日本新聞協会が24日に公表した2024年10月時点の新聞合計部数(※朝・夕刊セット部数を2部とカウントした場合)は3053万部と、前年と比べて251万部(7.61%)減りましたが、辛うじて3000万部割れは回避した格好です。ここ数年は毎年300万部前後のペースでの減少が続いていたことを思い起こしておくと、新聞業界は意外と健闘したといえるかもしれません。ただ、それでも新聞部数の減少は止まっておらず、単純に毎年200~300万部ずつのペースで減少が続けば、早ければ10年以内に部数がゼロになる、という展開もあり得ます。
最新版新聞部数
一般社団法人日本新聞協会は24日、2024年10月時点における新聞の部数を公表しました。
元データは同協会の『新聞の発行部数と世帯数の推移』で確認することができますが、「セット部数」(朝刊と夕刊のセットを1部とカウントする方法)によれば、合計部数は2662万部で2023年と比べ197万部の減少でした。
また、セット部数を「朝刊1部、夕刊1部、合計2部」とカウントする方法で分解してあげると、合計部数は3053万部で2023年と比べ251万部(7.61%)減の3053万部であり、著者自身が予測していた「3000万部の大台割れ」は回避された格好です。
新聞協会の区分通りの部数を「合計①」、朝夕刊セットを2部とカウントした部数を「合計②」とすると、それぞれの区分は図表1の通りです。
図表1 新聞の合計部数
区分 | 2024年 | 2023年との比較 |
合計① | 2662万部 | ▲197万部(▲6.90%) |
一般紙 | 2494万部 | ▲174万部(▲6.51%) |
スポーツ紙 | 168万部 | ▲24万部(▲12.45%) |
セット部数 | 392万部 | ▲54万部(▲12.11%) |
朝刊単独部数 | 2230万部 | ▲138万部(▲5.85%) |
夕刊単独部数 | 40万部 | ▲5万部(▲11.01%) |
合計② | 3053万部 | ▲251万部(▲7.61%) |
朝刊部数 | 2621万部 | ▲192万部(▲6.84%) |
夕刊部数 | 432万部 | ▲59万部(▲12.01%) |
(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』データをもとに作成。なお、「合計①」はセット部数を1部とカウントした場合、「合計②」はセット部数を2部とカウントした場合の部数を意味する)
毎年300万部ペースで減少していたことを思い出すと、意外と健闘
これについてざっくばらんな感想を申し上げるなら、「部数の減少速度は意外と少なかったな」、と思います。
ここ数年、新聞部数(ただし「合計②」ベース)が年間300万部前後という勢いで減り続けていたことを思い返しておけば、年間の部数減少が300万部以下だったことは、新聞業界が意外と健闘した、ということであり、「朗報」(?)といえるかもしれません。
この251万部の減少というのは、減少速度としてはこの7年で最も少ないからです。
ここ10年あまりの部数合計と前年比増減
- 2014年…5672万部(▲268万部)
- 2015年…5512万部(▲160万部)
- 2016年…5369万部(▲143万部)
- 2017年…5183万部(▲186万部)
- 2018年…4893万部(▲290万部)
- 2019年…4623万部(▲269万部)
- 2020年…4234万部(▲389万部)
- 2021年…3951万部(▲283万部)
- 2022年…3677万部(▲274万部)
- 2023年…3305万部(▲373万部)
- 2024年…3053万部(▲251万部)
(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』データをもとに作成。なお、「合計部数」はセット部数を2部とカウントした場合の部数を意味する)
新聞は年平均300万部近いペースで減少が続いていた
参考までに、図表2は、新聞部数を3年刻みでカウントしたものです。
図表2 新聞の合計部数の増減
(【出所】一般社団法人日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』データをもとに作成。なお、「合計部数」はセット部数を2部とカウントした場合の部数を意味する)
これによると2021年から24年にかけての3年間の部数減は898万部で、1年あたりの平均は300万部を少し割り込みました。コロナ禍の頃のデータが含まれる2018年~21年の941万部、つまり年平均約314万部と比べれば、部数減少速度は緩やかになっています。
まずは、新聞業界にとっては「朗報」(?)といえるかもしれません。
もっとも、現在は3000万部あまりの新聞部数が、これからも年間200~300万部のペースで減り続けるならば、新聞部数は早ければ10年以内、遅くとも15年以内にゼロになってしまいます(もちろん、「このペースで減り続けるならば」、ですが)。
また、現実問題としては、部数がゼロになるよりもかなり手前で、多くの社において新聞事業はコストを回収することができなくなると考えられ、したがって、経営体力が弱い社を中心に、新聞事業の休止または廃止が相次ぐ可能性もあるでしょう。
現実問題として、いくつかの社は夕刊事業から撤収し始めており、また、一部の全国紙は一部の県に対する配送を取り止めたりしていますが、こうした動きは来年以降も加速するのかどうか、注目したいところです。
この点、経営体力が残っている社は、当面、紙媒体での新聞発行を継続する可能性もありますが、「大物」のメディア人が亡くなったことなどを受け、一部の社は新聞事業の見直しを決断する好機が訪れていることもまた事実でしょう。
新聞は購読料に見合った価値を提供しているのか
ただし、新聞社が紙媒体の新聞発行を取り止めたとして、全面的に電子版に切り替えることができるかといえば、そこも微妙な気がします。朝刊・夕刊のセット価格は次の通り、ビデオ・オン・デマンド(VOD)などと比べてかなり割高にも見えます。
主要紙の年間購読料(朝・夕刊セットの場合)とVOD等の年間サブスク料
- 朝日新聞…58,800円
- 西日本新…58,800円
- 毎日新聞…58,800円
- 日経新聞…66,000円
- 神戸新聞…58,800円
- 産経新聞…58,800円
- 京都新聞…58,800円
- 河北新報…52,800円
- 新潟日報…48,000円
- 東京新聞…47,760円
- 読売新聞…57,600円
- Netflix…*9,480円(広告付き)
- アマプラ…*5,900円
(【出所】アマゾンプライム以外は各社が発表する月額購読料×12ヵ月分。なお、読売新聞に関しては来年1月以降の適用料金をもとに計算)
正直、現在の新聞に、そこまでの月額購読料を支払ってまで購読する価値はあるといえるのか―――。
新聞業界の(とくに経営者の)皆さんは、自問してみる良い機会といえるのではないかと思う次第です。
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客単価を各社一斉に1割前後値上げしたので、この程度の部数減でしたら現時点ではむしろ売り上げアップになったのかもということですね…。
賭けに勝ったのでしょうか? 新聞業界は。
来年はまた値上げのスパイラルになるかもしれませんが。。
ところで、その値上げ分をきちんと販売店に還元しているのでしょうか?
