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    Categories: 外交

訪露後の鈴木宗男氏による発言から見えるロシアの苦境

鈴木宗男参議院議員は先月28日から4日間、ロシアを訪問しました。同氏の訪露はロシアによるウクライナ侵攻以来、2度目です。その鈴木宗男氏は4日、テレビに出演し、「ロシア側の基本的な考えは『我々は、和平、停戦を望んでいる。それを拒否してきたのがウクライナだ』」としたうえで、「ロシアは困惑している。ロシアは、停戦の話し合いをしたいと様々なチャンネルを通じて言っている」と述べたそうです。

鈴木宗男参議院議員といえば、「ロシアを頻繁に訪問している日本の国会議員」としても知られており、その言動を見ていると、日本国民の代表者なのか、それともロシアの代弁者なのか、正直、よくわからなくなることもあります。

その鈴木宗男氏は先月28日からモスクワ入りし、4日間の滞在でロシア外務省や漁業庁の政府高官らと相次いで会談するなどし、今月1日、帰国しました。鈴木宗男氏の訪露は、ロシアによるウクライナ侵攻開始後だと2023年10月に続き、2回目です。

この訪問に関し、林芳正内閣官房長官は29日の会見で、「どのような目的であれ、ロシアへの渡航は止めていただくよう国民に求めてきている」などと述べたとされているなど、政府としては訪露は「望ましくない」との立場にあると考えられます。

では、どうして鈴木宗男氏は頻繁にロシアを訪れるのでしょうか。

これについてヒントになるのが、「国益」という表現かもしれません。

鈴木宗男氏が帰国した1日付で『FNNプライムオンライン』が報じた次の記事では、鈴木宗男氏は「一番国益を考えている者が悪く思われて、何もしないのがいいなんてことはない」、などと述べたと伝えられています。

ロシア訪問の鈴木宗男議員が帰国「一番国益を考えている者が悪く言われる」林官房長官の批判に反論 成果も強調

―――2024/08/01 20:39付 Yahoo!ニュースより【FNNプライムオンライン配信】

ここでも、「国益」という表現が出てきます。たとえば、こんな具合です。

鈴木氏は、北方領土の歯舞群島・貝殻島周辺での日本漁船によるコンブ漁の再開もロシア側に要請していて、『8月3日に灯台の修理を終える予定で、『安全性が確認されてから速やかに再開したい』と、非常に前向きな話があった』と語り、訪露の成果を強調した」。

すなわち、ここでいう「国益」とは、北方領土周辺でのコンブ漁を含め、地元漁民などにとっての利益を意味していると考えられます。

もちろん、地元の漁民にとっては、この海域での操業は死活問題でしょう。

ただ、それと同時に北方四島周辺は(少なくとも日本政府の立場では)「日本固有の領土であるにもかかわらず、ロシアに不法占拠された状態」にあるはずであり、そのような海域での操業を、その不法占拠者であるロシアに求めるというのも、そもそも論としておかしな話でもあります。

言い換えれば、外交当局者でもない野党議員のひとりという立場にありながら、まるで「不法占拠者」であるロシアにこの海域の主権があるかのように振る舞うこと自体、じつは国益には背く行動だといえるのではないでしょうか。

すなわち「日本の」国会議員であるならば、鈴木宗男氏はせっかくモスクワくんだりに出掛けたのなら、本来ならばそこで「北方四島の主権は日本に帰属する」と毅然と主張してくるべきだったのです。その意味で、鈴木宗男氏のいう「国益」については、その定義がそもそも間違っている、という可能性がありそうです。

ただ、鈴木宗男氏の言動を眺めていて、他にも注目しておくべき論点があるとしたら、彼の発言からは、ロシアのホンネがポロポロと出て来ている可能性がある、ということかもしれません。同じくFNNプライムオンラインが配信した次の記事が、その典型例でしょう。

