マスメディアには「選挙で選ばれたわけでもないし経済競争からも守られている」、「専門知識の有無は問われない」、「誤報をしても罰せられない」などの特権があります。これに対し、最近収益化プログラムが始まったX(旧ツイッター)の場合、専門知識なしに専門分野に言及するなどのいい加減な情報を発信したら、即座にコミュニティノートが付され、収益が剥奪される仕組みが運用されつつあります。これが、ネット時代における情報発信の在り方に関する、ひとつの答えでしょう。
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怪しいX(旧ツイッター)アカウント、もうすぐ6,000人に
X(旧ツイッター)上で、山手線の駅名を冠した会計士を名乗る怪しいアカウント(@shinjukuacc)があるそうです。個人的に、最初は泡沫アカウントかと思っていたのですが、いつのまにかフォロワー数が5,000人を超え、ここ数日のバズラッシュのためか、そろそろ6,000人の大台に乗せそうです。
さて、そんなことはどうでも良いのですが、先日、このアカウントがこんな趣旨の内容をXにポストしていました。
- 選挙で選ばれたわけでない
- 経済競争から守られている
- 専門知識がなくても務まる
- 誤報をしても罰せられない
- 投票行動に影響を与え得る
…。
これは、いったい誰のことを指しているのか―――。
自民党を批判するアカウント
この怪しい自称会計士によると、これは新聞、テレビを中心とするマスメディアのことを指しているのだそうです。
なるほど、マスメディアは最近でこそ社会的影響力を徐々に低下させているとはいえ、依然として、一部の層に対しては大きな影響力を及ぼしており、ここ数年の例に限定しても、あたかも自民党がなにか汚職をしたかのような主張が多々見られることは、こうしたメディア報道の影響も大きいと思います。
ただ、自民党が何をやらかしたのかと聞いてみると、ちゃんとした答えはほとんど返ってきません。せいぜい「(旧)統一教会と自民党の関係」、「自民党議員の裏金問題」、といった具合ですが、酷いケースだと自民党に対する完全な誹謗中傷レベルのものもあります。
山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士のアカウントに昨日、いつもの「自民党食堂」(ポストでは「J食堂」)に関するたとえ話をポストしたところ、これに対し、「J食堂は反社(※反社会的勢力)や悪徳代理店とべったり」などと言い出すアカウントが絡んできました。
このアカウントはまた、べつのポストで、「J食堂」が「公金を私物化」しただの、「外交に成果がない」だのとも難癖をつけました。
何を根拠に自民党を批判しているのでしょうか?
すなわち、この人物の主張には、少なくとも次の3つの内容が含まれています。
- 自民党は反社や悪徳代理店とべったりだ。
- 自民党は公金を私物化した。
- 自民党は外交に成果がない。
なかなかに、強烈です。
これらのうち「反社」はよくわかりませんが、「悪徳代理店」といえば、もしかしたら広告代理店を指しているのかもしれません。
実際、かつて故・安倍晋三総理大臣の国葬儀に際し、菅義偉総理が読み上げた弔事を巡り、「広告代理店が関与している」とテレビ番組出演者が勝手に決めつけたことがありました(『テレ朝で番組出演者が「電通関与は事実でない」と謝罪』等参照)。
もしそのことを念頭に置いた発言なのだとしたら、この人物は間接的に、広告代理店を「悪徳代理店」と述べているのようなものかもしれません(このあたりは推察の域を出ませんが…)。
また、「公金の私物化」、「外交の成果なし」に至っては、まったくもって意味不明です。
自民党が大々的に不正を行い、国民から巻き上げた税金をこっそり懐に収めていたのだとしたら、それは許されざる犯罪行為ですが、はて、自民党がいつそんなことをしたのでしょうか?また、この人物は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」などの大いなる外交の成果を知らないのでしょうか?
