岸田文雄首相は14日、記者会見に応じ、今年9月に行われる自民党総裁選に出馬しない意向を明らかにしました。岸田政権の3年間、あまり良くない政策、中途半端に終わった政策などもありましたが、著者自身の個人的な評点としては、100点満点中、合格点の60点を大きく超える70点くらいの成果はあげたのではないかと考えている次第です。
※せっかく速報的に執筆したのに、記事公開ができていませんでしたので、2024/08/14 14:25付で強制公開しています。
端的にいえば、残念です。
岸田文雄首相は14日の会見で、今年9月に行われる自民党総裁選に出馬しない意向を示しました。いわゆる「裏金」問題で、自身が「自民党」という組織の長として「責任を取る」ということです。
ただし、前任者である菅義偉総理大臣の事例などでもわかるとおり、自民党総裁選から内閣総辞職まで、少しタイムラグがあります(実際、自民党総裁選は2021年9月29日投開票でしたが、菅内閣が総辞職したのはその約1週間後の10月4日のことでした)。
実務的には、岸田首相の退任と新内閣の発足も、10月に入ってからになろうかと思われます。
この点、当ウェブサイトとしては、岸田首相の政策について、良い面と悪い面があると申し上げ続けてきました。
悪い面から指摘するならば、その典型例は、対韓外交です。
自称元徴用工問題を含め、日韓諸懸案は積み残されたまま、みせかけだけの日韓関係「改善」の事実が積み重ねられ、せっかく菅総理や故・安倍晋三総理大臣によりつくられてきた「普通の国と国同士の関係」が、後退してしまった可能性があることについては、深く憂慮される点です。
アベノミクスや政治主導が後退し、岸田政権下で任命された植田和男・日銀総裁が最近、金融緩和を徐々に解除しつつあるのは気がかりな点でもあります。
また、中途半端に終わったものとしては、減税があります。
岸田首相のイニシアティブで、今年は定額減税が実行されましたが、この減税は過去最大の税収を国民に還元するものだといいつつも、たった1度限りで、しかもいわゆる「ブラケット・クリープ」対策もなされていないなど、中途半端なものに留まっています。
しかし、こうした点もさることながら、あくまでも個人的な主観に基づき、岸田政権を100点満点で評価するなら、合格点の60点を大きく上回る70点くらいは取れたのではないでしょうか。
このように考える大きな理由は、やはり、ウクライナ支援を含めた外交のさまざまな成果です。
メディアはろくに報じませんが、今年4月11日に米上下両院合同演説で岸田首相が米連邦議会議員に激を飛ばしたことが、米国によるウクライナに対する新たな武器支援、今年6月のG7での対露セカンダリー制裁の強化に結実した可能性は濃厚だ、というのが著者自身の見方です。
また、経済安保法制、原発の再稼働・新増設などのエネルギー安保、防衛3文書の制改定などの安全保障環境の大幅な改善なども、極めて高く評価される点でしょう。これに加えて岸田首相は、今年1月に発生した能登半島地震を受け、その復旧・復興支援に精力的に取り組んだことは忘れてはなりません。
なにより、岸田首相のイニシアティブで、憲法改正に向け、議論が大きく進み始めたことは、高く評価されるべきでしょう。
正直、政治資金収支報告書の不記載問題については、あってはならないものですが、岸田首相自身が起こしたものではなく、「安倍派」(清早生施策研究会)などの問題です。
安倍総理自身が生前、いったん止めさせたのに、安倍総理が暗殺されて以降、安倍派の議員たちが復活させたという意味では悪質ですが、これに岸田首相が責任を取るというのも、なんだか理不尽ではあります。
いずれにせよ、岸田政権は遅くとも10月までに退陣することが確定した格好ですが、これから「後任選び」が本格化するなか、日本の政治の安定を願わざるを得ないと思う次第です。
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岸田政権を擁護するわけではないですが、岸田の不出馬残念です。
個人的な感想としては、裏金問題、パーティ券問題、統一教会、増税印象操作など、メディアによる印象操作に敗れたような感想をもちました。衰えたとはいえ、腐っても鯛、メディアスクラムを組んだ新聞メディアの権力はまだまだ健在だと言わざるを得ないように思います。
岸田はダメたところも多いと思いますが、バランスの取れたなかなかいい首相だったのではないかと思います。ポスト岸田を眺めても、まだ岸田の方が「マシ」と思わざるを得ないような状況です。メディアとしては、どうしても石破か河野を首相にしたいのでしょうかね。
ちなみに、保守層は高市首相を望む声も多いと思いますが、私は高市氏は総裁選に勝てないのではないかと思います。理由は党内の人気が無いんじゃないかという事です。私の感想でも高市氏は少し清廉すぎるように思います。高市氏、応援してるんですけどね。
岸田文雄氏の総理大臣の評価で、マイナス点は裏金問題を解決できなかったことであります。岸田氏自身が当事者でもあるのですが、国民に対してどのくらい脱税していたなど言明していません。ゆえに責任を取って次は出馬しないなどといっても話になりません。
自民党としても誰を総裁・総理大臣にといっても左程優秀な人材はいません。
次に総理大臣になる人は、自民党の金権政治に「ケリ」をつけるのでしょうか?
