今月、自民党、立憲民主党という、日本を代表する「1.5大政党」の党首選が行われます。投開票日は立憲民主党、自民党という順番ですが、自民党側でベテランから若手、女性、現職・元職閣僚らが入り乱れた混戦となる可能性がある一方、立憲民主党側は現職党代表が出馬すらできず、前代表と元首相という「旧旧対立」構図に陥る可能性が出て来たようです。
目次
「2大政党」?それとも「1.5大政党」?
今月は、自民党と立憲民主党というわが国を代表する「2大政党」の党首選が行われます。このうち立憲民主党代表選は9月7日告示、23日投開票であり、これに対して自民党総裁選は9月12日告示・27日投開票で、ほぼ同じ時期に行われる格好です。
ただ、自分で「2大政党」と申し上げておいてなんですが、衆参両院における勢力や国政選挙における獲得議席数などに照らして、立憲民主党を自民党に伍する「大政党」に位置付けるのには、違和感がある、という方も多いでしょう。
現実問題として、統一会派ベースで見て、衆議院では自民党(正確には「自由民主党・無所属の会」)は257議席であるのに対し、立憲民主党(正確には「立憲民主党・無所属」)はその半分以下の99議席に留まります。
また、参議院の側でも同様に、自民党(正確には「自由民主党」)が117議席であるのに対し、立憲民主党(正確には「立憲民主・社民」)は40議席と、勢力では自民党の3分の1少々というていたらくです。
「2大政党」というよりは「1.5大政党」とでも呼称すべきかもしれません。
岸田首相が身を引く自民党
そして、この自民党総裁選と立憲民主党代表選、似ているのは時期だけではない可能性が出てきました。岸田文雄・自民党総裁(現首相)と泉健太・立憲民主党代表、現職の2人が、揃って出馬しないことになるかもしれないからです。
このうち、岸田首相はすでに先月14日、総裁選には立候補せず、身を引くと明らかにしています。
当ウェブサイトは岸田首相に対し、ずいぶんと偉そうに、やたら舌鋒鋭く高圧的に、上から目線で辛辣に批判して来たのかもしれませんが、客観的に3年間を振り返ると、トータルで見れば良い政権だったのではないかと考えています。
原発の再稼働や新増設、安保3文書の制改定や防衛費増額、ウクライナ支援、定額減税、派閥解消など、さまざまな功績・実績を積んだことは間違いないからです(もちろん、対韓外交のように、著者自身としては基本的には評価できない分野もあるのですが…)。
ただ、岸田首相が総裁選に出馬しない理由として真っ先に考えられる理由は、「政治とカネの問題」で責任を取った、というものですが、とある評論家などの指摘によれば、現実には派閥解消で現職議員らから恨みを買い、出馬断念に追い込まれた、という「裏話」もあります(本当かどうかは知りませんが)。
なお、故・安倍晋三総理大臣のように、いったんは退陣に追い込まれたものの、その後再登板を果たした事例もありますので、岸田首相ももしかしたらどこかで再登板する機会もあるのかもしれません。
立憲民主党側は泉氏の推薦人集め難航も?
さて、自民党総裁選はこれから本格化するため、その結果について、現時点で軽々しく予測するのは控えたいと思いますが、それにしても(当選可能性はともかくとして)立候補が取りざたされている政治家が10人前後もいて、層は豊富です。
保守層から人気が高いとされる小林鷹之、高市早苗、青山繁晴の各氏、テレビ受けが良いとされる小泉進次郎や石破茂の各氏、そのほか現職の党幹部・閣僚らからは茂木敏充、林芳正、河野太郎、上川陽子、斎藤健の各氏、さらには閣僚経験者では加藤勝信、野田聖子の各氏などなど…。
小林、小泉の各氏のような若手もいれば、高市、上川、野田の各氏のような女性もいて、人材層の厚みはなかなかのものです。
これに対し、立憲民主党は、どうでしょうか。
一部報道等によれば、もしかすると立憲民主党の側も、泉健太氏が出馬できないかもしれない、といった観測が出ているようです。というのも、立憲民主党で代表選に立候補するためには、自民党総裁選と同様、国会議員20人の推薦が必要だからです。
自民党の国会議員は(両院議長を除いて)370人あまりですが、立憲民主党の国会議員は(両院副議長を除いて)140人に満たず、このため、理論上、立候補できる人数にも上限があります。自民党は最大18人立候補できますが、立憲民主党は最大でも6人しか立候補できません。
泉氏が推薦人集めすらままならず、立候補を断念することになれば、これはこれで滅多にない椿事かもしれませんし、また、辛うじて推薦人集めに成功したとしても、当選もおぼつかない可能性があります。
いずれにせよ、立憲民主党も代表が交代する可能性が出てきた、というわけです。
枝野氏vs「小沢グループ」支持取り付けた野田氏の旧旧対立
では、泉健太氏が退陣したとしたら、次の代表に就任するのは、いったいどなたでしょうか?
