「子ども2人の教育費が高いから、夫が老後資金として考えている社内預金の一部を教育費に回してほしい」。こんな話を聞くと、どちらが正しいと思うでしょうか。もちろん、夫婦いずれにも言い分はあるでしょうし、これまでにどのような話し合いをし、それぞれいくら負担してきたかという点にも依存しますが、とある事例だと、やはり奥様が少々子供の教育費を使い過ぎているというのが実情なのかもしれません。
マネーの問題は多くの人にかかわる
当ウェブサイトでは最近、「税金や社保が高すぎる」といった論点を、連日のように取り上げ続けています。
その根底には、わが国の税制・社会保障制度は明らかに「負担と給付の関係がおかしい」という問題意識があるのですが、突き詰めて言えば、マネーは私たち人間の生き方と深くかかわっている、ということでもあります。
(年収にもよりますが、)正直、下手をすると自分自身が稼いだカネの4~6割を公租公課として奪い取られていくような社会はどう考えても健全ではないというのが著者自身の考え方ですし、また、高額納税者が高い行政サービスを受けられるかといえばそんなこともない、というのが現在の日本の実情でもあるのです。
したがって、収入と負担率の関係については当ウェブサイトで今後、一種の「頻出論点」として、何度でもその理不尽さを訴えていきたいと思っている次第です。
ただ、この「マネーの問題」、もっといえば「おカネの使い方」に関する問題は、多くの人が高い関心を抱く分野でもあります。
著者自身は自分の稼いだカネの(下手をすると)4~6割が税社保に取られてしまうという制度設計の在り方の理不尽さに怒りを覚えている人間のひとりではありますが、残る6~4割の可処分所得の使途を巡っても、トラブルは尽きないようです。
ダイヤモンドオンラインが配信したとある記事
こうしたなかで、目についてしまったのがこんな記事です。
老後が不安…1000万円を死守する夫vs娘の学費に全振りする妻、深刻対立をどう乗り越える?
―――2025/07/09 07:02付 Yahoo!ニュースより【ダイヤモンド・オンライン配信】
記事はウェブ評論サイト『ダイヤモンド・オンライン』がニューズ・ポータルサイトの『Yahoo!ニュース』に配信したもので、記事タイトルでなんだかギョッとする人も多いかもしれません。
執筆したのは「家計再生コンサルタント」の横山光昭氏で、記事自体は2500文字弱であり、数分もあれば読めるというレベルですが、正直、読んだ後にいろいろと悩む記事かもしれません。というのも、ご夫婦がおカネの使途を巡って、老後資金にするのか、それとも娘さんの学費にするのか、対立している、とするものだからです。
詳しい概要は記事を読んでいただくとして、やや乱暴に要約すれば、「娘の学費が足りないから、夫にもっとおカネを出してほしい」というのが横山氏のもとに相談に訪れたDさんの主張です。
横山氏によるとDさん夫妻は家族の生活費をそれぞれ拠出しあい、残額については各自のお小遣いとしている一方、Dさんは自身の親御さんから相続した1300万円の資金を含め、2人の娘の教育に惜しげもなくおカネを注ぎ込んできたのだそうです。
長女の他大学への編入・再編入、次女は海外進学を視野に?
ただ、ここでツッコミどころがあるとしたら、こんな趣旨の記述でしょう。
大学3年生の長女は私立大学に入学後、適応できずに他大学へ編入。さらに別の大学への再編入も希望している
高校2年生の次女もまた、海外大学への進学を視野に入れている
このため、Dさんとしては現在は900万円となってしまった相続資金だけでは子供たちの進学費用としておぼつかないとして、夫に対し、1000万円の社内預金の一部を娘の教育費に回すように求めているのだそうですが、これに対し夫は「老後の備えが足りなくなる」と難色を示しているのだとか。
これ、いったい誰に何の問題があるのでしょうか。
そもそも論ですが、Dさんが教育費を使い過ぎているのではないでしょうか。
記事の中ではご夫婦で出し合っている生活費が40万円(うち夫が25万円、Dさんが15万円)とあり、その他の条件(持ち家か賃貸か、自動車はあるかどうか、など)がよくわからないのですが、昨今の物価高とはいえ、お子さん2人であれば、学費を度外視すれば十分に暮らしていけるレベルです。
しかし、この水準だと子ども2人を私大に入れるには心もとないといえます。
実際、大学3年生の長女が私大に入学して別の大学に編入していたり、再編入を検討していたり、あるいは次女が海外の大学への進学を検討していたり、といった記述が出てくるのですが、この時点で「分不相応」ではないでしょうか。
大学生になったら法的には成人ですので、進学にかかる費用についてはしっかりと親御さんと話し合うべきですし、大学をハシゴしたり海外に進学したりするのは本人が決めたことなのに、「全額を親に出してもらう」というのはちょっとムシが良すぎます。
大学生以降は本人の責任では?
