国民民主党・玉木雄一郎氏が主張する「剰余金」を、(旧民主党政権時代の)「埋蔵金」になぞらえて批判する人が出てきました。「剰余金」を正体不明の「埋蔵金」になぞらえる時点でずいぶんとセンスがないことですが、たちが悪いことに、(立憲民主党やれいわ新選組といった)左派政党の支持者などが国民民主党の減税策を「埋蔵金」などになぞらえて批判しているようなのです。
なぜか剰余金を「埋蔵金」と同一視する人たち
本稿は、『じつは財務官僚は数字に弱い?毎年巨額の剰余金を計上』からの「続編」という位置づけです。
国民民主党が掲げる「年収103万円の壁」撤廃を巡っては、(なぜか知らないが)立憲民主党などの野党議員であったり、(一般に「左派」とされる)新聞、テレビであったり、あるいは(自称)知識人であったり、といった人たちからは、ずいぶんと舌鋒鋭い批判が出ているようです。
こうしたなか、最近気になる傾向があるとしたら、玉木氏の掲げる減税策を「(旧民主党政権時代の)埋蔵金」になぞらえる動きが出てきたことかもしれません。
先ほど指摘したとおり、国民民主党が現在掲げている「年収の壁撤廃」議論とは、(著者自身の理解に基づけば)そもそも税金を取り過ぎているので、それを最初から徴収しないで国民に返す、ということだと思います。
ただ、(旧ツイッター)などを眺めてみると、玉木氏の「剰余金」発言を巡って、(旧民主党政権時代の公約である)「埋蔵金」になぞらえる人が多数出現しているようなのです。
- 旧民主党は埋蔵金。
- 国民民主党は剰余金。
こんなポストを見ると、国民民主党も、「埋蔵金」とかいう正体不明の財源を当て込んでいた旧民主党と、結局大差ないじゃないか、といった印象を持つかもしれません。
(※余談ですが、この手の批判をする人たちに限って、立憲民主党や日本共産党、れいわ新選組などの支持者であることが多いようです。自民党支持層が減税を批判するならまだわかりますが、なぜ左派政党支持者である彼らが減税を批判するのか、本当に謎です。)
時事通信「玉木氏が『壁』見直し財源として剰余金」
そして、時事通信が6日に配信したこんな記事も、こうした流れで理解できるかもしれません。
「壁」見直し、財源は剰余金 国民・玉木氏、税収減巡り
―――2024年11月06日10時26分付 時事通信より
記事タイトルに「財源は剰余金」とありますが、これだとまるで「剰余金を財源として当て込んでいる」、といった誤認を与えかねません。玉木氏がもし本当にそんなことを述べたのだとしたら、なんともセンスがないことです。
ただ、時事通信の記事をよく読むと、べつに玉木氏は「剰余金を財源に減税する」とは一言も述べていません。それどころか、玉木氏はラジオ番組に出演し、毎年剰余金が発生しているという事実をもとに、「きちんと精査すれば減税はできる」と述べているに過ぎません。
いったい何をどうやったら「減税財源を剰余金」、という意味合いが出てくるのでしょうか。
コミュニティノートに加え、玉木氏自身もツッコミ
ちなみに時事通信のこの記事に対しては、X上では無事、コミュニティノートも「着弾」しているようです。
そして、同様の違和感が、当の玉木氏本人からも出ています。
玉木氏は「予算の使い残しや税収の上振れについて言及しているのに、なんで見出しが『財源は剰余金』になるのだろう」としたうえで、「剰余金は増えていますが、さすがに剰余金だけでは財源にはなりません」と述べ、時事通信に対し見出しの訂正を要求しているのです。
Xなどで政治家が直接反論できるようになった
このあたり、報道機関が一方的に報じるだけだった時代だと、報じられた当事者は反論するすべを持たず、本人が述べてもいない内容をもとに批判されるという現象も多々見られたところですが、時代はもう完全に変わりました。
