都内の賃貸マンションで最近、内見(不動産物件の内部をチェックすること)なしに入居の申込が行われる事例が増えているのだそうです。最近の都内の物件不足などの要因もあるのかもしれません。ただ、あくまでも個人的な感想としては、マンションや部屋の雰囲気(スマホの電波状況、生活音やタバコなどのにおい、窓の外の視線、ゴミ捨て場の様子、エントランスの様子など)を確認するという意味でも、内見はした方が良いのではないか、などと思ってしまいます。
巣立ちの時期・3月
3月といえば、巣立ちの時期です。
とくに実家から離れた場所にある大学、会社などへの進学や就職が決まり、4月から親元を離れてひとり暮らしをすることになる人は、生まれて初めて家を出るのは、親御さんにとっては心配かもしれませんが、本人にとっては不安であるだけでなく、楽しみでもあるのではないでしょうか。
これは日本の歳時記のようなものかもしれません。
この点、著者自身は人生の中で1回や2回はひとり暮らしをすべきだと考えている人間のひとりです。とりわけ大学などへの進学に伴い実家を出て、10代後半から20代前半という貴重な時期にひとり暮らしを経験することで、人間的にも非常に大きく成長できる可能性があるからです。
現実的には賃貸物件の契約を済ませる必要がある
ただ、現実的なことを申し上げておくと、3月から4月といえば、引っ越しシーズンでもあります。あわただしく物件の賃貸契約を済ませる必要があります。
ひと昔前であれば、物件は内見(ないけん)をしてから決める、というのが相場でした。
たとえば大学進学に伴い東京や京都、大阪などでひとり暮らしをする人は、親御さんと一緒に不動産屋さんを訪ね、自分の条件(オートロックの有無、風呂トイレ別、など)と予算に合致する物件を列挙してもらい、それらをいくつか訪れたうえで、最も良いと思った物件を決定するのが一般的です。
この点、息子さんであれば、セキュリティ面でも、ある程度は緩い物件でも許容されるかもしれませんが、娘さんの場合、親御さんとしてはオートロック付きの物件に住まわせてあげたいと思うのが心情かもしれません。
もっとも、著者自身が懇意にしている都内某所の不動産業者によると、最近はとくに都内において、賃貸物件不足が深刻化しつつあるようです。
要因はさまざまですが(一説によると建築資材費や人件費高騰などの影響で物件供給が減っているとの話もあります)、最近だと進学が決まってから慌てて物件を探そうとするも、良い物件がほとんど見つからない、といった事例もあるようです。
なんと60%以上が内見なしに入居申込?
こうしたなかで、不動産取引に関する管理業務などを手掛けるイタンジ株式会社が今月11日に、ちょっと気になるデータを公表していました。
【2025年都内引越しトレンド】60%以上が「内見せずに入居申込」、2年間で1.4倍に増加/都内を中心とした賃貸物件への入居申込データからみる最新トレンド
―――2025/03/11付 イタンジ株式会社ウェブサイトより
同社は毎年2月に東京都内に本社を置く不動産管理会社を対象にした調査を実施しているそうですが、これによると内見が行われなかった入居申込の割合が2025年2月で60.2%と、24年2月の50.9%、23年2月の43.4%と比べて大きく増えていることが判明したのだそうです。
データ自体は同社が提供している賃貸不動産の申込受付システムを通じた都内の管理会社の入居申込状況を調査したものだそうですが、想像するに、現地を内見せずに「ウェブ内見」などで済ませて入居先を決めている事例が増えているのかもしれません。
それでも内見をお勧めする理由
このあたりは社会のIT化の進捗と軌を一にしているのだ、という言い方もできるのかもしれませんが、個人的にはやはり、不動産に関してはできるだけ現地を訪れたうえで、雰囲気を含めて確認した方が良いのではないか、などと思ってしまいます。
もちろん、ウェブ内見などを一律に否定するつもりはないのですが、ただ、とくに単身者が多いマンションなどでは、そのマンションの雰囲気をざっと確認するという意味でも、現地を訪れておいた方が良いことは間違いありません。
とりわけマンションにありがちなトラブルが、「スマホの電波が入らない」、「壁が薄くて隣人の生活音が丸聞こえ」、「前の居住者が喫煙者で部屋中が何となくタバコくさい」、「窓の外を見ると通行人と目が合う」などですが、これらは図面だけではなかなかわからないことでもあるからです。