この点、記事によれば夫は家計に拠出している25万円、社内預金への天引きを除いた15万円ほどを自身の趣味に使っている、といった記述もあるため、ちょっと夫もおカネの使い方が乱脈ではないか、あるいは子どもの教育に無頓着ではないか、といった気がしないでもありません。
やはりこの記事を読む限り、カネ遣いが最も荒く無計画なのはDさんではないでしょうか。
ただ、記事には続きがあって、執筆者である横山氏がDさんに対し、将来の収支を見える化するためのライフプラン表を作ったところ、「このままでは70代には資金が尽きる」という見通しが出たにも関わらず、Dさんの考えは変わらなかったのだそうです。
せっかく横山氏が収支を「見える化」し、家計の見直しや支出の調整も提案してくれたのに、結局、Dさんは具体的な行動に至らなかったのだとか。
ただ、教育にはおカネがかかるわけですし、「ない袖は振れない」のです。
なにより記事を読んでいて不思議なのは、Dさんは夫には「もっとお金が欲しい」とか要求するわりに、Dさんが子供2人と具体的にどういう会話をしているのか、さっぱり見えてこないのです。
まさかとは思いますが、子供が「あれやりたい」、「これやりたい」と要求したら、それを無条件にかなえてきたのではないでしょうか?
ただ、正直なところ、子供2人に対してはDさん自身が「おじいちゃん、おばあちゃんから相続したおカネはもう900万円しか残ってないから、この範囲でできることをやりなさい」と教え諭すしかありませんし、子供も大学生になったら成人ですので、あとは自己責任でやりくりするより方法はありません。
というよりも、実家がよっぽどの大金持ちでもない限りは、大学に入って以降の資金繰りも含めて本人の責任ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
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20年ばかり先に「湯水の如く(脱線するけどコノ表現は水資源豊かな地処ナラデハか)投財した子ども達に見向きもされず訪問ヘルパーに延々愚痴る要介護者」の画が…ゴホンゴホン
まーカネの使い方は好きズキなんで…なんつー他人事してても、ダンナ逃げ切れてても単身世帯下手うってたら夫婦世帯かハタマタ温室培養がメンヘラったりしちゃって引きニー化とかしてたら一家で生活保護受給者にナンナレバその原資は税なわけで…
しかーし次女はソノママ国外在住で現地納税…とか…知らんけど
> 大学生以降は本人の責任では?
