昨日は「ロシアのウラジミル・プーチンという男が埋没原価錯覚に陥り、ウクライナ戦争から撤退できなくなっているのではないか」、とする仮説を議論しました。こうしたなか、一部の読者の皆さまのコメントで興味深いものがありました。それは、「ロシア制裁に参加しているのは世界約200ヵ国中50ヵ国ほどに過ぎないが、その50ヵ国は世界のGDPの約6割、世界の国際与信の98%、世界の外貨準備通貨の94%を占めている」という事実です。
目次
埋没原価ってなに?
埋没原価とパチンコ・アニメ
いわゆる「埋没原価効果」は、会計(原価計算/分析実務)の世界ではよく知られている「錯視効果」のひとつで、専門的な用語を使えば「過去のコストが将来の意思決定に影響を与える現象」、とてもわかりやすくいえば、「もっと(おカネを)突っ込めば負けが取り返せる」とする錯覚のことです。
わかりやすい例を2つほど挙げておきましょう。
事例①パチンコ大好きなAさん
Aさんはパチンコが大好きで、結婚して家庭を持っているのに、毎日のパチンコ通いがやめられない。ある日Aさんは給料日にパチンコに行き、全額をスッてしまった。Aさんいわく、何万円かを突っ込んだ時点で「もうちょっとやれば大当たりが出る」と思い込んだのだそうだ。どう家族に顔を合わせれば良いかわからない。
事例②アニメ制作のB社
B社はアニメーションを制作するプロダクションだ。Y監督がこれまで制作を進めて来た「D」というアニメ映画、8割方仕上がったのだが、誰がどう見ても面白くなく、このまま最後まで完成させても大コケすることが確実だ。しかし、B社社長は「せっかく製作費を投じたのだから、最後まで作る」と言い張った。
事例①は、パチンコに嵌る人ならば理解できる心理かもしれません。
現代社会では、パチンコの射幸性はかなり抑えられ、給料の全額をパチンコでスッてしまうようなことがあるのかはよくわかりませんが(今から二、三十年前までであればときどき耳にしたものです)、これも「今日はX万円使ったから、ここでパチンコを止めたらX万円が無駄になる」、といった心理がなせる業かもしれません。
クソゲーの世界、不動産の世界
一方で、事例②に関しては、結構、世の中一般で見られる現象です。途中まで進めてたものの、これ以上進めたとしても、どう考えても成果があがらなそうなプロジェクトを止めるかどうか、という決断は、サラリーマン的な心理ではなかなか難しいものだからです。
よく知られた事例としては、ゲーム会社などが開発中のゲームについて、誰がどう見てもつまんないし、このまま完成させてもクソゲー扱いされることが確実だったとしても、すでに投入した開発費を考えるとこのまま完成させざるを得なくなる、といったものがあります。
現在でも名を残す(?)素薔薇しいクソゲーの数々は、多くの場合、埋没原価理論で説明がつきます(嘘です。ちなみに「素薔薇しい」は「すばらしい」と読み、「素晴らしい」と同じ発音ですが、意味は全く違いますのでご注意ください)。
また、経営という観点からは、不動産投資でも似たような考え方があります。
たとえば、不動産投資をしている人が新しい物件を買おうと思って300万円の手付金を支払ったものの、計算ミスがあり、冷静に計算してみるとその物件だと予想される賃料収入の水準が取得原価とまったく割に合っていないことが判明した場合、合理的な人であれば手付金を放棄して契約を解除します。
この場合、この人にとっての損害は300万円で済むからです。
しかし、「せっかく300万円の手付金を払ったのだから、何が何でもその物件を購入してやる!」とばかりに、残額4,700万円の購入代金・仲介手数料などを支払ったものの、年間の賃料収入は100万円に過ぎなかった場合、表面上の投資利回りは2%に過ぎなかったらどうするつもりでしょうか。
埋没原価が理解できない人たち
その地域の不動産の適正な表面投資利回りが5%だったとすれば、5,000万円を投資すれば年間の賃料収入としては250万円が得られたわけですし、年間賃料収入が100万円の物件の価値は、5,000万円ではなく2,000万円です。
