大事なことなので何度も指摘しておきますが、昨日も述べたとおり、令和のコメ不足の原因は、パニック消費者の異常な購買行動です。ちょっとしつこいようですが、これについて水道管理論の考え方を述べさせていただきます。ただ、日本のマスメディアの人たちの「記憶容量」の低さを思い出しておくと、このコメ不足がいつまでも続くはずなどありません。コメ不足にかわる話題(たとえば自民党総裁選など)が始まれば、コメ不足の話題は消え、パニック消費者の買い溜め行動は自然に消えていくはずだからです。
目次
令和のコメ不足と「やっぱり政府が悪い」という意見
ちょっとしつこいかと思ったのですが、それでもやはり書いておかねばならないことがあります。
当ウェブサイトでは昨日の『【水道管理論】…令和のコメ不足は政府の責任ではない』で、令和のコメ不足に最も大きな責任があるのは、一部のパニック消費者の不合理で異常な購買行動である、と指摘しました。そして、これについては当ウェブサイトの側だけでなく、X(旧ツイッター)の側でも流しています。
ただ、やはり一部の反応を見ていると、この「水道管理論」を無視して、「それでもやっぱり政府が悪い」、などとする意見を見かけます。
なかには「農林水産省に危機感が足りない」だの、「水道管に流す水が不足しているなら給水車を発動させる局面ではないか」だのといった、なんだかよくわからない苦情も出て来ているようです。
この点、「農水省に危機感が足りない」のかどうかについては、正直わかりませんが(というよりも「危機感」などと主観的表現を出されても困惑します)、少なくとも政府が備蓄米を放出したら済む、という問題ではないことは間違いありません。
仮に正常な需要を大きく上回る需要が発生したならば、その需要が落ち着くのを待つしか方法がないからです(実際問題、いくつかの報道等によると、農水省は消費者に対して繰り返し、冷静な行動をとるように呼び掛けているそうです)。
需給で考えたらコメ不足が生じる状況にはない
また、インバウンド観光客や日本産のコメの輸出量などが増えていることは統計的事実ですが、『統計数字で見る「輸出増加がコメ不足の原因」論のウソ』でも指摘したとおり、それらの要因がコメ不足の決定的な原因となっていると見ることはできません。割合的にあまりにも少ないからです。
それに、「現実にコメ供給がコメ需要を大幅に下回っている状況ではない」とする点については、いくつもの客観的証拠があります。農水省のデータでは、2023年におけるコメの生産量は約791万トン(※速報値)であり、これは直近数年におけるコメ消費量を十分に上回っています。
これに加えて坂本哲志・農林水産大臣も6日の記者会見で、「全体需給として必要な在庫水準が確保されている」、「食料供給が全国的に大幅に不足する事態やその兆候がある事態には該当しない」と明言しています。
なお、少しだけ余談です。
農水省の統計や農水相の発言を引用すると、もしかすると政府に批判的な立場の人からは、「農水省が公表する統計データを盲信するな」だの、「大臣の見解が正しいという前提を置くな」だのといった批判も寄せられるかもしれません。
しかし、当ウェブサイトで用いている数値は「コメ不足」前に公表された数値であり、農水省が統計データを改竄している可能性は極めて低いという点については注意してください。
もっとも、「農水省が今年、コメ不足が生じることを見越し、あらかじめ統計データを改竄したに違いない」、などといわれると、そこまでの陰謀論に対して反論する気力は起きません。どうぞ好きにそう主張なさってください(まともな人からは相手にされないと思いますが…)。
総菜売り場もパックご飯も店頭には商品がたっぷりある
ただ、今回のコメ不足について不自然な点は、ほかにもいくつもありますが、その最たるものは「不足しているのが棚で売られている袋入りのコメ」に限定されている、という点でしょう。
しかも、現在生じているのは「店頭のコメ棚に売られているコメ袋」の払底であり、総菜コーナーに行けばコメをふんだんに使った食品(白米パック、寿司、弁当など)も見かけますし、パック米も普通に売られていますし、外食産業でコメ不足が生じているとする話題はまったく報じられていません。
ちなみに著者自身が金曜日から日曜日にかけ、近所のいくつかのスーパー、コンビニ、ドラッグストアなどを廻ってみたところ、コメ袋はたしかに払底しているケースが多いのですが、パック米は普通に売られており(しかも値段もさして上昇しておらず)、また、総菜コーナーも品数豊富でした。
また、コメの棚も払底しているのは白米ばかりで、発芽玄米や雑穀、もち米といった商品は普通に積まれているケースも多いようす。
これこそが、1993年のコメ不足のときと、決定的に異なる点です。