生き物が死に向かうときは、毛細血管の末端から壊死していき、やがて中心部に至るという経緯をとるそうです。
サプライチェーンの末端を大事にしないと同じ経過を辿るのではないか?
気になります。
業界内で「1年は値上げはしません」と言っていた新聞を若かりし頃からン十年とっていますが、定年を過ぎて何年か前から朝刊だけにしています。1か月4,085円です。
来月1月から4,500円になります。
セットで4,400円→4,800円(+400円、+9.1%)ですが、朝刊だけでは+415円(+10.1%)です。
「おかしくないですか?」と販売店に問い合わせ(クレーム?)メールを入れると、販売店から電話があり、「新聞社からはセット価格しか提示されていないので...」という様な言い訳をしてました。
当方が想像するに、新聞社からはセットで仕入れて、当方へは朝刊だけの配達(夕刊は廃棄?)かと。
何を言いたいかというと、今回の夕刊部数も若干の盛り数字ではないかと思った次第です。
なお、当方は、出来たら収束(終息?)まで見届けようか、どうしようか、思案中です。
私が新聞を読まなくなった理由は、生活費(増税)に対処するための節約でした。しかし、ニュースはTVやYouTubeから遅れた報道内容ですし、中にはyahooニュースそのまま転載もありました。また、問題になっている偏った偏見報道や政府のための情報などを考えれば止めてよかったと思います。
親族の中には購買を続ける意向もありましたが、先ほどの話をすればあっさり止めました。
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新聞社同士が(事実上の)合併をするのではないでしょうか。もっとも、そうなれば合併した会社のなかで、トップは、どちらの新聞社がとるのか、編集長は何系かで揉めると思いますが。
「○○新聞を読んでいないと、社会人としてやっていけない」と、大宣伝するのでしょうか。
「○○新聞を読んでいることが、意識高い系市民の証である」かもしれません。
「◯◯新聞を読んでいる人」を、『意識高い系wwww』という目で遠巻きにして見ることはあります。
箱根駅伝で選手が待機中に防寒用に着てるアレ。ひざ下まであるパーカー。
きのう読売新聞がアレ持って現れ、3か月取ってくれと。
「んなもんいらねぇ」と言って断った。
なんというか……「もっと別のおまけをつけられないの?」と
突っ込みを入れたくなりますね。人によっては欲しがるかも知れませんが、
それでももっと万人向けの物は用意できなかったのか……
やっぱり新聞の売り込み業界も懐が寂しくなっているんでしょうかね。
新聞部数減少曲線は、世論コントロール曲線と相関しそうですね。入国税をかけると、当然、インバウンドが減少しますが、インバウンドが減少すると、観光客を受け入れる産業の人手不足が緩和されてしまいます。人手不足であればこその移民利権です。
103万円の壁を無くしては、労働供給が増えて、これも移民利権にはマイナスです。
入国税をかけるべきだという論陣を張っている新聞があるのかどうか。移民利権関連議員は、入国税には反対、労働供給増にも反対ということかもしれません。
今どきの新聞記事の読まれ方
1. 紙の新聞で読む
2. その新聞社のサイトで読んで、有料記事には課金する
3. Yahoo! ニュースで読んで、コメントも見たり書いたりする
4. ブログやXや動画で、UP主がツッコミを入れながら解説しているのを見る
おそらく、ほとんどの人は3か4でしょう。
新聞社が儲けを出すには、3と4で転載料を請求するしかないんでは?
法人需要を考慮したらどうなるんだろう
図書館・官公庁・ホテル業などは減りにくいよね
企業はやめるの簡単だろうけど
申し訳ないが、今でもテレビ新聞を齧り付くように見てる人達は現代日本の道路を、馬車で走ってるようなもんだと思ってます
要は悪い意味での変わり者です