つまり、この物件を転売することで、あなたには3,000万円の損害が生じるのです。
それだったら手付金の300万円を放棄して、3,000万円の損害を防いだ方が、遥かにお得でしょう。
いずれにせよ、埋没原価とは、「すでに発生してしまったコスト」のことであり、将来発生するであろう損得を計算するうえで無関係な部分のことを指します。
いちおう、埋没原価の事例として、ここでは「パチンコ狂」、「将来キャッシュ・フロー」という二種類の事例を持ち出しました。
当ウェブサイトの読者の方々であれば、99.8%程度は「将来キャッシュ・フロー」という議論が理解できると思いますが、わざと「パチンコ狂」のような考え方を持ち出した理由は、それくらいの設例でなければ理解できない人も、稀にはいらっしゃるようだからです。
(いや、ここまでわかりやすい事例を持ち出しても、理解できない人には理解できないのかもしれませんが…。)
埋没原価バイアスに沈むロシア
ロシアの現状は「埋没原価バイアス」そのもの
それはともかくとして、昨日の『1年でたった0.1%…埋没原価で見るプーチンの苦境』では、いわゆる「埋没原価錯覚」―――過去に投じたコストが大きすぎて、「あるプロジェクト」からの撤退ができなくなっている愚鈍で哀れな男の事例を紹介しました。
キーウの「アメリカン大学」のローマン・シェレメタ教授(経済学)が10月5日付でX(旧ツイッター)に投稿した、「ロシアが1年で獲得した領土はウクライナ全土の0.1%に過ぎない」、「ウクライナ全土をロシアが制圧するためには800年が必要だ」、などとするポストがそれです。
ロシアの大統領で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を発行されているウラジミル・プーチン容疑者の決定は、本当に理不尽であり、控え目に申し上げて頭が悪いとしか言いようがありません。埋没原価バイアスそのものだからです。
もちろん、ウクライナ側にも多大な犠牲が生じていますが、ロシアの側にとっても人員などに大きな損害が生じていて、しかも西側諸国から多大なる経済制裁を喰らっているからです。
ロシアは資源国…ちょっとやそっとでは経済破綻しない
ただ、ロシア自身が資源国でもある、といった事情もあってか、西側からの制裁により、ロシア経済が簡単に破綻状態に陥ることはないでしょう。なにせ、資源がないことでも知られるあの北朝鮮ですら、何年にも及ぶ経済制裁に耐えているからです。
ロシアはちょっとやそっとのことでは経済破綻しないでしょう。
しかも、世界には約200の国がある(※)とされるなか、ロシア制裁に参加している国は、基本的にロシアが「非友好国」に指定する国―――当初は台湾も含めて48ヵ国、現在でもせいぜい50ヵ国前後―――に限られていて、残り約150ヵ国ほどは制裁に参加していないことに注意が必要です。
(※外務省『世界と日本のデータを見る』掲載の日本政府の公式見解によると、世界の国の数は日本を含めて196ヵ国ですが、事実上国家と呼べるものはそれに北朝鮮・台湾・パレスチナ・バチカンなどを加えて200前後と考えられます。)
また、西側諸国がロシアの外貨準備資産などを凍結済みであることはたしかですが、残念ながら現在の世界では、西側諸国の通貨以外にも、ロシアが自由に使用できる通貨がいくつか存在します。
その典型例が、中国の通貨・人民元です。
ロシア当局者は最近、「BRICS諸国の域内貿易の決済では脱ドル化が進んでおり、9割が自国通貨建てだ」などとうそぶいていますが(『上海機構参加国との取引の9割が自国通貨決済=ロシア』等参照)、これも「西側諸国から制裁を喰らっても動じない」という、ロシア側の一種の自信の表れかもしれません。
その50ヵ国は経済大国ばかり
もっとも、ここでとあるコメント主の方が、こんな趣旨のことをご指摘になりました。
「西側諸国を中心に、ロシア制裁に明示的に参加している国は50ヵ国前後であることは事実だが、残り約150ヵ国は『制裁に参加していない』だけであって、そのことが必ずしも、『ロシアを積極的に支援している』ことを意味するものではない」。