そうなると、こうした状況証拠を統合すれば、結局のところ、現時点で考えられる最も合理的な理由は、現在のコメ不足は「コメ」の需要が伸びたからではなく、「コメ袋」(あるいは袋入りのコメ)だけが、需要の増加に直面している、と考えるのが自然な結論でしょう。
坂本農相が述べた、「全体需給として必要な在庫水準が確保されている」、「食料供給が全国的に大幅に不足する事態やその兆候がある事態には該当しない」とする趣旨の発言は、状況証拠的には正しいと断じざるを得ません。
パニック消費者が落ち着く以外に方法はない
「こんなにコメ不足なのに、政府はいったい何をやっているんだ」、などと文句を述べる人に決定的に欠如しているのは、こうした客観的事実を整理する力、あるいは科学的考察力ではないでしょうか。
さて、あまりくどくどと書くと、またしても本文を読まない方が出てくる可能性がありますので、端的に指摘します。現在の「コメ不足問題」などのような、「パニック消費者」が発生させている問題を解決する唯一の方法は、「パニック消費者が落ち着くこと」以外にありません。
「水道管に水を大量に流すこと」、「給水車を出すこと」は、どれも、パニック的な水不足問題を解消するのに役立ちません。なぜなら問題は「供給量不足」ではないからです。パニック消費者がいれば、店先にどれだけ商品が積まれていても、それらを残らず買い占めてしまうからです。
ちなみに都内某所のスーパーでは最近、コメについては購入可能数量を「1家族1袋~2袋」に限定しているケースもみられるのですが、あまり意味はありません。これについて考えるうえでは、Xへのこんな書き込みも参考になるかもしれません。
「友達の話だが、夫の実家は老夫婦2人暮らしのはずなのに、コメが40㎏くらいあったので、『お義母さん、こちらだとコメは買えるんですね』と言ったところ、義母からは『違うの、お父さんと手分けしてあちこちのスーパーで開店と同時にコメを探して買い溜めたの』と言われ、『てめえが犯人か』と言いそうになった」。
この「お義母さま」、老夫婦2人暮らしで40㎏もコメを買い占めて、いったいどうするつもりなのでしょうか?
子供世帯や隣近所に恩着せがましく配るつもりでしょうか?
それとも風味が低下し、虫が湧くまで山積みのままで放置するつもりなのでしょうか?あるいは「毎朝コメを(5㎏くらい)買っている」とテレビインタビューで答えた高齢者の正体は、じつは頭の後ろに口がもうひとつついている妖怪(俗にいう「二口女」)か何かなのでしょうか?
解せぬところです。
マスクやトイレットペーパーは「ここにあったのか!」
もっとも、世の中には「報道などを見てパニックを起こし、どう考えても不合理な行動をとる」という者が後を絶たないことは事実です。
実際、コロナ禍のトイレットペーパー騒動やマスク騒動の時にも、どう考えても必要量は確保できているにも関わらず、追加で近所の店舗に早朝から並んでそれらを購入していた層がいたことを忘れてはなりません。そのような者がいることで、本当に必要な人に必要なものが行きわたらなくなるのです。
実際、著者自身もコロナ禍の初期にマスクやトイレットペーパー、液体せっけんなどを買いに出かけたところ、どの店でも在庫が払底していて困惑したことがあります。
その後、コロナ禍がいったん落ち着いた2022年頃、とある事情があって高齢者が独居していた物件に入室したことがあるのですが、その物件ではそこここでトイレットペーパーやボックスティッシュ、マスクなどの消耗品が、山積みになっていました。
そのとき、思わずこうつぶやいたのです。
「ここにあったのか!」
実際、どれも生産年月日などから判断して、この独居老人が2020年2月から4月頃にかけて購入したものであることがわかったのですが、理解できなかったのは、その購入した意図です。
パッと考えられる要因は、「近所に暮らす子供世帯に(恩着せがましく)それらの物資を分け与える」、といったものですが、これは少し考え辛いところです。事前情報だと、この独居老人には新幹線の距離に暮らす長男一家はいたものの、「近所に暮らす親戚」はいなかったからです。
ただ、リビングルームにはでっかいテレビが据え付けてあり、また、机の上には当時の新聞が山積みとなっていたこと、自宅にWiFiのルーターなども見当たらなかったことから、おそらくインターネット環境はなかったか、あってもスマホなどに限定されていた可能性は濃厚です。
改めて水道管理論を説明します
というわけで、「水道管理論」を改めて説明しておきます。
「令和のコメ不足」は、政府(政治家)の責任でもなければ、ましてや農水省や農協の責任でもありません。純粋に「パニック消費者の異常な買い溜め行動」が原因です。