ロシア訪問の鈴木宗男氏「ロシアは困惑している。“停戦拒否はウクライナ”が基本的考え」

―――2024/08/04 09:47付 Yahoo!ニュースより【FNNプライムオンライン配信】

鈴木宗男氏は4日、フジテレビの番組『日曜報道THE PRIME』に出演し、ロシアによるウクライナ侵攻に就いてのロシア側の立場を、次のように述べたそうです。

  • ロシア側の基本的な考えは『我々は、和平、停戦を望んでいる。それを拒否してきたのがウクライナだ』
  • ロシアは困惑している。ロシアは、停戦の話し合いをしたいと様々なチャンネルを通じて言っている

これもなかなか面黒い発想です。

ロシアの当局のホンネは、「停戦」にあるのではないか、とする仮説が裏付けられた格好だからです。

以前から当ウェブサイトにて言及してきたとおり、ウクライナ(やそれを支持する西側諸国)が停戦に応じず、そして経済制裁も解除されないことで、ロシア経済はボディブローを喰らい続けるがごとく、ジワジワ弱体化していく可能性があります。

この点、FNNプライムオンラインによると、鈴木宗男氏はロシア経済について、こう述べたそうです。

デパートの食料品売り場を見に行ったが、ものは豊富だ。ロシア経済は安定している」。

この点は、じつはそのとおりでしょう。

以前の『現在のロシアは意外と豊か…経済制裁は効いているのか』でも取り上げたとおり、今年に入ってからロシアを観光で訪れた、とあるYouTuberの方(※リンクは敢えて示しません)によれば、とりあえず首都・モスクワや第二の都市・サンクトペテルブルクでは、日常生活物資に不足は生じていないそうです。

また、物価水準についても「日本人の感覚からすれば」全体的に安く、スーパーにも商品がたくさん並んでいるなど生活に余裕が見られる状況であり、治安も良好で、市民生活が立ち行かなくなっているという印象はないのだとか。

(※ただし、これらはあくまでも主要都市の状況であり、ロシアの地方などがいかなる状況に陥っているかについてはまた別の議論でしょう。)

しかし、『深まるロシアの中国依存…「友好国」も取引を続々中断』でも取り上げたとおり、最近だと中国の銀行がロシア企業との取引を断る事例も相次いでいるようです。

米バイデン政権の対露制裁にはまだまだ甘い部分も多々ありますが、それでも西側の制裁で徐々にロシアの経済基盤が侵食されている可能性があることは注意せねばならず、鈴木宗男氏の発言も裏読みすれば、「ロシア経済は苦しい」、「制裁を解除してほしい」、というメッセージなのかもしれません。

もっとも、そんなレベルの情報など、正直、鈴木宗男氏ごときの発言によらずとも、いくつかの統計データなどを通じ、明らかになっている部分も多々あります。

その意味では、鈴木宗男氏の訪露については正直、(当ウェブサイトで取り上げておいてアレですが)ニューズ・バリューは非常に低いように思えてならないのですが、いかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (34)

  • 現在のロシアはソ連時代の膨大な軍事的な貯蓄を食い潰して戦争を継続しています。
    古い戦車や大砲を再生して使用しているのです。
    果たしてそれがいつまで出来るでしょうか?
    どんどん脆弱な兵器で更新されていくのです。

    真っ当な方法で戦争目的が完了できるなら速攻で決めます。
    それが出来ていない以上消耗戦で人的資源と物資をすり潰す我慢比べにしかならないでしょう。

    ロシアが戦争に勝とうするのであれば件の議員のような親ロシア派の政治家に煽動させることです。
    外部から圧力を掛けて有利な条件で戦争を終わらせようとするのです。
    故にこのような議員をロシアは重宝しているのでしょう。

  • 2018〜2021の通商白書を読んでるのですが、元々ロシアはクリミア危機に対する欧米諸国の制裁で国内品への置き換えが進んでて、ウクライナ侵攻によって欧米の制裁強化を受ける前にある程度制裁に耐えられる経済に移行してたんだなぁと。