これは、なかなかに目からウロコが落ちる指摘です。
実際のところ、国連総会でロシア非難決議などを行うと、総会では圧倒的多数でロシア非難決議が通ったりもします(『国連総会、ロシアにウクライナからの無条件撤退を要求』、『国連総会がロシアの4州からの撤退を圧倒的多数で要求』等参照)。
世の中の国には温度差があり、「ロシアによる国際法違反の侵略を全面的に非難し、制裁を加える」というレベルの国もあれば、「最低限の交易は続けながらも、非難決議や撤退決議などには賛成する」という国もあるのです。
全面的にロシアを支持している国といえば、ベラルーシや北朝鮮、シリア、エリトリアなどが有名ですが、逆にいえば、ロシアとともにBRICSの一角を占めている諸国(中国、インド、ブラジルなど)も、ロシアのことを無条件に支持しているわけではない、ということです。
そういえば、当ウェブサイトでは何度も取り上げている通り、意外と中国がロシアの銀行取引を止めたりしています。中国の銀行のなかには米国の「二次的制裁」を回避するために対露取引を中止する事例も相次いでいるからです(『米国がロシア「二次的制裁」で中国の銀行を締め上げか』等参照)。
これに加えてとあるコメント主の方からは、「50ヵ国弱のGDPの世界シェアは何%なのか?」という感想が出てきました。
これについては世銀のデータベースで2023年分までの世界各国の名目GDPを調べることができるのですが、「ロシアの非友好国」(当初48ヵ国)のうち、世銀データベースに登録がない台湾などを除く約45ヵ国を集計すると、なんと61兆1162億ドル(!)に達しました。
2023年における世界全体の名目GDPが105兆4350億ドルでしたので、これら45ヵ国だけで世界経済の58%、つまり過半を占めていることがわかりました。これに台湾(約7560億ドル)を足せば、世界経済の6割弱に達します。
このあたり、「数字と割合をさまざまな角度から見なければならない」という、ごく当たり前のことを思い出させていただいた気がします。ロシアにとっての「非友好国」は、国の数では4分の1に過ぎないけれども、経済力でいえば世界の約6割を敵に回したのと同じだからです。
金融では98%を敵に回したロシア
ちなみに上記は名目GDPの議論ですが、これら「非友好国」の経済力・金融力を示す指標は、ほかにもあります。
たとえば国際決済銀行(BIS)の『国際与信統計』(CBS)のデータによれば、銀行の国境を越えた投融資(国際与信)の額は、2024年3月末時点で33兆1250億ドルですが、この債権国のううち上位20ヵ国はすべてロシアの「非友好国」です。
そして、この20ヵ国―――トップは日本―――の国際与信総額は32兆6489億ドルで、国際与信に占めるシェアは98.56%に達します。これのいったいどこが、「たった50ヵ国しか制裁に参加しなくて、ロシアには大して影響がない」、になるのでしょうか?
理解に苦しみます。
この点、もちろん、CBSのデータは中国やロシアなどが提出国ではないため、中国発の与信がどの程度あるのかがよくわからない、といった欠陥があることは事実ですが、それと同時に世銀などのデータによれば、中国が出所の国際与信額は1兆ドルか、せいぜい2兆ドル前後と考えられます。
そして、国際通貨基金(IMF)のデータによれば、外貨準備の世界でも、人民元の地位は下がる一方です。
つまり、世界の外貨準備のうちの94%が米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、加ドル、豪ドル、スイスフランの7つの通貨で構成されており、人民元の割合はせいぜい2%ほどに過ぎません(残り4%はその他の通貨ですが、具体的にどの通貨が含まれているかについてはデータが公表されていないため、わかりません)。
このあたり、「世界各国の中央銀行は脱ドル化を進め、金地金の保有割合を高めている」、などとする報道に狂喜乱舞している人もいらっしゃるようですが、まさか、ロシア・フレンズの皆さまは、現代の国際金融が「金本位制」かなにかだと勘違いなさっている可能性もあるのでしょうか?
