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本当の意味の「腐敗権力」はマスコミと官僚機構では?

独裁者の特徴とは、公正な選挙で選ばれていない、自分たちに甘く他人に厳しい、専門知識能力が不足している、ミスをしても責任を取らない、自分に対する批判を許さない、等々…。あれ?これらは自民党に対する指摘ではなく、じつはオールドメディアや官僚機構に対する指摘ではないでしょうか?

独裁者の特徴

公正な選挙で選ばれていない

自分たちに甘く他人に厳しい

専門知識能力が不足している

ミスをしても責任を取らない

自分に対する批判を許さない

…。

これらのすべてに当てはまるのは、独裁者である―――。

この基本認識は、個人的に、とても大切だと思っています。

私たち日本人は、自由民主主義国家である日本に暮らしています。この日本においては、政治権力者を批判するのは自由であり、そして、自由闊達な言論を通じてより良い政治家を選び、この日本をさらに素晴らしい国にしていくことが求められるのです。

民主主義のコスト

ただ、それと同時に、民主主義というものは、大変コストがかかる仕組みでもあります。ときとして、本来ならば政治家に選んではならないようなものを政治家に選んでしまうことがあるからです。

そして、こうしたおかしな選択が生じる理由は、民主主義では私たち有権者が限られた判断材料と限られた時間を使い、政治家を選んでいく必要があるからです。なかには政治に対する知見もあまりない人が、その場の雰囲気でどこかの政党に投票してしまうこともあるでしょう(2009年の総選挙のように)。

そうなってくると、世の中には「馬鹿に選挙権を与えるな」、などとするおかしな主張をする人も出てきます。

このあたり、世界には立候補予定者を審査してふるい落とすという仕組みを取っている国もあるようですが(たとえばイランがそうでしょう)、「政治に参加する資格がある人を選別しろ」というロジックを突き詰めていけば、結局は民主主義の否定になってしまうというわけです。

ちなみにこの手の「馬鹿に選挙権を与えるな」式の主張をする人は、「選挙権を与えて良いかどうかは試験で決めれば良い」、などと言い出すわけですが、ではその試験を誰がどうやって実施し、試験内容の客観性はどう担保するのか、といった実務的な問題点を突かれると、支離滅裂になってしまうようです。

いずれにせよ、人類の歴史に照らし、民主主義が最善の仕組みだとは申し上げませんが、最もマシな仕組みであることは間違いなく、その意味で、日本をより良い国にしていくためには、民主主義を徹底していく以外に方法はないのです。

官僚とメディア、特定野党…まさに腐敗トライアングル

こうしたなか、『【総論】腐敗トライアングル崩壊はメディアから始まる』などでも指摘してきたとおり、日本において、正当に選挙されたわけでもないくせに、やたらと大きな権力を握り、日本を悪くしている勢力が、いくつか存在しています。官僚組織とマスメディアがその典型例でしょう。

また、「選挙で選ばれた」とはいえ、第1党になっていない政党・政治家―――とくに最大野党―――も、ときとして与党の足を引っ張るだけの存在となり、国政を邪魔したりします。こうした特定野党も、広い意味では腐敗トライアングルの一角を占めると考えて良いのではないでしょうか。

なお、念のため申し上げておくと、官僚にも日本のために働いている心ある人はいますし、新聞、テレビ業界にも、ジャーナリストとして事実を伝えようと努力している人がいます。また、野党議員にも真摯に努力している人はいます(被災地復興に奔走する立憲民主党の近藤和也衆議院議員はその典型例でしょう)。

ただ、残念ながらそのような人たちは少数派であり、やはり、官僚機構やマスメディア、特定野党議員のなかには、残念なことに、大きな権力を持ちながら日本の国益のためにならないことをせっせと続けるものが多いのが実情です。

国家のサイフを握り、ときとして国会議員を上回る実質的な政治権力を持ちながら、増税に邁進して来た財務官僚、あるいは財務省という組織そのものが、その典型例です。

利権構造が崩れ始めた!

そして、当ウェブサイトを通じて長年提唱してきたとおり、ここにきて、やっとこの「腐敗トライアングル」が崩れ始めました。

いうまでもなく、新聞、テレビが急速に社会的影響力を喪失しているのです。

いや、もちろん、現在でも新聞、テレビは(とくに特定年齢階層などに対しては)依然として強い影響力を持っているようですが、その読者・視聴者は高齢層に極端に偏っており、しかも年々、その利用時間は減る傾向にあることがわかります。

その証拠のひとつ図表1図表2で、2013年、2023年における、それぞれ平日のメディア別利用時間数を年齢階層別に示したものです(単位は分)。

図表1 平日のメディア利用時間(分、2013年)

図表2 平日のメディア利用時間(分、2023年)

(【出所】総務省『情報通信白書』等を参考に作成)

やはり、紙やテレビといった媒体の使い勝手の悪さもさることながら、それ以上に、偏った情報や誤った情報を垂れ流してきたことに、少なくない国民が気付いたのでしょう。そして、ネットを通じて情報を得る人がそれだけ増えて来たということでもあります。

だからこそ、既存メディアの側からは、「SNS規制が必要だ」などとする主張が出て来ているのではないでしょうか?