    産油国で原油を輸出したりしてるし、大陸国家ならではの自己完結性があるから、天候不順で主食の大不作でもないとなじわじわとしか効き目がないんでしょうから、じっくり腰を据えてロシアより一日長く我慢するのが肝要ですね。

    • 野党議員がロシアとの繋がりを持っておこうとするのは、別に悪いことではないとは思います♪

      >通り一遍の表向きの話だけで官房長官が言うこと自体が、外交になっていない。

      ただ、こんなことを言って議員外交を進めるなら、せめてロシアがどんな停戦条件を考えているのか、みたいなことを含めて情報を取って来て欲しいのです♪

      なんてなことを言っても、きっと「交渉事は内容を明らかにすべきでない」とか言ってウヤムヤにするんだろうなって思うのです♪

      • クロワッサン様

        ごめんなさい
        m(_ _;)m

        クロワッサン様のコメントへの返信ではなくて、単独のコメントとして投稿したつもりでした♪

        誤爆だったのです
        ((´。• •)´。_ _))

      • >野党議員がロシアとの繋がりを持っておこうとするのは、別に悪いことではないとは思います♪

        あまりにも日本政府との立場が剥離している場合、それは「分断」を意味します。それはロシアや国際社会に誤ったメッセージを送るでしょう。

  • かつて中川一郎氏の秘書だったのがウリで(もう誰も知らんよ)国会議員としては独特な存在の(良くない意味で)ヒトですが、主張も立ち位置もアヤフヤ、個人的には何故議員で居られるのか、まったく意味不明です。その議員氏が辞めとけと言われているロシア訪問をし、露国にすればやすやすと餌巻きせずとも広報官が来たな、という事では無いでしょうか。

    「墓参したいなら、ロシアのビザを取って墓参してくれ、実際には実施の手段はない」千島列島に南樺太は日本国領土ですよ?北海道の事だけでも考えてくれれば良いが、この議員には国益なんて事は、頭ん中はスッカラカンなんでしょうね。ロシア通ぶっているが、ナンも知らんヒト(笑)。今のロシアの苦境も見えないらしい。

    • ロシアに奉公するのが日本の「国益」だと思っているのです。ロシアはこうやって日本を分断します。中国も同じことをしています。

  • ロシアがアメリカの軍事同盟国の日本に北方領土を返還するかもしれないという発想はどこから出てくるんだろう。

    返還するわけないと思うけど。

    • 完全にその通り。

      プーチン「米軍基地を置かないと法的に保障してくれればまず2島を返還する」
      アベ「それはできない」
      プーチン「この話はなかったことに」

      これがすべて。

    • ロシアは北方領土を第二次世界大戦で得た正当な領土と位置付けており、日本に変換する理由はないと認識しています。さらにロシアは日露平和条約締結の条件として日米安保からの離脱を日本に求めています。
      つまりロシアが日本に求めているのは「中立化」であり、ウクライナに対して求めていたものと類似しております。

  • >ロシア側の基本的な考えは「我々は、和平、停戦を望んでいる。それを拒否してきたのがウクライナだ」

    鈴木宗男さんがテレビ番組で示した上記の「ロシア側の立場」を、「ロシア経済は苦しい」、「制裁を解除してほしい」、というメッセージであると捉えることは可能だとは思います。

    一方で、自分は、上記の「ロシア側の立場」が意味するところはむしろ、「ロシアは、和平を望む自分の立場を正当化し、和平を拒むウクライナを悪であると定義している。」、「ロシアは停戦を望んでいるが、ウクライナが応じない限りは戦闘行為(侵略行為)を継続する。」ということなのではないかと思っております。

    すなわち、ロシアは、悪であるウクライナを攻撃する自らの行為も立ち位置も正義であると認識しているし、ロシアが自ら進んで戦闘行為(侵略行為)をやめるつもりもない、ということであり、経済が苦しかろうが、制裁を食らってようが、ロシアはウクライナ侵略行為を自らの意志で継続すると宣言しているに等しいものと思います。