岸田文雄氏が次期総理大臣を育成できずに辞めるということは、0点です。
当方は褒め殺し街宣車が暴れまくっていたのをよく覚えています。新宿通りや砂防会館の近くで軍歌や騒音をさんざん聞かされました。今こそ「岸田文雄総理はエライ」街宣車を出すタイミングと思います。ふざけて言っているではありません。
実績全てに賛同はしないですが本人なりに身を粉にして国に尽くしたことには違いなく、敬意を表したい思いです。
「党内から選挙で勝てないと言う声が上がっている」としきりにメディアが書き立ててますが、実際選挙やればそれほど悪い数字にはならない気がするんですがね。
良きにつけ悪しきにつけ、「人の話を聴く」がついて回った感想です。
現職総理が総裁選に出ないとなれば、宏池会からは小野寺氏出馬の芽が生まれるのかと、そちらは気になります。でも派閥解消の建前もあるし、ちょっとないかな。
自民党は政権失いたくないのであれば史上初の「女性宰相」を担ぐべきだろう。
自民党の議員はそれわかってると思うけど
私は、菅前総理を後ろから撃ったキシダ氏は、そもそも最初から評価出来ません。何もおかしくないコロナ対応の際、何故PCR検査を全員にやらないんだ、とか、ワクチン一本足打法だとか、菅前総理がマスゴミに袋叩きにあっていた際、「私「は」国民の声を聞きます」とのふざけたスローガンで菅前総理を不出馬に追い込んだのが、キシダ氏ですよ。マスゴミから袋叩きにあって、不出馬に追い込まれたのは「因果応報」でしょう。菅前総理が自ら総理を引退された後なら、まだ少しは「在任中は何点でした」なんて、論評もできたかもしれませんがね。所詮は、総理になりたかっただけの「裏切者」ですよ。
「総裁候補に名前のあがる自民党の人材なら、誰でも岸田首相よりはマシ」と広言してきた私にとって、本件は朗報です。これで、すっきりと次期総裁には誰が良いか、の選択に入れます。
不出馬会見で岸田首相が自らあげた功績①賃上げ促進②エネルギー政策転換③少子化対策④防衛力強化⑤G7広島サミットの開催、のうち他の人が総理総裁ならやっていなかったと思えるのは、②くらいだと私は評価しております。
私が岸田不支持に転じた直接の契機は日韓問題、とりわけ①レーダー照射事件の棚上げ②日韓為替スワップの再開ではありますが、いわゆる裏金事件をめぐる対応もひどかった。このような違法対応が、なぜ永年何人もの国会議員がそれを知りながら放置されてきたのか、第三者委員会を設置しその真因を究明し再発防止策を講じるべきなのに、真相はうやむや、対策はパーティー券の公開基準引き下げの政治資金規正法の改定では、あきれてものもいえません。
ただ、このタイミングでの不出馬表明は、とても良かったと思っています。もっと権力に固執するお方か、と思っていただけに、意外でした。
先週の、麻生氏、森山氏との一連の会談で、力強い支持が得られなかったのかなあ。
登場の時からおかしかったね。
「新しい資本主義」だって。自分が何言ってるのかわかってるのかね。恥ずかしくないのかね。
小泉さんや安倍さんを見てたんだね。大きな事ぶち上げれば人気が出る。
それをまねしてズッコケた。
減税を発表しても「し~ん」専門家は「今は減税するときなのか」
財務大臣の顔は「あのバカよけいなことしやがって」
もしマスゴミや野党が「岸田総理だと総選挙で負けることを恐れた自民党が、岸田総理を下した」と批判するなら、(バイデン大統領を下してハリス副大統領を立てた)アメリカの民主党も批判しなければ、おかしいことになるのではないでしょうか。
蛇足ですが、岸田総理は、安倍元総理に倣って、再登板できると考えているのでないでしょうか。
個人的には、岸田総理には95点くらいの評価です。
対韓外交も、個人的には問題無いという評価です。
何故なら、譲歩なんて一つもせず、法秩序に則った現実的対応を返しただけだからです。
韓国に対して、特別扱いなんてものはありません。
レーダー照射問題についても、今の国際情勢でいつまでも宙ぶらりんとして、落としどころを探らないのは、無責任というものです。
目まぐるしく変わる国際情勢の中で、手筋を間違えれば日常生活を送ることさえ出来なくなりかねないところを堅実に政権運営をして、国際情勢の影響を抑え込み。安易に大衆に迎合した人気取り政策に走ってより問題を深めるような真似をしなかった点は大きいと思っています。
-5点分は、説明の不足です。騒ぐ人間にも納得出来るだけの説明をしていた方が、よかったと思います。もっとも、そういった人達は説明しても聞く耳と頭を持っていないので、説明するだけ無駄とも思いますが。
やたらと岸田総理を不安視していた人達の予言の通りだったら。今頃はこんな状態になっていなかったはずですけどね。
何しろ、彼らにとっては、岸田総理は財務省の犬で親韓媚中の無能で、安倍総理を否定することに心血を注ぐ人物らしいですから。
人の行動は、内的理由よりも外的理由によって決定されることが多いわけです。なので、そういった根拠は、基本的な帰属のエラーの認知バイアスに偏った、論理性がない理屈でしかないのですが。