SNS規制論のトンチンカン

さて、こうしたなかで、山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士がSNSに投稿した、とあるポストを話題に取り上げておきます。

この者は自身を「会計士」などと名乗っていますが、発している内容は財務省批判だったり、マスコミ批判だったり、といったものが中心であり、「会計士」のくせして、あまり会計・税務と関連する話題は多くないようです。

それはともかくとして、SNSにおける議論を見ていると、やはり、SNSにおける情報の不正確さについては、意外と誰も否定していないようです。

著者自身もそうですが、ネットで情報を発信している者にとっては、ネット空間では誰しも自由に情報発信できる、裏を返せば「馬鹿でも情報発信できる」からです(『【インチキ論説】「馬鹿に選挙権とSNSを与えるな」』等参照)。

またもや「ムシャクシャして」やってしまったようです。例の「インチキ論説」を執筆している「旧宿会計士」なる者が、当ウェブサイトに「馬鹿に選挙権を与えるな」、「馬鹿にSNSを与えるな」、などと発言しているそうです。なんだか相変わらず意味がわかりません(※なお、ネタ元につきましては本文末尾をご参照ください)。本日の燃料「馬鹿に選挙権を与えるな」。「馬鹿にSNSを与えるな」。そんな主張をする者が出て来たようです。どんなことが書かれているのでしょうか?馬鹿に選挙権とSNSを与えるな先週の兵庫県知事選で、...
【インチキ論説】「馬鹿に選挙権とSNSを与えるな」 - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、それと同時に、マスメディアで流れている「ネット規制」論を見ていて覚える違和感があるとすれば、それは、「規制すれば良い」というものではない、という点です。ちょうど、「ウイルスが流行っている時期に外出を禁止しなければならない」、といった議論ともよく似ています。

正直申し上げるならば、ウイルスが流行っていても、「外出を完全に禁止する」というのは非現実的です。

マスク、うがい、手洗いを励行し、また、可能ならばワクチンを接種するなどして対処すれば良い話であって、罹患するリスクを低下させることは十分に可能です。

SNSとの接し方も、これと同じでしょう。

むしろ不適切な情報発信を反省すべきはメディアの側

ただ、敢えて厳しいことを申し上げておくと、SNSに接することを規制したとしても、あまり意味はありません。

新聞、テレビといったオールドメディアの情報も、決して正しいものではないからです。

昨日の『共同通信の誤報が日韓関係に影響か…政府は説明を要求』も含め、これまでに当ウェブサイトでは何百回、何千回となく取り上げて来たとおり、オールドメディアの誤報、捏造報道、偏向報道、不適切報道は非常に多く、しかもオールドメディアは滅多に謝罪しません。

それどころか、一部のメディアは誤報などを批判されると、その批判者を特定し、裁判に訴えたりしています。まさに、腐敗利権そのものです。もっといえば、じつはオールドメディアこそがこの日本という国における独裁者だったのではないでしょうか?

ついでにいえば、メディアだけでなく官僚機構も、広い意味では独裁者と呼べるかもしれませんが、メディア利権が崩れたら官僚利権もおそらくあっという間に崩れるのではないかと思います。

こうした観点からは、現在は「国民から選ばれていない者たち」の権威が絶賛崩壊しつつあるという意味で、本当に面白い時代ではないか、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (5)

  • 諸行無常、「続く限り着地点は無い!らいくあろーりんぐすとーん!!」
    翻弄サレ飲ミ込マレ散ジテしまうコトなかりせば、うつりゆくよしなしごとをそこはかとなくただながむるもまた愉し?

  • 所得制限を掛けて富裕層の足を引っ張っても貧困層が裕福になるわけではないように
    SNSに制限をかけてSNSの足を引っ張ってもオールドメディアが正しくなるわけではない。

    多くの人が気づき始めてますね。
    良いことです。

  • > 独裁者の特徴とは
    もう一つ。
    「手柄は自分の物。ミスは部下の物」でしょうかw

    しかし、財務省ってホントすごいなと思う(褒めてない)
    表舞台に全く出てくることなく、自分たちの主張を、与党政府はもちろん、新聞、雑誌、テレビ、大学教授、はたまた知事までもが代弁してくれるって。最近でこそ、いろいろバレてきましたが、一昔であれば、怒りの矛先が財務省に向かう事は少なかったと思います。

    まさに、ディープステート、影の独裁者に相応しい組織であることは間違いないと思います。