(※彼らの頭がそこまで悪いとは思いたくありませんが、まさか、まさか…。もっとも、「無法国家であるロシアを支持するという時点で頭が悪い」という指摘があることは否定できませんが………。)
興味尽きぬロシア・フレンズ
いずれにせよ、ウクライナ戦争を巡って詭弁を弄する者は、得てしてこんな特徴を持っていることは間違いありません。
- ロシア側の加工された二次情報ばかり見ている。
- その中でも自分の見たいものしか見ない。
これに尽きます。
対露制裁に参加している国は当初ベースで48ヵ国に過ぎませんでしたが、その48ヵ国は世界の名目GDPの6割弱を占めていて、国際金融の世界でも98%以上の融資シェアを、外貨準備の世界でも94%のシェアを、それぞれ持っています。
また、中国のように対露制裁に参加していない国もありますが、その中国にしたってロシアを全面支持しているわけでもなく、現実に中国の商業銀行がロシア企業の貿易決済を停止したりしているという現実が存在しているわけです。
それともアレでしょうか?
「対露制裁に参加している国は50ヵ国ほどに過ぎず、購買力平価ベースのGDPでは大したことがない」、などと言い出すのでしょうか?
世界の産業構造(サプライチェーン)で中間素材、生産装置などをこれらの西側先進工業国(とくに日本やドイツなど)が握っているという事実、世界の金融構造で西側諸国が圧倒的シェアを誇っているという事実を頑なに無視するつもりでしょうか?
興味は尽きないところです。
View Comments (27)
「パチンコ狂」での解説、ありがとう御座いました。m(_ _)m
「頭が悪い人」ってあんたのことやないと思うで。昨日のコメント欄よく見てみ。
ありがとうございます。
今後も中学生、せめて頭の悪い高校生でもわかる例えがあると当方助かります。
なにとぞ。m(_ _)m
ところでロシアが勝ったら世も末と思ってしまうのは私だけでしょうか?
毎度、ばかばかしいお話を。
プーチン大統領:「ロシアが勝利すれば、様子見している他の国もロシアに寄ってくる」
もしかして。
(ロシアだけではありませんが)埋没原価錯覚に陥った場合、決断力のある次のトップに代わるか、国(または企業)が存続の危機になるほど追い詰められない限り、抜け出さないのではないでしょうか。
埋没原価=いわゆる「コンコルド効果」ってことですね。
支払った代償の大きさ故に、損切りが躊躇われる様です。
*日本的には、対韓外交が典型的なソレですね・・。
デューク東郷「お前はあの世でビジネスがしたいのか」
毎度、ばかばかしいお話を。
○○(好きな言葉をいれてください):「トップが損切りできるかのテストをしよう」
どうやるんだろう。まあ、本当に確認できるなら文句はないが。
コンコルド部長 → 切腹
コンコルド役員 → 遠島
無垢のショッカー隊員 → しばらく休息を与えて将来復帰の道を約束しておく
プーチンの暴挙は許しがたい、力による現状変更を認めたら悪しき前例になる、という思いは、同感なのですが、それじゃあプーチンがロシア国内でのクーデター等により失脚する、というかってのストーリーも、もはや説得力を失いつつある、と考えています。
「正義は勝つ」なんてのはお花畑発想で、「勝ったものが正義を唱える」のが、現実なんだろうな。
ウクライナへの各国の支援も、米国でトランプが大統領になればどうなるか判らないし、このまま続けばNATOの中にもハンガリーのような日和る国が続出しかねない
日本としては、G7他国と、歩調を合わせるしかないでしょう。
戦争をやめないのは、もっと勝てるか、今やめるとヤバいかでしょう。
埋没原価バイアスより、もっと切実なのかもしれませんね。
当事国やそれぞれの命運かかる国家などは
その立場で頑張ってしまうしかないのでしょうし、
プーチン容疑者(71)が
国際指名手配されても素知らぬふりするのは、
TVのギャング団が警察に包囲されても投降せず
銃撃戦始めるのと同じありようなのでしょう。
そうした直接の当事者でない日本に何故か居る
日本の「ロシア・フレンズ」さんたちは
その屈折ぶりが深い観賞価値があるものです。
新宿会計士さまご指摘のように
・ロシア側の加工された二次情報ばかり見ている。
・その中でも自分の見たいものしか見ない。
そうした彼らの声高な詭弁(笑)には呆れますが、
彼らの顔ぶれの多くは
日本を弱体化蹂躙したいために
「平和」?の言葉を悪用する人たちや
嘘捏造までして謝罪と賠償求める方面など
「日本人を劣等民族と決めつけ隊」
とも被っているなあと気付かされます。
当事国間では人の命がかかって
それが日々失われているというのに
安全な日本にのうのうと居て、
日本人の反米感情を煽りたい(?)だとか
自称リベラルでおまんまなどの
ご自分たちのしょもない目的の
ネタとして利用してやれが本音では?