真っ先に考えられるのは、枝野幸男・前代表の再登板です。
ちなみに枝野氏は先月、出馬会見を行い、そのなかで「ヒューマン・エコノミクス」を提唱していますが、これについては『立憲民主党では枝野幸男前代表が代表選への出馬を表明』などもご参照ください(といっても、枝野氏の発言を読んで、「ヒューマン・エコノミクス」とやらが理解できるかどうかはよくわかりませんが…)。
こうしたなか、もうひとりの有力候補がいるとしたら、それは野田佳彦・元首相です。つまり、前代表と元首相という「旧旧対立」構造です。
そして、昨日までに複数のメディアが報じたところによると、小沢一郎・衆議院議員が率いる「一清会」が、党代表選で野田元首相を支援すると決めたのだそうです(所属する人数は10人から15人と、メディア報道により微妙に異なります)。
立民代表選 小沢グループは野田佳彦元首相を支援 野党共闘に適任と判断か
―――2024/09/02 22:55付 Yahoo!ニュースより【産経ニュース配信】
立憲民主党・小沢G、代表選で野田佳彦元首相を支援へ
―――2024年9月2日 22:49付 日本経済新聞電子版より
小沢氏、野田元首相を支持=立民代表選
―――2024-09-02 23:35付 時事通信ニュースより
どうでも良いですが、「小沢グループ」あるいは「小沢氏が率いる党内グループ」というのも奇妙な表現です。
どうしてずばり、「派閥」、「小沢派」などと呼ばないのでしょうか?
あるいは、新聞各紙は立憲民主党になにか妙な配慮でもしているのでしょうか?自民党の派閥は舌鋒鋭く批判するわりに、立憲民主党については「派閥」という用語を避け、わざわざ「党内グループ」の用語を用いているように見えるのは、気のせいなのでしょうか?
余談ついでに、野田氏が小沢派…、ではなく「小沢グループ」からの支持を受けることになったという構図は、何となく自民党の「キングメーカー」型政治家に似ているようにも見えてなりません。
そのまま衆院解散も?
それはともかく、立憲民主党代表選が事実上、枝野、野田両氏の一騎打ち―――あるいは、「旧旧対立」―――になる可能性が、現時点ではそれなりに高まってきたようにも見えます。
あるいは、「自民党のやることなすことをすべて批判するのが立憲民主党だ」ということであれば、自民党で若手の総裁が誕生しそうならば、それと真逆に高齢者を、自民党で女性の総裁が誕生しそうなら、それと真逆に男性を、それぞれ立憲民主党は代表に選ぼうとするのかもしれません。
というよりも、立憲民主党代表選の方が先に投票日を迎えるわけですが、その直後に自民党がフレッシュな総裁を選出しようものなら、立憲民主党は「刷新感」のなさに苦慮し、そのまま衆議院議員総選挙に突入、といった展開もあり得るのではないでしょうか。
その意味では、今月の2つの党首選、しばらく目が離せなそうです。
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会員制雑誌「選択」の広告によりますと、「南シナ海、大乱前夜」だそうです。(もちろん、今後、どうなるかは分かりませんが)少なくとも、こういう記事を書いても読者は「荒唐無稽だ」とは思わないのでしょう。だとすると、(自民党総裁選もそうですが)立憲の党首選でも、この時の対応を討論してもらいものです。
蛇足ですが、自民党に続き、立憲も、現党首が党首選に出ないのでしょうか。
前回政権を取ったときと10年変わらない顔ぶれ
野党を育てろとリベラルな人達が言いますが
そもそも育つ気がないのでは?
若手感がある人材とか出てこないんですかね?
また小沢という方はいつまでキングメーカー気取って政局を掻き回すのでしょうか?
