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「深圳事件」インパクト強烈だが…事件矮小化の動きも

深圳事件、すなわち日本人の学童が暴漢に襲われ命を落とした事件では、海外メディアにも報じられているようです。ただ、ちょっと気になる動きがあるとしたら、いくつかのメディアの報道です。英メディア『BBC』は英語版と日本語版で記事のニュアンスが異なっていたところ、(見たところ特段の注記なしに)記事が修正されているようです。また、産経ニュースによると中国のSNSでは事件を矮小化しようとする根拠なき書き込みもあるようです。

英BBCも「日本人の間で警戒が強まっている」と報道

中国・深圳で日本人男子児童が襲撃され、命を落とすという衝撃的な事件(当ウェブサイトの用語でいう「深圳事件」)が発生してから、数日が経過しました。

これに関しては英公共放送『BBC』も、こんな記事を配信しています。

Schoolboy’s killing in China sparks Japanese fears

―――2024/09/20付 BBC NEWSより

BBCはこの記事タイトルで “schoolboy’s killing” 、つまり「男子児童の殺害事件」としたうえで、この事件が「中国で暮らす日本人駐在員の間で警戒が強まっている」、などとし、無料の一時帰国プランを提供しているパナHDの事例や、従業員に警戒を呼び掛けた東芝、トヨタの事例などが取り上げられています。

そのうえでBBCは、今回の事件が「ここ数ヵ月で外国人に対する注目的な攻撃としては、6月の蘇州での日本人母子襲撃事件、吉林省で4人の米国人大学教員が襲われた事件に続き、3回目だった」、などとし、中国に在住する日本人などの間で警戒が高まっている、などと報じているのです。

日本語版の当初記事、訳は不適切だった

ところが、この記事の日本語版、当初、訳が不適切でした。

中国の日本人学校男児死亡事件、日本人コミュニティーで不安広がる【リンク削除済み】

―――2024/09/21付 BBC NEWS JAPANより

表題からもわかるとおり、当初の配信では「死亡事件」とあります。

単なる誤訳なのか、それとも日本語に訳すスタッフが誰かに「忖度(そんたく)」でもしていたのかは不明ですが、ただ、このリンクについては、現時点では『Yahoo!ニュース』などのニューズ・ポータルサイトなどを含め、すでに削除済みのようです。

当初の記事タイトルについてはX(旧ツイッター)などで一部のユーザーから「記事タイトルの『死亡事件』はおかしい」との指摘が相次いだためでしょうか?

ステルスで修正か?

現時点で検索すると、次の通り、記事タイトルは「刺殺」に置き換わっているなど、シレッと修正されたことは間違いありません。真相はよくわかりませんが、読者に何の「ステルス」で記事を差し替えるというのは、まるで日本の某通信社みたいで、感心しません。

中国の日本人コミュニティーで不安広がる 日本人学校の男児刺殺

―――2024/09/21付 BBC NEWS JAPANより

いずれにせよ、日本社会で「中国とお付き合いすること」が新たなリスクに浮上していることは間違いなく、これをどうコントロールしていけば良いのかについては、日本社会にとっての大きな課題のひとつです。

中国SNSは事件矮小化を図っている可能性も!

そういえば、産経ニュースは22日付で、逆の意味で気になる話題を掲載しています。

中国SNS「日本でも中国人狙った事件多い」 根拠ない投稿で深圳の男児刺殺を矮小化

―――2024/09/22 17:51付 産経ニュースより

産経によると中国のSNSでは事件後、「日本でも同じように中国人を狙った襲撃事件が多く起きている」などとする投稿が相次いでいるのだそうです。

といっても、紹介されている事例は「金銭や交友関係を巡るトラブルなどで知人に殺害されたとみられるような事件ばかり」。中年男性がみずしらずの学童を狙い、白昼堂々と刃物で襲い掛かるという事件は、少なくとも日本では発生していません。

産経はこうしたSNSの投稿を「根拠がない投稿で深圳の事件を矮小化する動きとみられる」と評していますが、このあたり、矮小化を許すべきではないことはいうまでもありません。

なにより、一説によると中国では反日的な(そして荒唐無稽な)ドラマなどが多く作られ、放送されているとの情報もありますし、幼いころから日本に対する敵愾心(てきがいしん)を植え付けるかのごとき教育がなされているとの証言なども多数耳にします。

世銀データによると中国の人口は2023年時点で世界2位にあたる14億1071万人(つまり日本の11倍超)だそうですが、これだけの人々が幼いころから反日感情を植え付けられているのだとしたら、そうでない国と比べて、日本人がその国に暮らすことのリスクが決して低くないことを示唆しています。

日本人が中国に駐在するならば、このことは当然に考えられるリスクであることはいうまでもない論点といえるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (18)

  • 見出しを付け替えると記事はまったく別ものに読める。
    日経編集部は同じ内容の記事を見出しをよく付け替えています。初出時刻と修正時刻を併記しているのは良心的で、これは評価できるポイントです。
    追記によってだらだら長くなっていくのが NHK 記事の特徴。全体としてみたとき、発言つぎはぎの結果、網羅的報道の表向きで焦点(笑点)をぼやかすことを意図的にやっているように思えてなりません。
    また、サイト主どのもお気づきのように、大手国際メディアの日本担当には食わせものが混じっています。今日昨日に始まった話ではありません。知ったかぶりでこっそり記事に毒を混ぜ込んでいるよく観察されるところです。
    著名国際ファッション誌ライフスタイル誌の邦訳を請け負っている組織があります。彼らは翻訳に一定の手心を加えるほか、日本発報道を偏向させるという特徴的な傾向があります。いったい彼らの正体は誰なのでしょう。

