あくまでも個人的な感想ですが、新聞、テレビの「広告」に最近、異変が生じているようなのです。端的に言えば、ターゲット層が急速に高齢化しているフシがあるのです。当ウェブサイトでは以前から、新聞、テレビの広告費が急減していること、新聞、テレビの利用時間が(若年層になるほどに)減っていることを示すいくつかのデータを紹介しているのですが、こうしたデータ、意外と私たちの肌感覚とも合致しているのかもしれません。
本稿は小ネタ、というか、「ちょっとした気付き」です。
普段から当ウェブサイトにお手報告している通り、著者自身は自宅にも職場にもテレビを設置しておらず、また、新聞も購読していません。その理由はさまざまですが、要するに、「新聞、テレビから有益な情報は得られない」と著者自身が考えているからです。
ただ、この社会で生きていて、新聞、テレビの報道を「絶対に目にしない」で済ませることはできません。ネットには新聞社、テレビ局が発信源である情報がたくさん溢れていますし、たとえば選挙報道などのように、有権者の投票行動にシャレにならない影響を与えるケースもあるからです。
したがって、当ウェブサイトでもこれまで、オールドメディアの報道のうち、おもにネットで話題となっているようなものについて、そのウェブ版記事のURLを引用したり、その報道をX(旧ツイッター)などに投稿したものを埋め込んだりするなどして、話題として取り上げてきました。
ただ、(「ごく稀(まれ)に」ですが)新聞やテレビをそのまま目にすることも、ないわけではありません。たとえば、空港や病院の待合室などでは多くの場合、地上波の放送が垂れ流しになっていますし、図書館に行けば当日の新聞が設置してあるコーナーがあります。
つまり、自宅にテレビや新聞がなくても、それらの報道等を直接目にする機会は、意外とあるのです。
こうしたなかで先日、とある場所でテレビ放送を眺めていてふと気づいたのが、そのテレビCMの内容が、明らかに特定年齢層をターゲットにしているのではないか、という可能性です。
その日見ていた番組の場合は、どこか外国を旅行しているレポーターが地元で人気の食堂で食事をする、という他愛のないものですが、「気になるその中身は?」というところでCMに入ったのです(ちなみにCM後に流れた「その中身」も正直、大したことがないものでした)。
ただ、そのCMがなかなかに印象的で、自動車に関するCMが2本流れたのは良いとして、歯周病対策の歯磨き粉であったり、肩こり対策の衣類であったり、といった具合に、明らかに特定の年齢層をターゲットとしているものが含まれていたのです。
気になって、その後、とある図書館でとある全国紙を確認してみたところ、とある日の広告は、健康食品や老人ホーム、墓地・納骨堂などといったぐあいに、やはり特定の年齢層をターゲットとした広告が目に付いたのです。
このあたり、新聞、テレビに出稿される広告をターゲット年齢別に統計化したデータは見当たらないのですが、少なくとも株式会社電通が公表する『日本の広告費』というレポートに含まれているデータによれば、テレビ、新聞の広告費が最近、激減していることが確認できます(図表1)
図表1 広告費の推移(ネットvsマスコミ4媒体)
(【出所】株式会社電通『日本の広告費』データおよび当ウェブサイト読者「埼玉県民」様提供データをもとに作成)
また、総務省『情報通信白書』によれば、新聞、テレビなどの利用時間は若年層になるほど減っている(図表2)ことが明らかです。
図表2 平日のメディア利用時間(分、2023年)
(【出所】総務省『情報通信白書』等を参考に作成)
いずれにせよ、オールドメディアの利用者層が急激に高齢化しているのではないか、といった点については、いくつかの統計から浮かび上がってくるのです。
いずれにせよ、当ウェブサイトでは以前から、新聞、テレビの広告費が急減していること、新聞、テレビの利用時間が(若年層になるほどに)減っていることを示すデータを紹介してきたわけですが、こうしたデータ、意外と私たちの肌感覚とも合致しているのかもしれません。
ただし、最近だと(これも著者自身の私見ですが)その高齢層においてすらも新聞、テレビ離れが進み始めているフシがありますので、もしかしたら広告の世界も「若返る」可能性はないとはいえませんが…。
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膝がいたい、肩こり、目がかすむ、頻尿、インプラント(歯)、補聴器、マッサージ器、羽根布団、等々、誰がテレビを見てるか一目瞭然。
>やはり特定の年齢層をターゲットとした広告が目に付いた
*「費用対効果の産物」なんでしょうね。
高齢世代向け広告が恒例と化したのは、
現役世代向け広告で減益と化したから。
・・。
最近は地上波の民放も、昼間からテレビショッピングを流してますね。結構、有名なタレントが出ていたりするから、テレビ局や芸能事務所にとっても、それなりにビジネスとして成り立っているみたい。
でも、「番組を放送することによって得られる儲け」 よりも 「停波することによって節約できる経費」 のほうが大きくなったら、昼間は停波するようになるんじゃないかな? テレビ放送が始まった頃のように。
月に何回か平日の10時〜15時台の列車が運休するローカル線みたいですね。
24時間放送に耐える体力が尽きたら、割増賃金不要な昼間の保守作業で停波するのも現実的かと。
その前に『ИНКだけ停波しないのは卑怯』『輪番停波がいい、いや一斉でないと抜け駆けされる』とか、内輪の論理で延々とモメるうちに益々弱体化しそうですが...