私もそう思ってましたが、最近は考えが変わってきました。
本人が良ければの話ですが、資金が尽きたら資産を全部売り払って、生活保護を受ければいい。そのために、税金払ってきたんだし、保険料も納めてきたんだと思う。払い込んだ社保など保険料のせいで、子供に満足のいく教育を受けさせられない、と言うのも、親として情けないと思うかもしれないです。
前の記事の「誰もが老化するなら…それは保険でカバーすべきでない」にも関係しますが、老後に備える貯えを邪魔しているのは政府でしょう。そして、『アリとキリギリス』でアリが損をするような世の中であるのも間違いないと思います。
それなら、キリギリスとして生きていくのもありなんじゃないかと思います。だってそう言う制度になっているんですから。どうなんでしょうね。
『一億総キリギリス』だと無理が出そうなから、左様なある意味“合理的”な制度ライダーズが敷衍する兆候が察せられた段階で“ライド”から溢れる層が顕在化する様に官僚ズの介入が有りそうデスラ
まーモットモ「今ギリギリですねん」世帯ならソモ“今”越えるに全力出撃で取り崩せる資産ナンゾ無さそうで、「崩して先は~」と思案できるのはアッパーミドル層なんかもシレマヘナ
無い袖は振れんですし
ソレコソ“オールイン”した子ども(達)から『援助拒否』でもされんけりゃ受給デキナイとかナカナカパンチ効いたショートあがりソーなプロットやも
知らんけど
記事の年収で働いている時点で無理(対象外)
仕事辞めてまで受けるなら、娘は大学どころではなくなる
米系企業に勤めていた時アメリカ人の同僚が言っていたのだが、アメリカでは親が学費の面倒見るのは高校まで。大学は奨学金を利用したり自分で働いて行くとのことだった。
最近は学費が爆上がりで学費ローンに頼る人が多いんじゃないかな。
ただ最近のアメリカは学部卒で管理職は無理。大学を出た後しばらく働いてからMBAを取りに大学院に行く。(もちろん意欲のある人だが)日本よりも学歴社会ということ。
私自身親に学費(+こずかい)だしてもらって大学を出たが当時は私立でもびっくりするほど安かった。今の人は大変だと思うね。
「子どものやりたいことはできるだけ応援したい」と考えるのは親心。しかし長女は私立大学に入学後、適応できずに他大学へ編入。さらに別の大学への再編入も希望している時点で、それは本当に子どものやりたいことなのかを考え直す必要があります。
Dさんもどうしてもダンナから金を引き出したいならば、離婚することですね。社内預金1000万円を積み立てたのが結婚後のことならば半分は分捕れるでしょう。但し自分自身の老後資金はショートしてしまいます。老後は娘が面倒を見てくれるなんて、そこだけ昭和な考えは捨てねばなりません。どうするんだろ。
>大学生以降は本人の責任では?
この方針でよろしいかと。
私は高校までは親に授業料を出して貰っていた。大学まで授業料を出して貰う余裕が親になさそうなので、一年働いて貯めたお金を入学金にして自力で大学に入った。と言っても昼間の大学に入るだけの費用は払えないので夜間部であったが。夜間部でも教わることは昼間と同じレベルだと思うが。しかし、夜間部だと入学金も授業料も桁違いに少なくて済むので(はっきり覚えていないが入学金が5万円くらい、授業料は月額3000円だった)、経済的には余裕があった。それに勤労学生控除が受けられるので資金的にも不自由しなかった。
しかし、仕事がきつくなり、このままだと定年まで身が持たないと思ったのでメーカーを退職して特許事務所に入り、特許庁との書類の往来をする仕事に変わった。
依頼人のところに行けば我々を法律の専門家として扱ってくれるが、その実は一般的なことは分るが、細かいことになると怪しくなる。そこで学校に通おうと思ったが、事務所の終業時刻が遅いので、夜間部に通えない。そこで通信教育で法学部法律学科に入った。通信教育だから無試験で入れたし、授業料も通学部に比べて桁違いに安かった。しかも入学した大学は最終学年は通学部に通える特典が付いていた。
通信教育と言っても通学部と同じようなレベルの教育を受けられるので何の遜色も無い。
このように、自力で通っても夜間部、通信教育部なら二つの大学を卒業しても授業料は知れた物であるから、自分の給料で十分間に合った。従って二つの大学を卒業したが、親のすねは一切囓っていない。
