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来年3月からマイナ免許証が実現…次の焦点はスマホ化

マイナ免許証が実現します。警察庁が公表したパブコメ等によれば、来年3月以降、運転免許証は従来通りの者に加え、マイナンバーカードに搭載することもできるようになり、また、手数料も少し安くなるうえに、オンライン講習などの仕組みも導入されるとのことです(ただし、視力検査や写真撮影は免許センター等に出掛ける必要があるそうです)。世の中、徐々に便利になります。次の焦点はさしずめマイナンバーカードとパスポートのスマホ搭載といったところでしょうか。

マイナ免許証実現に向けて

いよいよマイナ免許証が実現に向けて動き出しました。

2022年4月27日に公布された同候補改正では、マイナ免許証に関しては次の2点が盛り込まれていました。

マイナ免許証の骨子
  • 希望者には、運転免許に係る情報を個人番号カードに記録することができることとする
  • 自動車等を運転するときは、上記事項が記録された個人番号カード又は運転免許証を携帯していなければならないこととする

(警察庁『道路交通法の一部を改正する法律(概要)』『③運転免許証と個人番号カードの一体化に関する規定の整備』より)

これを受け、警察庁は13日、関連する政省令等の改正案を公表しました。原文は電子政府の総合窓口『「道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令案」等に対する意見の募集について』で確認可能です。

マイナ免許の概要

ポイントを要約すると、次の通りです。

  • 新しいルールは2025年3月24日に施行される
  • 希望者にはマイナンバーカードに運転免許に関する情報などを書き込む
  • マイナ免許証があれば従来の運転免許証がなくても運転可能
  • 新たにオンライン講習を導入し、対面講習の場合と比べて講習手数料は、たとえば優良運転者は300円、一般運転者は500円の引き下げる

…。

このあたり、さまざまな情報を調べていくと、オンラインで対応可能なのは運転免許講習だけであり、視力検査や写真撮影などに関しては、従来どおり、運転免許センターなどに赴く必要があるとのことです。さすがに視力検査を含め、すべてをオンラインで済ませることはできない、ということでしょう。

ただ、マイナ免許証が導入されることで、今後、運転免許に関しては①従来の運転免許証のみを所持する、②従来の運転免許証に加えてマイナ免許証を所持する、③マイナ免許証のみを所持する、といった選択が可能となるようです。

すべてオンライン化できるわけではないが…利便性は向上へ

運転免許証を身分証明書代わりに使用している人にとっては、引き続き、運転免許証を使用し続ける、といったことが可能ですし、「おサイフに入れているカードの枚数を1枚でも減らしたい」という人にとっては、運転免許証を発行せず、マイナンバーカードに情報を書き込む、という選択を取ることもできるのです。

また、マイナ免許証の便利なところは、住所変更などがワンストップで済むことでしょう。

現在は住所を変更した際に、自治体(市区町村役場)と警察署に、住所変更届を別々に出す必要がありますが、マイナ免許証だとその定義上、カードに現住所情報が記録されるため、住所変更情報の共有を許可していれば、当然に免許証の住所も変わります(このあたりは選択可能です)。

さらには、マイナ免許証のみの交付を希望する場合には、運転免許証事態を発行する必要がなくなるため、交付手数料も400~500円ほど安くなるようです。

細かい運営がどうなるのかについてはまだ詳細がよくわからないぶぶんもありますが、イメージ的には、来年3月24日以降は、よっぽど重大な交通違反などをしていない限り、視力検査や写真撮影については免許センターで行う必要はあるものの、あとは基本的に自宅などでPCやスマホで講習を受ければ良い、というわけです。

社会全体の電子化・ネット化は、徐々に、しかし確実に進んでいくのでしょう。

ただし、個人的に不満があるとすれば、やはり物理的にマイナンバーカードを持ち歩く必要がある、という点です。

物理的なカードには紛失・盗難などのリスクが残りますし、やはり、サイフを持ち歩くという習慣からは、まだ当面、脱却できなそうです。

マイナiPhoneやスマホパスポートは?