    ウクライナは友好国等からの支援もあって、現在は何とか持ちこたえているようですが、ロシアがとことんやる姿勢を崩していない以上、先行きは決して楽観できないものと思います。

    少なくとも、ロシアが、ウクライナの出方に関わらず、自らの意志で停戦する気になる程度には、ロシアへの締め付けを強化する必要があるのではないかと思います。それも、ウクライナがロシアの圧倒的な物量にものを言わせた攻撃によって押し切られてしまうよりも前に、実行する必要があると思います。

  • このサイトではたびたびロシアの苦境を伝えてきました。

    ・西側の援助は無尽蔵
    ・ロシアへの経済制裁は効いている
    ・ウクライナへの資金援助は正しい

    こんなことを書いてきたようです。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/79c14a037779b2b0b648c46472f9fecc4c68e710

    おやおやおや~

    何とウクライナがデフォルトしてしまいました(>_<)

    わずかばかりの利息が払えなかったようです。

    なぜ西側は利息程度の援助が出来なかったのでしょうか?

    もしかして西側が苦境なのでは?

    それにしても秀逸なのはコメント欄です。

    もう一般国民はこの戦争のカラクリをよく理解している。
    この前に続いてウへの批判の嵐が続いています。

    もう答えは出ているのではないでしょうか?

    欧米日とまだ資金援助をするのですか?

    このサイトはウクライナ応援団の「最後の砦」として頑張っていただきたいしだいです!

    • 利息が払えない程度にウクライナが困っているのも、西側はそこまで
      ウクライナを手厚く保護する気はないのも事実でしょう。ですがそれで
      否定できるのは精々

      ・西側の援助は無尽蔵

      であって、

      ・ロシアへの経済制裁は効いている
      ・ウクライナへの資金援助は正しい

      への反証にはなっていないのでは?そもそもこのサイト、「西側の援助は無尽蔵」と
      書いていましたっけ?「ロシアに比べれば西側の方が経済的余裕はある」と
      言うニュアンスなら読み取ってきましたが。

    • あのお…。
      お言葉ですがブログ主さんがこんなツイートしてました。

      数十兆ドル規模の世界の債券市場が、日本円にしてたかだか数兆円レベルのモラトリアムで混乱するとも思えない。 https://t.co/MGOsKs6Y2P— 新宿会計士 (@shinjukuacc) August 3, 2024

      これについてご見解をどうぞ。

    • 雪だんご 氏

      ・ロシアへの経済制裁は効いている
      ・ウクライナへの資金援助は正しい

      前者は戦後に明らかになる。
      私は戦争による物価高、インフレでロより西側が疲弊しているとの考え。

      後者はリンクのコメントをよく読んでほしい。

      >「西側の援助は無尽蔵」と書いていましたっけ?

      「ウへの武器供給は無制限」という記述があった。
      私が直接苦言のコメントを入れたのでよく覚えている。

      別の匿名 氏

      このサイトでは開戦初期にロシアのデフォルトをこれでもかと記事にしていた。
      そして時間が経っていざデフォルトしたのはウクライナ。

      こんな皮肉な話はない(もっとも管理人様は初期を忘れているかもしれないが)

      • >このサイトでは開戦初期にロシアのデフォルトをこれでもかと記事にしていた。

        ええと…。
        それってロシアのデフォルトのインパクトが大きかったからで、ウクライナのデフォルトのインパクトが小さいという論点と同じじゃね?

        アオキ様のコメントって一々具体性が無いんですよ。

        会計士様がいつも金額を出して議論しているのに、アオキ様は金額や数字がない。

        デフォルトのインパクトを言うなら世界の債権市場の規模や宇露両国の債権発行額を調べてみたらどうです?