これらについて山手線の駅名を冠した怪しい会計士はこのポスト主に説明を求めたのですが、残念ながら納得のいく回答は得られませんでした。
余談ですが、「公金をチューチュー吸っている」という意味では、新聞業界の複数の会社が事実上、国民の税金(地方交付税)で利息と保証料の多くを負担させながらおカネを長期で借り入れているという事例の方が、むしろしっくりきます。
これは『ふるさと融資から垣間見える新聞業界と官僚の癒着構造』などでも触れた「ふるさと融資」の仕組みを使ったもので、もちろん非合法なものではありませんが、それと同時に「国家権力を批判する」のが使命のはずのマスメディアが国家権力の助成を受けているという意味で、興味深い事例といえるでしょう。
根拠を欠いた批判は「批判」ではなく「誹謗中傷」
さて、余談はともかく、この際、少々厳しいことを申し上げておきますが、根拠を欠いた批判は単なる誹謗中傷です。
もちろん、政治家は権力者であり、また、政治家の意思決定は私たち一般国民の未来にも大きな影響を及ぼし得るものですので、政治のプロセスに現に関わっている者(たとえば現職国会議員)、あるいはこれから関わろうとしている者(選挙の立候補者)らに対しては、忌憚なき批判の自由が広範囲に認められます。
これに加えてどこまでが「批判」で、どこからが「誹謗中傷」に当たるのかについては、多分に主観に依存することでもありますし、また、現時点で確たる根拠はなかったとしても、「直観的にこの者は怪しい!」などと批判する自由は、可能な限り認められるべきです。
しかし、少なくとも上で挙げたような、「自民党は反社や悪徳代理店とべったり」だ、「公金を私物化している」だ、「外交に成果がない」だといった内容を、まったく根拠なしに述べること自体、自民党に対する誹謗中傷であるだけでなく、私たちが暮らすこの社会における民主主義を破壊するような行動です。
想像するに、この人物が誹謗中傷している相手が立憲民主党あたりだとしたら、もしかしたら開示請求されて刑事告発されるかもしれませんが、自民党ならばたとえ首相の顔に低レベルな落書きをしてXにポストしても、おそらく訴えられることはありません(『首相に落書きしてネットに投稿しても罰せられない日本』等参照)。
日本は米NGO「フリーダムハウス」の調査で、9年連続、G7で2番目に自由な国との評価を受けています。これについてはたしかにその通りです。一国の首相の顔写真に落書きをしたうえで、それをインターネット上で公開しても、逮捕されたり、罰せられたりしないからです。ただ、もしこれが野党だったならば、刑事告発されていた可能性があるのではないでしょうか?私たちは「脱糞民主党事件」を思い出しておく必要があります。フリーダムハウスvsRSF:デタラメなのはどっち?米NGO「フリーダムハウス」が毎年公表している「... 首相に落書きしてネットに投稿しても罰せられない日本 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、「自民党ならば誹謗中傷しても構わない」を突き詰めていけば、仮に政治主導で良い政策が遂行されたとしても、それらが社会的に見て、正当に評価されないというリスクを伴います。
当然、こうした状況が続けば、自民党などの政治家の間で「正しいことをやっても評価されないのならば、議員の地位を悪用して儲けてやろう」というよこしまな野心を芽生えさせる可能性がありますし、また、そこまでいかなくても「どうせ叩かれるなら何もやらずに黙っていよう」、などとなる可能性もあります。
こうした観点からは、政治家に対する根拠なき誹謗中傷は、まさに社会悪そのものなのです。
根拠なき誹謗中傷が罰せられないマスメディア
そして、こうした誹謗中傷が大々的に行われているのは、SNS空間というよりはむしろ、新聞、テレビを含めたマスメディア空間ではないでしょうか?
