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令和のコメ不足は「日本の食糧危機の始まり」なのか?

「農水省はコメ農家や天下り先のJAを守るための組織となってしまっている」。「そんな農水省は、コメ不足なのに頑なに備蓄米を放出しようとしない」。「そして令和のコメ不足は、日本の食糧危機の始まりだ」。こんな主張が、大手ウェブ評論サイトに掲載されたようです。経済評論と述べるわりに、コメの需要と供給などの基礎データやサプライチェーンの理論などを無視しているように見受けられるのですが、問題は、社会的影響力が大きなメディアがこの手の人々の不安を煽る記事を掲載することの弊害です。

「てめえがコメ不足の犯人か」

ここ最近、しばしば引用している例の「アレ」を、再度引用しておきましょう。

友達の話だが、夫の実家は老夫婦2人暮らしのはずなのに、コメが40㎏くらいあったので、『お義母さん、こちらだとコメは買えるんですね』と言ったところ、義母からは『違うの、お父さんと手分けしてあちこちのスーパーで開店と同時にコメを探して買い溜めたの』と言われ、『てめえが犯人か』と言いそうになった」。

これは、X(旧ツイッター)で見かけた書き込みですが、「令和のコメ不足」の正体を端的に言い現わしている、最も適切な状況説明のひとつでしょう。

先日の『令和のコメ不足は「平成コメ騒動」の再来「ではない」』でも述べたとおり、現在、全国的な「コメ不足」をもたらしている最大の要因のひとつは、おそらくは一部消費者のパニック的で異常な買占め行動だと考えられます。

数字で見る「コメ不足は生じていない理由」

これまでの議論の繰り返しですが、まず、「コメの生産量が消費量に対し不足している」という事実はありません。まずは、経済評論の鉄則として、「基礎数値」を確認しておきましょう。

そもそも昨年(2023年)の全国の作況指数は100と、決して悪くありませんし(図表1)、また、コメの作付面積や生産量が減っていることは事実であるにせよ、日本人のコメの消費量は年々減っており、農林水産省の統計で調べる限りコメの生産量は消費量を十分に上回っています(図表2)。

図表1 作況指数(全国)

(【出所】政府統計の総合窓口『作物統計調査』等をもとに作成)

図表2 コメの生産量と消費量【千トン】

(【出所】政府統計の総合窓口『食料需給表』等をもとに作成。ただし、2023年の数値は概算ベース)

ただし、2023年の消費量については概算ベースですので、もしかすると後日、統計数値に変更があるかもしれませんが、もしそうだとしても、2023年に限定して消費量が前年よりも激増するという事態は考え辛いところですので、やはり「コメ生産量はコメ消費量を上回っている」という点についてはおおむね間違いないでしょう。

消えたコメは買い占められた家で古びていく

そうなってくると、コメはいったいどこに行ったのか。

これについてはコメの流通の仕組みを考えてみればわかると思います。

当たり前の話ですが、私たちがスーパーや米屋などで目にする米袋は、昨日田んぼに実っていた稲を刈り取ったものではありません。通常、コメの収穫は年1回であり、年間の需要予測を見越して精米業者などが保管しているのです。

多くの場合、農家は稲を刈り取り、農協などを通じて中間流通業者に流れ、精米業者などが年間の需要を予測し、少しずつ精米してスーパーなどに卸すという流れが考えられます。少しずつ精米する理由は簡単で、コメは生鮮食品であり、精米後数ヵ月放置すると、風味が落ちてしまうからです。

したがって、精米業者は通常売れる分に合わせて少しずつ精米をするわけですが、精米能力は急には増やせません。現在のように一部消費者がパニックを起こし、コメを買い占めてしまうという事態が生じると、あっという間に店頭からコメがなくなってしまうのです。

冒頭に示した「老夫婦2人世帯なのに40㎏のコメ」を蓄えているというケースだと、この40㎏のコメを消費し切るまでに、下手をしたら1年近くの時間が必要かもしれませんし、最悪の場合、風味が悪化したまま、この老夫婦が食べきれずに破棄されるという可能性があります。