単純化するために、こんな「水道管理論」を考えておきましょう。
- 100世帯が入居するマンションでは1日1世帯あたり100リットルの水を必要としている。
- このマンションの水道管は1日12,000リットルの送水能力がある。
このとき、各世帯が各々必要な100リットルだけを取水すれば、必要な水は全世帯に十分に行きわたります(下記①式)。しかし、パニックとなり500リットルを取水する世帯が10世帯発生するだけで、このマンションでは20世帯で水なしで過ごさなければならなくなってしまいます(下記②式)。
- パニック前:100世帯×100リットル=10,000リットル…①
- パニック後:10世帯×500リットル+90世帯×100リットル=14,000リットル…②
しかも一般に水道水は長く溜めておくことができません。せっかく500リットルを取水したとしても、そのうち使いきれなかった400リットルは、最終的に下水に流さざるを得なくなります。つまり、マンション全体で4,000リットルが無駄になるのです。
これがおそらく令和のコメ不足の正体でしょう。
このあたり、「政府が備蓄米を放出すると報じてパニックを鎮静化させるべき」だの、「コメ袋を見せつける目的でわざと大量に積むべき」だのといった主張もありますが、そもそも都心などでは流通の問題もあり、短期的に供給量を簡単に増やすことが難しい、といった事情があることは無視できません。
また、万が一、「一時的にコメ供給量を倍増する」という芸当ができたとしても、今度はそれによってコメ流通が混乱することは間違いありません。
新米流通と自民党総裁選がコメ不足問題を解消するのでは?
それよりも、例年9月以降は新米の供給が始まること、パニック消費者の無駄な買い占めも(財政力と保管場所の関係で)いずれ突如として収束する瞬間が来ること、などを踏まえると、合理的に考えれば、早期に収束すると考えるのが自然な発想です。
もちろん、メディアが「コメ不足問題」をいつまでも報じ続けるというリスクはありますが、日本のマスメディアの人たちの記憶容量は非常に低いため(著者私見)、コメ不足以外に報じる話題(たとえば自民党総裁選など)が出てくれば、コメ不足の話題が激減し、勝手にコメ不足は収束するのではないでしょうか。
いずれにせよ、コメを何キロも買い込んだ人は、風味が低下しようが、虫が湧こうが、たとえ何年かかろうが、責任をもって令和5年産のコメを食べきっていただきたい、などと思う次第です。
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テレビにとって問題なのは、コメ不足ではなく視聴率不足、ということでしょうか。
毎度、ばかばかしいお話しを。
高齢者:「コメもマスクもトイレットペーパーも、安心するために積み上げてながめるものだ」
お前はどうなんだと、聞かないでください。
「パンとサーカス」
が大好きな人たちは、この現代の日本でも一定数が存在していて、人生リソースを主にテレビをみることに費やしていて、忠実にテレビとコール&レスポンスしている、と。
まあ、1票持ってるから仕方ない。
普通の人ができるだけ関心をもって投票にいくしかありませんわね。
(小学生みたいな感想になってしまった…)
今回の米騒動ですが、マスコミが煽っているというマスコミ悪玉論も見掛けますが、これには違和感を覚えます。
マスコミ報道によって、品薄が過熱したというのは事実です。
それをマスコミが意図的に誘導したというのは、推測です。
何故なら、実際の報道がどうだったかを検索して振り返れば分かりますが、マスコミは品薄に対しての打ち消し報道も同時にしているからです。
マスコミが悪であるという仮定を結論に据えるため、打ち消し報道もしているという事実を無視・軽視していると思われます。
そういう意味では、打ち消し報道が頭に入っていないという点で、彼らはパニック消費者と同じだと思います。
水道管の例で言うならば、水道の使い方で異常を検知したので警報を鳴らした。
その警報を聞きつけて、パニックに陥る人が出た。
これで、警報を鳴らすのが悪い。人によっては、警報によってこの騒ぎを悪化させようとしていると主張しているようなものです。
警報そのものは鳴ってくれないと困ります。
議論するなら、パニックを誘発しない報道の仕方は具体的にどうなっていればいいのか。警報が鳴っても集団が落ち着いて行動するには、どうなっていればいいのかという点を話し合った方が、犯人捜しよりもよっぽど前向きだと思います。
> マスコミ悪玉論も見掛けますが、これには違和感を覚えます。
同感です。地震や台風の警報を受け、ローリングストック強化を報じる際に、若干尾鰭を付け過ぎた?