テレビショッピングの仕事をしたことがあります。
テレビ局から枠だけを買い取って、番組の制作は通販会社の側でやっておりました。
テレビ局としては電波を貸すだけで売上が上がるのでおいしい商売なのだと理解してオリマス。
詳しい人がいれば教えてください。高齢者向け商品への広告の宣伝効果はどれだけでしょうか。そもそも、その商品を販売している会社がどれだけあって、その会社の利益がどれだけあって、どの程度、広告費に使える余裕があるのでしょうか。
蛇足ですが、(もちろん、一概には言えませんが)テレビ地方局の経営状況は、どうなっているのでしょうか。
毎度、ばかばかしいお話を。
テレビ局:「今や、高齢者が若者向け商品を買う時代だ」
スポンサー企業に、言っていたりして。
上場してる地方テレビ局の2024年3月期の成績:
RKB(福岡) 売上238億、経常利益 14億
BSN(新潟)売上230億 経常利益 15億
中部日本(名古屋)売上320億 経常利益 20億
小さいながらしっかりやってる印象。
地方テレビ局の放送の大部分がキー局の番組。
キー局の番組を買っている。「買ってるの?コストたいへんでしょ?」
大丈夫コマーシャルもついてくるから。
要するにコストに売上がついてくるという構造。
地方テレビ局独自の番組もあるけど、ショボい。高校野球県予選とかママさんバレー県大会とか。天気予報もキー局の番組を流すわけにはいかない。困るのがそういう番組のスポンサー。地元の電通にたのんで大企業のコマーシャルをなんとか入れてもらうか、駅前の元祖XX饅頭本舗ということになる。
yahooニュース(11/29)より
>日本テレビ放送網系列の札幌テレビ、中京テレビ、読売テレビ、福岡が来年4月1日付で経営統合するとした。
地方局単体では経営が厳しいみたいですね。
毎度、ばかばかしいお話しを。
日テレ系以外の地方局:「我が社は、地方局同士の経営統合しなくても大丈夫だ」
まあ、お手並み拝見ということで。
ビール会社の健康食品とかサプリとか、電機メーカーの損害保険とか、大手をと言われるメーカーも高齢者向けの通販CMに余念が無いですしね。
特にBSなんかは酷いですよ。
そんかもん、何十年も前からでしょ。
(笑)
サンデーモーニングのテレビコマーシャルは、ずいぶんと前から、
墓地
墓石
葬儀屋
シニア尿もれオムツ
ですよね。なにをいまさら。
その前は、サラ金の日栄。
インディージョーンズのラストみたいな超望遠でサンセット映像が流れるよくわからないイメージCFでした。
そういえば日栄が不始末やらかした時も、最後まで報道しなかったのはTBSでしたよね。
ジジイは、忘れてないですよ。
あの番組を見てることは、カッコ悪いんだと、自覚せんといかんですね。
(でもスキ!なのが筋金入りのファン)
新聞、テレビの広告が高齢化したということは、(簡単に言うと)若者が新聞、テレビを視なくなったということで、選挙で若者を投票率をあげようと思ったら、新聞、テレビ以外の方法で選挙戦を盛り上げる必要がある、となるのではないでしょうか。(SNSとオールドメディアが、同じ方向を向いているかは別問題です)
オールドメデアのCMは「子供に迷惑はかけられない。死亡保険」も多い
さて60代のTV視聴時間が多いグラフを見て一言
当方70代。奥様のTV番組は
流しっぱなし。BGM的な。スポーツが主でワイドショーなんかほぼ見ていません
嘘つきTVはとっくに気づいてますよ~