いずれにせよ、買い占めた人たちは「買い占めた責任」として、たとえ風味が落ちようが、キッチリと消費し切っていただきたいところです。

水道管理論で考える「消えたコメの不合理」

いずれにせよ、「コメ不足」で消えたコメは、この手の「情報弱者層」の家庭の台所に大量にストックされていると考えるべきでしょう(あるいは悪質な個人転売業者が転売用のコメを自宅に積み上げている、という可能性もありますが…)。

こうした不合理は、「水道管理論」で理解するとわかりやすいかもしれません。

水源には水も十分にあり、水道管にも水が流れているにも関わらず、末端の蛇口で他の人の水を横取りしている者がいるため、結果的に水が行きわたらない」。

こんな状況を想像していただければ良いでしょう。

そして、現在の「コメ不足」に関し、政府に備蓄米の放出を求める意見も目にするのですが、これはさまざまな意味において、適切なソリューションではありません。水道管には十分な量の水が流れているわけですから、そこに追加で水を流すと水道管が破裂する(かもしれない)からです。

「コメ不足は日本の食糧危機の始まり」

それなのに、現在のコメ不足を「食糧危機の始まり」だの、「政府が事実を隠している」だのといった、記事が出て来ていて、ちょっと驚きます。現代ビジネスが5日付で配信したこんな記事が、それです。

「令和の米騒動」は日本の食糧危機の始まりだ…政府がひた隠す「知ってはいけない事実」

―――2024/09/05 06:45付 Yahoo!ニュースより【現代ビジネス配信】

なんでも、執筆したのは「経済評論家」と名乗る人物だそうです(ということは、この論考も「経済評論」の一種なのでしょうか?)。

なぜこれに違和感を覚えるのか。

その最大の理由はのちほど指摘するとして、まずは、記事の概要を読んでいきましょう。表現をやや整えながら、前半部分を箇条書きで要約してみます。

  • 農水省は、すでにコメ農家や天下り先のJAグループなどを守るための組織となっているため、私たちの税金で買い取っている備蓄米さえも放出しない
  • 消費者政策をつかさどる消費者庁も農水省からの出向者が多く、あまり同省と波風を立てたくないのか、同町ホームページには、コメのコの字も出てこない
  • 本来なら政府主導で内閣総理大臣をトップとする対策本部を設置し、備蓄米放出を決めるべきだが、レームダック状態の岸田首相は、コメ流通円滑化を農水省に指示しただけで終わり
  • 自民党の国会議員は、総裁選で頭がいっぱいでそれどころではない状況にある
  • 私が今回の問題で最も危惧しているのは、減反やコメ高騰が庶民の家計を直撃するだけでなく、将来的に食糧危機の引き金になる可能性があることだ
  • 日本の食料自給率はカロリーベースで38%、食量の6割以上を海外からの輸入に依存しており、2050年に穀物需要量が現在の1.7倍になるとの内閣府予測に基づけば、20年もすればコメだけでなく食料が足りなくなる可能性がある

…。

経済評論なのに生産と消費の数字が出てこないのはなぜ?

大変失礼ですが、よくこれで「経済評論」を名乗れるものです。

こうしたなか、先ほど指摘した「違和感」は、「基礎的な数値が出てこないこと」にあります。

「コメ不足」について述べるのであれば、コメの作況指数がどうなっているのか、コメの需要がどうなっているか、コメの供給がどうなっているか、という最低3点のデータは必要であり、それが、この記事、あるいはその1本前の記事にも、まったく出てこないのです。

いちおう出てくる数字もないわけではないですが、よりにもよって「カロリーベース食料自給率」であり、また、「外国からの輸入に頼っている」などといいながら、肝心の輸入額について言及しないのは、不思議と言わざるを得ません。

もちろん、当たり前の話ですが、将来のことはだれにもわかりませんし、世界的な食糧危機が生じるかもしれません(し、生じないかもしれません)が、それと現在の日本のコメ生産量は、関係ありません。くどいようですが、水稲生産量が減っている大きな理由は、日本人のコメ消費量が減っているからです。