また、お目当ての物件が「前の入居者がまだ退去していない」、「部屋のクリーニングがまだ終わっていない」などの理由で内見ができないこともありますが、その場合はせめて同じマンションの別の部屋を見せてもらうのもひとつの手かもしれません。
これに加えてマンションの内見には、「そのマンション自体の雰囲気を見る」という意味合いもあります。
エントランスからエレベーターホールに至る動線でゴミが落ちているかどうか、という点だけでも、そのマンションの管理状態や中に暮らす住民の質を何となく知ることができます。古くても小ぎれいなマンションだと、管理状態が良いか、妙な住人が暮らしていない、といったことが間接的にわかります。
また、とくに都心部のマンションだと、24時間ゴミ出しがOK、といった物件も多いのですが、ゴミ捨て場が乱雑になっていたりすれば、やはりそのマンションで暮らすには不安がある、という可能性があります。
当ウェブサイトは普段から「世の中のIT化は良いこと」といった論調で物事を見ることが多いのですが、たまには「人間の五感」をフルに活用した方が良い場合もある、といった点についてはお伝えしておきたいと思う次第です。
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ウェブ内見で、24時間、好きな時間帯のその時の住居の状態を確認できるのなら、ウェブ内見も重要なのではないでしょうか。もっとも、ウェブでは拾いきれない情報もありますが。
少し前にヤマダ電機がTBSによるNHK党の立花氏についての報道が偏向報道がすぎるとしてTBSのスポンサーから降りたという話がありました、フジテレビに続いてTBS、ユーザー氏の言った通り崩壊が始まっている証拠です。
画像や図面では、音、臭い、味、振動、は伝えられません。内見はするべきかと思います。
若い頃に首都圏で会社が用意してくれたアパートに住んでおりました。隣が広大なお墓でして。
お彼岸、お盆にはお線香の香りがして季節を感じつつ、風流だなーーなんて思いつつ。
なんか出たりしてーーなんて考えたりして。
お供えものをいただこうかなーーなんて考えた事もありました。ごめんなさい。m(_ _)m
スマホの電波は、重要と思います。駅近の場所なのですが、ドコモの通話が全然駄目なところもあります。ドコモは、設備投資をしていない?
全く改善されません。何年もだそうです。
自分の子供が都内就職でこの2月に内見してきました。
その際の情報としては、動きが早く交渉中でない件ができない場合が多くありました。
結局新築のアパートで決めたのですが、そうでもないと内見が難しいようです。
内見をしてみてよかったことは、駅までの時間と道順がはっきりすることと、駅前や周辺のスーパーなどのお店等がどのくらいあるか人通りが多いか少ないかなどが確認できます。
車の通りの多い道に面しているか、住宅地の中なのか?等々です。
はっきり言えば建物がいくら良くてもグーグルマップのストリートビューで見切れない部分もあるので内見してよかったと思います。
アパートやマンションの最近の入居者募集は、室内の写真は必須で、SUUMOなんかでは360度ビューの場合もあります。at homeは写真のみも多いですね。
注意点としては、写真も見栄え良く修正されている場合があります。
古い物件で写真がない場合は、ルームクリーニング後や、リフォーム後に写真撮ってそれをしばらく使いますね。リフォーム後は特にきれいになりますから、見栄え良くて引き合いが出ます。
どちらにしても内見がおすすめですね。
さっき見た記事です
「オーナーが中国人に変わり家賃が3倍に」
消費者センターなどへの相談では「支払しなくてよい」とのことでしたが
・知らない人がうろうろ、勝手に物が送られてくる
等が有りどうも民泊をしているらしい。民泊する場合は説明が必要だが当然無し
記事に情報を提供した方は怖くなり退出を決めたとある
中国人は普通の事(中国国内)をしているだけなんだが日本ではダメなんだなあ
これが異文化共生の難しさ
とにかく、この安定した社会は日本文化を守ることで成り立っている
中国文化を通するなら「騙しあい、暴力、言い訳、等で殺伐とした」日本になるしかない
東日本大震災のようなときにはコンビニに暴徒が群がり民族同士が集まり対立しあうんだろうなあ