    • ピンぼけかと。

      ねずみ講の社会では、ピラミッドの頂点だけ見てても全体像はわかりませんよ。

      なおかつ、どちらかが勝つか負けるか、という丁半賭博の話ではなくて、
      「共倒れしろ」
      というスタンスで西側は援助している(僕の私見)のだから、ウクライナは青息吐息でプーチンが勝つ!とか言ってる方がずいぶんとオメデタイですな。

      西側の支援は無尽蔵ですが、ウクライナが勝ちそうになると停まります。
      ウクライナが負けそうになると迅速にデリバリされてます。
      それだけの話かと思いますよ。

    • わずかばかりの利息なら受け取る側が支援と思って我慢すればいい話。
      ちなみに格付け会社が例えデフォルトを宣言しても、国、特に潤沢な支援が約束されてるウクライナにはどうってことはありません。民間からお金借りるのは厳しいねって評価なだけですから。
      支援は債務免除も含めこれからも続くでしょう。ロシアから金融凍結でぶん取った資産が多いのでそこそこ支援は続けられますね。
      ロシア対全世界の資産バトルならロシアに勝ち目ないですね。

      ロシアウクライナ戦争の勝ち負けは資金でつくものではなく、替えの効かない人的資源の損耗具合で決まるはずです。ロシアに比べて小国であるウクライナは西側支援あっても厳しいので、領土妥協を含む停戦というのが現実的な路線かなぁとは思いますけど。

    • ここで孤軍奮闘されているアオキさまには、ある意味尊敬の念を抱きます。
      是非とも頑張っていただきたいしだいです。

      ところで

      >ロシアへの経済制裁は効いている

      に対し、雪だんごさまは反証になっていないと指摘されています。
      その回答として

      >前者は戦後に明らかになる。
      >私は戦争による物価高、インフレでロより西側が疲弊しているとの考え。

      それは「ロシアへの経済制裁は効いている」の反証にはなっていないです。
      ご自身でも比較論にすり替えていますよね。

      また
      >前者は戦後に明らかになる。

      と仰いながら、

      >もう答えは出ているのではないでしょうか?

      と、これまた矛盾していますし。

      もう少し論理的な方かと思っておりました。
      頑張っていただきたいしだいです!

    • CRUSH 氏

      西側がウロの共倒れを狙っているのは確かでしょう。
      ただ欧米のインフレ、財政赤字拡大、債務残高増大は当初の想定以上だと思いますよ。
      私はウと中東で西側を泥沼に引きずり込めばよいと考えています。

      G 氏

      潤沢な支援が約束されているなら、なぜわずかばかりの利息が払えないのでしょうか?

      少し考えておかしいと思いませんか?

      欧米はインフレ、財政赤字拡大、債務残高増大が進んでいる。
      もうこれまでのような軍事援助、資金援助はできない。

      応援団は必死に矮小化しているがウのデフォルトは西側苦境の証拠です。
      最後は西側以外の各国の勧告をウが受け入れて停戦となるでしょう。

      転勤族 氏

      >ロシアへの経済制裁は効いている

      ロ中銀が各種データを非公開にしてるため制裁の効果は外部からは正確にうかがえない。
      それまでは親ロ派と応援団は永遠の平行線となります。

      >前者は戦後に明らかになる。
      と仰いながら、
      >もう答えは出ているのではないでしょうか?
      と、これまた矛盾していますし。

      戦後に明らかになるのは経済制裁の正確な効果について。
      答えが出ているとしたのは資金援助が正しいのかについて。
      (繰り返すがリンク先のコメント欄をよく読んでくれ)

      何も矛盾していないと思うが。

  • >ロシアは、和平、停戦を望んでいる。
    そんなの簡単。クリミアを返し、すべての占領地から軍を撤退させ、戦争犯罪の賠償金を支払い、ウクライナの復興費用を全額負担すれば、今すぐにでも戦争を終わらせることができますね。これぐらいの分かり易い条件を宗男さんはロシア側に提案してきたのかな?まさか、ムネオハウスの修繕を頼みに行ったのではないですよね?私は、こっちの目的の方がなんだか腑に落ちますけれども。