その後、宗教はインチキであると言う気がしてきて、いろいろ調べたが分らないので大学院に入って研究した。この時、入学試験問題の過去問題を見せて貰ったが回答が全く分らない。そこで授業だけ受けたいのだが、なんとかならないかとその大学院に相談したら面接を受け、それに合格すれば科目履修生として登録でき、授業を受けられるので、面接を受けてくれと言われた。そこで面接を受けたら一応合格範囲に入っていたようで許可が出て晴れて科目履修生として登録できた。
授業料も半期で5万円くらいだから給料の範囲で十分間に合う。さて、授業を受けたが宗教がインチキであると言う信念は間違っていないような気がしたので、キリスト教の授業を受けたが聖書に「キリスト様が天に上げられ、神の隣に座られた」と書いてあるが、深宇宙までロケットが飛んでいく時代に「少々疑わしい」とレポートに書いて提出したが、一応「可」の評価を頂けた。元々キリスト教はいろんな派閥があり、各派閥で勝手な主張をしていたのでソレデは権威がないと言うことでニケア会議を開いて妥協できる範囲の統一した思想を書いたのが現在の聖書であるから、現状の聖書はこの程度にしておこうという妥協でまとまった物らしい。従って私の意見も一理あると言うことで「可」の評価が頂けたのだと思う。
その後、いろんな教科の講義を受けレポートを提出したが、入学試験などに合格しなくても全て「優」の評価を頂いた。入学試験に合格しないレベルの者は入学させるなという文部科学省のお達しでもあるのかも知れないが。
様するに大学を2回卒業し、大学院も数年間在学したが、全て自分の給料から授業料を出して、高校を卒業して昭和35年に入社したときは8500円の月給しか貰えなかったが、授業料は全て自分の給料から払った。
東大、早慶などの有名大学では無いが、卒業してしまえば大学格差などあまり感ずること無く仕事もでき、且つ授業料も自分の給料で十分間に合う生活ができるのであるが。それなのに親のすねを囓って有名大学をビリケツで卒業するより遙かに気楽に卒業できたのだが。
勿論、受験勉強などする時間も無かったがなんとか潜り込めたというのが実情であるが。
卒業してしまえば東大だろうと早慶だろうと、官庁に入らなければ学校による待遇の違いは無かろうと思うが。もっとも出世となると違うかも知れないが。何れにしても大学の授業料くらいは自分で稼いで通っても一流大学の昼間部に入るので無ければ入学試験さえ受けずに入れる方法もあるので、大学なんてソレデ十分ではなかろうか?
しかし、昼間部の大学を卒業していないが、今更東大に入るわけにも行かないが、台湾大学なら外国人は面接だけで入れるそうだから台湾華語を習いだしたが、如何せん80歳を超えたオツムではどう頑張っても台湾華語を覚えきれず、折角面接だけで東大レベルの台湾大学に入学する手段があったのに諦めざるを得なかった。
現在はと言うと歩行も怪しい状態であり、要支援1になっており、毎週デイサービスに通って居るから、台湾大学の入学を諦めてよかったのかも知れない。
台湾大学も年金で授業料を支払えたかも知れないが。要するに大学なんてテメエで稼いだお金で通えるところに通えば良いのであり、親のすねを囓ってまで行くところではなかろうに。東大であろうと、Fラン大学の代表のように言われるマンモス大学の日大であろうと卒業してしまえば学力レベルはさして違わないと思うが。それでも親のすねを囓って有名大学に通いますかな?
書き忘れたが、私の通った大学院は80万円くらい払えば修士レベルであれば論文審査もしてくれるようであるが、資格が必要ではないので論文審査はチャレンジしていないが。
大学院在学中に朝鮮族で中国籍という女性と仲良くなり、彼女の書いた日本語の修士論文の日本語校正をしてくれと頼まれた。中国の犯罪についての論文であったが、もう少し突っ込んで書けば充実した内容になると思うのだが、提出期限の問題があり、殆ど日本語としては問題無いから一部の訂正だけで提出し、晴れて修士の資格を獲得して卒業していった。その後、フェイスブックで話をする機会があったがパリの回転寿司で働いているとのことだった。折角修士を取ったのに回転寿司で働くのは勿体ないような気もするが、人それぞれ事情があるのだろう。
うp主の主張から少々ズレるかもですか、教育もビジネス、金儲けなんですよね。
で私大云々、海外留学云々、モロにアホ丸出しなビジネスの養分にされてるやんとしか感想を持てなかったですね。
教育費が足りないとかアホ。たかられてるだけ