冷静に考えたら、先ほど挙げた(おそらくは)一般人によるものと思われる、「自民党は反社、悪徳代理店と癒着し、公金を横領し、外交でも成果がない」といった根拠なき誹謗中傷を作っているのも、結局のところはマスメディアではないかと思います。
もちろん、最近だとSNSによる、いわゆる「エコーチェンバー」効果もあるようですが(とくに特定政党界隈を支持するクラスタなどではそれが酷いようです)、ただ、それと同時に「裏金」だ、「統一教会」だといった誹謗中傷も、おそらく出所としての影響力が大きいのは、マスメディアではないでしょうか。
そして、こうした根拠なき誹謗中傷を垂れ流したとしても、マスメディアにおいては誰かに罰せられることはありませんし、収益(広告収入)が奪われたりすることもありません。
テレビ局の場合、いちおう建前としては、放送法に定める中立報道義務などを破れば停波処分を受ける可能性があるとされますが、こうした処分がテレビ局に下された実例は、著者自身が知る限り、これまでにただの1件もありません。新聞社に至っては、誤報の訂正すら法的に義務付けられていません。
つまり、根拠なき誹謗中傷を行っても、新聞社もテレビ局も、基本的には罰せられないのです。
意外と厳しい、Xの収益化条件
ところが、これを「特権」と見るかどうかは微妙でしょう。
このあたり、以前の『宗教改革にも匹敵し得る現代の「インターネット革命」』でもお伝えしたとおり、著者自身はすでにマスメディアとネットの力関係の逆転が実現しつつあると考えているからです。
とりわけ無視できないのは、情報発信がジャーナリストや新聞社、テレビ局の特権ではなくなったことです。
あくまでも想像ですが、イーロン・マスク氏は最近、優秀なクリエイターをXという空間に招き入れ、囲い込もうとしているフシがありますし、その他のSNS(たとえばフェイスブックやインスタグラム)などでも、似たような傾向が見られます。
たとえばXの事例でいえば、一定条件を満たしたユーザー(※)を「クリエイター」と呼ぶらしく、そのクリエイターに対しては、Xのポストの表示(インプレッション)から発生した広告費の配分が始まっています。
(※ちなみにその「条件」とは、18歳以上であること、フォロワーが500人以上、Xプレミアムへのサブスク、プレミアム登録後以降過去3ヵ月間で500万インプレッション以上、などだそうですが、興味があればXのウェブサイトなどで直接調べてください。)
したがって、ネット情報発信業に参入しようとする優秀なクリエイターは、今後、増えることはあっても減ることはなさそうですし、それこそあと数年で、ネットの情報発信の社会的影響力は、マスメディアのそれを大きく凌駕する時代が到来するのではないでしょうか。
しかも、Xの場合でいえば、インフルエンサーになるためには、情報発信にあたり、それなりにさまざまな周辺情報を調べる必要もありますし、背景情報が不十分な情報をうっかりポストしてしまうと「コミュニティノート」を喰らい、収益化が剥奪されてしまいます。
必然的に、プレミアムユーザーであればあるほど、Xで根拠のない情報を流すことには慎重になるでしょう。このあたり、情報の質が担保されていないマスメディアと比べて、必然的に流れる情報の質は高くなる(可能性が高い)のです。
正確にいえば、Xに流れる情報の質が高くなるかどうかは、X全体のユーザーの問題(さらにいえばコミュニティノート協力者のクオリティ)とも密接に関わってきますが、著者自身の見立てでは、現在のところ、少なくとも「反ワクチンデマ」や「福島汚染水デマ」のたぐいの情報には、ことごとくノートが付いています。
共同通信のポストにノートが着弾!