こうしたなかでの次の焦点は、マイナンバーカードのiPhone搭載、さらにはスマートフォンへのパスポート情報の追加でしょう。

また、スマートフォンではさまざまな決済システムに対応したおサイフ機能を搭載することができるケースが増えているのですが(著者自身もその恩恵を受けている人間のひとりです)、『生活利便性向上のマイナカード…アップル製品も対応へ』でも述べたとおり、政府は着々と対応を進めています。

すでにAndroidスマホについては『スマホ用電子証明書搭載サービス』のサービスが部分的に始まっていますが、iOSへの対応も待たれるところです。

一方で、スマホパスポートに関しては、日本国内だけで済む話でもありませんが、著者自身は少なくとも今後10年以内には、スマホ1台あれば、少なくとも先進国同士であれば、世界中のどこにも出かけられる時代が到来するのではないか、などと予想しています。

すでに日本では出国の自動化ゲートも実用化されていますし、同様の仕組みはEUや英国、米国などでも一部で導入されていますので、「パスポートのスマホ搭載」については、もうすぐそこに来ているのではないでしょうか。

ただし、あくまでも個人的には、「何でもかんでもスマートフォンに搭載」というのは、まだ少しリスクが高いとも思います。『電子決済網なしで生きていけない中国に台風来ると…?』でも述べたとおり、何でもかんでも極端に電子化したときに、激甚災害でさまざまな混乱の不便を被るかもしれないからです。

著者自身は、日常生活では「スマホひとつで電車もクルマも飛行機も」、「スマホひとつで買い物も」、「スマホひとつで出国も」、といった状態は大変便利だと思いますが、激甚災害に備えて、いくばくかの現金は手元に置いておくべきだとは考えています。

しかし、時代の流れとしては、世の中は「より簡単に」、「より便利に」向かいます。こうした流れは止められないでしょうし、止めるべきでもありません。

偶然ですが、著者自身も来年夏、運転免許証の更新を迎えますので、さっそくマイナ免許証を使ってみたいと思う次第です(そのときまで当ウェブサイトが存在していたら、手数料や使い勝手などについて簡単にレポートしてみるかもしれません)。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • 偽造した免許証やマイナカードを用いた「SIMスワップ詐欺」から、もはや券面目視確認では本人確認として成立しないことが問題となりました。
    2023年6月デジタル庁「デジタル社会の実現に向けた重点計画」より、犯罪対策としてマイナカードのICチップを使用する公的個人認証に一本化する方針が定められました。
    旧来の免許証が本人証明書類として不適格である以上、国民を詐欺から守るためにもマイナカードへの移行は適切な流れだと考えます。

    • 上記訂正致します。
      正確には「非対面での本人確認(オンライン契約など)の本人確認は、マイナカードに一本化する」とのことでした。
      対面では、ICチップの読み取り(真贋判定システムの利用など)を義務化の上で「マイナンバーカード」「運転免許証」「旅券(パスポート)」「在留カード」「特別永住者証明書」スマホ搭載マイナンバーカードへの対応も検討との方針で進められておりました。

  • マイナ保険証に続いて本人確認を厳格にされると困る人たちが反対の声をあげるのでしょうね。

    • さらに紙が大好きな老人の声もあると思います。そーいう一部の声にひよって紙の保険証廃止延期を言い出してしまう林芳正官房長官にはがっかりです。

  • この話、7月に免許更新に行った際に聞きましたね。
    まあ、悪い事でも無いですし、こういうのはドンドン進めていくべきだと思います。

  • マイナ保健証にしても免許証にしても、マイナンバーカードにしきりに反対する人々がいますが、何を心配しているのかさっぱりわかりません。 マイナンバーで紐づけされたビッグデータが出来てしまうと、よほど困ることがあるのでしょう。

    • 老人の方で「国の強制だ~」
      の一本やりで反対している人は知っています
      奥さんには早く作れば2万円もらえたのに! とのお叱り
      こんな人を狙ってマイナンバーカード反対運動は続くんだろうなあ

  • マイナンバーカードに記録された内容を見せるのにパスワードか顔認証が必要というのがよくわからない。
    従来から券面に書かれた内容は提示されれば見ることができるし、万が一無くした時も拾った人は券面を見ることは出来る。内容確認の時の認証を不要に出来ないだろうか。スマホのカメラ越しに見れば、従来見えていた券面の内容くらいは読めるってした方が良いように思うけど。

    暗証や顔認証無しでは見せたくない情報を指定出来るといいですね。暗証無しでは何一つ見せたくない人は全部を隠す。私みたいに暗証めんどくせーな人は本籍生年月日まで暗証無しで見せられる。

  • マイナンバーカードに免許証を含めること理解します。但し、何らかの事象により、警察官が免許証を確認するのは、どの様に行うのでしょう?
    因みに私が駐在していた中東のある国では、その国のマイナンバーカード読み取り装置を警官が保有していました。