無価値な連中。

  • >「8月までに退陣を表明する意向を固めた」

    辞めるか辞めないかを表明するのが8月末って、辞めるか辞めないかわからない今の状態を1ヶ月以上続けると言ってるんですかね?
    お花畑か?

    「辞める」と言ってしまったらできないことを8月中にやろうとしてるんでしょうかね。公式には「辞めない」と言い続けながら。

    左界隈、「石破頑張れ」と露骨に言い出してます。なんなんですかねー。

  • >>私の出処進退につきましては一切、話は出ておりません
    出たから否定してるんでしょう、辞めるそのときまで「辞める」とは言わないですから。

    >>自民党幹部も石破首相が8月中に辞任するとの見通しを示していて…

    自民党幹部:幹事長、政調会長、総務会長、選対委員長のいずれかを指すメディア用語なので、石破総裁が任命した党最高幹部の中に既に石破氏を見放してる者がいるということ。長くはないでしょう。

  • 今の石破首相は、何度も申し上げますが、セブンに変身できなくなったモロボシ・ダン。役に立たないカプセル怪獣すら持ってない。(ろくな側近がいない)吉村秘書(総理秘書韓?)がかわいそう。中国や韓国に好かれる日本の首相はダメですな。(中国は石破首相の継続を希望している)

    • メトロン星人に、自分から地球をあげちゃうモロボシダンですかねえ。

      あるいは、この地球はノンマルトのものだ!と信じてるモロボシダンとか。

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