スーパーの米売場の棚が空だというニュース報道の際に、若干尾鰭を付け過ぎた?
どちらにせよ、マスコミは後段階には関与していても、前段階には関与していない。
寧ろ、ネット上にこそ、米不足を煽る、文・静止画・動画等が溢れている。
後で判った事だが、米売場の棚が空になったのは、スーパー等の安売店の話。
米専門店の一部や一部地方とかでは、空にはなってないそうだ。
> 令和6年6月末の民間在庫が156万tとなり、1999年の統計開始以来、最も低くなることが農水省の推計で明らかになった。
https://www.nouson-n.com/media/2024/08/06/9764
6月よりずっと前から、過去最低水準で推移している模様。
精米前のが春から過去最低という事は、買溜めする消費者以外の要素もあるのでは?
昨日・一昨日と商業施設等を回ってみたが、精米済みの米は売場に結構積まれていた。
1人1袋に限るという貼紙はあったが、品薄対策というより、バカヨケという感じ。
争奪戦が生じていないなんてレベルではなく、手出しする人すら殆ど居ない。
田舎では、新米を目前に控えているのに、わざわざ古米を買う人は、特殊事情のある人に限られる。
大都会に長年住んでると、季節感も基礎知識も無くなるのかな?
郊外に出ればコイン精米機がある事を知らないし、もうすぐ新米の時期だという季節感もない?
買溜めするなら、白米は不適で、玄米か乾麺でしょう、という事も知らない?
その内、「台風が来るからといって、刺身を買溜めしないで下さい。」といった貼紙が必要になったりして。
オールドメディアが報じる際に、全ての米屋で起こっているとか、全国的に起こっていると報じた訳ではない。
単に、空の米売場の映像を出しただけだが、専門店や地方の映像に報道しない自由を行使する事で、視聴者の誤解を誘ったと思われる。
オールドメディアの報道しない自由も十分問題だが、ネット上では、本人が見聞きしたい情報だけに偏った話になっているので、更に注意して(眉に唾つけて)受け止める必要がある。
コメ不足ガーって連呼しなくても良かったのでは、ちょっと調べればコメ不足かどうか昨年の秋からわかるはず。
スーパーの棚からコメ袋が消えた原因を調査するのがマスコミ。
見てきたことだけしか報道しないのはその辺のおばちゃんがスーパー見聞録を井戸端会議で披露しているレベル。
もっともそれじゃニュースにならないから米不足やら令和の米騒動って話を大きくしたのだと思いますけどね。
99件の正確な報道があっても、たった1件の誤報や扇動的な報道があれば批判されるべきですよ。あってはならないことだから。
訂正報道してもそれが伝わってなきゃ意味ないし。
証拠がないので悪くない、って言ってますけど法廷で誤審で権利が侵害されるのを避けるために安全を見るためのものと同じですが、ここは法廷じゃないし、強大な権力を持つマスコミにそんな心配はいらないですよ。疑われれたなら説明すればいいんです。だいたいマスコミは疑惑をかけられても説明しないし。
個人が慎重に行動するべきだと言ってることはわかりますけどね。それとこれとは別ですよ。
観念論で語ってないで、具体的な報道一つでも挙げてみたらどうですか?
>観念論で語ってないで、具体的な報道一つでも挙げてみたらどうですか?
割と最近のコメントでリンク貼ったので、同じものを取り上げるのもどうかと思い、今回はリンク貼りをサボったんです。
以下のコメントで、報道の例を挙げています。
産経の「煽りすぎて拍車か?」みたいな記事でさえ、解消の見込みを挙げているんですよ。
ちなみに、毎日取り上げられているとは思いますが、それを以て煽りとは言えないと考えています。
https://shinjukuacc.com/20240831-01/#comment-329681
>99件の正確な報道があっても、たった1件の誤報や扇動的な報道があれば批判されるべきですよ。
人に例を出せとか言う前に。あなたこそ、誤報や扇動的な報道とやらの例を出して、それがどれほどの影響力を発揮したのか客観的なデータを出すべきでは?
