大石あきこ氏はこれまで、自民党議員の政治資金収支報告書の不記載を巡り、「裏金」、「犯罪」などと舌鋒鋭く批判してきました。しかし、自身の政治資金団体において、450万円の訂正が行われていることに関し、「私は裏金議員ではない」と言い出したようです。なんとも酷いダブル・スタンダードです。ちなみに大石氏を巡ってはほかにも、所属する政党の大阪府第5区総支部の報告書で昨年12月、人件費などの記載漏れで8,327,599円の訂正を届け出ているようです。
自民なら「裏金議員」。
野党なら「単なるミス」。
いい加減、驚くダブル・スタンダードぶりですが、これを地で行く人がいたようです。れいわ新選組の大石あきこ衆議院議員が3日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、こんな内容をポストしています。
大石氏はポストで次のように述べています。
「大石あきこ事務所の収支報告書訂正手続きの一部を切り取って『大石あきこは裏金議員』なる無理スジのデマが流されています。/大石あきこは裏金議員ではありません。/提出した収支報告書に自らミスを見つけ、約2か月後に自ら訂正を申告した議員です。そのミスについては申し訳ないです」。
これは『れいわ新選組の大石あきこ氏が不記載を修正=昨年8月』でも取り上げた、大石氏が自身の政治資金管理団体において、令和4年度の政治資金収支報告書で、収入総額を23,533,166円から28,041,000円へと、実に4,507,834円も修正しているとする話題に関するものです。
大石氏自身を含め、野党議員は自民党議員の政治資金収支報告書不記載を、しきりに、「裏金」と呼んで批判してきました。正直、「単なる記載漏れではないか」、といった意見もあるのですが、野党議員はそれでも舌鋒鋭く、これを「裏金」と呼んできたのです。
とりわけ大石氏は自民党の「裏金問題」を「犯罪」と呼んでいます。
上記ポストでも「長年にわたり、組織的・意図的に(政治資金を)不記載にして裏金を作ってきた犯罪」と書かれていますが、政治資金収支報告書の不記載を「犯罪」と呼ぶならば、大石氏自身の今回の行為もまさに「犯罪」ではないのでしょうか?
したがって、「大石あきこ(氏)は裏金議員」というのは、大石氏自身を含めた野党議員がこれまで主張して来たとおりの表現であって、「無理スジの」デマでもなんでもありません。残念ながら、大石氏のこのポストは、自身の「裏金」問題に対し、なにひとつとして、弁明にもなっていないのです。
さて、X上ではほかにも、興味深い話題が出て来ているようです。報告書の訂正がなされているのは、大石氏の団体「大石あきこと歩む会」の収支報告書だけではないようなのです。
「れいわ新選組衆議院大阪府第5区総支部」を見てみると、昨年12月26日付で、「人件費の修正・備品消耗品費の修正」がなされているのです。
これによると支出総額は21,196,318円から29,523,917円へと8,327,604円上方修正されており、「翌年への繰越額」についても11,950,586円から3,622,987へと8,327,599円下方修正されていることが確認できます。
正直、「正規の簿記の原則」に従っていないのではないか、という気がしてなりませんが、いずれにせよ、政治資金収支報告書の不実記載という点においては、大石氏は頻繁に問題を発生させている、ということではないでしょうか。
なお、くどいようですが、著者自身は政治資金収支報告書の記載漏れなどについては然るべき訂正が行われれば良い、とする立場です。大石氏の資金問題についても、とりあえず「不記載の問題」については訂正により話が終わったと考えるのが自然でしょう(別の問題があれば話は別ですが)。
この点、監査論的な立場からすれば、不実記載を契機に大掛かりな不正が発覚することもありますので、単なる帳簿の不実記載が「それで済む問題」なのかどうかについては別途検討が必要でもあるのですが、その論点はあくまでも派生的なものに過ぎません。
ただ、そのロジックを援用するならば、自民党議員の不記載についてもまったく同じことが成り立ちますし、自民党側を「裏金」だ、「犯罪」だと呼ぶのは、やめたほうが良いです。自民がやれば「裏金犯罪」、野党がやれば単なる記載ミス、では、ちょっとダブルスタンダードが過ぎるからです。
いずれにせよ、著者自身、自民党が清らかで素晴らしい政党だとはあまり思わないのですが、少なくとも野党に自民党を「裏金政党」などと批判する資格があるのかどうかについては大いに疑問です。
そして、来る衆院選では、有権者の賢明な判断が下されることを期待したいと思う次第です。
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意図的にしたかどうかで裏金か結果的に裏金になったのかの違いになるのですが
そこんところ端折って不記載を起こしたすべての議員を裏金議員と断定し、個人に及ばずその組織迄非難したことが自身へのブーメランになったことを自覚していないでしょうね。
これは不記載問題だけでなく統一教会についても言えます。
ま、マスコミに公平な報道を望むのは無理でしょうけど
マスコミにこそDEIを実践していただきたいものです。
本件もそうですが、マスコミメディアのレッテル貼り。
やれ裏金だ、下請けいじめだ、金権政治だ、SNSは信頼できないだ、なんだかんだと。
実に薄っぺら。
言われた側が相手にせず大人しくしているとつけあがりいつまでも何度でも。
それに釣られてしまう国民がいるうちは連中は止めないでしょう。
本当にうんざりします。。。
大阪第5支部の件、
収支報告書に記載済の人件費増額分が8,301,004円で、
「大石あきこと歩む会」からの寄付額が8,300,000円(!)