  • 深圳の日本人男児刺殺事件は偶発ではなく必然 反日教育「学習指導要領:日本への憎しみを激発させよ!」
    遠藤誉9/22(日) 13:29
    https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/02b182db4391aa603ff6bddffe40f87a5f846496

    遠藤誉氏が中国の反日教育を取り上げてますし、起きるべくして起きた事件ですね。

    ちなみに、日本の政治家の対中認識にも問題があるとの事。

    • 遠藤さんの記事を読みました。酷い教育内容です。異常な中国人は今後も増殖し続けるでしょう。同様の事件も。邦人の安全のためには中国からは全て撤退すべきと思いました。

      • 日本もかつて「鬼畜米英」とかをした訳ですが、それを今の西朝鮮、北朝鮮、南朝鮮が世代を越えた拡大再生産をしている訳で、やはりエンガチョするのが大事ですよね。

    • 何年か前に北京の大学の中国人研究者が、当時の険悪な日中関係は反日教育の成果である旨のコメントをしていました。これは学術上の研究であるので何ら問題はない(反日教育の存在を公言しても)とも仰ってました。
      易姓革命が怖い中国共産党は、経済政策の大失政による国民の不満を外国に向かわせるようにしているのでしょう。とりわけ、無抵抗で一番弱い国の日本人が標的にされるのでしょう。

      • “成果”と表現する事が中共政府の意図に沿っているからって事でしょうね。

        意図に反していれば、“成果”と表現出来ないでしょうし。

        東京新聞とかが社説で日本の軍拡を非難してますけど、

        <社説>安保法成立9年 他国攻撃に道開く危うさ@東京新聞
        https://www.tokyo-np.co.jp/article/355044

        中国の危うさを理解すれば、日本の軍拡は歴史的必然と考えても間違いでは無いのではと。

        【コラム】新たな時代の日本、地政学的潜在力を発揮せよ-ブランズ
        2023年9月1日 16:24 JST
        https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-01/S0A9UGDWX2PS01

        >1945年以後のどの時期より、米政府と世界は強く自信に満ちた日本を必要としている。日本政府がまだ答えの出ていない戦略上の大きな問題に取り組み、効果的な政策に必要な国民生活により即した課題に取り組むことができるかどうかが、地政学的な潜在力をどれだけ発揮できるかを左右するだろう。

  • 深圳事件も、中国共産党の都合で事実が書き換えられる、ということでしょうか。

    • 「深圳事件でも、中国が日本世論工作を行っている」と考えるのは考えすぎでしょうか。

      • おまけです。
        昨日のNHKスペシャルは、「中国が日本に対して認知戦をしかけて、世論を誘導しようとしている危険性がある」というものでした。

      • 今回に限らず、長野五輪の頃から中国人は世論操作工作を日本に仕掛けていますよ。
        別に習近平だけが悪いのではなく、元からそんな国。そんな国の利権の為に台湾と断交した田中角栄は大馬鹿者です。

      • 毎度、ばかばかしいお話しを。
        中国;「日本の自民党総裁選や立憲党首選。深圳事件で親中候補が選ばれないことは避けたい。対中強硬候補が選ばれるのは避けたい」
        まさか、そのための工作。

  • それでも外務省は「危険度」を上げないんでしたっけ?
    中国駐在の外交官は、当然「子供含む家族同伴」で、単身赴任なんていませんよね?
    家族の一時帰国なんてしていませんよね?

    • …満州国からの引き上げ、軍人や役人はさっさと家族を引き揚げ、庶民はソ連の前に差し出された贄となったんでしたかね?

  • 今回のような事件が続発し統制不能な事態になれば多くの外国企業は逃げ出し、国際的な非難を受けることになります。
    犯人を厳しく罰すれば、反日に染まり切った国内からの反発は必至。
    過去には排外運動を外国への圧力として利用しようとしましたが、いずれも事件が拡大し外国の介入を招く結果になりました。
    統治に反日を利用しながら反日運動の拡大を抑えようとする共産党政権は、今回の事件を統制不能になる事を恐れているのでしょう。

    中国政府に、過去の反日政策と矛盾する日本人への暴行をやめるよう国内の取り締まりの強化を要請しても中国政府は動かない、もしくは動けないと思います。
    現状国内の景気の見通しが良くない状況では、このような事件が今後も繰り返される事が予想だれます。
    日本の外務省は一刻も早く在中日本人に対し帰国を促す通達を出すとともに、日本企業も現地に残る日本人従業員を必要最小限に絞る必要があると思います。
    中国人の排外意識は不景気もありかなり悪化しつつあるように感じます。

    • 昔から似非リベラルって死者の人権より生者の人権を基本的に優先するので、

      日本の似非リベラルは日本人を殺しまくった中国人の人権を守る為ならば最大限の努力をしそうではありますね。

  • とにかく企業で働く赴任者は「家族を返しましょう」
    出来ないならば会社を辞めましょう。命あっての物種です。
    何かあっても会社は何もできませんよ。
    日本国が動かなければ何もできません。政治家が動かないのに役人は動きません
    万が一の時は保険でお金を払うだけです。
    会社とか国とかどうでも良いので自分の家族を守りましょう。

    追伸 2Fは親類の孫を修学旅行に行かせるのか? 注意してみていきたい