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立憲民主党が政党支持率で4番手に転落=共同世論調査

共同通信の全国緊急電話世論調査で、立憲民主党の政党支持率が自民、国民民主、参政の各党に続き4番手に転落したことが明らかになりました。考えてみれば、立民は最大野党でありながら、今回の参院選でも改選前の22議席を21.5議席に減らしています。与党・自民党に大きな逆風が吹いていたにも関わらず、です。やはり、年金流用法案などの影響もあってか、非自民層の「受け皿」にもなっていないのでしょうか。

世論調査の有用性とその限界

当ウェブサイトで不定期に取り上げる話題のひとつが、メディアによる世論調査です。

これらの世論調査は多くの場合、昔から統計的なサンプリング方式として用いられている「RDD」、つまり「ランダム・デジット・ダイヤリング」と呼ばれる無作為抽出による電話調査方式を使って行われており、多くの場合、その調査実施会社による作為などが入らない、などとされています。

ただし、現実問題としては、多くの場合は電話のみによる調査とされていること、少し前までは携帯電話が調査対象の母集団に含まれていなかったこと、あるいは携帯電話の場合も知らない番号から着信があった場合は(とくに若年層は)無視する可能性があることなど、課題もあります。

さらには世論調査項目について、恣意的な設問項目が回答内容を歪めているのではないかと疑われることもありますし、設問の順序によっては特定の論点について、結果を誘導できてしまうこともあります。

こうした限界もあるため、当ウェブサイトとしては、メディアが実施する世論調査については全幅の信頼を置いているわけではありません。

ただ、それでも最新の世論動向を読むうえでは、世論調査はそれなりに有益であることも多く、こうした観点からは、当ウェブサイトはときどき、世論調査結果を話題に取り上げることにしています。

共同通信世論調査の衝撃…立民は4番手に転落!

こうしたなかで、選挙期間中は、当ウェブサイトとしてはできるだけ各政党の直接の主張やそれらが支持されているかどうかを示唆する内容をウェブサイトにて取り上げないように配慮してきましたが、その選挙期間も完全に終わったため、早速に取り上げておきたいのがこんな話題です。

内閣支持22%で過去最低 石破首相辞任すべき51%、共同通信世論調査

―――2025年7月22日 21:40付 日本経済新聞電子版より

日経によると参院選から明けた21日と22日に、共同通信社が全国緊急電話世論調査を実施したそうですが、これによると政党支持率で立憲民主党が国民民主、参政の両党に抜かれ、4番手に転落したのだそうです。

政党支持率 共同通信(7/21~7/22)
  • 自民…20.7%(▲9.0)
  • 国民…15.1%(+5.2)
  • 参政…11.8%(+8.1)
  • 立民…10.8%(+1.6)
  • 維新…*5.2%(+0.4)
  • 公明…*4.6%(+0.2)
  • れ新…*4.3%(▲1.3)
  • 未来…*4.1%
  • 共産…*3.7%(+0.6)
  • 保守…*2.7%(▲0.2)
  • 社民…*1.3%(▲0.6)

(【出所】日経電子版記事)

自民惨敗の2007年の民主党と比べてこの体たらく

参院選での獲得議席で見ると、立民は22議席と自民党(39議席獲得)に次ぐ2番手につけたはずなのですが、国民(17議席獲得)、参政(14議席獲得)両党に獲得議席数で勝ったはずなのに、支持率では完全に水をあけられている格好です。

選挙直後の世論調査は一般に、選挙結果が出たのを有権者自身も確認してから回答するはずであり、その意味では、選挙直前の世論調査とは大きく異なる結果が出てくる傾向にあるのですが(著者私見)、それにしてもじつに印象的な結果です。

それに、冷静に考えてみたら、立憲民主の「22議席」というのも、じつに心もとない議席数です。

参院は3年に1回、定数(248議席)の半数(124議席)ずつ改選されますが、22議席は改選数の5分の1にも満たない議席数であり、立憲民主党が最大野党であるという事情を踏まえると、この「5分の1未満」というのは、じつに少ない議席数であるといわざるを得ません。