また、日本の貿易構造で見ると、たとえば2023年の輸入高に占める「食料品及び動物」は8兆2616億円で、これは輸入額の110兆1711億円のうち、たった7.50%に過ぎません。

普段から当ウェブサイトにて申し上げている通り、食料自給率には「生産額ベース」のものと「カロリーベース」のものがあるのですが、カロリーベースの指標は適切ではありません。日本のように食料生産における付加価値率が高い国の場合、「産業」として見たときの農業の実態を歪めるからです。

このあたり、先ほどの「水道管理論」ではありませんが、産業のサプライチェーンについて学んだことがある人にとっては、商品不足の問題を解消するためにはボトルネックとなっている部分を特定し、その部分に働きかける以外に方法がないことは、常識レベルの知識ではないかと思います。

大手メディアが不安を煽ることの意味

くどいようですが、今回のコメ不足も流通システムの末端で一部消費者がパニックを起こし、必要以上にコメを買い占めていることが原因であり、「生産不足」の問題ではありません。その意味で、今回のコメ流通の「ボトルネック」は蛇口の部分です。

備蓄米を放出したとしても、問題の解決にはならないどころか、むしろ新米供給が本格化する時期に備蓄米を放出すれば、米価暴落などの市場混乱をもたらします。

また、今年の新米の価格が上昇していることが指摘されていますが、これは流通「価格」の問題であり、流通「量」の問題ではありません。

個人的に、現在の農林水産省の農政に対し、モノ申したい点は多々あるのですが、少なくとも現在のコメ不足に限定していえば、農水省にもJAにも責任はない、という点については自信を持って断言できるところです。

いずれにせよ、現代ビジネスのように影響力が大きなメディアが、「コメ不足は政府の責任」だ、「農水省はコメ農家や天下り先のJAを守るための存在となっている」だのと主張する記事を掲載することが、コメ不足の解消にどれほど役立つのでしょうか。

メディア産業関係者の皆さまには、いたずらに人々の不安を煽る記事を掲載することの弊害を、いま一度、考えてみていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか?

新宿会計士:

View Comments (36)

  • >備蓄米を放出したとしても、問題の解決にはならないどころか、むしろ新米供給が本格化する時期に備蓄米を放出すれば、米価暴落などの市場混乱をもたらします。
     素人考えですが、例えば備蓄米を店頭販売用として10万トン放出し、新米が出回る頃10万トンを備蓄用として回収すれば良いように思いますが。これではだめですかね。。

    • 災害等のように特定地域に無償で配るのなら数日で行き渡るのかもしれません。
      しかし今回のようなケースでは米が不足している地域が異なるのでどの地域にどのくらい供給するのかの調査が必要です。また、流通業者の選定もしなければいけません、無償のマスク配布でさえあれだけ時間を要したのですから早くとも新米の出回る時期以降になったでしょう。ハッキリ言って無駄です。
      仮に早めようと商社等の民間企業に丸投げすれば癒着していると報道されますしね。
      備蓄米放出は災害地域への支援物資供給をパラシュートを使えと言っているのと同じレベルです。

      • そうだ、備蓄米を小型のパラシュートで全国にバラ撒けば解決だ。
        by吉村進次郎

    • 放出するなら備蓄米ではなく事実をマスコミが放出する方法が効果があると思います。
      例えば新宿会計士さんの解説をワイドショーで流すとか、、、

  • 私は、朝食はシリアル、昼食は無類の麵食い、夕飯の主食は酒(ウィスキー、焼酎など)で、令和の米騒動にはほとんど影響を受けていないので、むしろどうでも良い話なのですが・・・

    例えば、原油が値上がりした際に米政府が備蓄を放出する様に、もう少し、日本政府も機敏に対応出来る様な体制が必要だとは思いますね。別に新米の価格が暴落しない程度の量を調整して古米を出せば良いだけなので。

    肉などについても同様で、何か供給不安が生じた際には、緊急的に一時期関税を免除するなんてこともやれば良いんじゃないかと思います。

    そしてそれをやらないのは、ここで古米を「少しでも」放出したり、一時的にも関税を下げたりすると農家や畜産家の顰蹙をかうからだ、と勘ぐられても仕方が無いかな、と思いますね。