玉木氏自身がXで約55万人(つまり山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士の55倍)というフォロワーを抱え、社会的影響力を徐々に増していることを考えると、新聞、テレビなどが今までと同じ感覚で一方的に報じると、痛い目を見るかもしれません。
Xなどで政治家が直接、反論できるようになったからです。
当然、それらのXのポストはその支持者を含めた第三者が多数見ており、メディアの報道が正しいのか、それとも本人の反論が正しいのかについては、これらの第三者が判断するようになったわけです。
余談ですが、そろそろ新聞社(地域紙、地方紙、ブロック紙、そして全国紙)のなかには経営に行き詰まる事例も出てくるかもしれませんし、テレビ局だって(とくに経営体力がない)ローカル局あたりでも同様に、そろそろ経営難に陥る事例が見られるのではないか、などと思う次第です
View Comments (6)
昔 同じ政党だったばかりに
現在の立憲民主の人たちと
同じにされるのは玉木さんの試練で
避けがたい宿痾なのでしょう。
まあ、
今は別世帯の兄弟が現在もチンピラしてて
まじめな兄弟が迷惑受ける気持ちが
なぜかわかるような気がします。
その点で、この前党首会談で、
立憲民主が「旧民主党の仲間やろ」と
すり寄ってきたのを毅然と撥ねつけた
玉木さんの姿勢はさすがです。
人は情報を理解し記憶する際、情報量を削減する必要がある為、自分なりフィルターで入力情報を咀嚼して圧縮、有限の脳内「引き出し」に格納するような整理をします。
この作業は悪意が無くても行なう普遍的なものですが、ある種の人達は悪意を伴ったバイアスをかけた整理をするような気がしています。
埋蔵金とか裏金とか下請け虐めとか。同じ臭いを感じます。
予算の使い残しが2023年に6.9兆円もあるとのこと。結構大きい額だから、これをゼロにするだけで、103万円の壁を178万円にすることでの減税額7兆円のほとんどが賄えるのかという気がしますね♪
ただ、一方でこの不用額は翌年度予算に回ってるなら、恒久的な財源にはならない気がするのがひとつ。
あと、国の予算額が110兆円程度だったと思うので、執行率は93.7%(=110-6.9)÷110)にもなってて、これをどこまで上げらるのか心許なく感じられます。
とはいえ、現在の予算の使いみちを考え直すこともできるだろうし、恒久減税による消費の拡大やそれに伴う税収の増とかも当てにできるだろうと思うので、なんとか実現に漕ぎ着けて欲しいと思うのです♪
>恒久的な財源にはならない気がする
個人消費の増大を誘発して経済成長に誘導! 足りなければ国債発行で凌ぐ!! でしょう。
そもそも財政規律優先派は経済成長への画が描けていないのが絶望的です。
大蔵財務省主導でそうやって30年世界経済の拡大から隔絶されてきたので。
>Xなどで政治家が直接反論できるようになった
玉木氏も「噂の独り歩き」の危険性をよく理解しておられるようで、ネット上のモグラ叩きは精力的に丁寧にやってるようです。
ところで、元財務官僚の玉木氏がそれを重視するということは、財務省は「噂の独り歩き」の効果をよく知っている、ということなんでしょうかね。(棒)
立憲民主党、日本共産党、れいわ、これらの政党はいずれも政権交代を是が非でも
実現したい政党ですから、発言が似ているのは当然とも思えます。
端的にいって、政権交代を目的にした同調をしているだけではないでしょうか。
国会で何度も見てきた反対するだけの勢力が、標的を変えただけでしょう。
よって、国民民主党からみれば、これら3党を相手にしては政策が語れる
状況にはないということが明らかになっていると思われます。
立憲民主党、日本共産党、れいわの3党は一部を除いた大多数を敵に回すかもしれないですね。
旧民主党から立憲と国民に分裂した経緯はあるものの、より広く国内を見渡しているのは
国民民主党であるように思えます。立憲の選挙演説を幾つか見ていましたが、演説の内容は
マスコミが報道する裏金議員に相乗りした内容ばかりでした。政策はゼロ。
立憲党首の演説も政策はゼロ。