  • 「〇〇は、和平、停戦を望んでいる。それを拒否してきたのが✕✕だ。〇〇は困惑している。〇〇は、停戦の話し合いをしたいと様々なチャンネルを通じて言っている。」

     古今東西の戦争当事国は全て、同じことを言います。仕掛けたか仕掛けられたか、有利か不利か、正義の有る無しを問わずです。
     鈴木議員の伝えた言葉は全くの無意味です。

     正確にはこう。

    「ロシアは"有利な"和平、停戦を望んでいる。それを拒否してきたのがウクライナだ。ロシアは困惑している。ロシアは"ウクライナが合意できない条件での"停戦の話し合いをしたいと様々なチャンネルを通じて言っている。」

     ウクライナ側も、立場を入れ替えた同じ事を言うはずです。当然、各国の外交チャンネルはこんな話自体は聞き流し、自国の国益に鑑みて行動を判断するだけです。
     鈴木議員の伝えた言葉は全くの無意味です。

    • はい、ロシアは停戦交渉の「条件」として「NATO加盟の断念」と「クリミア半島、ドネツク・ルガンスク・ザポリージャ・ヘルソンの四州の割譲」を提示しています。「停戦の条件」ではなく「停戦交渉の条件」です。つまり停戦交渉ではさらなる要求が突きつけられる可能性があります。また、交渉前の領土放棄は事実上の「降伏」です。ロシアはウクライナに降伏勧告を突きつけているのです。

      •  押した状態で交渉にこぎつければ後は思うがままに出来る、というのがロシア側の志向でしょうね。これもまたロシアに限らず勝ち側の特権であり、古今の停戦工作の基礎でしょうけども。
         故に押し切れる根拠を確保しないまま「まずは交渉を」など、ロシアはおろか誰も選択しないでしょう。夢見がち左派が主張しがちですし、ウクライナの惨状を見聞きした善良な方も少なからず賛同してしまっていたようにも感じますが。
         そして押し切れると判断させない為の要が"経済制裁"や"西側の支援"ですね。

         ロシアはその要求を通すために継戦するわけですが……"圧倒的軍事大国たるロシア"がいつまで経っても決戦に移行せずこのような声明を出すだけ、というのがよくわかりません。西側が皮算用をしているうちにとっとと大勝利をしてみせた方が得でしょうに。
         「ロシアに制裁など効かない」という主張を目にしますが、耐えられるか否かで言えば耐えられるとしても、制裁されるほどに得などということはあり得ない。
         得するとすれば、ロシアも疲弊しつつも西側の自傷ダメージの方が"遥かに"大きくなる場合ですが……どう考えてもそうは見えないし、もしそんな状況に引きずり込まれたことに西側が気づいたら、得意のご都合主義で力に頼るでしょうし。
         なんとも不気味な戦争です。尚の事、鈴木議員に何か影響力を発揮できるとは思えず。

  • 「ごね得の連鎖は断ち切らないと」いけないんですよね。
    彼は理解できないのだろうか?次は北海道なのに・・。

    • “アトは野となれ山となれ”的心境なンちゃいます?
      『大物界の小物』だか『小物界の大物』だかの評価は伊達なのか否か、イズレニセヨ今般のウクライナ侵攻の進捗状況から“自分の目の黒いうちは北海道侵攻は無い”と踏んだンでしょ
      海を隔てたアメリカ合衆国の同盟国に攻めこむのは地続きのウクライナに行くよりハードル高いでしょうから…

  • >ロシア側の基本的な考えは『我々は、和平、停戦を望んでいる。
     基本的な文言を間違えている。
     国際法上、和平を前提として戦いを止めることを、「停戦」とは言わない。「休戦」と言う。
    「停戦」とは、捕虜交換や死傷者の収容のような限定的な目的のために、前線の部隊が一時的に戦闘を休止することを言う。停戦では、目的を達したら、戦闘は即再開される。
     弁護士にも、何回教えてやっても理解せず、「即時停戦」を連呼する者がいるのですが。

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