    因みに今、一食の主食で一番安いのは恐らく麺類(だと思う)。米が手に入らないとか高いと文句を言っている方々は、しばらくはうどん、焼きそば、パスタを食えば良いのですよ。

    そうするとまた、私の様に米離れが進むのかな・・・

    • どの地域にどのくらい足りてないかを調査してる間に新米が出回ることになるかと。
      しばらく、コメ以外の穀類で腹を満たしましょう。

  • 根拠なく不安を煽るメディアに同調するつもりはないですが、これから徐々に米の生産が細っていく可能性はあると思います。
    他州両品種やさらなる機械化、集約化などで生産減き歯止めがかかるのか、食の多様化による需要減はどうか。などなど
    不安を煽らず冷静に報じてくれるところはないかな

  • >メディア産業関係者の皆さまには、いたずらに人々の不安を煽る記事を掲載することの弊害を、いま一度、考えてみていただきたい

    メディア産業関係者さまは、充分に考えたうえでの仕業だと思えます。
    如何に政権批判の種を見つけて、騒ぎを大きくすることが彼らの本質ではないかと。

  • コメ不足騒動を、新米が出回る直前の年中行事にすれば、販売する業者の方は、在庫一掃出来て都合が良いのではないでしょうか。
    毎年、マスコミは騒いでください。

  • 米(玄米)の在庫があるとすれば水道パイプ(流通能力、精米能力)が細く一時的な需要の増加についていけないということですね。
    だとすると備蓄米(玄米)をいくら放出しても流通能力、精米能力が低いままでは意味がないということになります。

  • 8月の米の販売量で真逆の資料がありました。
    農林水産省:8月になって急増し高止まりの状況が続いた。
    東洋経済:8月になって減少し、時間経過とともに減少は拡大した。
    (資料)
    農林水産省:「米の需給状況の現状について(3)スーパーでの販売量の推移(POSデータ)」より
    東洋経済online:「米が消えた夏」日本人が代わりに爆買いした物」 データでわかった「令和の米騒動」の実態、コメの販売金額と商品数-2024年週別・スーパーマーケット- (出所)インテージSRI+より
     農林水産省は週計で、~8/11は前年比38.8%増、~8/25は48.6%増としている。「品薄」の原因は消費者のパニック的な買いだめとの主張を裏付けるようにみえる。某あやしげなサイトの主張と同じだが、一見して買いだめがあってスーパーの商品棚から米が消えたのなら、急増した後売り物がなくなって急減するはず。あやしいデータである。(私見)
    東洋経済の資料では急増することなく商品数が減少し、麺類や特にパックご飯の販売金額が急増しているとのデータを掲載している。
     東洋経済の記事ではパニック買いも生じたとしているが、データからは単に8月になって商品が減少し消費者は通常とおり購入しようとしても当然に商品不足になり、消費者は米の代替品を購入してことがみられる。
     スーパーの棚から米がなくなった原因は消費者の買いだめか供給減少が原因かは8月の統計資料が発表されれば判ると思います。楽しみに待ちましょう。
     農林水産省は、8月当初は米の在庫は確保されているので需給がひっ迫することないとしてた。(現在は「品薄」と表現しているようですが、私のまわりでは「品無し」です。もち米も米の在庫としているのでもち米は残っているので「品薄」でしょうか。)8/27にコメの流通団体に円滑な流通の確保を要請した。消費者の行動に責任があるとしたり、流通業者の責任にしたりと責任者探しをしているようにみえます。インバウンド需要や輸出にも向けられています。
     インバウンドは月300万人が7日滞在で0・5%の需要増との記事がありました。単純化すれば簡単に計算できます。評価する際は日本人が海外で食べる分は差し引くべきでしょう。
     輸出する米があるなら不足している国内に回すべきとの意見があり、食糧安全の観点からもっともなことです。輸出を止めても自国の痛みが少なく食糧を確保できます。しかし、米の輸入は輸出の8倍あります。輸出を止められた輸入国の痛みは絶大です。互いに輸出を止めあえば日本が最も被害が大きくなります。小麦や大豆の輸出国が自国の需要を優先するためとして輸出を止めた場合どうなりますか。昭和40年代に米の生産がピークの時から600万トン(現在は800万トン)減少しているのを最大限生産を増やして余剰は輸出すれば食糧安全に資するとの意見に一票いれます。減産のために税金を使うよりはいい。
     農林水産省のスーパーでのコメの販売量資料に価格の推移もありました。前年10%上昇し過去の上下のボックス内にあります。認識のズレはどこからでしょうか。また、近年の需給のデータもあり、令和4年は需給は均衡し、その後は需要は生産を上回っています。需給によって在庫が上下します。農林水産省は在庫は低い水準ながら需要を賄う十分な水準としています。某あやしげなサイトの「米の生産量と消費量のグラフによると2010年以降生産が需要を上回っているとのこと・・・・・差は多い年で100万トンに見えます。この通りなら在庫は1年分以上積みあがっているはず・・・・いま食べているのは2年前の米でしょうか。可能性は否定できません。将来に真実はこのサイトのとおりだったなるかもしてません。政府は間違ってはいけませんが、個人は自由な意見があって、相互に尊重されるべきです。
     米の話になると3000年米を作り食べてきた日本人が背負ってきたことが響くのでしょうか、冷静になれない自分がいるようです。