せめて、どうして扇動的だと考えたのかという理由くらいは説明して欲しいものです。
>証拠がないので悪くない、って言ってますけど
そんなこと言っているつもり、全然無いんですが?
どこを読んで、そう解釈されたのですか?
ちょっと訂正します。
>マスコミ報道によって、品薄が過熱したというのは事実です。
>それをマスコミが意図的に誘導したというのは、推測です。
マスコミ報道によって、品薄が過熱したというのも、意見でした。
ただし、これは結びつくデータが多く、確度の高い意見だと思います。
一方で、マスコミが意図的に誘導したというのも、意見(推測)です。そして、こちらは実際の報道を見るに、打ち消し情報も伝えているので、そんな意図は無いだろうと考えています。
皆さんは6月からテレビのワイドショーを見てきてのご意見なんでしょうか?
「テレビ」には結構真面目な報道からお笑い番組、お笑いタレント起用したワイドショーとか、流石に内容・表現が違います。
今回の店頭販売のコメ不足は、8月からのニュース番組の問題じゃないですよ。
平成の冷夏影響のコメ不足・米騒動と一緒に流し続けた番組に、責任がない訳がない。
>令和のコメ不足と「やっぱり政府が悪い」という意見
いつだって、妖怪二口女?をけしかけるのは、メディアの二枚舌。
彼らの生業(なりわい)は、困った探しをして権力者を貶めること。
・・・・・
【導程(ミスリード)】
僕の煽りの前に”難”は無い、僕の煽りのあとに”難”はできる・・
常に反骨の気概を僕に満たせよ、この尊い”導程(ミスリード)”の爲め
*高村光太郎さんゴメンナサイ。
それでは立憲の代表選の立場が……とふと思い、4人のうち米に触れている候補は居るのかなと政見の流し読み(別名:時間の無駄)をしてみましたが、触れているのは吉田氏だけかな。内容はえーと……「政府備蓄米の強化」。
……え、それだけですよ?
強化の意味すらわかりませんが、まさかこれ備蓄を増やすという意味なのでしょうか。何の意味が。それとも放出しますとは言いたくないし放出って立憲代表が言ったって無意味なのもわかってるしなんかもうこうふわっと"強化"って言っとけ。みたいな感じか。いくらなんでも味の話じゃないでしょうし。
詐欺でお馴染みの食料自給率にも触れてくださっています。算出法に特に指定は無く問答無用のカロリーベースで現38%→80%(!)にするとのこと。生産額ベースだと現在既に66%ほどなので、100%を軽くぶち抜くおつもりのようです。飢餓輸出とか言ってたそばから食料輸出立国にしたいのかな?
あまり存じ上げませんでしたが、逸材のようです。
ネットのニュースでも、「昨年は酷暑で米が不作だった」という記述を何度も見ました。
しかし、農水省の昨年の作柄指数は「101」で、不作という数値ではありません。このような、事実確認すらしない報道に問題があります。
コロナの頃のマスク不足は、現役を引退した老人が、LINEで連絡を取り合いながら、早朝からドラッグストアに行列を作りました。そして、規定数の販売が終了すると、「これで65枚入りを5日連続で取った。そっちは?」と電話をしている有様。こちらの現役世代は、休日しか並ぶことができないのに。既に300枚以上のマスクを確保しているのであれば、休日ぐらいは遠慮しようという気にもならないのですね。その大半が、「連帯」が大好きな団塊の世代です。
日本のモラルと知性の低下は、少なくとも自宅近辺では、団塊の世代がもたらしているようです。
あーたぶん「作柄(作況指数)」=単位面積あたりの収穫量と「一等米比率」=品質をわざと混ぜてる感じ>ニュース
作付面積減れば仮に作況指数100でも収穫量も減るけど、去年はそれ以上に「一等米比率」がヤバいくらい低かったらしいでかいね、特にブランド米産地で
陰謀論に与するつもりはありませんが、次の仮説は成り立ちますかね。
1.米価格の大幅改定を、消費者の大きな反発を生じないで円滑に行いたいと考えた人物がいた。
2.マスコミに空の米売場を取材させ、米が不足していると報道させた。
3.後は周知のとおりの展開。
4.米が無くなるより高くなっても買える方が良いと考える消費者が増えて終息する。
しかし、高くなりましたね。農家から直接購入していますが、昨年同期より4割以上高くなりました。農家が適正価格を求めるのは理解できますが、急激・大幅な変更は価格決定の仕組のどこに問題があるのでしょうか?