ちなみに、反社会的な内容を配信したら収益化が剥奪されるというのは、インターネット上の他のプラットフォームでも、実現しつつあります。
たとえばYouTubeなどでも、危険または中傷的なコンテンツなどに該当したら収益化が停止されるようですし、一部の「炎上系YouTuber」ないし「迷惑系YouTuber」も、基本的にはその多くが収益化を停止されているようです(そうでないケースもありますが)。
こうしたネット上のクリエイターの感覚からすれば、現在のマスメディアの情報発信、まことに甘ったれているとしか思わざるを得ません。
たとえば、マスメディアはかつて、印象操作・切り取り報道はやりたい放題だったフシがありますが、現在はXなどで、一瞬で反論され、証拠付きで拡散する時代です。
たとえば共同通信が12日、『政策活動費の使用は後ろめたいと首相』、と報じました。
しかし、動画(0:42~)で確認すると、記者が勝手に、こう述べているのです。
「まぁ、後ろめたさを持っているということだけはよくわかりました」。
石破首相はこれに対し、即座に「えっ?」と反応し、冷静にこう述べています(1:24~)。
「わたくしはそんな言い方をしているつもりはまったくありません」。
首相本人が即座に否定しているのに、記者の思い込みだけで記事にするというのは、ちょっとお粗末です。実際、共同通信のXポストには同趣旨のコミュニティノートが提案されています(ただしポスト辞退の閲覧数が少ないためか、ノート自体は表示されていないようですが…)。
いずれにせよ、著者自身、石破茂首相のことを、「好き」「嫌い」の二択で示せば「嫌い」ですが、だからといって本人が述べてもいないことをでっち上げてまで石破首相を貶めるのは、当ウェブサイトの用語でいえば限りなく誹謗中傷に近いものです。
こうした記事で、よく今まで収益を得ていたものだと正直思いますが、それと同時に、インターネットの社会的影響力がオールドメディアのそれを完全に上回った時点で、このような記事が社会悪として存在を許されなくなることだけは間違なさそうです。
そして、これこそがネット時代における情報発信の正確性を確保する手段としての、ひとつの答えではないか、などと思う次第です。
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収益性と言えば、増収減益を発表している某大手紙の事業存続可能性はどう評価すべきなのでしょうか。心配で心配でご飯が二膳しか喉を通りません。
昨日、某ターミナル駅前にて自民党を「裏金」と批判し続ける所属不明の団体がいました。
公示前の選挙活動にあたらないグレーな活動の一種なのかなと思いました。
都知事選といい今回の「立候補者の親戚」を名乗る人のそれっぽい活動といい、公職選挙法の根本的な見直しが必要と感じました。
ホント不識ですよね。
・自民党は悪いことをやっているに違いない
・自民党の不甲斐ない政策のせいで今の世の中は暮らしにくい
前者は個人の感想だし、後者はむしろ政策議論できていない野党を責めるべきことだと思いますがね。
さて置き、メディアの1番の問題点は「メディアスクラム」2番目は「報道しない自由」だと思ってます。(それに比べれば誤報などはまだマシ)特に1番は深刻で、何でもないことを犯罪のように扱ったり、世論をある特定方向に誘導したりとやりたい放題です。なぜか知りませんが、特定の事柄に対して、各社一致団結する傾向にあるようです。まるで誰かが指揮を執っているのかのような印象を受けます。
本来は法律で取り締まるか、このように、新聞社やメディアに対して収益がはく奪(もしくは莫大な損害賠償)でもあればいいんでしょうが、それもなかなか難しそうなので、必要最低限、メディアスクラムを否定する何かが欲しいところです(政府公式チャンネルなど)
*コミュニティーノート
本来は背景情報を補足する機能。
実態は背景情報を捕捉する効果。
CN着弾での収益化剥奪は『炎上商法を無効化する』システム。
「ミスリードの視える化」は、本っ当に素晴らしい機能ですね。
メデアの自由奔放な報道は日本を滅ぼしそうです
特にNHKはネット課金にワンクリック詐欺同然のシステムを作っているとか
事実(可能な限り)を報道すればよいのに偏向が入りっぱなし
与党の批判は分かるが公明党は批判しない。
創価学会は批判しない.政教分離の憲法に抵触してるだろ
野党はほぼ批判しない
これでは日本国民は正確な情報を得られない
自由民主主義の重要な基本は賢明な国民の自由な考えが有ってのもの
メデアの適切な管理を真剣に考えてほしい
総務大臣は仕事をせよ
インストールしないよう警戒しても、ワンクリックインストールとか新スマホにプリインストール&消せないとかやってきそう。
共同通信は相変わらずですね。
「自分達の嘘を見破れる奴は全部敵、騙されてくれる有難いお客様だけを相手にする」を
倒産する日まで繰り返すのでしょうね。
その結果、「元マスゴミ」と言う被差別階級が生まれる事を危惧しているのですが……
彼らは自分達の子孫の安全などどうでも良いのかな?
NPOの公金横領は善意の社会制度を悪用して私腹を肥やしているので、共産党系NPOは反社であると思います。