しかも、今回の参院選では自民党にかなりの逆風が吹いていたわけですから、「最大野党」である立憲民主党が議席を大きく獲得するチャンスだったことは間違いありません。

実際、同じく自民党にかなりの逆風が吹いていた2007年のときには、自民党の獲得議席は37に留まり、これに対し当時の最大野党だった民主党が60議席を獲得し、みごと比較第1党に躍り出るという「成果」を記録しています。

しかも今回の立憲民主党、獲得した22議席は改選前と同じですが、内訳をよく見ると、改選6議席プラス補欠選挙1議席の合計7議席となった東京選挙区で、唯一獲得できた議席は7番手での当選であり、これは任期3年であるため、(酷い言い方をすれば)獲得議席は21.5議席と「0.5議席減」です。

立民はいずこへ?

こうした状況を踏まえると、今回の参院選における「最大の敗者」が自民党であることは間違いないにせよ、最大野党である立憲民主党も勝者であるとはとうていいえませんし、何なら「本来ならば大躍進できるはずのポジションにいながら0.5議席減となってしまったこと」は敗北そのものではないでしょうか。

これには選挙前の「社会保険加入要件拡大」や「年金保険料値上げ」、「厚年積立金の国民年金への流用」が相当に響いている可能性もありそうですが、それ以上に、「自民党に期待しない人の受け皿」としての役割すら、現在の立憲民主党が果たせていない、ということでもあります。

いずれにせよ、著者自身は今回の参院選について、自民党が掲げた「減税はしないけれどもひとり2万円ばら撒く」などの公約に対し、有権者が明確にノーを突き付けたものだと考えている次第ですが、それと同時に「自民党のアンチテーゼ」としての立憲民主党が期待されているわけではないことも明らかになってしまいました。

立憲民主党の最大の存在意義は「最大野党であること」であったはずですが(※著者私見)、これでもし自民党が石破茂総裁を交代させ、「安倍路線」に回帰するなどしたら、立憲民主党はますます立場を失いかねません。

立憲民主党はどこに行くのか。

これが参院選後のもうひとつの隠れたテーマといえるのかもしれない、などと思う次第です(※といっても、著者自身としては「もう少し建設的な提案ができる政党が最大野党になってほしい」、としか思っていませんが…)。

新宿会計士:

View Comments (14)

  • 今回の選挙で立憲党員がそこそこ当選したのは、実は、国民民主と立憲民主を間違えて投票した人があったことも理由の一つでは無いかと考えます。

    実際の私の周りで若い女性であまり政治を知らずに投票に行きましたが、何とか民主が良いって聞いて投票したけど2つあったんで適当に選んだという声もありましたから。

  • 立憲民主党の幹部の方々には保守有権者の自民党左派批判票流入の受け皿にならないように活動いただいたことに感謝しています。また、R4氏を再び参議院議員として比例当選させたことも感謝します。打たれ強くはないみたいですが、きっと負のオーラを纏った広告塔として活躍してくれることでしょう。
    立憲民主党の今後は? 自民党左派の受け皿となれば良いのではないかと。

  • 幹事長が、
    「子供たちの将来のために、消費税を25%にしたいんです!」
    と、カメラの前で号泣したり、
    元党首が
    「消費税減税を唱える奴は、党から出ていけ!」
    とコメントしたり。

    増税でも減税でもどっちでもよいのですが(本当はよくないけど)、あからさまに党内が割れていて統制も利いてないなら、
    「与党批判の受け皿」
    どころか、あまりにも頼りないから投票先候補として猫跨ぎですよね。