為替も同じですが、高くなる安くなるが問題ではなく、急激・大幅な変動が問題だと思います。
他のサイトで似たようなこと言っていた人を見掛けましたけど。思いっきり陰謀論扱いされて馬鹿にされてましたよ。
正体不明の謎の人物や組織が、己の願望を満たすために、観測されない巨大な権力を使って世の中を動かすなんて仮説は、そりゃ陰謀論扱いされるよねと。そのやり取り見ていて思いました。
今、米には1kgあたり341円の関税がかけられていますが、国産米のライバルは海外米ではなく、小麦だと思うのです。
うどんなんて100円だせば3玉買えます。スパゲッティも100gあたりなら、安い物なら30円くらいで手に入るでしょう。
へたに米の価格を上昇させると、ますます米離れが加速するだけなんじゃないかと思いますね。
素人ではありますが、米は価格を上昇させるのではなく、生産(狭い土地で細々と耕作しているなど)と流通(JAなどの非効率性)の効率化を図らないと駄目なんじゃないかな、と感じています。
過去1年間は米の消費が例年よりかなり多かったそうですが、理由の一つには他の食料品が値上がりした結果相対的に米が安くなったことがあったそうです。
この秋からのJAの米の買い取り価格が2~4割上昇するそうですが、米の価格はいったん上がってまた消費は減るのでしょう。ただインフレ傾向ですから他の食料品価格は今後も上がっていくと思われますし、その分消費は戻ってくるのではないでしょうか。
過去にもこんな行きつ戻りつしながら、総体的には消費の右肩下がりが続いています。
農水省は毎年翌年の需要予測を出していますが、人口ピラミッドと世代別の消費傾向の違いを織り込んでいて、かなり正確に予測してきています。今年は少し外れました。
農水省:米に関するマンスリーレポート(令和6年8月)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/attach/pdf/mr-832.pdf
P.5
>令和3年9月から食料品全体の価格の上昇が続く中で、米の価格は相対的に上昇が緩やかであったことを背景に消費がやや増加したと見込まれることから、(消費が増えた)
各年代がどれくらい米を購入しているのか、改めて見てみました。
公益財団法人日本農業研究所「米消費の減少と中食化の世代別分析」(2020年)
1人当たり年間の穀類品目別購入量等(2019年)
29歳以下 8.7kg
30-39歳 12.0kg
40-49歳 16.0kg
50-59歳 20.0kg
60-69歳 25.8kg
70歳以上 28.0kg
http://www.nohken.or.jp/kikaku-iinkai/2-10-9-aoyagi-kikaku5.pdf
高齢者の購入量が自分の想定以上で驚きました。
「ジェロントロジー」によれば、高齢者は
・認知機能は徐々に低下、65歳以上の4人に1人が認知機能に問題が生じていると考えられる(MCI含む)
・相手の説明・表現の仕方によって意思決定が大きく左右されやすくなる
・直感的に判断する。わかりやすい情報とシンプルな選択肢を好む
ことから、
・高齢になるにつれ、適切な判断を行う能力は低下する傾向にある
と一般的に言えると思います。
以上を踏まえ導かれた結論がこちら。
普段からお米を多く購入していた高齢者がマスコミ報道を通じて「パニック買い」という実行役になってしまった。
そして扇動したのは大手マスコミ。
自分としては、上記結論が凡そ正しいと思っています。
追伸
上の数値は穀類品目のうち米に限った数値です。
年末年始都市部に帰省する子孫世代への祖父母世代からのイヤゲモノが四半期以上前に精米された米になる悪寒…
恥ずかしながら、我が家もパニック買いに与してしまったクチです。
9月中にはほぼ落ち着くはずだから大丈夫だ、と自分がいくら言っても、報道に焦った妻をなだめることができず…普段の2倍以上の価格で普段の2倍の量のコメをネット注文するのを止めることができませんでした。
ちなみにその2日後には近所のスーパーで(価格は普段の1.5倍程度でしたが)普通に売ってました( ;∀;)
一家の食に責任を負う奥様のお気持ちは理解できる気がします。
マスコミが煽らなきゃこんな不幸にはならなかったかもですね。