んー、計上された寄付額を無効化(相殺?)した感が否めないですね。
「寄付金ロンダリング」的な節税スキームが存在してたりなのでしょうか?
大石氏個人としての寄付額が8,223,636円と近似値なのも気になります。
政治資金規正法詳しくないですが、22条の6で匿名者からの寄付が禁止されているそうです。
ところが、例の収支報告書に2件で20万円、個人を特定できない者からの献金が記載されてるようなんですよね。
これ、不記載を越えた問題になっちゃうんじゃないですかね。大変ですねー。
「真の裏金議員」では?(笑)
「いつもの」浜田聡事務所が総務省に問い合わせたそうです。
https://x.com/yukarimurakami5/status/1842026831521972621
貼るならこちらのNathern氏のコメントツリーの方がよかったかもです。
https://x.com/Nathankirinoha/status/1842073760297582629
正にダブルスタンダードの極みなのですが、残念な事にこんな”醜態”をさらされても
れいわ支持者は大して気にしている様子がない。
せいぜい大石氏をかばうか、批判者に噛みつくか、あるいは沈黙を保つか、その程度。
れいわを支持する人達は「他の政党や議員に絶望し、何かヒーローや救世主が欲しくて
たまらないから」が理由なのだと推測したくなります。共産党支持者もそれらしいけど。
左系の人は、目的が正しければ手段は正当化されると思っています。
プロレタリア独裁も正しい独裁なのです。
・「不記載などと言って議論をそらして逃げるのはダメ!自首せえ!」
https://www.youtube.com/shorts/ZCsYo57z1ik
あなたが言ったことをあなたに当てはめただけです。
御本人が、悪気はなかったただのミスだと弁解なさるのであれば、"裏金議員"扱いは可哀想かもしれません。"無能議員"であれば悪意の有無に関係なくなり、事実に対し公平かと思いますし、御本人のご希望通りかと思います。「犯罪者よりは無能者の方が良いでしょう?」というわけですね。
まぁその犯罪とやらが証明された方は少ないのに、氏の無能は証明されてしまいましたが。
毎度、ばかばかしいお話を。
れいわ新選組の大石議員:「裏金とは自民党がやるもので、他の党が同じことをやっても裏金ではない」
ありそうだな。
パーティー、選挙違反もそうですね。
私は野党アレルギーなんだと思いますが、この方のように鼻息荒く高圧的な態度で他者を責め立てる割には自分に甘い方を見かけると本当見たくないと思ってしまいます
最近子供が受験勉強を頑張ってますが、勉強をするのは自分のため、世の中理不尽に感じることも多いが、仕組みが理解できないと人生がつまらなくなる
主体性が持てないといつも意味もなくイライラしてるような人間になる、何の教科でもいいから好きなことに真剣に取り組むことが大事だと教えてます
野党の連中をみてると、なぜか昔雀荘に入り浸っていた頃、麻雀は運だ、ついてねーと当たり散らしてたヤツらを思い出すんですよね
税金の修正申告は、修正申告した事実しか残りません。
通常の修正申告は、以下の2通りの手順化と思われます。
①税務調査が行われ申告漏れが指摘されて修正申告する。
②収入額や経費計上したものの間違いを発見して修正申告する。
結果としては、修正申告で個人の場合、5年さかのぼって修正申告可能。
皆さん「修正申告しました。」は言うけど、税務調査があったかどうかは基本言わないですね。IR情報を出している企業なんかは、税務調査で指摘された場合公に言いますが、個人の場合の報告は修正申告があったことだけでしょう。
修正申告した場合、区別がつかないのだから扱いは一緒が望ましいですね。
800万もの収入を忘れていたのを思い出したので修正しましたは意図的な脱税を疑われる件です。
裏金議員より逆に悪質かもしれないですね。