と見透かされている人たちは、
なんて横着で呆れた人たちだろうかと
感じます。
末端のサヨクさんは、日本がロシアに加担することによって期待される国益(あるいは、日本が極左化することによって期待される国益)について、特に答えを持っていないようですね。
KNさんありがとうございます。
おっしゃるとおりと思います。
私のプロファイルは扇動側の人達ですが、
一方、扇動される 末端のサヨクさん は、
単にご自身の思い上がりのようには
当たり前には認めてはもらえない鬱憤から
煽られている人たちだと思います。
西欧:ロシアが退いてくれればもあべた、ウクライナが緩衝地として機能する程度は残りロシアが当分オイタせん程度に消耗してくれればまあべた、ウクライナがベラルーシを越えるレベルでロシア属下に着くのはばっど、いずれにせよロシアの資源は安定的に安く欲しい
米:概ね西欧に沿うがどうせならロシアにはトコトン疲弊して欲しい、時間かけてロシアに負荷かけ続け結果最終的にウクライナが磨り潰されても向こうン十年ロシアを資源国として搾取対象に留めておけるならこらてらるだめーじ
くらいの底意かしらん?
知らんけど
まーバイデンはんも責任回避決断先送りし続けて逃げ切りっぽいから、大西洋対岸奥地の火事やしまーシャーナイくらいの気分なんかしらん??
どないやねんウクライナがババ引かされとるげなヤな感じやわ
せやかてロシアが国境変えれたら日本もヒトゴトやないからナァ…
プーチン大統領の場合、もし今勝利なくして戦争を止めれば即失脚と生命の危険に晒されるからだと思います。ロシアにとっての勝利とは2014年クリミア併合時以上の領土をウクライナから分捕り、且つウクライナに親ロシアの傀儡政権を作ることです。
植民地や占領地を得れば自国の利益と考える為政者が多いのですが、不動産と同じで既に居住者が居る物件を掴まされると負債ばかりが増えます。つまりクリミヤ他の占領地こそ埋没原価であると思います。
プー「人命というコストは非常に安価であり
将来年金支給というリスクを考慮すれば有益でさえある」
埋没原価の話は、「プーチンってバカだよねー」と我々目線で批判するネタとしてはわかりますが、ロシアのトップの判断材料としては一要素であって決定的なものではないのではないでしょうか。それが何なのか、しかとはわかりませんけど。
元陸軍情報参謀の堀栄三氏の著書「大本営参謀の情報戦記」にあった、大戦中の陸軍の高級幹部の会話。
「●●要塞は5000人殺せば取れるか?3000人か?△△はどうか?」
たしかこんな表現でした。殺傷する敵兵の数かと思いきや、目的達成に必要な日本兵の死者の数のことだったそうです。
現在のロシア軍の、自軍の兵士の犠牲を強いて勢力圏を広げるやり方を見ていると、よくこの一節を思い出します。人の命が軽いのです。
あの国、もしくはプーチンは違う力学の中にいるのだと思います。
こんな国の勝利の先には明るい未来はないでしょう。
閑話休題。
ネット上の無名逆張りフレンズには根拠も論理もないです。どれだけ丁寧に聞いても「俺は無根拠にこう思う」にしか帰着しない。真実なんてどうだっていい人達。DIO様のかけ声が脳内に響き渡ります。
親露の元官僚元大臣フレンズなら実利もあるでしょうが、結構寂しい動機しかないんじゃないかな。あまり動機に思いを致しても詮無きことですが。
まーアレっす
「社会規範のコンセンサス高め」というか「価値観の共有度高め」というかな社会集団内では『結果に比して動機に焦点が当たりがち』だけんども、「社会規範やら価値観の共有度低め」だと『動機云々より結果についてより焦点する』みたいな?
知らんけど