  • もし、今買い占められたコメが、風味が落ちて捨てられたら、マスゴミは、これを日本人の問題として批判するのでしょうか。
    蛇足ですが、農業団体によると、今のコメ価格が適正価格だそうです。もしそうなら、適正価格でなければ、コメは持続可能性がなくなるのではないでしょうか。(代金を消費者が負担するか、補助金などで差額を埋めるかは別問題です)

    • 毎度、ばかばかしいお話しを。
      ○○(好きな言葉をいれてください):「コメは食べるためのものではない。安心感をえるために、積み上げて飾るものだ」
      だれか、笑い話だと言ってくれ。

  • 今の米不足は「流通」の問題であって「生産」や「在庫」の問題ではないのですよね。在庫は足りている。玄米はある。

    流通の時間当たりの精米の出荷能力が変わらないのだから、備蓄米(玄米)を放出したって流通の入り口に在庫(玄米)がさらに積み上がるだけで、何も変わらないような気がしますが。

    「備蓄米を放出したって効果はない」

    • 米のサプライチェーンの絵でも必要なんでしょうかね。
      「↓ここがボトルネック!」
      みたいな。

    • 読み返しての自己レスです。(そんなのばっか)

      「流通の問題」は「流通が悪者」という意味ではありません。流通による精米の供給と末端消費者の需要とのミスマッチです。

  • 米騒動はマスコミの煽動によって作られました。

    思考実験です。
    ①米が有りません、見てください棚がガラガラです。それ、早く買いに行きましょう。
     と煽る報道
    ②見てください、このたわわに実った稲。9月より順次スーパーなどで販売開始される見込みです。
     美味しい新米が楽しみですね。

    ①のような報道をすれば米を買いに走るでしょう。
    不安に駆られると買いたくなるのは人間の衝動です。
    逆に②のような報道がされれば新米が出るまで待つでしょう。
    高くなってる古米をわざわざ買う必要がないですからね。

    去年の作況指数を見れば例年並みです、出鱈目な需要変動がなければ問題ない筈です。
    %で見れば大きく見えるように錯覚しますが
    インバウンドや輸出は全体量から見れば微量に過ぎません。
    例えば輸出は昨年4万トンのたった20%増です。
    対して備蓄米は100万トンです。
    それをまるで飢餓輸出だと言わんとしてる人達の気がしれません。

    はっきり言って国民が冷静になれば解決する問題です。
    それを悪化させようとしているのはマスコミであり
    政権批判をやりたい野党な人達です。
    私はそうした人達をこれから支持しようとは到底思えません。

    ただ1点だけ備蓄米は少数を放出するべきでした。
    値崩れさせるほどは必要ありませんが、市場に供給されるという安心感を与えられるためです。
    国民も山いっぱい米が積まれていることを見れば安心するでしょう。
    百聞は一見にしかずです。

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