自民党長老議員と同じく嫌悪感を抱きます。
ごめんなさい
間違えて返信で記入してしまいました
投稿内容は無関係です
毎度、ばかばかしいお話しを。
立憲泉党首:「バイデン大統領も岸田総理も現職が続投しないのだから、自分が続投しなくても目立たない」
ありそうだな。
立憲なら反財務省積極財政の江田一択です。
チーム立民の実態は、小沢監督率いる「糾弾(きゅうだん)アンチ―ズ」
泉党首の当初の現実思考も、ベンチのサインには首を振れずに翻意。
ボスに党首交代を告げられればマウンドを降りないとなんですよね。
*いっそのこと、自身で登板すればいいのに・・。
今更玉木ンとこ戻れやんやろしナァ泉ン
まー車道辻立ちがユーメーなお師匠の顔色も見らんならんやろし
結局“主義主張”より“規模”なんやろからまー泉氏としても頭数要員で願ったり叶ったりなんやろから相応なんかもしれへんね…知らんけど
自民総裁選ネタも多少入っていましたのでその関連で。
自民は一応、財政再建至上主義か後回しかの路線対立があるやに見えます。
あるいは、マスコミのコントロールのしやすい人とそうでない人の違いとか。
立憲代表選候補にはそんな違いは見えてこないですね。今のところ。
自民・石破茂氏、金融所得課税強化に意欲 「実行したい」 対応策の必要性も強調
https://x.com/Sankei_news/status/1830591471851856369
小林鷹之【金融所得増税よりも中間層の金融所得増を】
https://x.com/kobahawk/status/1830742510081319060?t=Ri6hjUw5qBJ97a_LfnKSJg
(火曜日午前の雑談板に貼ってしまったのでこちらに・・・)
> 小沢グループ
ホントマスコミのこの手の印象操作、辟易します。
自民党は「裏金」、立憲民主党は「記載漏れ」と同じ。
早く今のマスコミに滅びて欲しい。
派閥は諸悪の根源だと言いながら小沢グループ?
小沢一郎が出てくるたびに「政治は金だ!」と顔に書いてあるのが気色悪い。
あっ!たしかに (^^)
体感的にはドンぴしゃの表現すごいです。
それにしても、あまりに
金権利権強すぎ派だったため追い出され
自民党では生き残れなかった小澤さんも
あの野党なら余裕綽々なんですねえ(笑)
党首選は国民選挙じゃありませんね
国民の期待から乖離しないよう願いたいものです
もちろんあっちの党も
こっちは願うだけ無駄でしょう
マスコミでは自民党、民主党の党首選を同列に扱っているようです。
自民党の党首選は日本の総理大臣を決める選挙なので国民が注視するのは当然ですが、スキャンダルほじくり民主党の党首が誰になろうが、どーでもよいです。民主党の候補者が誰だとかいちいち報道しなくても、結果だけ知らせてくれればよいと思っているのは私だけでしょうか。
さてさて、
立憲民主党の党首選などというものは
日本のメディアが懸命に報じてはいても
はたして多数派国民には
ハクソほじりながらでも聞き流して貰えれば
まだありがたいと感謝するべき程度の位置づけ
のものなのでは?と思います。
さらに、もし小澤さんがなったらなったで、
それはマスコミさんのしたり顔の解説報道
みたいなものは今は無力で、
一般国民から「ありゃりゃあ(笑)」と
厳しい評価を受けるだけなので
それはそれで彼らのありようからの選択なので
そんなもんだと鑑賞してあげれば
いいのではないのかという寛容な姿勢の私です。
どこの党員でもない私は、
自民も立民も党首選はどこ吹く風です。(^^)
しかし、アンチ自民の人たちは
ネットでしきりに石破推しし
マスコミも意味のないアンケートで
自民党の総裁選を論じているのは滑稽です。
ならば私も(^^)/、立民党首戦語ってもいいのでしょう
枝野と小澤では、
あまりの落ち武者感しかありません。
人材欠乏でしかたないのでしょうが
普段無駄に威勢のいい
THE小西議員(以下、略称:ザコニシ)さんや
都知事選終わったあともごねてたRさんなどは
どうしちゃったのでしょうか?
ここはやはりカサコソ隠れてないで
堂々と名乗りを上げるべきでしょう。
なんせ私は、人も政党もそのありように
正直なのが一番だと思います。
なので・・・
~党風と支持者の生きザマを体現した~
ザコニシ立憲民主党党首実現を応援します!
ガンバレー (^^)/