    それというのも、批判票の投票先としての選択肢がずいぶんと充実してきたから。
    そこのところに気が付かず、いつまでも殿様商売しても客は入りませんわ。

    個人的には再生の道を応援してるし、今後にも期待ひていますが、
    「既存のメディア批判」
    「SNS発信のOSINTで共感を得る」
    という手法のファーストペンギンとしては、
    「ナルホドそれで戦えるんだ」
    「じゃあ俺ならこうするぜ」
    というフォロワーの充実で、割りを食ったように見えますね。
    (使命を果たして消え去るのか、工夫して淘汰を生き延びるのかはこれからのミモノ)

    地道に選択肢が充実してきたことは、有権者としては素直に喜ばしいかと。

  • 立憲民主党は、自民党が嫌な有権者が「自民党を落とすために他に入れる」受け皿として支持を伸ばしてきました。共産党や社民党には票を入れにくい人たちの選択肢だったのです。

    しかし、他にも選択肢が出てきたことで、立憲の支持は伸び悩んでいます。もともと立憲は、自民党に入りたくても入れない人や、議員でいたいだけの人たちが集まったグループでもあり、主張もバラバラで、党内でも批判ばかりが目立ちます。

    そんな中で、財務省寄りの野田氏を党首に据えたことで、石破さんのような「自民党内の批判派」と同じ方向を向いてしまい、国民からはそっぽを向かれました。

    今後、自民党が積極財政派を党首に据え、他の野党とともに減税を進めた場合、立憲だけが取り残されるおそれがあります。もしそのタイミングで衆議院が解散されれば、立憲はさらに大敗する可能性があります。

    今のままでは、議員を続けたい立憲所属の一部は国民民主党などへの合流を模索するでしょう。自民党、参政党、れいわなどにも分散していくかもしれません。

    最終的には、無所属で当選してから、情勢を見て政党に入るのが現実的な選択となる可能性もあります。

    • 支援も給付も要らないから、おれたちの給料をくすねるな。
      給料がこの先増える見通しが社会に広まっているからこそ、「反税運動」が急速に力を付けて来た。ばら撒きを活動目的に据える立憲民主は、景気が良くなっていくほど立場が悪くなると思います。

    • >>最終的には、無所属で当選してから、情勢を見て政党に入るのが現実的な選択となる可能性もあります。

      今回の選挙でも、まさにこれを泉房穂がやりましたね。
      明らかに立憲に支援を受けながら無所属で当選、その後立憲会派入りを表明。
      今回の選挙では立憲ブランドがマイナスに働いていることを見越しての行動でしょうね。。。

  • 7月5日の「予言」は はずれましたが、
    わずかな期間にもかかわらず、非自民が首相の時 大災害が発生したのは 偶然でしょうか?

    阪神・淡路のときは村山、311のときは 菅直人。
    非自民がつぎ首相になったら、南海トラフ 来ちゃうんじゃないの?
    たわごとたわごと。

    • >わずかな期間にもかかわらず、非自民が首相の時 大災害が発生したのは 偶然でしょうか?

      阪神・淡路のときは村山、311のときは 菅直人。
      非自民がつぎ首相になったら、南海トラフ 来ちゃうんじゃないの?

      ホント不思議な取り合わせですね。
      阪神淡路大震災のとき、村山市にもう少し指導力があれば、首都移転が騒がれていたときなので、神戸を首都にすれば良かったのにと思いましたね。残念ながら指導力も発想力も無いお飾り首相だったので実現しなかったけど。

      合意で首都移転などできることは先ず無理だろうけど、早急に神戸の街を復旧するという名目なら実現できたでしょうに。時の首相が現参政党の党首だったらやっていたかも知れないのに残念。

      勿論現状の東京が一番良いとは思うが、東京直下型の大地震が来て富士山が爆発したらドウするのと問いたいが。政治の中心と経済の中心が同じところにあるから壊滅的な被害を被ると世界中が迷惑を被るような気がするが。

      阪神淡路大震災の時なら少なくとも政治の中心を移すことならできたはずだが。

      東京一極集中は効率は良いが、非常の時に困ると思うが。

      • >阪神・淡路のときは村山、311のときは 菅直人。
        >非自民がつぎ首相になったら、南海トラフ 来ちゃうんじゃないの?

        「石破さんすぐ辞めて。あなたが総理だと南海トラフが来ちゃうから」

        こっちの線はどうでしょうかね?

  • 自分も最初は危惧してましたが、冷静に考えれば、自民党に入れなかった人が、立憲民主党に入れるわけがない、と思うようになりました。だって、自民党がやっていた事は立憲民主党のそれと同じで、それに嫌気が差して逃げた票ですからね。
    「受け皿」と言う話で言えば、両党は同一政党とみなされていたのかもしれないです。そういう意味で受け皿にならなかったのではなでしょうか。

    立憲民主党は滅んで欲しい政党なので、このまま社民党と同じ道を歩むことを切に望みます。もう野党第一党は、立憲民主党でなければ何でもいいと思うくらいです。(共産・社民・れいわを除く)

    問題は、今後の自民党ですね。
    仮に高市が総裁になったとして、自民の保守層は戻ってくるのか。
    自民党以外の保守と言うの選択肢が増えた今、自民党は余程締めてかからないといけないように思います。やっと、いい与党と野党の関係になりそうで、いい傾向だと思います。

    • >立憲民主党は滅んで欲しい政党なので、このまま社民党と同じ道を歩むことを切に望みます。もう野党第一党は、立憲民主党でなければ何でもいいと思うくらいです。(共産・社民・れいわを除く)

       この意見に大賛成ですね。
       立憲民主党は国政の妨害ばかりしている(勿論今の自民党の党首もであるが)。

       その意味で私は国民民主党を選択しました。参政党は立派なことは言っているが党首のアクが強すぎる。しかし、国民民主党は山尾氏を立てたのが失敗で、取れる票を棄ててしまったような印象ですね。それでも野党第一党としての支持率があるとは一安心という気持ちですが。

       立憲民主党は烏合の衆で方針も目的も何も有ったものではない政党であるため、私は文字で書くときは「立件共産党」と書くことにしています。実態をよく現していると思いますが。

       そう言う意味では今回は国民民主党を選択したのですが、山尾氏を比例代表に設定したのは大失敗だったですね。

       私自身は山尾氏は法律家として立派な方だからと普段から思っており、最初比例区に登録されたとき良かったと思っていました。ところが開票速報に書かれた氏の意見が表示されていたのを見て驚きました。

       女性天皇を認めないのは不合理である。天皇になるべき女性は現天皇の血統で無くても、現皇后の血統でなくても良いと主張していたのです。要するに女であれば誰でも良い、と言う主張です。

       これが通るなら女で無く男でも良いことになり、極端な例では私でも天皇になれるという主張でしょう。

       その主張を見たとき、この女はもう駄目だなと判断しました。折角優秀な法律家なのにドウして神武天皇の血統を守るから天皇の地位に意味があるのだが、ドウしてそのような気持ちが無いのか不思議に思いましたね。皇位というものは神武天皇の血統を今年まで2585年一度も絶やすこと無く世界最長の皇位が連続してることに意味があると思うのだが。そのことを否定して女なら誰でも良いとはどういう論理だろうか。男女平等ならまだ分るが、誰でも良いとなると醜菌屁異の娘でも良いし、李在明の子供でも良いと言うことか?ドウしてコンナ簡単な論理が理解できず、女なら誰でも良いという判断をするのか不思議で仕方が無いが。

       浮気がどうのこうのと騒がれていましたが、浮気なんて多くの人がやっていることで、良いことだからドンドンおやりなさいとは言わないが(日本人の人口減少を止める効果くらいはあるかも知れないが)、浮気程度で比例区からはじき出すことはすべきで無いと思うが、天皇の血統なんかどうでも良いという意見には全く賛同できなかった。

       如何に法律に通じていていも彼女を支持することは永久に無いと思った瞬間だった。

       たかが1人の失望だが、他にも同じ意見を持っている人は多いように思うが。